Oracle Linux KVMイメージ

KVMには、Oracle Linuxカーネルをハイパーバイザとして使用して仮想マシンを実行できる一連のモジュールが用意されています。KVMは、デフォルトでUnbreakable Enterprise Kernel (UEK)に組み込まれています。

Oracle KVMイメージには次が含まれます:

  • Oracle Cloudインスタンスを仮想マシンをデプロイおよび管理するためのKVMホストとして構成する基本環境およびツール
  • 環境に必要なホスト、ゲスト、ストレージおよびネットワーク構成を管理するためのユーティリティ
重要

現在、Oracleイメージは、他の仮想管理ソリューション(Oracle Linux Virtualization Managerなど)での使用を意図していません。

Oracle Cloud Infrastructureを初めて使用する場合は、Oracle Cloud Infrastructureドキュメントの開始セクションを確認してください。また、libvirt (特にvirshおよびvirt-install)を使用した仮想マシン・ゲストの管理にも精通している必要があります。

Oracle LinuxでKVMを使用する方法の詳細は、次を参照してください:

リリース情報

KVMイメージの最新の機能および更新について学習します。

KVMイメージは、最新のセキュリティ情報および更新情報によって定期的に更新されています。このドキュメントが更新されるのは、新機能の追加または既存機能の変更が行われた場合のみです。

ノート

リリース2.0

リリース2.0では、次の更新が導入されています:

  • 基本オペレーティング・システムが、Oracle Linux 7 Update 9およびUnbreakable Enterprise Kernel Release 6 (UEKR6)に更新されています。
  • oci-utilsパッケージがv0.11.6-9に更新されています。
  • Oracle Cloud Marketplaceで、Oracle Linux KVMイメージの2つのバージョンが提供されるようになりました:
    • Oracle Linux KVMイメージ(Autonomous Linux): このイメージは、標準のOracle Linuxリポジトリを使用してOracle Autonomous Linuxを実行するように構成されています。Oracle Autonomous Linuxでは、インスタンスの高度なセキュリティと信頼性を維持するために、自律型機能(ゼロ・ダウンタイムの自動Kspliceパッチ適用や既知の脆弱性悪用の検出など)が提供されます。イメージのAutonomous Linuxバージョンは、Oracle Cloud MarketplaceOracle Linux KVMイメージ(Autonomous Linux)としてリストされています。

      Oracle Autonomous Linuxの詳細は、開始: Oracle Cloud InfrastructureでのOracle Autonomous Linuxのデプロイおよび構成およびOracle Autonomous Linux for Oracle Cloud Infrastructure (Oracle Linux Learning Library)を参照してください。

    • Oracle Linux KVMイメージ: イメージのOracle LinuxバージョンがOracle Cloud MarketplaceOracle Linux KVMイメージとしてリスト表示されています。重要

      Oracle Cloud InfrastructureOracle Linux KVMイメージの将来のリリースは、標準のOracle Linuxリポジトリを使用するAutonomous Linuxとして構成されます。

リリース1.6

  • 基本オペレーティングシステムがOracle Linux 7 Update 8に更新されています。
  • oci-utilsパッケージがv0.11.3-6に更新されています。
  • OCIユーティリティが、複数VNICのサポートを提供するように拡張されています。詳細は、OCI-KVMユーティリティの使用を参照してください。
  • OCIユーティリティのPython3実装に、インスタンス・メタデータ・サービスv2のセキュリティ拡張機能が含まれています。
  • OCIユーティリティ用の追加機能を提供するために、python36-oci-sdkパッケージがイメージにインストールされています。
  • Oracle Linux 7 KVMユーティリティ・チャネルが、qemu-kvmおよびlibvirtパッケージの更新を提供するように有効化されています。

リリース1.5

  • 基本オペレーティングシステムがOracle Linux 7 Update 7に更新されています。
  • コンピュート・シェイプのサポートが拡張され、次がサポートされるようになりました:
    • Oracle Cloud Infrastructure AMDベア・メタル(BM)シェイプ。
    • Oracle Cloud Infrastructure Intelベース仮想マシン(VM)シェイプのネストされた仮想化。

