Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructureでのデータベースのバックアップおよびリカバリの管理

Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructureで提供されるバックアップおよびリカバリ機能を使用する方法について学習します。

バックアップ操作およびリカバリ操作を実行するためのOracle推奨オプション

Oracle Databaseのバックアップおよびリカバリ操作用に次のオプションが用意されています。これらのオプションは相互に排他的です。

ノート

ハイブリッド構成、つまりオプションの混在はサポートされていません。オプションを混在させると自動化できなくなります。

オプション1: Oracle管理バックアップ

Oracle管理バックアップは、1回かぎりの構成に基づいて、Exadata Cloud Infrastructure (ExaDB-D)またはExadata Cloud@Customer (ExaDB-C@C)によって完全に管理されます。これらのバックアップは、ExaDB-DまたはExaDB-C@Cクラウド・サービスのコントロール・プレーンに完全に統合されるだけでなく、OCI APIを介してアクセスすることもできます。このアプローチをお薦めします。

  • dbaascli database backupおよびdbaascli database recoverコマンドは、特定の操作のために自動バックアップと組み合せて使用できます。詳細は、dbaascli database backupおよびdbaascli database recoverを参照してください。
  • 顧客は、RMANビューを問い合せたり、表、データファイル、表領域のリカバリ・コマンドなどのRMANのリストアおよびリカバリ・コマンドを発行したりできます。
    ノート

    RMAN構成を使用して、チューニング済のクラウドRMAN設定を変更しないでください。

オプション2: ユーザー構成バックアップ

dbaascli database backupおよびdbaascli database recoverコマンドを使用して、ホストからのバックアップを構成することもできます。ただし、これらのバックアップはコントロール・プレーンと同期されず、OCI APIと統合されません。また、これらのバックアップの管理およびライフサイクル操作は、サービス・コントロール・プレーン・コンソールからはサポートされていません。そのため、この方法はお薦めしません。

この方法は、特定のタスクを実行するためにバックアップの保存先への直接アクセスが必要な場合に役立ちます。たとえば、リージョン間でバックアップをレプリケートしたり、バックアップの保存先をモニターするために、OSSバケットにアクセスします。

OCIコントロール・プレーンまたはOCI APIを使用せずにRMANを使用してオブジェクト・ストレージへのバックアップを構成する場合、お客様はTDE Walletバックアップを手動で構成する必要があります。デフォルトでは、Oracleクラウド自動化はアーカイブ・ログ・ファイルを24時間ごとにクリーンアップします。RMANを使用して手動バックアップを実行すると、アーカイブ・ログが削除されるリスクがあります。アーカイブ・ログのクリーンアップの構成方法の詳細は、dbaascli database backupを参照してください。Oracle管理バックアップを使用することをお薦めします。

詳細は、ユーザー構成バックアップを参照してください。

オプション3: RMANを使用したバックアップ

顧客が所有するカスタマイズされたスクリプトでRMANを使用してバックアップを直接作成できます。ただし、このアプローチはお薦めしません。

RMANバックアップをOracle管理バックアップまたはユーザー構成バックアップとともに使用することはお薦めしません。

このオプションを使用する可能性のある人:
  • 既存のRMANバックアップ/リストア・スクリプトを維持する必要のある顧客。
  • Data Guard環境のスタンバイ・データベースからバックアップを構成して、バックアップ・ワークロードをスタンバイにオフロードする必要のある顧客。

ExaDB-D:

RMANを使用してバックアップする場合は、バックアップの自動化からデータベースの登録を解除する必要があります。詳細は、手動バックアップおよびリカバリ管理を容易にするための自動バックアップの無効化を参照してください。

Exadata Databaseバックアップの管理

自動Exadataデータベース・バックアップは、Oracle Cloud Infrastructureによって管理されます。これは、コンソールまたはAPIを使用して構成します。

管理されていないバックアップについては、bkup_apiを使用したExadataデータベースのバックアップの管理を参照してください。

自動Exadataデータベース・バックアップには、Autonomous Recovery ServiceまたはOracle Object Storageの2つの宛先を使用できます。

ノート

以前にbkup_apiを使用してバックアップを構成していた場合、コンソールまたはバックアップ用のAPIの使用に切り替えます:

  • 新規バックアップ構成が作成され、データベースに関連付けられます。このため、データベースを保護するために、以前に構成した管理されていないバックアップを使用できなくなります。
  • bkup_apiは、cronジョブを使用してバックアップをスケジュールします。これらのジョブは、管理されたバックアップの使用に切り替えても、自動的には削除されません。

管理されたバックアップのタイプおよび使用情報

自動Exadataデータベース・バックアップには、Autonomous Recovery ServiceとOracle Object Storageの2つのタイプがあります。

バックアップ操作を成功させるには、データベースとインフラストラクチャ(VMクラスタまたはDBシステム)が使用可能状態である必要があります。バックアップ操作の進行中に可用性を妨げる可能性のあるアクション(パッチ適用操作など)を実行しないことをお薦めします。自動バックアップ操作が失敗した場合、データベース・サービスは、翌日のバックアップ・ウィンドウ中に操作を再試行します。オンデマンドのフル・バックアップが失敗した場合、Exadata Cloud Infrastructureインスタンスおよびデータベースの可用性が回復したときに操作を再試行できます。

自動バックアップ機能を有効にすると、どちらのサービスでも、選択したバックアップ保存先へのデータベースの増分バックアップが毎日作成されます。

自動バックアップを有効にする場合は、保持期間を制御できます。割り当てられた保存期間の期限が切れると、バックアップが自動的に削除されます。

オブジェクト・ストレージ・バックアップ保持期間: 7、15、30、45、60。デフォルト: 30日

自動バックアップ処理は、毎日のバックアップ・ウィンドウの間の任意の時間に開始されます。オプションで、データベースの自動バックアップ・プロセスが開始される2時間のスケジュール・ウィンドウを指定できます。12のスケジュール・ウィンドウから選択でき、それぞれ偶数時に開始します(たとえば、あるウィンドウは午前4:00から6:00まで実行され、次のウィンドウは午前6:00から8:00まで実行されます)。バックアップ・ジョブは、必ずしもスケジュール・ウィンドウ内に完了するわけではありません

ウィンドウを指定しない場合、Exadata Cloud Infrastructureインスタンスのリージョンのタイム・ゾーンの00:00から06:00までのデフォルトのバックアップ・ウィンドウがデータベースに割り当てられます。ウィンドウを指定する場合、その長さは2時間ですが、デフォルトのバックアップ・スケジュール・ウィンドウの長さは6時間であることに注意してください。

Autonomous Recovery Serviceの保護ポリシー:
  • ブロンズ:14日
  • シルバー: 35日
  • ゴールド: 65日
  • Platinum: 95日
  • ユーザーが定義したカスタム
  • デフォルト: シルバー- 35日

自動バックアップ・プロセスは、いつでも、または割り当てられたウィンドウ内で開始されます。

ノート

  • Data Guard:
  • バックアップ保持の変更:今後、データベースのバックアップ保持期間または保護ポリシーを短くすると、更新された保持期間外の既存のバックアップはシステムによって削除されます。
  • バックアップ・ストレージ・コスト:自動バックアップでは、選択したバックアップの保存先に応じて、Autonomous Recovery ServiceまたはObject Storageのストレージ使用コストが発生します。

どちらのサービスを使用しても、いつでもデータベースの全体バックアップを作成できます。

Exadata Cloud Serviceインスタンス・データベースを終了すると、そのすべてのリソースが削除されます。オブジェクト・ストレージの宛先を使用する管理対象バックアップは削除され、Autonomous Recovery Serviceを使用する管理対象バックアップは、選択した削除オプションに従って削除されます。オブジェクト・ストレージで作成されたスタンドアロン・バックアップは、データベースの終了後に残るため、手動で削除する必要があります。スタンドアロン・バックアップを使用して新規データベースを作成できます。

バックアップおよびリカバリ操作でSYSBACKUP管理権限を使用するというOracle推奨プラクティスに準拠するため、クラウド自動化によって、CDB$ROOTコンテナ・レベルでSYSBACKUPロールを持つ共通の管理ユーザーC##DBLCMUSERが作成されます。そのため、バックアップおよびリカバリ操作は、最小限必要な権限を持つユーザーを使用して実行されます。このユーザーの資格証明は、クラウド自動化によってランダムに生成され、安全に管理されます。ユーザーが見つからないか、LOCKEDおよびEXPIREDである場合、クラウド自動化によって、バックアップまたはリカバリ操作中にこのユーザーが再作成またはロック解除されます。このクラウド自動化の変更は、dbaastoolsバージョン21.4.1.1.0から行われます。

