キットにはどのようなステータスを設定できますか?

試験中に配送を管理する上で、各キット・ステータスが実際に何を意味するかについて疑問を持ったことはありませんか?次に、Oracle Clinical One Platformでキットに設定可能なすべてのステータスとその説明を示します。

ヒント:

キットの変更後のステータスは、ロールとそのロールに割り当てられた権限に従って、「試験在庫」、「施設在庫」または「キット照合」タブまたは「症例履歴」の施設またはデポのいずれかに表示できます。在庫しているすべてのキットのステータスに関する情報は、Oracle Clinical One Platformのキット在庫(盲検)レポートおよびキット在庫(盲検解除)レポートでも確認できます
キット・ステータス 説明 キットがこのステータスに達する方法

図11-1 使用可

使用可キット・ステータス
キットは、施設の症例への交付またはデポからの配送の準備が整っています。 キットのステータスは次のように「使用可」に更新されます:
  • 自動: キットがテスト中モードのためにデポにリリースされた場合、および施設ユーザーが配送品を受領済としてマークした場合
  • 手動: スポンサ・ユーザーがキットを本番モードまたはトレーニング・モードのためにデポにリリースした場合。

図11-2 破損

破損キット・ステータス
キットが施設またはデポで物理的に損なわれました。たとえば、キットの破損は落下した結果である可能性があります。 施設ユーザーまたはスポンサ・ユーザーがキットを「破損」としてマークします。

図11-3 症例により破損

症例が破損キット・ステータス
キットが症例に交付された後に物理的に損なわれました。この場合、症例はそのキットを廃棄するために施設に返却する必要があります。通常、症例が破損したキットを施設に返却すると、新しいキットが交付されます。 施設ユーザーがキットを「症例により破損」としてマークします。

図11-4 廃棄済

廃棄済キット・ステータス
キットがキット照合プロセス中に廃棄されました。ほとんどのキットは、症例が施設に返却した後に廃棄されます。さらに、破損したり、有効期限が切れたり、症例に交付されなかったりしたキットは廃棄されます。

廃棄待ちのキットのみを廃棄済としてマークできます。

通常は、廃棄前に、臨床開発モニター(CRA)がキットを検証して、廃棄準備完了としてマークします。次のステップは、医薬品廃棄施設の場所によって異なります。
  • 施設が医薬品廃棄に対応している場合は、施設ユーザーがキットを廃棄してそのキットのステータスを廃棄済に変更します。
  • 施設で医薬品廃棄ができない場合は、その施設のCRAまたは誰かが、廃棄の準備ができているキットを医薬品廃棄施設のデポに送付します。キットの廃棄後、そのステータスは廃棄済に更新されます。

図11-5 交付済

交付済キット・ステータス
キットが交付ビジット中に症例に交付されました。 施設ユーザーがキットを症例に交付すると、キットのステータスは自動的に「交付済」に変更されます。

図11-6 有効期限切れ

有効期限切れキット・ステータス
治験薬が有効期限を過ぎました。 施設ユーザーまたはスポンサ・ユーザーがキットを「有効期限切れ」としてマークします。

図11-7 配送中

配送中キット・ステータス
キットはデポから施設に配送中です。 当該キットに対する配送リクエストが施設ユーザーまたはスポンサ・ユーザーによって行われ、配送日が指定されました。

図11-8 症例により紛失

症例が紛失キット・ステータス
症例への交付後にキットが紛失しました。通常、症例がキットを紛失した場合は、新しいキットが交付されます。 施設ユーザーがキットを「症例により紛失」としてマークします。

図11-9 誤割当

誤割当キット・ステータス
キットが誤って交付されました。キットが誤って交付される理由はいくつかあります。たとえば、施設の誰かがOracle Clinical One Platformによって交付が提示されたキットとは異なるキットを症例に渡し、症例がそのキットを施設から持ち帰った可能性があります。または、施設の誰かが間違った症例のビジットでデータを入力し、キットを交付した可能性があります。

施設ユーザーは、キットを誤割当としてマークする前に置換キットを交付する必要があります。置換キットを交付する前に、施設ユーザーがキットを誤割当としてマークすると、その施設ユーザーは置換キットを交付できません。

