OCIユーティリティ
Oracle Linuxプラットフォーム・イメージを使用するインスタンスには、インスタンスがインフラストラクチャ・リソースに関する情報にアクセスできるようにする一連のユーティリティ(oci-utils
)が含まれます。これらのユーティリティは、リソースの自動検出またはプロビジョニングに役立つサービス・コンポーネントおよびコマンドライン・ツールで構成されます。
OCIユーティリティのインストール
Oracle Linux 7以降で起動されたインスタンスには、インストールされたOracle Cloud Infrastructure (OCI)ユーティリティ(oci-utils
)パッケージが自動的に含まれます。ユーティリティは、他のディストリビューションでは使用できません。
OCIユーティリティを使用するには、次の前提条件を満たす必要があります。
oci_included
リポジトリが有効になっていることを確認します。このリポジトリは、Oracle Linuxプラットフォーム・イメージではデフォルトで有効になっています。このリポジトリには、必要なOCI SDKおよびPythonパッケージを含む、すべてのパッケージ依存関係が含まれています。必要なすべてのパッケージは、oci-utils
パッケージとともにインストールされます。- 次のいずれかを実行して、OCIユーティリティにOracle Cloud Infrastructureへのアクセスに十分な権限があることを確認します。
- ホストのSDK構成ファイルを作成します。詳細は、SDKおよびCLIの構成ファイルを参照してください。ノート
oci setup config
コマンドを実行してSDK構成ファイルを作成する前に、ご使用の環境にCLIをインストールする必要がある場合があります。詳細は、Installing the CLIを参照してください。 - Oracle Cloud Infrastructureサービスへのアクセスが許可された動的グループにインスタンスを追加して、インスタンス・プリンシパルを使用します。詳細は、動的グループの管理を参照してください。
- rootが非特権ユーザーのOracle Cloud Infrastructure構成ファイルを使用できるように、
oci-utils
を構成します。詳細は、インスタンスの/etc/oci-utils.conf.d
ディレクトリにある構成ファイルを参照してください。
- ホストのSDK構成ファイルを作成します。詳細は、SDKおよびCLIの構成ファイルを参照してください。
- ユーティリティにアクセスする方法を選択し、必要に応じてその方法の設定手順を実行します。
- インスタンスまたはリモート・ホストからのOCI CLI - OCIユーティリティを実行できるインスタンスまたはリモート・ホストに接続されたCLI端末。CLIとその使用開始方法の詳細は、コマンドライン・インタフェース(CLI)およびCLIクイックスタートを参照してください。
- OCI Software Development Kit (SDK) - コードを記述し、OCIリソースを管理できる開発者ツールのセット。詳細は、ソフトウェア開発キットとコマンドライン・インタフェースを参照してください。
OCIユーティリティをインストールおよび設定する方法に関するビデオについては、Oracle Linuxトレーニング・ステーションのOracle Cloud InfrastructureインスタンスでのOracle LinuxのOCIユーティリティの有効化を参照してください。
OCIユーティリティの更新
最新バージョンのoci-utils
に更新するには:
sudo yum update oci-utils
ocidデーモンの使用
ocid
デーモンは、oci-utils
のサービス・コンポーネントです。これは、インスタンスのVNICおよびiSCSI構成内の変化をモニターし、デバイスの出現や消失(Oracle Cloud Infrastructure Console、CLIまたはAPIを使用したデバイスの作成または削除など)に合せてデバイスの自動アタッチまたはデタッチを試みます。
systemd
を使用してocid
デーモンを起動し、システム・ブート中にocid
サービスが自動的に開始されるように設定するには:
sudo systemctl enable --now ocid.service
サービスがアクティブ(実行中)であることを確認するには:
sudo service ocid status
例:
$ sudo service ocid status
Redirecting to /bin/systemctl status ocid.service
ocid.service - Oracle Cloud Infrastructure utilities daemon
Loaded: loaded (/etc/systemd/system/ocid.service; enabled; vendor preset: enabled)
Active: active (running) since Thu 2021-02-04 18:01:25 GMT; 1min 42s ago
Main PID: 16630 (python3)
CGroup: /system.slice/ocid.service
└─16630 /usr/bin/python3 /usr/lib/python3.6/site-packages/oci_util...