デフォルト・バックアップ・チャネルの割当て

「Oracle管理バックアップ」または「ユーザー構成バックアップ」を使用する場合のデータベース・バックアップ・チャネルのデフォルト設定

データベースが「Oracle管理バックアップ」または「ユーザー構成バックアップ」を使用するバックアップ用に構成されている場合、ツールではバックアップ・チャネルに「デフォルト」が使用されます。デフォルトが使用されると、割り当てるチャネルの数は、バックアップまたはリストア・コマンドの実行時にdbaasによって決定されます。割り当てられるチャネルの数は、ノードのOCPU数によって決まります。次の表に、使用される値とOCPUの範囲を示します。OCPUとチャネルの値は両方ともノード単位です。リストア操作が優先されます。クラスタ全体の合計チャネル数は、ノード当たりの値にノード数を掛けた数です。自動化では、SCANを使用して、クラスタ内のすべてのノードにRMANチャネルを分散します。

ノード当たりのOCPU ノード当たりのバックアップ・チャネルの割当て ノード当たりのリストア・チャネルの割当て
以下 12 OCPU <= 12 2 4
12より大きく、24以下 OCPU > 12 and OCPU <= 24 4 8
24より大きい OCPU > 24 8 16

必要に応じて、DBAASCLI getConfig/configureを使用してbckup cfgを生成し、パラメータbkup_channels_nodeを必要なノード当たりのチャネル数に設定することで、静的なノード単位の値を設定できます。

有効な値は1から32です: 合計チャネル数は、ノード数を掛けた値です。この値は、255チャネルの制限を超えることはできません。bkup_channels_nodedefaultの値によって、OCPUチャネル・ベースの割当てが設定されます。

Exadata Cloud Infrastructureでのバックアップの前提条件

リカバリ・サービス

リカバリ・サービスを使用するようにテナンシが構成されていることを確認します。

表5-5リカバリ・サービスを自動バックアップの保存先として使用する前に前提条件タスクを確認する

タスク 詳細情報 必須またはオプション

IAMポリシーの作成

リカバリ・サービスおよび関連リソースへのアクセスを有効にするポリシー

必須

ネットワーク・リソースを構成し、リカバリ・サービス・サブネットを登録します

データベースVCNでのリカバリ・サービス・サブネットの作成

必須

保護ポリシーの作成

データベース・バックアップ保持の保護ポリシーの確認

オプションです

リカバリ・サービスの詳細は、Oracle Database Autonomous Recovery Serviceの概要を参照してください。

オブジェクト・ストレージ

  • Exadata Cloud Serviceインスタンスでは、Oracle Cloud Infrastructure Object Storageへのアクセスが必要です。VCNでサービス・ゲートウェイを使用してこのアクセスを有効にすることをお薦めします。詳細は、Exadataクラウド・インフラストラクチャ・インスタンスのネットワーク設定を参照してください。そのトピックでは、特に次のことに注意してください:
  • バックアップの保存先として使用する既存のオブジェクト・ストレージ・バケット。コンソールまたはオブジェクト・ストレージAPIを使用してバケットを作成できます。詳細は、バケットの管理を参照してください。
  • Oracle Cloud Infrastructureによって生成された認証トークン。コンソールまたはIAM APIを使用してパスワードを生成できます。詳細は、認証トークンの作業を参照してください。
  • バックアップ構成ファイルで指定されるユーザー名には、オブジェクト・ストレージへのテナンシレベルのアクセス権が必要です。これを行うための簡単な方法は、ユーザー名を管理者グループに追加することです。ただし、それによってすべてのクラウド・サービスにアクセスできるようになります。かわりに、管理者は次のようなポリシーを作成し、データベースのバックアップおよびリストアに必要なオブジェクト・ストレージのリソースにのみアクセスを制限します:
    Allow group <group_name> to manage objects in compartment <compartment_name> where target.bucket.name = '<bucket_name>'
    Allow group <group_name> to read buckets in compartment <compartment_name>

    グループへのユーザーの追加の詳細は、グループの管理を参照してください。ポリシーの詳細は、ポリシーの開始を参照してください。

コンソールを使用したバックアップの管理

コンソールを使用して、データベースに対して自動増分バックアップの有効化、オンデマンドでのフル・バックアップの作成、管理されたバックアップのリストの表示を行うことができます。コンソールを使用して、手動(オンデマンド)でバックアップを削除することもできます。