    詳細は、仮想マシンの作成を参照してください。

  • このリリースには、Oracle Cloud Infrastructure用の新しいOCI-KVMユーティリティが含まれています:
    • oci-kvm create-network

      KVMゲスト用のVNIC仮想ネットワークを作成します。複数のゲストが単一VNICを共有できるように、ブリッジ接続されたlibvirtネットワークをVNIC上に作成します。

    • oci-kvm delete-network

      KVMゲスト用のVNIC仮想ネットワークを削除します。

    • oci-kvm create-storage-pool

      Oracle Cloud InfrastructureOracle Cloud File Storage Serviceに割り当てられたブロック・ストレージ・デバイスまたはストレージで、ファイル・システムを作成、マウントおよび構成します。1つのブロック・ディスクを使用して複数のゲスト・ディスクをホストできるようにします。

リリース1.4

  • 基本オペレーティングシステムは Oracle Linux 7 Update 5に基づいています。
  • oci-utilsパッケージがバージョン0.6に更新されています。
  • oci-utilsパッケージが、次の機能を提供するように拡張されています:
    • oci-network-config --create-vnicコマンドを使用したVNICの作成。
    • oci-iscsi-config --create-volumeコマンドを使用したブロック・デバイスの作成。
  • 仮想機能ネットワーク・インタフェースが、ネイティブのOracle Linux systemd LSBネットワーク(ifcfgネットワーク構成ファイル)を使用して完全に構成されています。

インスタンスの作成および接続

インスタンスの作成およびインスタンスへのアクセスを参照してください。

ノート

  • Oracle KVMインスタンスは、いずれかのコンピュート・シェイプを使用して作成できます。ただし、AMDプロセッサベースの仮想マシンでは、ネストされた仮想化はサポートされません。詳細は、コンピュート・シェイプを参照してください。
  • アクティブな物理NIC 1があるシェイプ上では、KVMゲストをVLAN 0にアタッチすることはできません。ただし、どちらかの物理NIC上の他のVLANにはKVMゲストをアタッチできます。

ブロック・ストレージおよびVNICの割当て

KVMインスタンス上で仮想マシンを作成する前に、ブロック・ストレージとVNICを割り当てる必要があります。

ゲストごとに、専用のOracle Cloud Infrastructureブロック・ストレージ・デバイスおよびVNICが必要です。

ブロック・ストレージの作成およびアタッチ

コンソールの使用

Oracle Cloud Infrastructureコンソールを使用して、ブロック・ストレージを作成およびアタッチします。

詳細は、ボリュームの作成を参照してください。

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「ストレージ」をクリックします。「ブロック・ストレージ」で、「ブロック・ボリューム」をクリックします。
  2. 「ブロック・ボリュームの作成」を選択します。
  3. 新しいブロック・ボリュームの名前を入力し、「ブロック・ボリュームの作成」をクリックします。
  4. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックします。「コンピュート」で、「インスタンス」をクリックします。
  5. 「インスタンス」リストで、KVMインスタンスを選択します。
  6. 「インスタンスの詳細」「リソース」で、「アタッチされたブロック・ボリューム」をクリックします。
  7. 「アタッチされたブロック・ボリューム」セクションで、「ブロック・ボリュームのアタッチ」をクリックします。
  8. ブロック・ボリューム・リストから、作成したブロック・ボリュームを選択し、「アタッチ」をクリックします。

    ブロック・ボリュームが作成され、アタッチされて、インスタンスの詳細ページの「アタッチされたブロック・ボリューム」に表示されます。

CLIの使用

または、oci-iscsi-configコマンドを使用して、ブロック・ボリュームを作成してアタッチできます。

詳細は、oci-iscsi-config manページを参照してください。

  1. SSHを使用してKVMインスタンスに接続します。例:
    ssh –i PRIVATE_KEY_PATH opc@PUBLIC_IP_ADDRESS
  2. ボリュームを作成してアタッチします:
    sudo oci-iscsi-config create --attach-volume --volume-name VOLUME_NAME --size SIZE

    たとえば、サイズが128GBvolume_001を作成してアタッチするには:

    # oci-iscsi-config create --attach-volume --volume-name volume_001 --size 128
    Creating a new 128 GB volume pool_volume_001
    Volume [pool_volume_001] created
    Attaching the volume to this instance
    Attaching iSCSI device.
    Volume [pool_volume_001] is attached.

