1One View Reportingについて

Oracle BI PublisherおよびJD Edwards EnterpriseOne

JD Edwards EnterpriseOneには、Oracle Business Intelligence(BI) Publisherと統合された3つの機能があります。各統合は、特定のレポート要件、つまり、顧客対応ドキュメントの作成、エンド・ユーザーへの独自の運用レポートの作成機能の提供、およびパワー・ユーザーおよびITスタッフへの複雑なアドホック・レポートの作成機能の提供に対応します。この項では、各統合の概要を示し、それぞれに共通のユース・ケースを説明します。

  • JD Edwards EnterpriseOne用埋込みBI Publisher: UBEからの出力を、顧客対応ドキュメントに変換します(Pixel Perfect)。JD Edwards EnterpriseOne用埋込みBI Publisherの共通ユース・ケースは、請求書、計算書、ピッキング・リストおよび小切手です。

  • One View Reporting: エンド・ユーザーがカスタマイズしたレポートをJD Edwards EnterpriseOne対話型アプリケーションから直接作成し実行できるようにします。このレポートは、通常、ユーザーまたはロールに固有であり、日次、週次またはその他定期的な間隔で通常業務の一環として実行されます。このタイプのレポートでは、ユーザーは、データ選択、順序設定、含めるデータ・カラムおよびデータの視覚化(チャート、表、グラフ)に関する高度なカスタマイズ機能を必要とします。これらのエンドユーザー・レポートは、毎日の標準のビジネス・プロセスの一環として運用データの可視性を高めることで、ユーザーの生産性を向上させます。One View Reportingでは、ユーザーは、JD Edwards EnterpriseOneアプリケーション内からデータ・フィールドを選択して特定のデータ選択を実行し、BI Publisherのレイアウト機能を使用して、レポート出力形式を定義できます。共通のユース・ケースは、販売レポート、顧客レポートおよび従業員レポートです。

  • アドホック・レポート: パワー・ユーザーおよびITスタッフが、アドホック・ベースでデータを問い合せる強力なクエリーを作成できるようにします。このタイプのレポートは、通常、標準のビジネス・プロセス以外の特定のビジネス要件に合わせて作成され、1、2回のみ処理されます。このレポートでは、ユーザーはデータを取得するSQL文を作成する必要があります(クエリー・ビルダー)。一般的に、クエリーは、IT部門またはJD Edwards EnterpriseOneデータ・スキーマを理解しているパワー・ユーザーによって作成されます。クエリーを作成した後、ITまたはパワー・ユーザーは、データを表示するテーブルおよびチャートを使用してレポートのレイアウトを作成します(テンプレート・ビルダー)。この統合により、JD Edwards EnterpriseOne JDBCドライバおよびOracle BI Publisher Enterprise Editionを利用できます。この統合は、一般に対話型レポートと呼ばれます。定義により、共通のユース・ケースはありません。

注意: Oracle BI Publisherサーバーへの接続時に証明書が無効であるというメッセージが表示されたら、システム管理者に問い合せてEnterpriseOneとOracle BI Publisherとの間にSSL接続を設定するように依頼してください。

One View Reportingの概要

Oracle JD Edwards EnterpriseOne One View Reportingは、データにアクセスし、Oracle BI Publisherを使用してレポートを作成するための直感的で簡単に使用できる方法を提供します。

既存のレポートの実行、テーブル、グラフおよびチャートを含む新規レポートの作成、様々な形式(PDFドキュメント、HTMLおよびExcelスプレッドシート)でのレポートの表示を簡単に行えます。また、多くのレポートで、レポート・データを対話形式でフィルタし、さらに詳しく分析できます。

One View Reportingは、標準およびカスタムの検索/表示フォームを使用してレポート・データを検索します。結合されたビジネス・ビューを使用して複数のテーブルのレコードにアクセスするOne Viewアプリケーションも使用できます。One View検索/表示フォームでは、ビジネス・トランザクションとマスター・データを以前は使用できなかった組合せに結合し、これらの組合せを、選択したBI Publisherレイアウトで表示できます。データ・ブラウザを使用してレポート・データを検索し、One Viewレポートを作成することもできます。

