メディア・ワークフローの管理

メディア・フローは、複数のデバイスでストリーミングできる異なるフォーマットにビデオをトランスコードするワークフロー環境を提供します。

ワークフローは、キーによって識別される1つ以上のタスクで構成されます。キーはタスクの一意の名前で、あるタスクのパラメータを別のタスクにマップしたり、タスク間の依存性を宣言するために使用できます。ワークフローはパラメータ参照を使用して定義でき、ワークフローは実行時にパラメータ化できます。

必要なIAMポリシー

OCIの各サービスは、すべてのインタフェース(コンソール、SDKとCLI、およびREST API)について、認証および認可のためにOracle Cloud Infrastructure Identity and Access Management (IAM)と統合されます。メディア・フローの使用を開始する前に、メディア・ワークフローにアクセスできるユーザーと、ユーザー・グループごとのアクセスのタイプを制御するポリシーを作成する必要があります。

メディア・ワークフローのポリシー記述の詳細およびポリシーの例は、IAMポリシーを参照してください。OCI AIサービス機能を使用している場合は、音声言語およびビジョンのIAMポリシーを参照してください。

https://cloud.oracle.com、REST APIおよびCLIを使用したメディア・フローへのアクセスについては、メディア・フローへのアクセスを参照してください。

ワークフローのタイプ

メディア・フローでは、次のタイプのワークフローがサポートされます。

  • システム・ワークフロー:
    システム・ワークフローは、使用できる事前定義済のワークフローです。システム・ワークフローは、メディア・ストリームへのメディアの取込みや単純なトランスコードの実行などの一般的なタスクを管理します。
  • ユーザー定義ワークフロー:
    メディア処理要件に基づいて、コンパートメント内のワークフローを作成およびカスタマイズできます。

使用可能なメディア・フロー・リソースは次のとおりです。

  • メディア・ワークフロー
  • media-workflow-configuration
  • メディア・ワークフロー・ジョブ
  • メディア・アセット

タスクのタイプ

メディア・フローでは、次のタイプのタスクがサポートされます。

  • getFiles: このタスクを使用して、オブジェクト・ストレージ・バケットから入力をフェッチします。メディア・ワークフロー・ジョブの作成に使用されるアイデンティティは、オブジェクト・ストアでの認証に使用されます。このタスクが機能するように、IDに読取り権限を割り当てます。
  • putFiles: このタスクを使用して、ジョブの結果をオブジェクト・ストアに追加し、(オプションで)アセットをアセット・メタデータ・システムに登録します(出力に関する技術メタデータを格納するため)。
  • サムネイル: このタスクを使用して、ビデオ・コンテンツからサムネイルを生成します。
  • transcode: このタスクを使用して、標準トランスコード、速度最適化トランスコード、品質最適化トランスコードなどの3つのプロファイルのいずれかを使用してビデオをトランスコードします。各プロファイルで、使用するビデオおよびオーディオコーデック、生成する解像度、およびパッケージ形式を指定できます。速度最適化トランスコードは、パフォーマンスのために品質を取引する速度レベルを選択する機能を追加します。品質最適化トランスコードを使用すると、品質最適化レベルを選択し、2パス・エンコーディングを有効にできます。OCI Media Flowでサポートされている形式は次のとおりです。
    サポートされている形式
    入力コンテナ・フォーマット 3GP, ARF, ASF, AVI, P4V, FLV, M1V, M4V, MKV, MP4, MPG, MXF, OGG, OGM, OGV, QT, RM, RMVB, WAV, WEBM, WMA, WMV
    入力ビデオコーデック

    H263、H264、H265、MP43、DivX、Xvid、AVC、VP6、FLV1、FLV4、VP8、MPEG-1/2、AVC/MJPG、MPEG-4、

    Theora、WMV2

    入力オーディオコーデック AAC、AAC/FLAC、MP3、MP4A、PCM、Vorbis、RAW、WMA6/7、WMA 8
    出力コンテナ・フォーマット MP4, WebM
    ビデオ・コーデックの出力 H264, VP8, VP9
    出力オーディオコーデック AAC、MP3、Vorbis、Opus
    出力ABRパッケージ HLS、ダッシュ
  • 音声: このタスクは、OCI音声サービスを使用してビデオを文字化するために使用されます。音声はビデオ入力から抽出され、音声サービスに自動的に送信されます。OCI Languageサービスによるトランスクリプション出力をさらに処理するには、analyzeTextフラグをTrueに設定します。この処理には、エンティティ抽出、センチメント分析およびキー・フレーズ検出が含まれます。
  • ingest: このタスクを使用して、HLSマニフェストをメディア・ストリームに取り込み、ストリーミング再生を有効にします。このタスクは、既存のm3u8ファイルをオブジェクト・ストレージから取り込むために単独で使用することも、ビデオをHLSとしてパッケージ化するトランスコード・タスクを含むメディア・ワークフローの一部として使用することもできます。
  • vision: このタスクを使用して、OCI Visionサービスと統合します。メディア・ワークフローに含まれている場合、このタスクは、ビデオ内の各シーンでオブジェクト検出およびテキスト抽出を実行します。検出されたオブジェクト/テキストにタイムコードをマップするJSONファイルが生成されます。