    構成を確認するには:

    # oci-iscsi-config show --details
    Currently attached iSCSI devices:
                 Target             | Volume name |          Volume OCID           | Persistent portal  |  Current portal  | Session State | Attached device | Size |
    -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
    iqn.2015-12.com.oracleiaas:id...| volume_001  |ocid1.volume.oc1.uk-london-1....|  169.254.2.2:3260  | 169.254.2.2:3260 |   LOGGED_IN   |       sdb       | 128G |
    
    ノート

    コマンドがVolume creation has failed: Failed to create volumeで失敗した場合

    APIキーが構成されていることを確認します。API署名キーの生成を参照するか、インスタンスでoci setup configを実行します。

  3. オプションで、ストレージ・プールを作成します:
    sudo oci-kvm create-pool --disk DEVICE_PATH --name POOL_NAME

    たとえば、vm_pool_001という名前のストレージ・プールを作成し、ブロック・ボリューム・デバイスsdbを関連付けるには:

    # oci-kvm create-pool --disk /dev/sdb --name vm_pool_001
    Pool vm_pool_001 successfully created.
    構成を確認するには:
    # oci-kvm list-pool
    VM pool Information:
         Name    |        UUID       | Autostart | Active | Persistent | Volumes |  State  |  Capacity  |   Allocation   | Available  |
    -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
     vm_pool_001 | [exampleuniqueID] |    yes    |  yes   |    yes     |    0    | running | 127.94 GiB |      32.25 MiB | 127.90 GiB |
    ノート

    oci-kvm list-poolコマンドを使用できない場合は、yum update oci-utils-kvmを実行してパッケージを0.12.6以降に更新します。

VNICの作成およびアタッチ

ノート

1つのインスタンス上で複数のVNICを作成してアタッチできます。次のステップを必要に応じて繰り返して、インスタンスに複数のVNICを割り当てます。

コンソールの使用

Oracle Cloud Infrastructureコンソールを使用して、VNICを作成およびアタッチします。

詳細は、仮想ネットワーク・インタフェース・カードを参照してください。

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックします。「コンピュート」で、「インスタンス」をクリックします。
  2. 「インスタンス」リストで、KVMインスタンスを選択します。
  3. 「インスタンスの詳細」「リソース」で、「アタッチされたVNIC」をクリックします。
  4. 「アタッチされたVNIC」セクションで、「VNICの作成」をクリックします。
  5. VNICの名前を入力し、リストから仮想クラウド・ネットワークを選択します。
  6. サブネットを選択し、「変更の保存」をクリックします。

    VNICが作成され、アタッチされて、インスタンスの詳細ページのアタッチされたVNICに表示されます。

  7. 構成を完了するには、インスタンスに接続して、Linux: セカンダリVNICのOSの構成にあるスクリプトを実行する必要があります。

CLIの使用

または、oci-network-configコマンドを使用して、VNICを作成してアタッチできます。

詳細は、oci-network-config manページを参照してください。

  1. SSHを使用してKVMインスタンスに接続します。例:
    ssh –i PRIVATE_KEY_PATH opc@PUBLIC_IP_ADDRESS
  2. VNICを作成してアタッチします:
    sudo oci-network-config attach-vnic --vnic-name VNIC_NAME

    たとえば、vnic_kvm_001という名前のVNICを作成してアタッチします:

    # oci-network-config attach-vnic --name vnic_kvm_001
    Creating VNIC: 10.0.7.45

    構成を確認するには:

    # oci-network-config show --details
    Network configuration:
    State |    Link    |Status| IP address |     VNIC     |       MAC       |     Hostname     |            Subnet           |  Router IP |Namespace |Index|VLAN tag|    VLAN   |
    --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
      -   |    ens3    |  UP  |  10.0.7.81 |  kvm_demo    |00:00:00:00:00:01|     kvm-demo     |10.0.7.0/25 (All-Regional-...|  10.0.7.1  |    -     |  2  |  3280  |     -     |
      -   |    ens5    |  UP  |  10.0.7.45 | vnic_kvm_001 |00:00:00:00:00:02| kvm-demo-vnic... |10.0.7.0/25 (All-Regional-...|  10.0.7.1  |    -     |  5  |  3316  |     -     |
      -   | virbr0-nic | DOWN |       -    |      -       |00:00:00:00:00:03|        -         |              -              |     -      |    -     |  4  |   -    |     -     |
    Operating System level network configuration:
    CONFIG      ADDR    SUBNET     BITS VIRTROUTER    NS     IND      IFACE     VLTAG     VLAN    STATE        MAC                          VNIC ID                                         
    -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
      -     10.0.7.81   10.0.7.0    25   10.0.7.1      -      2        ens3      3280      -        UP  00:00:00:00:00:01 ocid1.vnic.oc1.uk-london-1.[exampleuniqueID] 
      -     10.0.7.45   10.0.7.0    25   10.0.7.1      -      5        ens5      3316      -        UP  00:00:00:00:00:02 ocid1.vnic.oc1.uk-london-1.[exampleuniqueID] 
      -        -           -        -       -          -      4     virbr0-nic    -        -       DOWN 00:00:00:00:00:03
    ノート

    コマンドがCannot create the VNIC: Failed to create VNIC: Failed to attach new VNIC:...で失敗した場合

    APIキーが構成されていることを確認します。API署名キーの生成を参照するか、インスタンスでoci setup configを実行します。

仮想マシンの操作

oci-kvmユーティリティを使用して、KVMインスタンス上で仮想マシンを作成および削除します。

仮想マシンの作成

oci-kvm createコマンドを使用して仮想マシンを作成します。

  1. 仮想マシンを作成する前に、割当て済のブロック・ストレージとVNICがあることを確認します。
  2. SSHを使用してKVMインスタンスに接続します。例:
    ssh –i PRIVATE_KEY_PATH opc@PUBLIC_IP_ADDRESS

    詳細は、インスタンスへのアクセスを参照してください。

  3. 仮想マシン用のブロック・ストレージ・デバイスを選択します:
    1. sudo oci-iscsi-config show --detailsを実行して、インスタンスにアタッチされているすべてのストレージの詳細を表示します。
    2. デバイスを選択し、「アタッチされたデバイス」の名前(sdbなど)をメモします。

      createコマンドの実行時に、--diskを指定するときにこの名前を使用します。パスに/devを追加します(例: /dev/sdb)。

  4. 仮想マシンに対して特定のVNICを選択します:
    1. sudo oci-network-config show --detailsを実行します
    2. 適切なVNICを選択し、「リンク」の名前(ens5など)をメモします。

      createコマンドの実行時に、--netオプションを指定するときにこの名前を使用します。

      ノート

      • 複数のゲストが同じVNICまたはブロック・ストレージ・デバイスを使用することはできません。
      • 単一のゲストに複数のVNICを割り当てることができます。
      • 単一のホストを複数の仮想ネットワークにアタッチできます。
  5. oci-kvm createコマンドと使用可能なオプションのいずれかを使用して、仮想マシンを作成します。詳細は、oci-kvm createを参照してください。

    例:

    oci-kvm create [-D | --domain VM_NAME] [-d | --diskDEVICE_PATH] 
                [-p | --pool POOL_NAME] [-s | --disk-size DISK_SIZE] 
                [-n | --net VNIC] [-v |--virtual-network VIRTUAL_NETWORK_NAME] 
                [-V | --virt OPT_ARGS]
    ノート

    /home/opc内に.isoファイルを配置すると、権限の問題が発生する可能性があります。.isoファイルがアクセス可能な場所(/tmpなど)にあることを確認します。

ブロック・ストレージを使用する例

この例では、特定のブロック・ストレージ・デバイスとコンソール出力用のシリアル・コンソールを使用するゲストを作成します。コンソール出力用のVNCなど、他のオプションも使用できます。グラフィカル・オプションを使用する場合は、このイメージがアタッチされているサブネットのOracle Cloud Infrastructureセキュリティ・リストを適切に構成する必要があります。

oci-kvm create -D MY_VM_NAME -d /dev/sdb -V --vcpus 4 --memory 8192 --boot cdrom,hd \
--location /tmp/OracleLinux.iso --nographics --console pty,target_type=serial \
--console pty,target_type=virtio --noautoconsole --os-variant=rhel7 --extra-args "console=ttyS0,115200n8"

