PeopleSoftアプリケーションおよびWeb層の設定

中間層アーキテクチャの基盤を設定します。

OSグループおよびユーザーの設定

すべてのOracle Linux中間層コンピュート・インスタンスでOSグループおよびユーザーを作成します。

  1. rootとして、すべてのコンピュート・インスタンスにoinstallグループを作成します。
    # groupadd -g 1001 oinstall
  2. rootとして、すべてのコンピュート・インスタンスでPeopleSoftインストールで使用するOSユーザーを作成します。
    # useradd --uid 1005 -g oinstall psadm2
  3. rootとして、すべてのコンピュート・インスタンスでホーム・ディレクトリおよびデフォルト・シェルを設定するようにユーザーを変更します。
    # usermod -d /home/psadm2 -g oinstall -s /bin/bash psadm2

共有ホームのOCIファイル・ストレージ・サービスの構成

ファイル・システムのIPアドレスを使用して、各中間層サーバーにOCI File Storageファイル・システムをマウントします。

  1. rootとしてログインし、/u01および/u02ディレクトリを作成します。
    # mkdir /u01
    # mkdir /u02
  2. OCI File Storage IPアドレスを使用して、/etc/fstabディレクトリにエントリを追加します。
    OCI-File-Storage-IP-Address:/export/psftapp  /u01        nfs        rw,rsize=131072,wsize=131072,bg,hard,timeo=600,nfsvers=3 0 0
    OCI-File-Storage-IP-Address:/export/psftinterface  /u02    nfs        rw,rsize=131072,wsize=131072,bg,hard,timeo=600,nfsvers=3 0 0
    
  3. ファイル・システムをマウントします。
    # mount /u01
    # df -h /u01
    Filesystem                    Size  Used Avail Use% Mounted on
    10.0.103.224:/export/psftapp  8.0E  0G  8.0E   0% /u01
    # mount /u02
    # df -h /u02
    Filesystem                          Size  Used Avail Use% Mounted on
    10.0.103.224:/export/psftinterface  8.0E   11M  8.0E   1% /u02

PeopleSoftソフトウェア・ディレクトリ構造の作成

MicroFocus COBOLを除き、すべてのソフトウェア・コンポーネントは、OCI File Storageの共有ディレクトリ(/u01/app/psft/pt)に配置されます。PeopleSoftでは、いくつかの環境変数をこのディレクトリ構造にマップする必要があります。また、起動、停止およびスイッチオーバー・アクティビティを自動化するために必要なカスタム・スクリプト用の環境変数が1つあります。
  • 環境変数をディレクトリ構造にマップします。
    環境変数 設定 目 的
    BASE_DIR /u01/app/psft すべてのPeopleSoftソフトウェア・インストールのベースとして使用される場所
    PS_HOME /u01/app/psft/pt/ps_home8.57.11 PeooleToolsの場所
    PS_APP_HOME /u01/app/psft/pt/hcm_app_home PeopleSoft HCMアプリケーションの場所
    PS_CUST_HOME /u01/app/psft/pt/hcm_cust_home PeopleSoftアプリケーションのカスタマイズの場所
    PS_CFG_HOME /peoplesoft/local/ps_config Oracle Tuxedoのアプリケーションおよびプロセス・サーバー・ドメイン、Oracle WebLogicログ・ファイルなどのPeopleSoftコンポーネントのノード固有の構成およびログ・ファイルの場所。
    PS_FILEDIR /u01/app/psft/pt/ps_home8.57.11/file XMLやその他のファイル・タイプなどの統合およびインタフェース・ファイルの場所。
    ORACLE_HOME /u01/app/psft/pt/oracle-client/19.3.0.0 Oracleクライアント・ソフトウェア・インストールの場所
    TNS_ADMIN /u01/app/psft/pt/oracle-client/19.3.0.0/network/admin PeopleSoftデータベースに接続するためのデータベース・クライアントtnsnames.oraファイルの場所。
    JAVA_HOME /u01/app/psft/pt/jdk1.8.0_221 JavaインストールおよびJavaランタイム環境の場所
    TUXDIR /u01/app/psft/pt/bea/tuxedo/tuxedo12.2.2.0.0 Oracle Tuxedoインストールの場所。
    WLS_HOME /u01/app/psft/pt/bea/wlserver Oracle WebLogicサーバーの場所
    COBDIR /opt/MFCobol MicroFocus (またはVisual) Cobolがインストールされているインストール・ディレクトリ。
    SCRIPT_DIR /u01/app/psft/pt/custom_admin_scripts この文書のプロセスを管理するために作成された管理スクリプトの場所

マルチノード・デプロイメント用のPeopleSoftディレクトリの作成

PeopleSoft構成およびインフラストラクチャ・ログ・ファイルを保持するファイル・システム・ディレクトリを作成します。この実装を設計する際、PeopleSoft構成およびインフラストラクチャ・ログ・ファイルを保持するために、各中間層VMにローカルの非共有ファイル・システム・ディレクトリを作成しました。いずれの場合も、PS_CFG_HOMEをローカル・ディレクトリ/peoplesoft/local/ps_configに設定します。

他のすべてが共有され、オンプレミス・システムからコピーされます。これを行うには、共有ディスクにPeopleSoftソフトウェア・インストールのインストール・ディレクトリ・パスの先頭を作成し、子psft_reportsディレクトリを作成します。その他の子ディレクトリは、コンテンツをコピーするときに作成されます。オンプレミス・システムからこの環境への最終スイッチオーバーを実行すると、すべての子ディレクトリの内容がリフレッシュされます。