施設ユーザーがキットのステータスを「誤割当」に手動で更新します。

図11-10 紛失

紛失キット・ステータス
キットは未交付で、施設またはデポで紛失しました。 施設ユーザーまたはスポンサ・ユーザーがキットのステータスを「紛失」に手動で更新します。

図11-11 新規

「新規」キット・ステータス
キットが本番モードでアップロードされ、製造して使用するための準備が整います。 キットが本番モードで作成されました。

図11-12 症例に未交付

症例に未交付キット・ステータス
交付されたキットが配布されませんでした。症例は、様々な理由でキットを受領しない場合があります。たとえば、ビジット後にキットが誤って施設に残されたり、施設ユーザーがキットを症例に意図的に配布しないように選択することがあります。

施設ユーザーがキットを「症例に未交付」としてマークします。

施設ユーザーは、キットを症例に未交付としてマークする前に置換キットを交付する必要があります。置換キットを交付する前に、施設ユーザーがキットを症例に未交付としてマークすると、その施設ユーザーは置換キットを交付できません。

図11-13 不使用

使用禁止キット・ステータス
キットを交付または配送できません。このステータスは「非常ブレーキ」と考えてください。キットを交付または配送されないようにする場合は常に、そのキットを使用禁止としてマークします。たとえば、キットをデポ間で移動する必要がある場合は、このステータスを使用します。
  • 施設ユーザーまたはスポンサ・ユーザーがキットを「不使用」としてマークしました。
  • 本番モードで生成されたキット・リストに含まれているキットは、最初に「不使用」のステータスで試験の在庫に表示されます。

図11-14 廃棄待ち

廃棄待ちキット・ステータス
キットは廃棄の準備ができています。 通常は、臨床開発モニター(CRA)がキットを検証してから、「廃棄待ち」としてマークします。ユーザーはステータスの更新理由を示す必要があります。

図11-15 事前隔離

事前隔離キット・ステータス
キットが配送または保管の要件に準拠していません。たとえば、温度や湿度の逸脱が生じる場合があります。キットが事前隔離されると、クリニカル・サプライ・マネージャは、そのキットを交付できるかどうかを判断します。交付できる場合、そのキットのステータスは使用可に変更されます。交付できない場合、そのキットのステータスは、施設の在庫の一部とみなされないように、隔離済に更新されます。

スポンサ・ユーザーがキットを「事前隔離」としてマークします。

事前隔離キットは施設の在庫の一部とみなされます。

図11-16 隔離済

隔離済キット・ステータス
配送または保管の要件に準拠していないために結果として破損したキット。隔離済ステータスは、キットのライフサイクル終了を示します。隔離済キットは症例に交付できず、施設の在庫の一部にもなりません。同じデポからの複数の隔離済キットは、配送手順に関する問題を提示している可能性があります。 クリニカル・サプライ・マネージャがキットを「隔離済」としてマークします。

図11-17 廃棄のために受領済

廃棄のために受領済はキット・ステータスです
施設ユーザーまたは臨床開発モニター(CRA)がキットを医薬品廃棄デポに配送し、デポ・ユーザーが各自の施設で廃棄用キットの受領を確認しました。たとえば、キットが取り返しのつかない損傷を受けた場合、施設ユーザーはそのキットを廃棄するためにデポ施設に返送できます。 デポ・ユーザーがデポで受領したキットごとに受領を確認します。

図11-18 施設に返却

施設に返却キット・ステータス
症例がキットを施設に返却しました。症例は、使用済および未使用の治験薬を次回の交付ビジットに持参する必要があります。たとえば、症例が錠剤のブリスターを3個受領し、次回の交付ビジット時に3個の錠剤が残っていた場合は、空のブリスターと残りの錠剤の両方を施設に返却する必要があります。 施設ユーザーがキットのステータスを「施設に返却」に変更し、返却個数と紛失単位数を示します。

図11-19 一時的に使用不可

一時的に使用不可キット・ステータス
キットは一時的に保留されているため、交付または配送できません。 施設ユーザーまたはスポンサ・ユーザーがキットを「一時的に使用不可」としてマークします。