ストレージ・プールとVNICを使用する例

この例では、ストレージ・プールとコンソール出力用のシリアル・コンソールを使用するゲストを作成します。

sudo oci-kvm create --domain kvm_vm_001 --pool vm_pool_001 --disk-size 24 --net ens5 \
--virt --vcpus 2 --memory 8192 --boot cdrom,hd --location /isos/OracleLinux.iso --nographics \
--console pty,target_type=serial --console pty,target_type=virtio --noautoconsole \
--os-variant=rhel8.0 --extra-args="console=ttyS0,115200n8"

キックスタート・インストールを実行する例

この例では、キックスタート・ファイル/root/kvm_vm_002_ks.cfgとコンソール出力用のシリアル・コンソールを使用するゲストを作成します。

oci-kvm create --domain kvm_vm_002 --pool vm_pool_001 --disk-size=24 --net ens5 \
--virt --vcpus 2 --memory 8192 --boot cdrom,hd --location /isos/OracleLinux.iso --nographics \
--console pty,target_type=serial --console pty,target_type=virtio --noautoconsole --os-variant=ol7.9 \
--initrd-inject /root/kvm_vm_002_ks.cfg --extra-args="ks=file:kvm_vm_002_ks.cfg console=ttyS0,115200n8"

ストレージ・プールと仮想ネットワークを使用する例

この例では、ストレージ・プール、仮想ネットワーク、およびコンソール出力用のシリアル・コンソールを使用する、ゲストを作成します。

oci-kvm create -D MY_VM -p MY_POOL -s 35 -v MYNET0 -V --vcpus 4 --memory 8192 \
--boot cdrom,hd --location /mnt/OracleLinux.iso --nographics --console pty,target_type=serial \
--console pty,target_type=virtio --noautoconsole --os-variant=rhel7 --extra-args "console=ttyS0,115200n8"

ストレージ・プールと複数VNICを使用する例

この例では、ストレージ・プール、複数のVNIC (この例では-nオプションを使用する2つのVNIC)、コンソール出力用のシリアル・コンソールを使用するように構成されたゲストを作成します。

oci-kvm create -D MY_VM -p MY_POOL  -s 35 -n 10.0.0.97 -n 10.0.1.2 -V --vcpus 4 \
--memory 8192 --boot cdrom,hd  --location /tmp/OracleLinux.iso --nographics \
--console pty,target_type=serial --console pty,target_type=virtio --noautoconsole \
--os-variant=rhel7 --extra-args "console=ttyS0,115200n8"

ストレージ・プールと複数仮想ネットワークを使用する例

この例では、ストレージ・プール、複数のlibvirtネットワーク、およびコンソール出力用のシリアル・コンソールを使用する、ゲストを作成します。

oci-kvm create -D MY_VM -p MY_POOL -s 35 -v MYNET0 -v MYNET1 -V --vcpus 4 \
--memory 8192 --boot cdrom,hd --location /tmp/OracleLinux.iso --nographics \
--console pty,target_type=serial --console pty,target_type=virtio  --noautoconsole \
--os-variant=rhel7 --extra-args "console=ttyS0,115200n8"

仮想マシンの削除

oci-kvm destroyコマンドを使用して、ゲスト仮想マシンに割り当てられているすべてのシステム・リソースを削除して構成解除し、再利用できるようにします。

  1. SSHを使用してKVMインスタンスに接続します。例:
    ssh –i PRIVATE_KEY_PATH opc@PUBLIC_IP_ADDRESS

    詳細は、インスタンスへのアクセスを参照してください。

  2. 仮想マシンを削除するには、前もって停止する必要があります。

    virsh destroy VM_NAME
  3. 仮想マシンが停止した後で、完全に破棄できます:

    oci-kvm destroy -D VM_NAME
    たとえば、kvm_vm_001を破棄するには:
    $ oci-kvm destroy -D kvm_vm_001
    Domain kvm_vm_001 has been undefined
    

oci-kvm destroyコマンドは、libvirt内の仮想マシンの定義を解除し、その仮想マシンに対して作成されたホスト・リソースをクリーン・アップします。仮想マシンに割り当てられたOracle Cloud Infrastructureリソースが、新しい仮想マシンで使用可能になります。