ノート

  • コンソールに表示されるバックアップのリストには、管理されていないバックアップ(bkup_apiを使用して直接作成されたバックアップ)は含まれません。
  • すべてのバックアップは、Transparent Data Encryption (TDE)ウォレット暗号化に使用されたものと同じマスター・キーで暗号化されます。
  • 特定のデータベースのバックアップは、そのデータベースの詳細ページにリストされます。独自の暗号化キーを使用してデータベースを保護している場合、「暗号化キー」列には「Oracle管理キー」またはキー名が表示されます。詳細は、ボールトおよびキーのバックアップを参照してください。
ノート

ボールトから必要な暗号化キーを削除しないでください。削除すると、キーで保護されているデータベースおよびバックアップが使用できなくなります。

データベースの自動バックアップを構成するには

データベースのオンデマンド・バックアップを作成するには

バックアップ・ステータスを表示するには

バックアップを取り消すには

オブジェクト・ストレージからフル・バックアップを削除するには

スタンドアロン・バックアップをオブジェクト・ストレージから削除するには

  1. ナビゲーション・メニューを開きます。「Oracle Database」をクリックし、「リソース」の下の「スタンドアロン・バックアップ」をクリックします。
  2. スタンドアロン・バックアップのリストで、削除するバックアップを検索します。
  3. 対象のバックアップの「アクション」メニューをクリックし、「削除」をクリックします。
  4. 「削除」ダイアログで、「削除」をクリックしてバックアップの削除を確認します。

Autonomous Recovery Serviceを既存のデータベースのバックアップ保存先として指定するには

バックアップ保存先からのExadata Databaseのリカバリ

このトピックでは、コンソールまたはAPIを使用して、オブジェクト・ストレージまたはAutonomous Recovery Serviceに格納されているバックアップからExadataデータベースをリカバリする方法について説明します。

  • オブジェクト・ストレージ・サービスは、Exadata Cloud Infrastructureの安全で拡張可能なオンデマンド・ストレージ・ソリューションです。
  • OracleDatabase Autonomous Recovery Serviceは、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)データベース向けの一元化されたフルマネージドのスタンドアロン・バックアップ・ソリューションです。

オブジェクト・ストレージへのデータベースのバックアップの詳細は、Exadata Databaseバックアップの管理を参照してください。

コンソールを使用したデータベースのリストア

コンソールを使用して作成されたバックアップ保存先のバックアップからデータベースをリストアするには、コンソールを使用できます。

次のようにリストアできます。
  • 最新へのリストア
  • タイムスタンプにリストア
  • SCNにリストア
ノート

コンソールに表示されるバックアップのリストには、管理されていないバックアップ(bkup_apiを使用して直接作成されたバックアップ)はありません。
データベースをリストアするには

bkup_apiを使用したExadata Databaseバックアップの管理

Exadataのバックアップ・ユーティリティであるbkup_apiを使用して、Exadata Cloud Infrastructureインスタンス上のデータベースをOracle Object Storageサービスの既存のバケット、およびローカル・ディスクのFast Recovery Areaにバックアップできます。
ノート

bkup_apiは非推奨です。bkup_apiコマンドごとに対応するdbaascliコマンドがリストされています

Oracle Cloud Infrastructureによって管理されるバックアップについては、Exadata Databaseバックアップの管理を参照してください。

このトピックでは、次の方法について説明します:

  • バックアップの保存先、いつバックアップを実行するか、およびバックアップが保持される期間を示すバックアップ構成ファイルを作成します。バックアップの保存先がオブジェクト・ストレージの場合、ファイルには、サービスにアクセスするための資格証明も含まれます。
  • バックアップ構成ファイルとデータベースを関連付けます。データベースはスケジュールどおりバックアップされますが、オンデマンド・バックアップを作成できます。
ノート

次の手順を実行する前に、Exadata Cloud Infrastructureインスタンスのすべてのコンピュート・ノードでクラウド固有のツールを更新する必要があります。詳細は、Exadata Cloud Serviceインスタンスの更新を参照してください。

デフォルトのバックアップ構成

Oracleベスト・プラクティス・ガイドラインに従ったデフォルトのバックアップ構成の説明。

バックアップ構成は、一連のOracleベスト・プラクティス・ガイドラインに従います:

  • 7日間サイクルのデータベースのフル(レベル0)バックアップとその後のローリング増分(レベル1)バックアップ(保存先がオブジェクト・ストレージの場合は30日間のサイクル)。
  • 選択したシステム・ファイルのフル・バックアップ。
  • データベース・デプロイメントの作成プロセスで設定された特定の時間に毎日行われる自動バックアップ。

保持期間:

  • オブジェクト・ストレージとローカル・ストレージの両方: 30日間(ローカル・ストレージでは過去7日間のバックアップが使用可能です)。
  • オブジェクト・ストレージのみ: 30日間。
  • ローカル・ストレージのみ: 7日間。

暗号化:

  • オブジェクト・ストレージとローカル・ストレージの両方: クラウド・ストレージへのバックアップはすべて暗号化されます。
  • オブジェクト・ストレージのみ: クラウド・ストレージへのバックアップはすべて暗号化されます。

バックアップ構成ファイルを作成するには

オンデマンド・バックアップを作成するには

バックアップ構成を削除するには

ローカル・バックアップを削除するには

オブジェクト・ストレージのバックアップを削除するには

APIを使用したバックアップおよびリカバリの管理

APIを使用したバックアップの管理

APIの使用およびリクエストの署名の詳細は、REST APIおよびセキュリティ資格証明を参照してください。SDKについては、ソフトウェア開発キットとコマンドライン・インタフェースを参照してください。

次のAPI操作を使用して、データベース・バックアップを管理します:

データベース・サービスのAPIの完全なリストは、データベース・サービスAPIを参照してください。

代替バックアップ方法

OCIコンソールに加えて使用可能な代替バックアップ方法について学習します。

Exadata Cloud Infrastructure上のデータベースのバックアップは、コンソールで構成された自動バックアップに加えて、いくつかの方法を使用して実行できます。一般的に、コンソール(またはそれに対応するOCI API/CLI)は、最も簡単で最も自動化された方法を提供するため、推奨される方法です。通常は、代替の管理方法よりもOCIコンソール、OCI APIまたはOCIコマンドラインを利用することをお薦めします。ただし、推奨される方法で必要なアクションを完了できない場合、バックアップを手動で構成するために他の2つのオプション(bkup_apiおよびOracle Recovery Manager (RMAN))を使用できます。

ノート

bkup_apiは、将来のリリースで非推奨になります。コンテナ・データベースとプラガブル・データベースをバックアップおよびリカバリするには、dbaascli database backupdbaascli pdb backupdbaascli database recoverおよびdbaascli pdb recoverを使用してください。詳細は、ユーザー構成バックアップを参照してください。

RMANは、Oracle Databaseに含まれているバックアップ・ツールです。RMANの使用の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』(リリース19)を参照してください。RMANを使用してExadata Cloud Infrastructureでデータベースをバックアップすると、バックアップ・オプションに関して最も柔軟性が高くなりますが、最も複雑になります。

ノート

ここで説明されている方法でバックアップされたデータベースをリストアするためにRMANを使用することは安全であるとみなされますが、バックアップの設定でコンソール(およびOCI API/CLI)と組み合せたり、bkup_apiと組み合せてRMANを使用しないでください。RMANを利用してバックアップを手動で調整する場合は、コンソール自動バックアップを使用したり、bkup_apiを使用したりしないでください。最初に、コンソール・ベースの自動バックアップを完全に無効にする必要があります。詳細は、手動バックアップおよびリカバリ管理を容易にするための自動バックアップの無効化を参照してください。

bkup_apiの方法は、柔軟性および簡易性という点で、RMANとコンソール自動バックアップの中間に位置します。コンソール自動バックアップでは必要な機能がサポートされていないが、RMANを直接使用する複雑性を避ける場合に、bkup_apiを使用します。特定のケースでは、bkup_apiを使用してコンソール自動バックアップ構成を変更できますが、これは一般的なケースではありません。一般的には、コンソールでバックアップを有効にするのではなく、bkup_apiを使用する必要があります。

