Exascaleインフラストラクチャ・システムでのOracle Exadata Database Serviceのトラブルシューティング
これらのトピックでは、発生する可能性がある一般的な問題とその対処方法について説明します。
- Exascaleインフラストラクチャ上のExadata Database Serviceの既知の問題
一般的な既知の問題。 - Oracle Data Guardのトラブルシューティング
Oracle Data Guardの問題の特定および解決について学習します。 - 追加のサポートが必要な場合
Oracle Data Guardのトラブルシューティング
Oracle Data Guardの問題の特定および解決について学習します。
Oracle Data Guardをトラブルシューティングする場合、Data Guardの設定および初期化中に問題が発生したか、Data Guardの操作中(ライフサイクル・コマンドの入力時)に問題が発生したかを最初に特定する必要があります。問題を識別および解決するステップは、それらが使用されるシナリオによって異なります。
ライフサイクル操作には、スイッチオーバー、フェイルオーバーおよび回復の3つがあります。Data Guard Brokerは、これらのすべてのコマンドで使用されます。ブローカ・コマンドライン・インタフェース(dgmgrl
)は、問題の識別およびトラブルシューティングに使用されるメイン・ツールです。ログ・ファイルを使用して根本原因を識別することもできますが、dgmgrl
を使用すると、より迅速かつ簡単に問題をチェックして識別できます。
Data Guardの設定および有効化には複数のステップが含まれます。ログ・ファイルはステップごとに作成されます。いずれかのステップが失敗した場合は、関連するログ・ファイルを確認し、問題を特定して修正します。
- プライマリ・クラウドVMクラスタおよびデータベースの検証
- スタンバイ・クラウドVMクラスタの検証
- ファイルの再作成およびスタンバイ・データベースへのコピー(パスワード・ファイルおよびウォレット)
- ネットワークを介したData Guardの作成(RMAN Duplicateコマンド)
- Data Guard Brokerの構成
- 設定の完了
- ログ・ファイルを使用したData Guardのトラブルシューティング
問題の識別に使用するツールおよび関連するログ・ファイルの場所は、それらが使用されるシナリオによって異なります。 - Data Guard設定プロセスのトラブルシューティング
Data Guard設定プロセスの様々なステップで発生する可能性があるエラーを確認します。一部のエラーはコンソール内に表示されますが、根本原因のほとんどはログ・ファイルで確認できます
ログ・ファイルを使用したData Guardのトラブルシューティング
問題の識別に使用するツールおよび関連するログ・ファイルの場所は、それらが使用されるシナリオによって異なります。
次の手順を使用して、関連するログ・ファイルを収集し、問題を調査します。ログ・ファイルを調査しても問題を解決できない場合は、My Oracle Supportに連絡してください。
収集したファイルをOracleサポート用に準備する場合は、ZIPファイルなどの圧縮アーカイブにバンドルしてください。
Data Guard構成に関連付けられている各コンピュート・ノードで、発生した問題に関連するログ・ファイルを収集します。
- 有効化ステージのログ・ファイル(スタンバイ・データベースの作成操作のドキュメントなど)および対応するプライマリまたはスタンバイ・システムのログ。
- 有効化ジョブIDのログ・ファイル。例: 23
- 有効化ステージおよびExadataシステム(プライマリまたはスタンバイ)別の有効化ログ・ファイルの場所。
- データベース名のログ・ファイル(ファイル・パスに応じて
db_name
またはdb_unique_name
)。
対応するプライマリおよびスタンバイExadataシステムのすべてのノードをチェックしてください。システムで実行されたコマンドは、そのノードのいずれかで実行された可能性があります。
Data Guard Deployer (DGdeployer
)は、構成を実行するプロセスです。プライマリ・データベースを構成すると、/var/opt/oracle/log/<dbname>/dgdeployer/dgdeployer.log
ファイルが作成されます。
このログには、プライマリ・データベースの構成に失敗した根本原因が含まれています。
dbaasapi
コマンドライン・ユーティリティのプライマリ・ログは、/var/opt/oracle/log/dbaasapi/db/dg/<job_ID>.log
です。dg_api
を含むエントリを検索します。dbaasapi
コマンドライン・ユーティリティのスタンバイ・ログの1つは、/var/opt/oracle/log/dbaasapi/db/dg/<job_ID>.log
です。このログで、dg_api
を含むエントリを検索します。- もう1つのスタンバイ・ログは、
/var/opt/oracle/log/<dbname>/dgcc/dgcc.log
です。このログはData Guard構成ログです。
- Oracle Cloud Deployment Engine (ODCE)は、
/var/opt/oracle/log/<dbname>/ocde/ocde.log
ファイルを作成します。このログには、スタンバイ・データベースの作成に失敗した原因が含まれています。 dbaasapi
