バニティ・ドメインの管理

Oracle Content Managementで作成されたサイトまたはOracle Content Management自体にユーザーがアクセスしやすくするために、バニティ・ドメインを設定できます。

たとえば、Oracle Content ManagementインスタンスのURLがhttp://instanceName-accountName.cec.ocp.oraclecloud.comで、ユーザーのサイトの1つのURLがhttp://instanceName-accountName.cec.ocp.oraclecloud.com/site/MyCustomerSite/であるとします。しかし、http://www.example.comなどのわかりやすいURLのほうが覚えやすく、ブランディングに適しているうえ、一般的には使用しやすい可能性があります。必要に応じて、Oracle Content Managementで作成されたサイトを、http://www.example.com/store/などのカスタム・パスやhttps://www.mycustomer.comなどのサイト・バニティ・ドメインを使用してホストすることもできます。

バニティ・ドメインを利用するには、いくつかのステップが必要です。

  1. コンテンツ配信ネットワーク(CDN)を使用します。Oracle Content ManagementのCDNを使用できます。
  2. ドメインの正規名(CNAME)レコードがCDNにマップされるように、ドメイン・ネーム・システム(DNS)を使用してバニティ・ドメインを管理します。
  3. バニティ・ドメインを保護しているCDNに有効な証明書をデプロイします。
  4. 必要なバニティ・ドメインを設定します
    ノート

    Oracle Content Management Starter Editionを使用している場合、パブリック・サイトまたはパブリック・アセットのバニティ・ドメインは1つのみに制限されるため、このステップはインスタンスには適用されません。完全な機能セットを利用するには、Premium Editionにアップグレードしてください。

様々なタイプのドメインについて

Oracle Content Managementで作成されたサイトのURLの構築に使用されるドメインには、いくつかのタイプがあります:

  • サイト・レベルのバニティ・ドメイン: これらのドメインは、特定のサイトにアクセスするために使用できます。サイト自体で個別に構成されます。
  • サイトのインスタンス・レベルのバニティ・ドメイン: これらのドメインは、インスタンス内の任意のサイトにアクセスするために使用できます。たとえば、example.comを登録すると、ユーザーはexample.com/site/SiteOneおよびexample.com/site/SiteTwoを介してサイトにアクセスできます。これらのドメインは、管理インタフェースの「サイト」ページで構成します。これらのドメインのいずれかをインスタンスのデフォルトとして選択できます。Oracle Content Managementユーザー・インタフェースでサイトURLを構築する際には、それがデフォルトで使用されます。インスタンス・レベルのバニティ・ドメインでは、本番のサイトに表示されるURLの"/site/"または"/site/authsite/"部分を削除する「短いパスの表示」オプションを使用することもできます。これには、次に示す追加のCDN構成が必要です。
  • わかりやすい管理ドメイン: これは、Oracle Content Management Webクライアント、デスクトップ・アプリケーション、モバイル・アプリケーション、およびOracle Content Managementで作成された任意のサイトにアクセスするために使用できます。管理インタフェースの「ドメイン」ページで、フレンドリな管理ドメインを設定します。
  • コンテンツ配信ネットワーク(CDN)ドメイン: これはCDNを指します。配信URLをリクエストするときにサイトおよびアセットに表示され、instanceName.ocecdn.oracelcloud.comという形式になります。
  • オリジン・ドメイン: これはOracle Content Managementのオリジンを指し、instanceName-accountName.cec.ocp.oraclecloud.comという形式になります。

前述のリストは、サイトURLの構築にドメインが使用されるときの優先度も表しています。

  • サイト・レベルのバニティ・ドメインがある場合は、それがサイトURLとして使用されます。
  • サイト・レベルのバニティ・ドメインがない場合は、デフォルトのインスタンス・レベル・ドメインを使用してサイトURLが作成されます(http://www.exampleInstance.com/site/SiteOne/など)。
  • デフォルトのインスタンス・レベルのバニティ・ドメインがない場合は、CDNドメインが使用されます(http://instanceName.ocecdn.oracelcloud.com/site/SiteOne/など)。
  • さらにCDNもない場合は、オリジン・ドメインが使用されます(https//instanceName-accountName.cec.ocp.oraclecloud.com:8080/site/SiteOne/など)。

