Oracle Visual Builderとは何ですか。
Oracle Visual Builderは、開発およびホスティング・プラットフォーム上に直感的な開発エクスペリエンスを提供して、魅力的なレスポンシブ・アプリケーションを作成できるようにします。使いやすさとビジュアルな開発手法を中心に、Oracleの安全でスケーラブルなクラウド・プラットフォームでホストされるアプリケーションを簡単に作成できます。
ビジュアルな開発エクスペリエンス
Visual Builderは、応答性に優れたアプリケーションを作成するためのシンプルで強力なビジュアル開発ツールを備えており、追加のソフトウェアをインストールする必要はありません。この豊富なビジュアル・ツール・セットにより、UIコンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップし、属性をカスタマイズして動作を定義することで、アプリケーションを迅速に設計できます。これらのツールはローコード開発者に適していますが、経験豊富な開発者は基礎となるソース・コードに簡単にアクセスでき、複雑なニーズのために標準のHTML5、JavaScriptおよびCSS技術を使用して拡張することもできます。
データへの簡単なアクセス
Visual Builderを使用すると、RESTベースのサービスからアプリケーションのデータに簡単にアクセスできます。そのため、再利用可能なビジネス・オブジェクトを作成してアプリケーションのビジネス・ロジックを実装し、そのデータを格納できます。このオブジェクトは、Visual Builderによって生成されるRESTエンドポイントを介して管理できます。または、Oracle SaaSまたはOracle Integrationアプリケーションで公開されたデータ・オブジェクトを、RESTサービスの統合カタログで選択できます。数回クリックするだけで、任意の外部RESTサービスからデータにアクセスすることもできます。
開発およびホスティング・プラットフォーム
Visual Builderは完全な開発ツールとホスティング・プラットフォームであり、開発からテスト、最終公開まで、アプリケーションのライフサイクルを管理できます。バージョン管理とデータ移行は、アプリケーションのライフサイクルに組み込まれているため、アプリケーションをステージングして公開し、すべてのフェーズでデータを管理することが容易になります。
さらに、Visual Builderはマネージド・サービスです。つまり、Visual Builderインスタンスをプロビジョニングすると、アプリケーションの開発および公開以外に実行する必要のあることはほとんどありません。アプリケーションを正常に実行するために必要なすべてのもの(アプリケーションをホストし、データ・アクセスを保護するためのWebサーバーを含む)が処理されます。そのため、開発チームとして、アプリを開発からステージに持ち込み、非常に短い時間で公開できます。Visual Builderを使用したアプリケーション開発の概要を次に示します。

図vbcs-architecture.pngの説明
Visual Builderインスタンス(イメージの真ん中の正方形で表される)は、ビジュアル開発ツール(上部)としても、Webサーバー(下部にサーバー側コンポーネントで示される)が組み込まれたアプリケーション・ホスティング・プラットフォームとしても、ビジュアル・アプリケーション用の機能を提供します。
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Visual Builderは、ビジュアル開発ツールとして、オープンソースのOracle JavaScript Extension Toolkit (JET)を利用するUIコンポーネントおよびWYSIWYGインタフェースへのアクセスを提供します。デザイナと呼ばれるこのビジュアル環境には、開発チームが複数のデバイスにまたがるリッチなUIを共同で構築するために使用できる複数のビジュアル・エディタがあります。また、Oracleのユーザー・エクスペリエンスの標準であるRedwoodもサポートされており、Oracleから提供されるアプリケーションと同じルック・アンド・フィールを提供するアプリケーションを開発できます。
この環境では、オンデバイス・モバイル・エクスペリエンスとWebアプリケーションの配布のしやすさを兼ね備えたプログレッシブWebアプリケーションなど、ブラウザベースのレスポンシブ・アプリケーションを開発できるため、アプリ・ストアから更新をダウンロードする必要がなくなります。
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アプリケーション・ホスティング・プラットフォームとして、Visual Builderは、アプリケーションのビジネス・オブジェクトを格納する埋込みデータベース(REST APIを介して公開されるビジネス・ロジックを含むOracle表、およびそのデータを含む)など、クラウドでアプリケーションを公開および実行するための様々な機能を提供します。
また、外部RESTエンドポイントへのアクセスを管理するためのRESTプロキシ・サービスも含まれています。アプリケーションのデータがOracle SaaSやOracle IntegrationなどのOracleカタログのREST APIから取得される場合、プロキシ・サービスは、Oracle Identity Cloud Service (IDCS)とのサーバー側統合を使用して、アイデンティティ伝播を介して認証および認可(デフォルト)を管理します。アプリケーションのデータが他のRESTエンドポイントから取得される場合、資格証明の管理には認証済RESTメカニズムが使用されます。
これらのコンポーネントは、ビジュアル・アプリケーションをホストし、そのデータを管理するために必要なリソースを提供します。
アプリケーションが公開されると、デスクトップまたはモバイル・デバイスからクラウド内のユーザーが使用できるようになり、アプリケーションの基礎となるJETコンポーネントとの通信がHTTPSおよびRESTを介して保護されます。