Feb 04 18:01:23 mor-demoinst-10 systemd[1]: Starting Oracle Cloud Infrastruc....
Feb 04 18:01:24 mor-demoinst-10 sudo[16705]: root : TTY=unknown ; PWD=/ ...w
Feb 04 18:01:25 mor-demoinst-10 systemd[1]: Started Oracle Cloud Infrastruct....
Hint: Some lines were ellipsized, use -l to show in full.
OCIユーティリティ・サマリー
OCIユーティリティ・コンポーネントのサマリー。
名前 | 説明 |
---|---|
ocid
|
oci-utils のサービス・コンポーネントで、systemd によって起動されたデーモンとして実行されます。このサービスは、iSCSIおよびVNICデバイス構成の変更をスキャンして、インスタンスのOCIメタデータとパブリックIPアドレスをキャッシュします。 |
oci-compartmentid |
インスタンスが実行されているコンパートメントのOracle Cloud Identifier(OCID)が表示されます。 |
oci-growfs
|
インスタンスのルート・ファイル・システムを構成したサイズに拡張します。 |
oci-image-expand |
Oracle Linux Minimalインスタンスを変換して、標準のOracle Linuxプラットフォーム・イメージのサービスおよびパッケージを追加します。 |
oci-instanceid |
インスタンスのOCIDを表示します。 |
oci-iscsi-config
|
コンピュート・インスタンスにアタッチされたiSCSIデバイスをリストまたは構成します。コマンドライン・オプションを指定しない場合、注意が必要なデバイスがリストされます。 |
oci-metadata
|
コンピュート・インスタンスのメタデータを表示します。コマンドライン・オプションを指定しない場合、使用可能なすべてのメタデータがリストされます。メタデータには、インスタンスOCID、表示名、コンパートメント、シェイプ、リージョン、可用性ドメイン、作成日、状態、イメージ、および指定した任意のカスタム・メタデータ(SSH公開キーなど)が含まれます。 |
oci-network-config
|
コンピュート・インスタンスにアタッチされた仮想ネットワーク・インタフェース・カード(VNIC)をリストまたは構成します。クラウド内でセカンダリVNICがプロビジョニングされるときは、このスクリプトまたは同様のコマンドを使用して、インスタンスでそれを明示的に構成する必要があります。 |
oci-network-inspector
|
指定されたコンパートメントまたはネットワークの詳細レポートを表示します。 |
oci-notify |
通知サービス・トピックにメッセージを送信します。 |
oci-public-ip
|
現在のシステムのパブリックIPアドレスを、判読可能な形式またはJSON形式で表示します。 |
oci-volume-data |
インスタンスにアタッチされている特定のiSCSIボリュームに関するデータを表示します。 |
一般的なOCIユーティリティ・オプション
Oracle Cloud Infrastructure (OCI)ユーティリティの多くには、コマンドラインからユーティリティを実行するときに使用できる同じオプションまたは引数があります。これらのオプションおよび引数は、ユーティリティによって生成される情報のタイプ、またはユーティリティ・タスクの実行方法をさらに定義するのに役立ちます。
次の表に、OCIユーティリティ全体で共通のオプションとそのサポートされている値を示します。
オプション | 説明 |
---|---|
--help
|
ユーティリティの使用状況、使用可能なオプション、各オプションでサポートされる値など、ユーティリティに関するヘルプ情報を表示します。たとえば、oci-metadata ユーティリティのヘルプを表示するには:
|
|
すべてのアイテムまたは値を出力に表示します。 |
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出力に詳細情報を表示します。 |
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ユーティリティ出力の表示方法を定義できます。使用可能なOCIユーティリティ・モードは次のとおりです。
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表示された出力の値を短くしません。 |
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表示された出力の値を短くします。 |
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すべてのプロンプトで「yes」と回答します。 |
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すべてのプロンプトで「いいえ」と答えます。 |
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情報メッセージを抑制します。 |
コマンドラインで
man oci-utility
と入力して、各OCIユーティリティのマニュアル・ページを表示することもできます。たとえば、oci-metadata
ユーティリティの組込みマニュアル・ページを表示するには:man oci-metadata