有効な交差の例

ここでは、有効交差グループと有効交差ルールの例を示して、単純、複雑およびエッジケースのシナリオをいくつか説明します。

例: アンカーおよび非アンカー・ディメンション

アンカー・ディメンションの選択は重要です。アンカーのディメンション定義に基づいて、異なる結果が作成される次の例を検討してください:

  • 有効交差グループ1では、アンカー・ディメンションとしてエンティティが定義され、非アンカー・ディメンションとして製品が定義されています。

  • 有効交差グループ2では、アンカー・ディメンションとして製品が、非アンカー・ディメンションとしてのエンティティとして逆に定義されています。

表18-1 例 - アンカー・ディメンションはエンティティです

有効交差グループ アンカー・ディメンション - エンティティ 非アンカー・ディメンション - 製品
1 DESC(500 - 製造) - 選択されていないメンバーは有効です DESC(P_TP1 - コンピュータ設備)

グループ1は、製造の子孫であるエンティティが、コンピュータ設備の子孫製品でのみ有効であることを意味します。製造の子孫で有効である製品は他にありません。製造の子孫以外のすべてのエンティティは、コンピュータ設備の子孫を含め、すべての製品で有効です。

表18-2 例 - アンカー・ディメンションは製品です

有効交差グループ アンカー・ディメンション - 製品 非アンカー・ディメンション - エンティティ
2 DESC(P_TP1 - コンピュータ設備) - 選択されていないメンバーは有効です DESC(500 - 製造)

グループ2は、コンピュータ設備の子孫である製品が、製造の子孫エンティティでのみ有効であることを意味します。他のエンティティは、コンピュータ設備の子孫で有効ではありません。コンピュータ設備の子孫以外のすべての製品は、製造の子孫を含め、すべてのエンティティで有効です。

注意:

アンカー・ディメンションの選択は重要です。間違ったアンカー・ディメンションを選択した場合、非常に異なる結果になります。

例: 必須のディメンション

次の例では、非アンカー・ディメンションが必須ではない場合、アプリケーションは、必須ではないディメンションを含まないキューブの有効交差グループ内のすべての残りのディメンション交差を評価します。この動作では、1つの有効なディメンションのみを含む有効交差グループの評価が発生する可能性があります。

表18-3 例 - 必須と必須ではない非アンカー・ディメンションの比較

有効交差グループ アンカー・ディメンション - エンティティ 非アンカー・ディメンション - 製品
1 DESC(500 - 製造) - 選択されていないメンバーは有効です DESC(P_TP1 - コンピュータ設備) - 必須ではない

グループ1では、製品ディメンションは必須ではなく、選択されていないエンティティは有効です。したがって、実行時、フォームまたはビジネス・ルールのキューブに製品ディメンションが含まれない場合、アプリケーションではエンティティ・ディメンションの選択内容が評価され、製品ディメンションを含まないキューブに対してすべてのエンティティが有効とマークされます。

表18-4 例 - 必須と必須ではない非アンカー・ディメンションの比較

有効交差グループ アンカー・ディメンション - エンティティ 非アンカー・ディメンション - 製品
2 DESC(500 - 製造) - 選択されていないメンバーは無効です DESC(P_TP1 - コンピュータ設備) - 必須ではない

グループ2では、製品ディメンションは必須ではなく、選択されていないエンティティは無効です。したがって、キューブに製品ディメンションが含まれない場合、アプリケーションではエンティティ・ディメンションの選択内容が評価され、製品の子孫を除くすべてのエンティティが無効とマークされます。したがって、製品ディメンションを使用しないキューブでは、製造エンティティの子孫でのデータ入力のみが許可されます。

注意:

非アンカー・ディメンションが必須であるかどうか、特に1つの有効なディメンションのみを含む有効交差グループが結果に残されているかどうかを注意深く検討してください。また、アンカー・ディメンション・メンバーに対する「選択されていないメンバーは有効です」オプションの選択も、有効交差のシステム動作で重要な役割を果たします。有効な交差の例を参照してください。

例: 選択されていないメンバーは有効です

次の例では、2つの交差グループが有効です。1つのグループで、アンカー・ディメンションの選択されていないメンバーは無効です(このオプションはクリアされています)。他のグループで、アンカー・ディメンションの選択されていないメンバーは有効です(このオプションは選択されています)。

表18-5 例 - 選択されていないメンバーは有効です

有効交差グループ アンカー・ディメンション - 勘定科目 非アンカー・ディメンション - エンティティ
1 IDESC(BS - 貸借対照表) - 選択されていないメンバーは無効です 000 - 部署なし
2 IDESC(GP - 総利益) - 選択されていないメンバーは有効です IDESC(403 - 売上げ)

ビジネス・グループ1では、すべての選択されていないメンバーが無効と定義されており、アプリケーションによって、貸借対照表に含まれない子孫が無効とマークされます。総利益は、貸借対照表に含まれる子孫ではありません。したがって、グループ2は、総利益に含まれる子孫が、売上げエンティティに含まれる子孫で有効であることを明示的に示していますが、グループ1の無効定義は、同じアンカー・ディメンション・メンバー・セットの有効交差を上書きします。

例: 同じ有効交差グループ内での冗長または重複有効交差ルール

有効交差ルールが同じ有効交差グループにあり、冗長または重複が生じる場合、有効交差グループのいずれかの要件が満たされたときにのみ、交差は有効とマークされます。

表18-6 例: 同じ有効交差グループ内での冗長または重複有効交差ルール

有効交差ルール アンカー・ディメンション - 勘定科目 非アンカー・ディメンション - エンティティ
1 IDESC(GP - 総利益) - 選択されていないメンバーは有効です IDESC(403 - 売上げ)
2 IDESC(NI - 純利益) - 選択されていないメンバーは有効です IDESC(TD - 部署合計)

総利益が純利益の子孫で、売上が部署合計の子孫であるため、総利益に含まれる子孫は、部署合計に含まれる利益で有効です。ルール1はルール2のサブセットなので、実際は、ルール1は操作なしのルールであり、不要です。総利益勘定科目に含まれる子孫に制限はなく、売上げエンティティに含まれる子孫に対してのみ有効です。

例: 異なる有効交差グループでの冗長または重複有効交差ルール

有効交差ルールが異なる有効交差グループにあり、冗長または重複が生じる場合、すべての有効交差グループの要件が満たされたときにのみ、交差は有効とマークされます。

次の例では、異なるグループに冗長または重複するルールがあります:

表18-7 例 - 異なる有効交差グループでの冗長または重複有効交差ルール

有効交差グループ アンカー・ディメンション - 勘定科目 非アンカー・ディメンション - エンティティ
1 IDESC(GP - 総利益) - 選択されていないメンバーは有効です IDESC(403 - 売上げ) - 必須
2 IDESC(NI - 純利益) - 選択されていないメンバーは有効です IDESC(TD - 部署合計) - 必須ではない

グループ1は、売上げエンティティに含まれる子孫で有効である、総利益勘定科目に含まれる子孫を制限するため、アプリケーションでは、このグループがこれらの交差に使用されます。他の総利益以外の勘定科目は、部署合計エンティティに含まれるすべての子孫を使用できますが、総利益勘定科目に含まれる子孫は、売上げエンティティに含まれる子孫を使用する必要があります。