シークレット・バージョンおよびローテーション状態

ボールト・シークレットのバージョン、ローテーション状態およびシークレット・バージョン制限の影響について学習します。

ボールト・シークレット・バージョンおよびローテーション状態を理解すると、制限、ローテーションまたはその他のルールまたは規制に準拠するようにシークレット・コンテンツを追跡および管理するのに役立ちます。

シークレット・バージョンおよびローテーション状態を含む、シークレットの概念の基本的な定義については、キーおよびシークレット管理の概念を参照してください。シークレット・バージョンの操作の詳細は、Vaultシークレットの管理を参照してください。

ローテーション状態

シークレット・バージョンは、一度に複数のローテーション状態になることができます。存在するシークレット・バージョンが1つのみの場合(シークレットを初めて作成したときなど)、そのシークレット・バージョンには自動的に「現在」「最新」の両方のマークが付きます。シークレットをトラッキングできるように、シークレットの「最新」バージョンには、最後にボールトにアップロードされたシークレット・コンテンツが含まれます。

シークレットをローテーションして新しいシークレット・コンテンツをアップロードするときは、そのシークレットを「保留中」としてマークできます。シークレット・バージョンのローテーション状態を「保留中」としてマークすると、シークレット・コンテンツを今すぐアクティブに使用せずにボールトにアップロードできます。保留中のシークレット・バージョンを「現在」ステータスにプロモートする準備ができるまで、「現在」のシークレット・バージョンを使用し続けることができます。通常、最初にターゲット・リソースまたはサービス上で資格証明をローテーションした後でこれを行います。意図せずシークレット・バージョンを変更することを避ける必要があります。「現在」のシークレット・バージョンを変更すると、それを必要とするアプリケーションが期待されるシークレット・バージョンをボールトから取得できなくなります。

シークレット・コンテンツの更新で間違いがあった場合や、古いリソースのバックアップをリストアしたときに古いシークレット・コンテンツを使用して再開する場合などに、以前のバージョンに簡単にロールバックできるように、シークレット・バージョンを「前」としてマークすることもできます。「前」としてマークされるシークレット・バージョンは、以前に「現在」としてマークされていたシークレット・バージョンです。以前のバージョンにロールバックするには、シークレットを更新して、目的のシークレット・バージョン番号を指定します。

シークレット・バージョンが削除されていないかぎり、シークレットを更新して、その過去のシークレット・バージョンを使用できます。シークレットを更新すると、選択したシークレット・バージョン番号が「現在」としてマークされます。これは、シークレット・バージョンを「現在」にプロモートするのと同じ結果になります。

削除できるのは、「非推奨」としてマークされているシークレット・バージョンのみです。非推奨のシークレット・バージョンとは、「現在」「保留中」「前」のいずれとしてもマークされていないものです。これにより、削除したシークレット・バージョンが後で必要になるような状況(たとえば、以前にバックアップしたデータベースをリストアする場合)を回避できます。「非推奨」以外のマークが付いたシークレット・バージョンは、「現在」としてマークすることで、再びアクティブに使用できます。

バージョン制限

シークレット・バージョンの制限は、使用中のシークレット・バージョンと非推奨のバージョン(削除がスケジュールされているバージョンを含む)の両方に適用されます。特定のシークレットのバージョンの数、およびテナンシ内のシークレット・バージョンの数の制限の詳細は、サービスの制限を参照してください。