OCI-KVMユーティリティの使用

OCI-KVM (oci-kvm)ユーティリティを使用すると、Oracle Cloud Infrastructureインスタンス上にKVMゲストを作成して構成できます。

自動ゲスト作成プロセス中に、このユーティリティによって、Oracle Cloud Infrastructureリソースが複数のKVMゲストに割り当てられていないことが保証されます。ゲストが不要になったときは、このユーティリティを使用して、ゲストを削除し、ゲストに割り当てられているすべてのシステム・リソースの構成を解除できます。

oci-kvm create

説明

  • ルート・ディスクとネットワーク・インタフェースの両方にOracle Cloud Infrastructureブロック・ストレージおよびOracle Cloud Infrastructure VNICを使用するKVMゲストの作成に必要なすべてのアクションを実行します。
  • ブロック・ストレージの場合、デバイスを検証およびチェックして、別のゲストに割り当てられていないことを確認します。ストレージ・プールも使用できます。
  • 仮想ネットワーク・インタフェースの場合、すべての仮想ネットワーク・インフラストラクチャ(仮想機能、VLAN、個々のブロック・ストレージ・デバイス、各ゲストに必要なVNICなど)を作成します。
  • ゲストは、VNICまたはブロック・ストレージ・デバイスを共有できません。
  • ゲストに複数のVNICを割り当てることができます。また、ゲストを複数の仮想ネットワークにアタッチできます。

使用法

oci-kvm create [-h] [-D | --domain vm_name] [-d | --disk device_path] [-p | --pool pool_name] [-s | --disk-size disk_size] [-n | --net ip_vnic] [-v | --virtual-network virtual_network_name] [-V | --virt opt_args]

オプション

-h | --help
コマンドのオプションを表示します。
-D | --domain vm_name
仮想マシンの名前。
-d | --disk device_path
VMのルート・ディスクとして使用されるブロック・デバイスのパス。-p | --poolおよび-s | --disk-sizeとともに使用します。
-s | --disk-size disk_size
ストレージ・プールの使用時に作成されるディスクのサイズ(GB)。-d | --diskおよび-p | --poolとともに使用します。
-p | --pool pool_name
ルート・ディスクに使用されるストレージ・プールの名前。-d |--diskおよび-s | --disk-sizeとともに使用します。
-v | --virtual-network virtual_network_name
ゲストをアタッチするlibvirtネットワークの名前。繰り返すと、ゲストを複数のネットワークにアタッチすることができます。
-n | --net ip_vnic
ゲストに割り当てるVNICのIPまたは名前。繰り返すと、複数のVNICを割り当てることができます。
-V | --virt optional_arguments
virt-installに指定するその他のオプションの引数。これらの引数は、oci-kvmで認識されない引数の場合でも、変更されずにvirt-installに渡されます。

この例では、MY_VMという名前のゲストを作成する方法を示します。これは、MY_POOLという名前のストレージ・プール上に128GBのルート・ディスクがあり、192.168.100.1 VNICを使用します。

oci-kvm create -D MY_VM --disk-size 128 --disk DEVICE_PATH --pool MY_POOL --net
            192.168.100.1 --virt --vcpu 1 --memory 8g --pxe

この例では、ストレージ・プールを使用するように構成されたOracle Linux 7 Update 8ゲスト、複数のVNIC (この例では-n オプションを使用して2つのVNIC)、およびコンソール出力用のシリアル・コンソールを作成する方法を示します。

oci-kvm create -D MY_VM -p MY_POOL -s 35
                -n 10.0.0.97 -n 10.0.1.2 -V --vcpus 4 --memory 8192 --boot cdrom,hd --location
                /tmp/OracleLinux-R7-U8-Server-x86_64-dvd.iso --nographics --console
                pty,target_type=serial --console pty,target_type=virtio --noautoconsole
                --os-variant=rhel7 --extra-args "console=ttyS0,115200n8"

oci-kvm destroy

説明

  • KVMゲストを完全に削除します。
  • オプションで、関連付けられたストレージ・プールベースのディスクを削除します。

使用法

oci-kvm destroy [-D | --domain vm_name][--destroy-disks]