コマンドライン・ユーティリティは、var/opt/oracle/log/dbaasapi/db/dg/<job_ID>.log
ファイルを作成します。dg_api
を含むエントリを検索します。- Data Guard構成ログ・ファイルは、
/var/opt/oracle/log/<dbname>/dgcc/dgcc.log
です。
DGdeployer
は、構成を実行するプロセスです。/var/opt/oracle/log/<dbname>/dgdeployer/dgdeployer.log
ファイルを作成します。このログには、スタンバイ・データベースの構成に失敗した根本原因が含まれています。dbaasapi
コマンドライン・ユーティリティは、/var/opt/oracle/log/dbaasapi/db/dg/<job_ID>.log
ファイルを作成します。dg_api
を含むエントリを検索します。- Data Guard構成ログは、
/var/opt/oracle/log/<dbname>/dgcc/dgcc.log
です。
DGdeployer
は、構成を実行するプロセスです。Data Guardの構成中に、/var/opt/oracle/log/<dbname>/dgdeployer/dgdeployer.log
ファイルが作成されます。このログには、プライマリ・データベースの構成に失敗した根本原因が含まれています。
プライマリ・サイトおよびスタンバイ・サイトの各ノードで、関連するデータベース名(db_name
)のログ・ファイルを収集します。
プライマリとスタンバイ両方のExadataシステムのすべてのノードをチェックしてください。ライフサイクル管理操作は、プライマリ・システムとスタンバイ・システムの両方に影響する可能性があります。
- データベース・アラート・ログ:
/u02/app/oracle/diag/rdbms/<dbname>/<dbinstance>/trace/alert_<dbinstance>.log
- Data Guard Brokerログ:
/u02/app/oracle/diag/rdbms/<dbname>/<dbinstance>/trace/drc<dbinstance>.log
- Data Guardのクラウド・ツール・ログ・ファイル:
/var/opt/oracle/log/<dbname>/odg/odg.log
Data Guard設定プロセスのトラブルシューティング
Data Guard設定プロセスの様々なステップで発生する可能性があるエラーをレビューします。一部のエラーはコンソール内に表示されますが、根本原因のほとんどはログ・ファイルで確認できます
Data Guardを有効にするために入力したパスワードがSYSユーザーのプライマリ管理パスワードと一致しませんでした。このエラーは、有効化のプライマリの検証ステージ中に発生します。
データベースが稼働していない可能性があります。このエラーは、有効化のプライマリの検証ステージ中に発生します。ホストでsrvctl
およびsql
を使用してチェックし、データベースがすべてのノードで稼働していることを確認してください。
プライマリ・データベースを構成できませんでした。Data Guardコマンドが無効であるか、リスナーの再構成に失敗したことが、このエラーの原因となっている可能性があります。
TDEウォレットを作成できませんでした。Oracle Transparent Database Encryption (TDE)キーストア(ウォレット)ファイルをスタンバイ・サイトに転送する準備ができませんでした。このエラーは、有効化のTDEウォレットの作成ステージ中に発生します。次のいずれかの項目が、このステージで失敗する原因となっている可能性があります:
- TDEウォレット・ファイルにアクセスできませんでした
- 有効化コマンドでウォレット・ファイルを含むアーカイブを作成できませんでした
トラブルシューティング手順:
- クラスタがアクセス可能であることを確認します。クラスタのステータスをチェックするには、次のコマンドを実行します:
crsctl check cluster -all
- クラスタが停止している場合は、次のコマンドを実行して再起動します:
crsctl start crs -wait
- クラスタがアクセス可能なときにこのエラーが発生する場合は、TDEウォレットの作成(有効化ステージ)のログをチェックして、エラーの原因と解決策を確認します。
TDEウォレットを含むアーカイブがスタンバイ・サイトに転送されなかった可能性があります。通常、再試行すると問題が解決します。
- スタンバイ・データベースを構成するためにプライマリ・サイトとスタンバイ・サイトが相互に通信できない可能性があります。これらのエラーは、有効化のスタンバイ・データベースの構成ステージ中に発生します。このステージでは、プライマリ・データベースのRMAN複製を含め、スタンバイ・データベースで構成が実行されます。この問題を解決するには:
- プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトの接続ステータスを確認します。
- ホストがポート1521からすべてのポートと通信できることを確認します。ネットワーク・セキュリティ・グループ(NSG)、ネットワーク・セキュリティ・リストおよびリモートVCNピアリング設定(該当する場合)を含むネットワーク設定をチェックします。ホストと他のノードの間の通信をテストする最善の方法は、SQL*PLUSを使用してプライマリからスタンバイに向けて、またスタンバイからプライマリに向けてデータベースにアクセスすることです。
