フェデレーテッド・パーティション・キューブの計算と問合せ

フェデレーテッド・パーティションがある場合、Essbase計算と問合せは、可能であればEssbaseによってSQLに変換され、Autonomous Data Warehouseにプッシュされるため、データが格納される場所で処理が行われます。

Essbaseキューブ・アウトラインにはメタデータ(ディメンションとメンバーの名前)が含まれます。Autonomous Data Warehouseには、メタデータに関連付けられているデータが保持されます。データはファクト表に格納されます。

Essbaseは計算処理をデータが格納される場所にプッシュするため、データ遅延の問題の解決に役立ちます。この機能は、Essbase 21.5以降の新機能です。

Essbaseを初めて使用する場合は、最初にキューブの計算を確認して、一般的な計算について学習します。

フェデレーテッド・パーティションでの計算の動作は、フェデレーテッド・パーティションの作成の開始時に使用したEssbaseキューブのタイプによって決まります: ブロック・ストレージ(BSO)、または集約ストレージ(ASO)。

計算比較に関する注意

BSOベースのフェデレーテッド・パーティション・キューブでは、問合せを計算する際に、Essbaseは依存関係を分析し、Autonomous Data Warehouseの分析ビューを使用して結果を処理するためのSQLを記述します。

ASOベースのフェデレーテッド・パーティション・キューブでは、Essbaseサーバーはカスタム計算と割当てを処理してから、結果をAutonomous Data Warehouseにプッシュします。

フェデレーテッド・パーティション計算に関するノート/制限

Essbaseブロック・ストレージ(BSO) 計算関数は、BSOアウトライン式に適用でき、その結果はSmart View、MDX、その他のグリッド・クライアントからの問合せに影響します。同じ関数を計算コマンドとともに手続き型計算スクリプトの記述に使用できます。

Autonomous Data Warehouseを処理する計算関数

フェデレーテッド・パーティションが使用される場合、次のEssbase計算関数がSQLに変換されて、Autonomous Data Warehouseで処理されます。ここにリストされていないその他の関数はEssbaseで処理されます。

@ABS
@ALLANCESTORS
@ANCEST
@ANCESTORS
@AVG (SKIPMISSINGオプションのみ)
@AVGRANGE
@CHILDREN
@CURRMBR
@DESCENDANTS
@EXP
@FACTORIAL
@GENMBRS
@IALLANCESTORS
@IANCESTORS
@ICHILDREN
@IDESCENDANTS
@INT
@IRDESCENDANTS
@ISANCEST
@ISCHILD
@ISDESC
@ISGEN
@ISIANCEST
@ISIBLINGS
@ISICHILD
@ISIDESC
@ISIPARENT
@ISISIBLING
@ISLEV
@ISMBR (引数が1つのメンバー名のみの場合)
@ISPARENT
@ISSAMEGEN
@ISSAMELEV
@ISSIBLING
@LEVMBRS
@LN
@LOG
@LOG10
@LSIBLINGS
@MAX
@MAXRANGE (例外: XrangeList引数なし)
@MAXS
@MAXSRANGE (例外: XrangeList引数なし)
@MBRPARENT
@MEDIAN (例外: XrangeList引数なし)
@MEMBERAT
@MIN
@MINRANGE (例外: XrangeList引数なし)
@MINS
@MINSRANGE (例外: XrangeList引数なし)
@MOD
@PARENT
@POWER
@RDESCENDANTS
@RELATIVE
@REMAINDER
@ROUND
@RSIBLINGS
@SIBLINGS
@SUM
@SUMRANGE (例外: XrangeList引数なし)
@TRUNCATE
@XREF
@XWRITE

Autonomous Data Warehouseを処理する計算コマンド

フェデレーテッド・パーティションが使用される場合、次のEssbase計算コマンドがSQLに変換されて、Autonomous Data Warehouseで処理されます。

AGG (Dynamic Calcメンバーまたは加算集計以外の演算子を使用しているメンバーを集計する場合を除く)
CLEARDATA
CLEARBLOCK (例外: NONINPUTおよびDYNAMICキーワードなし)

DATAEXPORT (例外: 次のデータ・エクスポート・オプションのみ)

DATAEXPORTLEVEL ALL
DATAEXPORTCSVFORMAT
DATAEXPORTOVERWRITEFILE
DATAEXPORTDECIMAL

IF...ENDIF
ELSE...ELSEIF (複数のネストされたIF / ELSE文を使用した式はパフォーマンスが遅い場合があります)
EXCLUDE...ENDEXCLUDE
LOOP...ENDLOOP
DATACOPY
算術演算、IF / ELSE文、相互参照、およびこのページにリストされているサポートされる@関数を含む式を使用したFIX文割当て。

コマンドARRAYおよびVARと、CALC DIMまたはCALC ALLで処理される動的式は、Essbaseで処理され、パフォーマンスを低下させる場合があります。

一部の計算コマンドは、フェデレーテッド・パーティション・キューブではサポートされておらず、使用された場合はエラーを返します。フェデレーテッド・パーティションの制限を参照してください。

Essbaseブロック・ストレージ(BSO)計算スクリプトを実行する必要がある場合は、密ディメンションをピボット・ディメンションとして選択します。ピボット・ディメンションが疎の場合、フェデレーテッド・パーティションで計算スクリプトはサポートされません。

ブロック計算モード(Essbase構成設定CALCMODEがBLOCKに設定されている場合に有効になります)は、フェデレーテッド・パーティション・キューブに適用できません。計算処理はAutonomous Data Warehouseにプッシュされます。例外が存在し、計算がかわりにEssbaseサーバーで処理される場合、解決順序によって依存関係分析が決定されます。

フェデレーテッド・パーティションのある集約ストレージ・キューブでカスタム割当てを実行する場合は、既存の値のオーバーライドのみを実行できます。既存の値の加算や減算はできません。

その他の制限事項

フェデレーテッド・パーティションの制限を参照してください。

問合せ結果内の精度の桁数

フェデレーテッド・パーティションを持つキューブを計算する場合、Autonomous Data Warehouseが計算および集約を部分的に処理します。したがって、フェデレーテッド・パーティションを使用せずに取得された値と比較した場合は、問合せ結果の精度値が若干異なる可能性があります。

計算順

ハイブリッド・モードBSOキューブおよびASOキューブと同様に、フェデレーテッド・パーティション・キューブ内のメンバーの計算優先順位は、Essbaseアウトラインで設定した定義済の解決順に従います。

Essbase計算とデータ・ロード・ジョブを実行する機能

Essbase構成設定FEDERATEDAVCALCは、フェデレーテッド・パーティションを持つ任意のブロック・ストレージ(BSO)アプリケーションに対して暗黙的にデフォルトでTRUEに設定されます。これにより、ユーザーはEssbase BSO計算を実行し、Essbaseを通じてデータ・ロードを実行して、Autonomous Data Warehouseファクト表内のレコードを更新できます。