オプション

-h | --help
コマンドのオプションを表示します。
-D | --domain vm_name
仮想マシンの名前。
--destroy-disks
ストレージ・プールベースのディスクを削除します。

この例では、MY_VM仮想マシンを破棄し、関連付けられたストレージ・プールベースのディスクを削除する方法を示しています。

oci-kvm destroy -D MY_VM --destroy-disks

oci-kvm create-pool

説明

  • ゲスト仮想ディスクをホストするためのストレージ・プールを作成します。
  • プールは、ブロック・デバイスまたはFSSファイル・システム上に作成できます。

使用法

oci-kvm create-pool [-n | --name pool_name][-d | --disk device_path]

oci-kvm create-pool [-n | --name pool_name][-N | --netfshost ip_nfs][-p | --path path_netfs]

オプション

-h | --help
コマンドのオプションを表示します。
-n | --name pool_name
ストレージ・プールの名前。
-d | --disk device_path
ストレージ・プールが作成されるディスクのパス。
-N | --netfshost ip_nfs
ストレージ・プールが作成されるNFSサーバーの名前またはIP。-p | --pathとともに使用します。
-p | --path path_netfs
NETFSリソースのパス。-N | --netfshostとともに使用します。

この例では、ディスク/dev/sdb上にディスクベースのストレージ・プールを作成する方法を示しています。

oci-kvm create-pool --disk /dev/sdb

この例では、NFSサーバー192.168.100.1上のNFSリソースFileSystem-20201212-1454に、MY_POOLという名前のNETFSベースのストレージ・プールを作成する方法を示しています。

oci-kvm create-pool --netfshost 192.168.100.2 --path /FileSystem-20201212-1454 --name MY_POOL 

oci-kvm list-pool

説明

インスタンスに関連付けられているストレージ・プールをリストします。

使用法

oci-kvm list-pool [--output-mode mode]

オプション

-h | --help
コマンドのオプションを表示します。
--output-mode mode
出力表示モードを設定します。modeには、parsabletablejsonまたはtextを指定します。

この例では、テキスト出力モードでプールをリストします。

oci-kvm list-pool --output-mode text

oci-kvm create-network

説明

  • Oracle Cloud Infrastructure VNICを使用する仮想(libvirt)ネットワークを作成します。
  • 作成されたlibvirtネットワークは、他のKVMゲストが使用できるIP範囲を提供します。

使用法

oci-kvm create-network [-n | --net ip_vnic] [-N | --network-name network_name] [-B | --ip-bridge ip_bridge] [-S | --ip-start ip_start] [-E | --ip-end ip_end] [-P | --ip-prefix ip_prefix]

オプション

-h | --help
コマンドのオプションを表示します。
-n | --net ip_vnic
ネットワークの構築に使用されるVNICのIP。
-N | --network-name network_name
仮想ネットワークの名前。
-B | --ip-bridge ip_bridge
仮想ネットワーク・アドレス空間のブリッジIP。
-S | --ip-start ip_start
仮想ネットワーク・アドレス空間内のゲストのIP範囲の先頭。
-E | --ip-end ip_end
仮想ネットワーク・アドレス空間内のゲストのIP範囲の末尾。
-P | --ip-prefix ip_prefix
仮想ネットワークで使用されるIP接頭辞。

この例では、MYNET0という名前の仮想ネットワークをVNIC上に作成する方法を示します。このIPアドレスは10.0.1.2、ブリッジIPは192.168.100.9、IP範囲は192.168.100.10 - 192.268.100.30、IP接頭辞は24です。

oci-kvm create-network --network-name=MYNET0 --net=10.0.1.2 --ip-bridge=192.168.100.9
            --ip-start=192.168.100.10 --ip-end=192.168.100.30 --ip-prefix=24 

oci-kvm delete-network

説明

oci-kvm create-networkコマンドを使用して以前に作成されたlibvirtネットワークを削除します。

使用法

oci-kvm delete-network [-N | --network-name network_name]

オプション

-h | --help
コマンドのオプションを表示します。
-N | --network-name network_name
仮想ネットワークの名前。

この例では、MYNET0という名前の仮想ネットワークを削除する方法を示しています。

oci-kvm delete-network --network-name=MYNET0