手動バックアップおよびリカバリ管理を容易にするための自動バックアップの無効化

Exadata Cloud Infrastructureコンソール、APIまたはbkup_apiで構成されたバックアップは、様々なバックアップおよびリカバリのユースケースで機能します。クラウド管理バックアップでサポートされていないユースケースが必要な場合は、Oracle Recovery Manager (RMAN)ユーティリティを使用してデータベースのバックアップおよびリカバリを手動で管理できます。RMANの使用の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』(リリース19)を参照してください。

Exadata Cloud InfrastructureでRMANを使用してバックアップおよびリカバリを管理するには、データベース・バックアップとアーカイブ・ログ・バックアップの両方の完全な所有権を取得する必要があります。クラウド管理のバックアップは使用できなくなります。手動バックアップを開始する前に、クラウド管理バックアップ機能を無効にする必要があります。これは、手動バックアップの前にクラウド・バックアップ・ジョブがアーカイブ・ログをパージせず、手動バックアップと競合しないようにするために必要です。

bkup_apiユーティリティを使用して、次の手順に従うことで、自動アーカイブ・ログ・パージ・ジョブを無効にするなど、クラウド管理バックアップを無効にできます:

ノート

これらのステップを実行すると、データベースのFRAのアーカイブ・ログは、自動でパージ/バックアップされなくなります。
  1. opcユーザーとして最初のコンピュート・ノードに接続します。

    詳細な手順は、SSHを使用したコンピュート・ノードへの接続を参照してください。

  2. rootユーザー・コマンド・シェルを起動します:
    sudo -s
  3. bkup_api get configコマンドを使用して、データベース・デプロイメントの現在のバックアップ設定を含むファイルを生成します:
    /var/opt/oracle/bkup_api/bkup_api get config [--file=filename] --dbname=dbname
    説明:
    • filenameは、生成されるファイルの名前を指定するために使用されるオプションのパラメータです
    • dbnameは、操作するデータベースのデータベース名です
  4. 生成されたファイルのパラメータ値を編集して、次のパラメータを変更します。
    これにより、バックアップのcrontabエントリが削除され、すべての自動バックアップが無効になります。値がyesに設定されている場合は、noに設定します。
    bkup_cron_entry=no
    bkup_archlog_cron_entry=no
    bkup_nfs=no
    bkup_oss=no
    bkup_local=no
  5. bkup_api set configコマンドを使用して、更新されたバックアップ設定を含むファイルを使用してバックアップ設定を更新します:
    /var/opt/oracle/bkup_api/bkup_api set config --file=filename --dbname=dbname
    説明:
    • filenameは、生成されるファイルの名前を指定するために使用されるオプションのパラメータです
    • dbnameは、操作するデータベースのデータベース名です

    構成を設定するジョブは、完了するまで数分かかります。

  6. bkup_api configure_statusコマンドを使用して、構成の更新のステータスを確認できます:
    /var/opt/oracle/bkup_api/bkup_api configure_status --dbname=dbname
    説明:
    • dbnameは、操作するデータベースのデータベース名です

    Configure backup statusは、runningとして開始し、完了時にfinishedに移行します。

  7. bkup_api get configコマンドを再度実行し、前述の設定がnoに設定されていることを確認します。
    /var/opt/oracle/bkup_api/bkup_api get config [--file=filename] --dbname=dbname
    説明:
    • filenameは、生成されるファイルの名前を指定するために使用されるオプションのパラメータです
    • dbnameは、操作するデータベースのデータベース名です
    ノート

    これらの変更を行った後、アーカイブ・ログ・バックアップを含むバックアップは、クラウド自動化によって作成されません。アーカイブ・ログの場所がいっぱいにならないように、手動のRMANバックアップが適切に配置されることを確認してください。
    ノート

    bkup_apiコマンドを使用して行った変更は、Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructureコンソールに反映されません。
  8. rootユーザー・コマンド・シェルを終了します:
    exit

Oracle Recovery Manager (RMAN)を使用したデータベースのリカバリ

bkup_apiを使用してデータベースをバックアップした場合は、Oracle Recovery Manager (RMAN)ユーティリティを使用して、そのデータベース・バックアップを手動でリストアできます。RMANの使用の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』(リリース19)を参照してください。

ノート

RMANを使用したリカバリは安全ですが、バックアップの開始やバックアップ設定の編集でbackup_apiの使用と組み合せたり、自動コンソール・バックアップと組み合せてRMANを使用しないでください。そうすると、条件の競合や設定の上書きが発生し、バックアップが正常に実行されない可能性があります。