ストレージの高可用性の計画

アーキテクチャの高可用性と耐久性を実現するには、ストレージ・レイヤーの特定のベスト・プラクティスに従う必要があります。

Oracle Cloud Infrastructure Storageサービスの理解

Oracle Cloud Infrastructureには、高可用性アーキテクチャの要件を満たすように構成できるストレージ・サービスのセットが用意されています。

これには次のサービスがあります。
  • ブロック・ボリューム

    Oracle Cloud Infrastructure Block Volumesでは、ブロック・ストレージ・ボリュームを動的にプロビジョニングおよび管理できます。ストレージ要件およびアプリケーション要件に応じて、ボリュームを作成、アタッチ、接続および移動できます。ボリュームをインスタンスにアタッチし接続すると、通常のハード・ドライブとして使用できます。ボリューム上のデータが保持されている間、ボリュームを切断して別のコンピュート・インスタンスにアタッチすることもできます。

  • オブジェクト・ストレージ

    Oracle Cloud Infrastructure Object Storageは、インターネット規模の高パフォーマンスなストレージ・プラットフォームであり、信頼性およびコスト効率的なデータ耐久性を実現します。Object Storageサービスでは、アナリティクス・データおよびイメージ、ビデオなどのリッチ・コンテンツを含む任意のコンテンツ・タイプの非構造化データを無制限に格納できます。Object Storageはリージョン別サービスであり、リージョン内のすべてのアベイラビリティ・ドメインにわたって使用できます。データは、複数のストレージ・サーバーおよび複数の可用性ドメインにわたって冗長的に格納されます。

  • ファイル・ストレージ

    Oracle Cloud Infrastructure File Storageでは、永続的で拡張性の高い、エンタープライズ規模の分散ネットワーク・ファイル・システムを提供します。Virtual Cloud Network (VCN)内の任意のベア・メタル、仮想マシンまたはコンテナ・インスタンスからFile Storageファイル・システムに接続できます。また、Oracle Cloud Infrastructure FastConnectおよびIPSec VPNsを使用してVCNの外部からファイル・システムにアクセスすることもできます。多数のインスタンスが存在する大規模なコンピュート・クラスタでは、高パフォーマンスの共有ストレージ用にFile Storageを使用でき、回復可能なデータ保護のための冗長ストレージを提供します。

ストレージ・レイヤーのベスト・プラクティスの理解

アーキテクチャの高可用性と耐久性を実現するには、ストレージ・レイヤーを構成する際に次のベスト・プラクティスに従う必要があります。

  • オブジェクト・ストレージを使用して、アプリケーション・データをバックアップします。データは、複数の可用性ドメインにわたる複数のストレージ・サーバー上に冗長的に格納されます。データ整合性はチェックサムを使用してアクティブに監視され、破損したデータは検出されて自動的に修復されます。データ冗長性の損失はすべて自動的に検出されて修正され、顧客への影響はありません。
  • Block Volumeのポリシーベースのバックアップを使用して、自動でスケジュールされたバックアップを実行し、バックアップ・ポリシーに基づいて保存します。データを一貫してバックアップすることで、データのコンプライアンス要件および規制要件に準拠できます。
  • ブロック・ボリュームの即時ポイントインタイム・ダイレクト・ディスクツーディスク・コピーが必要な場合は、ブロック・ボリュームのクローニング機能を使用します。ソース・ボリュームへのコピーオンライトまたは依存性がないため、ボリュームのクローニングはスナップショットとは異なります。バックアップは行われません。クローン操作は即時に操作が開始され、クローンしたボリュームはクローン操作のすぐに使用できます。クローニングされたボリュームの状態が使用可能に変更されるとすぐに、そのボリュームを通常のボリュームとしてアタッチして使用できます。
  • 未テストまたは信頼できないアプリケーションによる偶発的または悪意のある変更からデータを保護する必要がある場合は、読取り専用アタッチメントでブロック・ボリュームを使用します。読取り専用アタッチメントはボリュームを読取り専用としてマークするため、ボリューム内のデータは変更できません。読取り専用目的で同じボリュームにアクセスする複数のコンピュート・インスタンスがある場合も、読取り専用アタッチメントを使用できます。たとえば、インスタンスが、クライアントに静的な製品カタログ情報を提供するWebフロント・エンドを実行している場合があります。
  • ワークロードでファイル・セマンティクスを含む高可用性共有ストレージが必要であり、データ保護に組込みの暗号化およびスナップショットが必要な場合は、File Storageを使用します。File Storageは、業界標準のネットワーク・ファイル・システム(NFS)ファイル・アクセス・プロトコルを使用しており、数千ものコンピュート・インスタンスによって同時にアクセスできます。File Storageは、アプリケーションの高パフォーマンスで自己回復性の高いデータ保護を提供します。File Storageサービスは、1つのアベイラビリティ・ドメイン内でローカルに実行されます。アベイラビリティ・ドメイン内では、ファイル・ストレージは同期レプリケーションと高可用性フェイルオーバーを使用してデータを安全かつ利用できるようしています。
  • アプリケーションで複数のアベイラビリティ・ドメインにわたる高可用性が必要な場合は、Block Volumeサービスの上でGlusterFSを使用します。
  • 将来の成長ニーズを考慮して、ストレージ容量を計画およびサイズ設定します。