  1. 1つのコンピュート・インスタンスでrootユーザーとしてログインします。
  2. /u01ディレクトリに移動します。
    # cd /u01
  3. ディレクトリを作成します。
    # mkdir -p app/psft/pt
  4. レポート・リポジトリのディレクトリを作成します。
    # mkdir -p /u01/app/psft/pt/psft_reports/out
  5. psftディレクトリの所有権を変更します。
    # cd app
    # chown -R psadm2:oinstall psft

OCIコンピュート・インスタンスでのホスト環境の設定

アプリケーション・サーバー、プロセス・スケジューラおよびPeopleSoft Internet Architecture (PIA) Webサーバー・ドメインを構成する前に、ユーザーpsadm2の環境ファイルを作成する必要があります。

各環境ではほとんどの値が同じですが、各サーバーに対してORACLE_HOSTNAMEを正しく設定する必要があります。

ノート:

このプロジェクトに必要な新しい管理スクリプトを保持するディレクトリが追加され、新しいディレクトリのエクスポート・ディレクティブが作成され、パスに追加されました。これらのスクリプトが配置されており、このドキュメントの後半でアクションを説明するときにパスにあるものとします。

次に、いずれかのコンピュート・インスタンスの環境ファイル(psft.env)を示します:

export ORACLE_HOSTNAME=iad-psft-hcm-app01
export BASE_DIR=/u01/app/psft
export PS_HOME=$BASE_DIR/pt/ps_home8.57.11
export PS_CFG_HOME=/peoplesoft/local/ps_config
export PS_APP_HOME=$BASE_DIR/pt/hcm_app_home
export PS_FILEDIR=$PS_HOME/file
export ORACLE_BASE=/u01/app/psft
export ORACLE_HOME=/u01/app/psft/pt/oracle-client/19.3.0.0
export COBDIR=/opt/MFCobol
export CLASSPATH=$CLASSPATH:$ORACLE_HOME/jlib:$ORACLE_HOME/rdbms/jlib
export TNS_ADMIN=$ORACLE_HOME/network/admin
export JAVA_HOME=/u01/app/psft/pt/jdk1.8.0_221
export TUXDIR=$BASE_DIR/pt/bea/tuxedo/tuxedo12.2.2.0.0
export NLSPATH=$TUXDIR/locale/C
export LD_LIBRARY_PATH=$TUXDIR/lib:$PS_HOME/bin:$ORACLE_HOME/lib:$COBDIR/lib:$LD_LIBRARY_PATH
export LIBPATH=$COBDIR/lib
export SHLIB_PATH=$SHLIB_PATH:$COBDIR/lib
export PATH=$ORACLE_HOME/bin:$TUXDIR/bin:$PS_HOME/jre/bin:$PS_HOME/bin:$JAVA_HOME/bin:$PATH
export PATH=$PATH:$COBDIR/bin
export PS_SERVER_CFG=$PS_HOME/appserv/prcs/HR92U033/psprcs.cfg
export WLS_HOME=$BASE_DIR/pt/bea/wlserver

# Add directory for custom scripts
export SCRIPT_DIR=$BASE_DIR/pt/custom_admin_scripts
export PATH=$PATH:$SCRIPT_DIR

# You must be in PS_HOME to execute the psconfig.sh script
cd $PS_HOME
./psconfig.sh
cd
  1. 各コンピュート・インスタンスのpsadm2のホーム・ディレクトリに環境スクリプトを配置し、ORACLE_HOSTNAMEがそのコンピュート・インスタンスのホスト名に設定されていることを確認します。
  2. psadm2ユーザーとしてファイルに実行権限を追加します。
    $ chmod u+x psft.env
  3. 次のコマンドを使用して環境をソーシングします。
    $ . ./psft.env
  4. psadm2.bash_profileスクリプトを変更して、psft.envをコールし、環境を自動的に設定します。
    このベスト・プラクティスは、中間層をPeopleSoft Cloud Managerにインポートする場合の要件です。
すべてのOCIインフラストラクチャおよび設定コンポーネントが整っているため、PeopleSoftアプリケーションをOCIに移行できます。

MicroFocus COBOLのインストール

MicroFocus COBOL (後でリリースされたバージョンのVisual COBOL)は、COBOLコンパイラおよびランタイム環境とランタイム・ライセンス・マネージャを含む、別途ライセンスが付与されたソフトウェア・パッケージです。プロセス・スケジューラ(PRCS)をホストするすべてのコンピュート・インスタンスには、MicroFocus COBOLコンパイラ、ランタイム環境およびライセンス・マネージャがインストールされている必要があります。

  1. コンピュート・インスタンス上のローカル・ファイル・システムに、MicroFocus COBOLコンパイラ、ランタイム環境およびライセンス・マネージャをインストールします。
    ローカル・ファイル・システムにインストールすることをお薦めします。これらのコンポーネントはrootユーザーが所有し、多くの場合、/usr/local/microfocusまたは/opt/microfocusにインストールされます。これらのコンポーネントのインストール手順は、MicroFocus COBOL READMEファイルにあります。
  2. License Manager (mflman)とそのデータベースのインストール中に、「再起動時にLicense Managerを起動する必要がある」とプロンプトが表示されたら「Y」と応答し、サーバーが起動されるたびに実行されていることを確認します。
    PeopleSoft COBOLプログラムをコンパイル、リンクし、プロセス・スケジューラで実行できるようにするには、MicroFocus License Managerが実行されている必要があります。
  3. プロセス・スケジューラをホストするコンピュート・インスタンスごとに、これらのステップを繰り返します。