パブリックからアクセス可能なOracle以外のデータベースへの顧客管理の異種間接続によるデータベース・リンクの作成

DBMS_CLOUD_ADMIN.CREATE_DATABASE_LINKを使用して、パブリック・エンドポイントにある専用Exadataインフラストラクチャ上のAutonomous DatabaseからOracle Database Gatewayへのデータベース・リンクを作成し、Oracle以外のデータベースにアクセスします。

Oracle Database Gatewayは、Oracle以外の特定システムへのアクセス用に設計されたゲートウェイです。Oracle Database Gatewayを使用すると、データの場所や格納方法を知らなくても、分散データベース・システム上のあらゆる場所にあるデータにアクセスできます。Oracle Database Gatewayを使用してAutonomous Databaseでデータベース・リンクを使用すると、異種環境がサポートされ、Oracle以外のシステムのデータにアクセスするようにアプリケーションをカスタマイズする必要がなくなります。

ノート:

Oracle以外のパブリック・データベースへの顧客管理の異種間接続を使用したデータベース・リンクの作成は、バージョン19.25以上(19c)および23.6以上(23ai)でのみサポートされています。

前提条件

パブリック・エンドポイントでAutonomous Databaseインスタンスのデータベース・リンクを使用するには、次を実行します:

  1. Oracle以外のデータベースにアクセスするようにOracle Database Gatewayを構成します。詳細は、Oracle Database 19c Database Heterogeneous Connectivityユーザーズ・ガイドOracle DatabaseゲートウェイまたはOracle Database 23ai Database Heterogeneous Connectivityユーザーズ・ガイドを参照してください。

    接続先のデータベースによっては、対応する『Installation and Configuration Guide』および『Gateway User's Guide』を参照してください。

    たとえば、Oracle Database Gateway for SQL Serverの場合は、次を参照してください:

  2. Oracle Database Gatewayで受信リクエストを処理するようにOracle Net Listenerを構成します。

  3. Oracle Database Gatewayで自己署名ウォレットを作成します。

  4. TCP/IP with SSL (TCPS)認証を使用するようにターゲット・ゲートウェイを構成します。詳細は、『Oracle Database 19cセキュリティ・ガイド』Transport Layer Security認証の構成またはOracle Database 23aiセキュリティ・ガイドを参照してください。

手順

DBMS_CLOUD_ADMIN.CREATE_DATABASE_LINKを使用して、パブリック・エンドポイントのAutonomous DatabaseインスタンスからOracle Database Gatewayへのデータベース・リンクを作成し、Oracle以外のデータベースにアクセスします。

パブリック・エンドポイントのAutonomous Databaseインスタンスからターゲット・ゲートウェイへのデータベース・リンクを作成するには:
  1. Oracle Database Gatewayの証明書を含むターゲット・ゲートウェイのセルフサービス・ウォレット(cwallet.ssoなど)をオブジェクト・ストアにコピーします。

    ノート:

    ウォレット・ファイルは、データベースのユーザーIDおよびパスワードと組み合せて、ターゲット・ゲートウェイを介して使用可能なデータへのアクセスを可能にします。ウォレット・ファイルは安全な場所に保存してください。ウォレット・ファイルは、権限のあるユーザーとのみ共有してください。
  2. cwallet.ssoを格納するオブジェクト・ストアにアクセスするための資格証明を作成します。様々なオブジェクト・ストレージ・サービスのユーザー名およびパスワード・パラメータの詳細は、CREATE_CREDENTIALプロシージャを参照してください。
  3. Autonomous Databaseで、ウォレット・ファイルcwallet.ssoのディレクトリを作成します。
    たとえば次のようにします。
    CREATE DIRECTORY dblink_wallet_dir AS 'directory_path_of_your_choice';