One View Reportingの利点は次のとおりです。

  • ほとんどのレポート作成で必要とされるITサポートをなくすことで、レポートの開発および保守のコストを削減します。

  • サードパーティのレポート作成製品が不要になるため、合計所有コストが改善されます。

  • 情報への簡単かつリアルタイムのアクセスによりエンド・ユーザーの満足度が向上します。

  • 情報への低コストでのアクセスを提供することによりビジネスの意思決定を可能にします。

  • データの表示またはレポートの作成に必要だったカスタム・アプリケーションを減らすまたはなくすことで、システムのアップグレード・コストを削減します。

One View Reportingアプリケーション、データ・モデルおよびレポート

One Viewレポートは標準およびカスタムのJD Edwards EnterpriseOne検索/表示フォームから作成できますが、One View Reportingソリューションには、出来高、コスト分析および顧客勘定残高など、目的別に作成されたOne Viewアプリケーション、データ・モデルおよびレポートが含まれています。このレポートは必要に応じて変更でき、追加のレポートをITのサポートを受けずに定義できます。データ・モデル、テーブル結合およびビジネス・ビューの複雑性はエンド・ユーザーにはマスクされるため、次の機能領域にわたり直感的にレポートを操作できます。

  • 財務管理

  • 製造管理

  • 調達管理および外注管理

  • 在庫管理

  • 受注管理

  • 不動産管理

  • 資本資産管理

  • プロジェクト管理

  • 給与管理

  • 人事管理

  • サービス管理

  • 輸送管理

  • 倉庫管理

  • 安全衛生インシデント管理

  • レンタル管理

データ・ブラウザ

検索/表示フォームの他に、データ・ブラウザを使用してOne Viewレポートを作成できます。レポートに必要なデータを既存のアプリケーションから取得できない場合、データ・ブラウザで表またはビジネス・ビューをクエリーし、クエリー結果からデータ・セットを作成できます。レポートに必要なデータ項目を選択したら、そのデータ項目を使用してレポートのレイアウトを設計します。データ・ブラウザを使用して設計したレポートは、データ・ブラウザの「One View」メニューに選択肢として表示されます。

One Viewレポートの処理

レポートに含めるデータを見つけたら、ボタンをクリックして、BI Publisherでレポートを作成します。

One Viewレポートは次から作成できます。

  • One View Reportingアプリケーションの検索/表示フォーム。

  • 標準のJD Edwards EnterpriseOne検索/表示フォーム。

  • カスタムの検索/表示フォーム。

  • データ・ブラウザ

One Viewレポートの実行

高レベルなレポート実行手順は次のとおりです。

  1. プロセスで使用するアプリケーション(One Viewアプリケーション、検索/表示フォーム、データ・ブラウザ)にアクセスします。

  2. データ・セットに対する選択基準を決定します。

  3. 「One View」メニューからOne Viewレポートを選択します。

  4. ブラウザ・ウィンドウに自動的に表示されるレポートを表示します。

新規One Viewレポートの作成

既存のレポートをコピーして変更を行うか、または完全に新しいレポートを追加して新規レポートを作成できます。検索/表示フォームまたはデータ・ブラウザからレポートをコピーするか、新規レポートを追加します。

完全に新規のレポートを追加するには、テンプレートを選択して、レポート・レイアウトを作成します。検索/表示フォーム、テーブル、またはビジネス・ビューにより、レイアウトの設計に使用するデータ項目が提供されます。レポートの開発中にレポートをプレビューし、最終結果を保存する前に調整を行えます。

One Viewレポートの変更

レポートを作成したら、次のレポート・コンポーネントを編集できます。

  • レポート・レイアウト

  • レポートまたはレイアウトのプロパティ

  • レポート定義

自分自身で変更するレポートは、個人用レポートです。個人用レポートの管理用として、いくつかのオプション(個人用レポートを共有する要求など)を使用できます。共有レポートは、社内の他のユーザーが使用できます。