SQLコマンド

Autonomous Databaseでは、Oracle Databaseで使用可能なほとんどのSQLコマンドを使用できます。Autonomous Databaseのセキュリティとパフォーマンスを確保するために、一部のSQLコマンドは制限されています。

この項では、セキュリティを保護し、Autonomous Databasesのパフォーマンス整合性を確保するために必要なSQLコマンドの制限事項のリストについて説明します。Oracle Databaseで使用可能な標準のSQLおよびPL/SQLの構文と構成のほとんどは、Autonomous Databasesで動作します、

ノート

制限付きSQLコマンドを使用しようとすると、システムから次のように通知されます。

ORA-01031: insufficient privileges

このエラーは、Autonomous DatabaseでそのSQLコマンドの実行が許可されていないことを示します。

次のSQL文は、Autonomous Databaseでは使用できません:

  • ADMINISTER KEY MANAGEMENT: デフォルトでは、Autonomous DatabaseはOracle管理暗号化キーを使用します。Autonomous Databaseは、Oracle管理キーを使用して、データを保護する暗号化キーを作成および管理し、OracleはTDEマスター・キーのローテーションを処理します。

    顧客管理キーが必要な場合は、Autonomous DatabaseでTDEマスター・キーを生成するために、Oracle Cloud Infrastructure Vaultのマスター暗号化キーが使用されます。詳細は、Autonomous Databaseでの暗号化キーの管理を参照してください。

  • CREATE TABLESPACEALTER TABLESPACEおよびDROP TABLESPACE: Autonomous Databaseは、データベースのデフォルト・データおよび一時表領域を自動的に構成します。表領域の追加、削除、または変更は許可されません。Autonomous Databaseでは、記憶域サイズに応じて1つの表領域または複数の表領域が自動的に作成されます。

  • CREATE DATABASE LINK

    DBMS_CLOUD_ADMIN.CREATE_DATABASE_LINKを使用して、Autonomous Databaseでデータベース・リンクを作成します。詳細は、Autonomous Databaseでのデータベース・リンクの使用に関する項を参照してください。

  • CREATE LIBRARY

  • DROP DATABASE LINK

    DBMS_CLOUD_ADMIN.DROP_DATABASE_LINKを使用して、Autonomous Databaseのデータベース・リンクを削除します。詳細は、Autonomous Databaseでのデータベース・リンクの使用に関する項を参照してください。

データ・ディクショナリのロールおよびビューの制限

SELECT ANY DICTIONARYを付与しても、SYS/SYSTEMスキーマにはアクセスできません。必要に応じて、すべてのデータ・ディクショナリ・ビューに対するSELECT権限を許可するSELECT_CATALOG_ROLEを付与できます。

Autonomous Databaseでの制限付きSQL文

Autonomous Databaseでは、次のDDL文を、いくつかの制限付きで使用できます:

SQLコマンド 制限

ALTER PLUGGABLE DATABASEおよびALTER DATABASE

次の句のみが許可されます:

DEFAULT EDITION

SET TIME_ZONE

SET CMU_WALLET

ALTER PROFILE

ALTER PROFILEを使用すると、ユーザー定義のPASSWORD_VERIFY_FUNCTIONに制限があります。詳細は、Autonomous Databaseでのパスワード複雑度の管理を参照してください。

ALTER PROFILEを使用すると、オプションのCONTAINER句は無視されます(指定されている場合)。

デフォルト・プロファイルで定義されるパスワード・パラメータ値の詳細は、Autonomous Databaseでのユーザーの作成に関する項を参照してください。

ALTER SESSION

次の句のみが許可されます:

ADVISE COMMIT, ADVISE ROLLBACK, ADVISE NOTHING

CLOSE DATABASE LINK

ENABLE COMMIT IN PROCEDUREDISABLE COMMIT IN PROCEDURE

ENABLE PARALLEL <QUERY|DDL|DML>, DISABLE PARALLEL <QUERY|DDL|DML>, FORCE PARALLEL <QUERY|DDL|DML>

ENABLE RESUMABLE, DISABLE RESUMABLE

SET CONSTRAINTS

SET CURRENT_SCHEMA

SET DEFAULT_COLLATION

SET EDITION

SET ISOLATION_LEVEL

SET OPTIMIZER_CAPTURE_SQL_PLAN_BASELINES

SET ROW ARCHIVAL VISIBILITY

SET STATISTICS_LEVEL

SET TIME_ZONE

ALTER SYSTEM

ALTER SYSTEMは、ALTER SYSTEM SETおよびALTER SYSTEM KILL SESSION以外では使用できません

SETは、「初期化パラメータ」にリストされているパラメータの設定にのみ使用できます。

ALTER USER

次の句は無視されます: DEFAULT TABLESPACE

EXTERNALLY句が指定されているIDENTIFIEDはサポートされていません。

IDENTIFIED BY VALUES句は使用できません。

ALTER TABLE

制限については、「ALTER TABLEの制限事項」を参照してください。

CREATE PROFILE

PASSWORD_VERIFY_FUNCTION

詳細は、「Autonomous Databaseでのパスワード複雑度の管理」を参照してください。

ALTER PROFILEを使用すると、オプションのCONTAINER句は無視されます(指定されている場合)。

デフォルト・プロファイルで定義されるパスワード・パラメータ値の詳細は、Autonomous Databaseでのユーザーの作成に関する項を参照してください。

CREATE TABLE

制限については、「CREATE TABLEの制限事項」を参照してください。

CREATE OR REPLACE TRIGGER

AFTER STARTUPおよびBEFORE SHUTDOWNイベントは、CREATE OR REPLACE TRIGGERではサポートされていません。

CREATE USER

次の句は無視されます:

  • DEFAULT TABLESPACE

EXTERNALLY句が指定されているIDENTIFIEDはサポートされていません。

IDENTIFIED BY VALUES句は使用できません。

CREATE TABLEの制限事項

XMLスキーマベースのストレージを使用するXMLType表は許可されていません。詳細は、Oracle XML DBを参照してください。

このリストに含まれない句は許可されます。

コメント

cluster

無視

ilm_clause

無視

inmemory_table_clause

無視

LOB_storage_clause

LOB_compression_clauseが認識されます。その他のLOB_storage_clauseパラメータは無視されます。

詳細は、LOB_compression_clauseを参照してください。

logging_clause

無視

organization external

無視

organization index

主キーを含む通常の表を作成します。organization index句を使用しても、索引構成表は作成されません。アプリケーションに対して生成された表のパフォーマンスをテストおよび確認する必要があります。

physical_properties

無視

ノート

CREATE TABLEの詳細は、『データベースSQL言語リファレンス』を参照してください。

ALTER TABLEの制限事項

このリストに含まれない句は許可されます。

コメント

allocate_extent_clause

無視

alter_iot_clauses

無視

deallocate_unused_clause

無視

ilm_clause

無視

inmemory_table_clause

無視

logging_clause

無視

modify_LOB_storage_clause

無視

physical_attributes_clause

無視

shrink_clause

無視

ノート

ALTER TABLEの詳細は、『データベースSQL言語リファレンス』を参照してください。