    ディレクトリの作成の詳細は、Autonomous Databaseのディレクトリの作成を参照してください。

  4. DBMS_CLOUD.GET_OBJECTを使用して、前のステップで作成したディレクトリDBLINK_WALLET_DIRにターゲット・ゲートウェイの自己署名ウォレットをアップロードします。
    たとえば次のようにします。
    BEGIN
        DBMS_CLOUD.GET_OBJECT(
            credential_name => 'DEF_CRED_NAME',
            object_uri => 'https://objectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/n/namespace-string/b/bucketname/o/cwallet.sso',
            directory_name => 'DBLINK_WALLET_DIR'
        );
     END;

    この例では、namespace-stringOracle Cloud Infrastructureオブジェクト・ストレージ・ネームスペースで、bucketnameはバケット名です。詳細は、オブジェクト・ストレージ・ネームスペースの理解を参照してください。

    このステップで使用するcredential_nameは、オブジェクト・ストアの資格証明です。次のステップでは、ターゲット・ゲートウェイにアクセスするための資格証明を作成します。

    詳細は、GET_OBJECTプロシージャおよびファンクションを参照してください。

  5. Autonomous Databaseで、ターゲット・データベースにアクセスするための資格証明を作成します。DBMS_CLOUD.CREATE_CREDENTIALで指定するユーザー名とパスワードは、データベース・リンク内で使用されるターゲット・データベースの資格証明です(ターゲット・データベースはOracle Database Gatewayを介してアクセスされます)。
    たとえば次のようにします。
    BEGIN
        DBMS_CLOUD.CREATE_CREDENTIAL(
            credential_name => 'DB_LINK_CRED',
            username => 'NICK',
            password => 'password'
        );
    END;/

    credential_nameパラメータの指定は必須です。

    usernameパラメータの文字はすべて大文字である必要があります。

    この操作によって、資格証明が暗号化された形式でデータベースに格納されます。資格証明には任意の名前を使用できます。

  6. DBMS_CLOUD_ADMIN.CREATE_DATABASE_LINKを使用して、ターゲット・ゲートウェイへのデータベース・リンクを作成します。
    たとえば次のようにします。
    BEGIN
        DBMS_CLOUD_ADMIN.CREATE_DATABASE_LINK(
            db_link_name =>       'SALESLINK',
            hostname =>           'example.com',
            port =>               '1522',  
            service_name =>       'example_service_name',
            ssl_server_cert_dn => 'ssl_server_cert_dn',
            credential_name =>    'DB_LINK_CRED',
            directory_name =>     'DBLINK_WALLET_DIR',
            gateway_link =>        TRUE
        );
    END;/

    ADMIN以外のユーザーがDBMS_CLOUD_ADMIN.CREATE_DATABASE_LINKを実行するには、権限が必要です。

    詳細は、CREATE_DATABASE_LINKプロシージャを参照してください。

  7. 作成したデータベース・リンクを使用して、ターゲット・ゲートウェイのデータにアクセスします。
    たとえば次のようにします。
    SELECT * FROM employees@SALESLINK;
ステップ5で作成した資格証明(Oracle Database Gatewayの資格証明)では、ターゲット・ユーザーのパスワードが変更された場合、ターゲット・ユーザーの資格証明を含む資格証明を次のように更新できます:
BEGIN
    DBMS_CLOUD.UPDATE_CREDENTIAL(
        credential_name =>'DB_LINK_CRED',
        attribute =>'PASSWORD',
        value=>'password'
    );
END;
/

ここで、passwordは新しいパスワードです。

この操作の後、この資格証明を使用する既存のデータベース・リンクは、データベース・リンクを削除して再作成しなくても引き続き機能します。

詳細は、UPDATE_CREDENTIALプロシージャを参照してください。

See How to Access Non-Oracle Databases from Autonomous Database using Oracle Database Gateway for an example to create a database link to an Oracle Database Gateway to access a Microsoft SQL Server database.

ノート:

前述のブログではAutonomous Databaseサーバーレスのコンテキストについて説明しますが、そのブログのすべてのコンテンツは専用Exadataインフラストラクチャ上のAutonomous Databaseにも適用されます。