- SCAN VIPまたはリスナーが実行されていない可能性があります。前述のテストを使用して、問題を識別してください。
考えられる原因:
- SCAN VIPまたはリスナーが実行されていない可能性があります。この問題を確認するには、任意のクラスタ・ノードで次のコマンドを使用します。
-
[grid@exa1-****** ~]$ srvctl status scan
-
[grid@exa1-****** ~]$ srvctl status scan_listener
-
- データベースに到達できない可能性があります。この問題を確認するには、既存のOracle Net別名を使用して接続を試みます。
トラブルシューティング手順:
- Oracle OSユーザーとして、コンテナ・データベース(CDB)についてOracle Net別名の存在をチェックします。$ORACLE_HOME/network/admin/<dbname>/tnsnames.oraで別名を検索します。
次の例は、db12cという名前のコンテナ・データベースのエントリを示しています:
cat $ORACLE_HOME/network/admin/db12c/tnsnames.ora DB12C = (DESCRIPTION =(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = exa1-*****-scan.********.******.******.com)(PORT = 1521)) (CONNECT_DATA = (SERVER = DEDICATED) (SERVICE_NAME = db12c.********.******.******.com) (FAILOVER_MODE = (TYPE = select) (METHOD = basic))))
- 別名を使用してデータベースに接続できることを確認します。たとえば、sysdbaとして、次のコマンドを入力します:
sqlplus sys@db12c
このエラーの考えられる原因は、データベースとTDEウォレットのOracle Database sysまたはsystemユーザー・パスワードが同じでない可能性があることです。パスワードを比較するには:
- sysユーザーとしてデータベースに接続し、次でTDEステータスをチェックします
.V$ENCRYPTION_WALLET
- systemユーザーとしてデータベースに接続し、次でTDEステータスをチェックします
.V$ENCRYPTION_WALLET
- 該当するパスワードを更新して一致させます。opcとしてシステム・ホストにログオンし、次のコマンドを実行します:
- SYSパスワードを変更するには:
sudo dbaascli database changepassword --dbname <database_name>
- TDEウォレット・パスワードを変更するには:
sudo dbaascli tde changepassword --dbname <database_name>
- SYSパスワードを変更するには:
スイッチオーバー、フェイルオーバーおよび回復コマンドを実行したときに、複数のエラー・メッセージが表示されることがあります。これらのエラー・メッセージについては、Oracle Databaseのドキュメントを参照してください。
ノート
Oracleでは、Data Guard Brokerコマンドライン・インタフェース(dgmgrl)を使用して構成を検証することをお薦めします。
-
Oracleユーザーとして、
dgmgrl
を使用してプライマリ・データベースまたはスタンバイ・データベースに接続し、構成とデータベースを確認します:dgmgrl sys/<pwd>@<database> DGMGRL> VALIDATE CONFIGURATION VERBOSE DGMGRL> VALIDATE DATABASE VERBOSE <PRIMARY> DGMGRL> VALIDATE DATABASE VERBOSE <STANDBY>
- Oracle Databaseのドキュメントを参照して、それぞれのエラー・メッセージをチェックします。例:
- ORA-16766: REDO Applyが停止しています。
- ORA-16853: 適用ラグが指定されたしきい値を超えました。
- ORA-16664: メンバーから結果を受信できません(スタンバイ・データベース)。
- ORA-12541: TNS: リスナーがありません(プライマリ・データベース)
追加のサポートが必要な場合
このトピックの情報を使用して問題を解決できなかった場合は、次の手順に従って、関連するデータベースおよび診断情報を収集します。この情報を収集したら、Oracleサポートに連絡してください。
- クラウド・ツールのログの収集
関連するログ・ファイルを使用して、特定の問題の詳細な調査および解決のためにOracleサポートを支援できます。 - Oracle Diagnosticsの収集
関連トピック
クラウド・ツールのログの収集
関連するログ・ファイルを使用して、特定の問題の詳細な調査および解決のためにOracleサポートを支援できます。
DBAASCLIログ
/var/opt/oracle/log/dbaascli
dbaascli.log
親トピック: 追加のサポートが必要な場合