コンテンツ配信ネットワークの使用

サイトとインスタンスの両方のバニティ・ドメインで、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)を使用する必要があります。CDNとは、Webサイトのパフォーマンスとセキュリティの向上を目的とした、グローバルに分散したサーバーのプラットフォームです。CDNは、コンテンツのリクエストのエンドツーエンドのパフォーマンスを最適化しつつ、ユーザーとサーバー間の距離を最小限に抑えます。CDNの主な目的はユーザー・エクスペリエンスの向上ですが、CDNは転送中のリクエストを変更するために使用することもでき、裏のプロセスがクリーンでなくても、訪問者にはクリーンなものが表示されるようにできます。

バニティ・ドメインでのOracle Content Managementサイトのホスティングをサポートするには、構成されたバニティ・ドメインからのすべてのリクエストを処理し、それらをOracle Content Managementに適切にルーティングし、Oracle Content Managementで適切かつセキュアに処理できるようリクエストに変更を加えるように、CDNを構成する必要があります。

Oracle Content Managementのコンテンツ配信ネットワークの使用

Oracle Content Managementは、複数のバニティ・ドメイン設定を有効にするCDNサービスを提供します。Oracle Content ManagementのCDNサービスを使用すると、ベア・ドメインやカスタム・パスなどのサイト・レベルのバニティ・ドメイン、インスタンス・レベルのバニティ・ドメイン、標準パスと短いパスの両方、簡易管理URLをホストできます。

ノート

Oracle Content Managementの組込みContent Delivery Networkは、プライベート・インスタンスではサポートされていません。

これらを設定するには、Oracle Supportアカウントにサインインし、ナレッジ・ベースのOracle Content Managementでのカスタム・ホスト名の使用方法に関する記事を参照してください。サポート・チームと協力して、プロセスを完了します。

Oracle Content ManagementがCDNおよび関連するセキュリティ・ポリシーを制御するため、完全なCDN機能およびカスタマイズにはアクセスできません。CDN配信レイヤーに対する追加の制御が必要な場合は、独自のCDNサービスを取得し、ニーズに合せて構成する必要があります。

ドメイン・ネーム・システムを使用したドメインの管理

任意のドメインをOracle Content Managementサイトのバニティ・ドメインとして使用できます。バニティ・ドメインとして使用するドメインは、Oracle Content Managementサイトで使用できるように構成する前に制御する必要があります。

ドメイン・ネーム・システム(DNS)の制限により、wwwがないexample.comなどのルート・ドメインやstore.example.comなどの別のサブドメインを使用できない場合があります。DNSおよびCDNプロバイダに問い合せて、ルート・ドメインに正規名(CNAME)レコードを使用できるかどうかを確認します。

DNSはパス・レベルではなくドメイン・レベルで機能するため、Oracle Content Managementがドメインの一部のパスをホストし、別のサービスが他のパスをホストするためには、ルーティングをCDNで処理する必要があります。DNSは、ドメインおよびサブドメイン・レベルでトラフィックを分離するためにのみ使用できます。

証明書のデプロイ

バニティ・ドメインを保護する証明書は、CDNで作成およびホストする必要があります。証明書は、単一のドメイン、複数のドメインとサブドメイン、および*.example.comなどのワイルドカードのサブドメインを保護できます。バニティ・ドメインには、任意の組合せを使用できます。保護されているすべてのドメインが証明書の詳細に表示されるため、これらの詳細を公開することが意図されていない場合は、個別の証明書を使用する必要があります。

ノート

証明書を作成およびホストするプロセスはCDNに固有であることが多く、これを行う最適な方法を指定する必要があります。