Exadata Cloud Infrastructure I/Oリソース管理(IORM)の管理

このトピックでは、I/Oリソース管理(IORM)の機能とコンソールまたはAPIを使用してIORMの有効化、IORM設定の変更およびIORMの無効化を行う方法を説明します。

IORMについて

I/Oリソース管理(IORM)機能により、新しいリソース・モデルまたはDBシステムを使用するシステムについて、複数のデータベースがOracle ExadataクラウドVMクラスタのI/Oリソースを共有する方法を管理できます

Exadata VMクラスタまたはDBシステムでは、すべてのデータベースが、フラッシュ・ストレージを含む専用ストレージ・サーバーを共有します。デフォルトでは、これらのリソースに関してデータベースの優先度は同じです。Exadataストレージ管理ソフトウェアでは、問合せ処理に先着順のアプローチが使用されます。I/Oリソースを過負荷にする大規模な問合せをデータベースが実行すると、システム全体のパフォーマンスが低下する場合があります。

IORMを使用すると、ワークロードがリソース割当てを超える場合に、重要な問合せが最初に処理されるように、データベースに優先度を割り当てることができます。優先度を割り当てるには、各データベースのシェア数を指定するディレクティブを作成します。シェア数は、I/Oリソースに負荷がかかった際にそのデータベースに付与されるリソースの割合に相当します。

ディレクティブは、リソース管理に対して設定した全体的な最適化目標と連携して動作します。次の目標を使用できます:

  • 自動 - (デフォルト目標)。IORMは最適化目標を決定し、検出されたワークロードおよび有効化されたリソース・プランに基づいて最適な設定を継続的および動的に決定します。
  • バランス - クリティカルなOLTPワークロードおよびDSSワークロードの場合。この設定では、低ディスク・レイテンシと高スループットのバランスをとります。この設定では、大きなI/Oのディスク使用率を低レイテンシよりも低く制限して、良好なレイテンシと良好なスループットのバランスを実現します。
  • 高スループット - 高スループットが必要なクリティカルなDSSワークロードの場合。
  • 低レイテンシ - クリティカルOLTPワークロードの場合。この設定では、ディスク使用率を大幅に制限することで、可能な限り低いレイテンシを実現します。

コンソールを使用したIORMの管理

このトピックは、新しいリソース・モデルを使用するExadata Cloud Infrastructureシステムにのみ適用されます。

ノート

Exadata DBシステムでIORMを有効にする場合は、Exadata DBシステムでIORMを有効にするにはを参照してください。

IORMの有効化には、最適化目標の指定およびリソース・プラン・ディレクティブの構成が含まれます。

  1. ナビゲーション・メニューを開きます。「Oracle Database」をクリックし、「Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure」をクリックします。
  2. コンパートメントを選択します。
  3. 「Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure」で、「Exadata VMクラスタ」をクリックします。
  4. VMクラスタのリストで、IORMを有効にするVMクラスタを検索し、強調表示された名前をクリックします。クラスタの詳細が表示され、IORMステータスが「無効」と表示されます。
  5. 「IORMの有効化」をクリックします。

    「I/Oリソース管理の有効化」ダイアログでVMクラスタ情報を取得するのに1分ほどかかることがあります。

  6. リソース・プランに適用する目標を選択します:

    • 自動 - (デフォルト目標)リソース・プランと検出されたワークロードに基づいて目標を動的に変更します。
    • バランス - 高スループットと低レイテンシが均等に重み付けされます。
    • 高スループット - DSSワークロードに最適なスループットが提供されます。
    • 低レイテンシ - クリティカルなOLTPワークロードに最適なレイテンシが提供されます。
  7. シェア数を設定して、リソース・プランのデフォルト・ディレクティブを構成します。このシェア数は、特定のディレクティブに関連付けられていない各データベースに割り当てられます。
  8. 「リソース・プラン・ディレクティブ」セクションで、デフォルトのディレクティブよりも多いまたは少ないシェア数を割り当てる各データベース用のディレクティブを追加します。

    ディレクティブを追加するには、「+ 追加のディレクティブ」をクリックし、データベースとそのデータベースのシェア数を指定します。

  9. ディレクティブの追加が完了したら、「有効化」をクリックします。

    IORM構成設定の適用中、VMクラスタの詳細ページにはIORMステータスが「更新中」と表示されます。更新が完了するまで数分かかる場合がありますが、VMクラスタで通常の操作を実行する機能には影響しません。更新に成功すると、IORMステータスは「有効」と表示されます。

クラウドVMクラスタでIORM構成を変更するには

Exadata DBシステムでIORMを有効にするには

Exadata DBシステムでIORM構成を変更するには

次の手順を使用して、IORM設定を変更したり、IORMを無効化します。

ノート

このトピックは、DBシステム・リソース・モデルを使用するExadata Cloud Infrastructureインスタンスのみに適用されます。
  1. ナビゲーション・メニューを開きます。「Oracle Database」をクリックし、「ベア・メタル、VMおよびExadata」をクリックします。
  2. コンパートメントを選択します。
  3. DBシステムのリストで、IORM構成を変更するExadata DBシステムを検索し強調表示された名前をクリックします。

    システム詳細が表示され、IORMステータスが「有効」と表示されます。

  4. 「IORMの更新」をクリックします。
  5. 「I/Oリソース管理の更新」ダイアログで、次のいずれかの処理を行います:

    • 設定の変更 - 新しい目標を指定し、ディレクティブを適宜調整して、「更新」をクリックします。
    • IORMの無効化 - 「IORMの無効化」をクリックします。IORMを無効にすると、すべてのリソース・プラン・ディレクティブが削除され、I/Oリソース管理の自動(デフォルト)目標がリストアされます。

    新しいIORM構成設定の適用中、システム詳細ページにはIORMステータスが「更新中」と表示されます。更新が完了するまで数分かかる場合がありますが、DBシステムで通常の操作を実行する機能に影響はありません。更新に成功すると、IORMステータスは、実行したアクションに応じて「有効」または「無効」と表示されます。

APIを使用したExadataクラウドVMクラスタのI/Oリソースの管理

APIの使用およびリクエストの署名の詳細は、REST APIおよびセキュリティ資格証明を参照してください。SDKについては、ソフトウェア開発キットとコマンドライン・インタフェースを参照してください。

次のAPI操作を使用して、ExadataクラウドVMクラスタのI/Oリソースを管理します(このリソース・タイプの詳細は、新しいExadata Cloud Serviceリソース・モデルを参照)。

次のAPI操作を使用して、Exadata DBシステムのI/Oリソースを管理します。