データの移行の準備

データ移行を準備するには、まずOracle Database Cloud Backup Moduleをダウンロードし、ORACLE_SIDおよびORACLE_HOMEの環境変数を構成し、ソース・データベースにウォレットを作成します。クラウド内のターゲット・データベースにサービスをインストールおよび構成するには、この情報を使用する必要があります。

Oracle Database Cloud Backup Moduleのダウンロードと環境変数の構成

ソース・データベースでOracle Database Cloud Backup Moduleをダウンロードし、環境変数を構成します。このモジュールでは、Oracle Database Backup Cloud Serviceにバックアップできます。

  1. Oracle Database Cloud Backup Moduleをダウンロードします。

    zipファイルには、2つのフォルダ(opc_installおよびoci_install)が含まれています。Oracle Cloud Infrastructure Object Storageへのデータのバックアップには、oci_installフォルダのoci_install.jarファイルを使用します。

  2. ソース・データベース・サーバーのoci_installフォルダにあるoci_install.jarファイルをアップロードします。
  3. ファイルの所有権をoracleユーザーに変更し、そのファイルをoracleユーザー・ホーム・フォルダに移動します。
    chown oracle:oinstall oci_install.jar 
    sudo mv oci_install.jar /home/oracle/
  4. oracleユーザーとして、ORACLE_SIDおよびORACLE_HOMEの環境変数を構成します。
    . oraenv

ソース・データベースでのWalletの作成

ソース・データベースにウォレットを作成し、公開キーを保存します。ウォレットはバックアップの暗号化に使用され、ターゲット・データベースのバックアップの復号化に必要です。公開キーにより、Oracle Cloud Infrastructure Object Storageへのアクセスが可能になります。

  1. ソース・データベース・システムにoracleユーザーとしてログインします。
  2. ソース・データベースのORACLE_HOMEにウォレットを作成します。
    mkdir -p $ORACLE_HOME/data/wallet
    java -jar oci_install.jar -newrsakeypair -walletDir $ORACLE_HOME/data/wallet
    非公開署名キーと公開署名キーが作成され、パスが出力に表示されます。
  3. 公開キー・ファイルを表示します。
    cat $ORACLE_HOME/data/wallet/oci_pub
  4. ヘッダー文およびフッター文を含む公開キーをコピーして保存します。
    公開キーは、後でOracle Cloud Infrastructureアカウント・プロファイルに追加します。
    -----BEGIN PUBLIC KEY-----
    MIIBIjANBgkqhkiG9w0BAQEFAAOCAQ8AMIIBCgKCAQEAypssDkZf3L8wZ9wrcCKu
    SADWhTBJwOqWbO/1yK1CNecKcn7KDlgVms8+KavG9ZUGTi1psRgjwwLOTGcMrZFQ
    NLmCgGTPr4/i88xcE2Vg56tftgomgAOTZ8qcx+UzDqRxb/mmVwoVxz4TUQin8Ap+
    NOWRaLrJQCT1iIHsSvkXJRTTepbyjvh5D11BDkzv7G/4lL6sXHAfhCiGNs8dZt8e
    315j4hyApdxhaJxVYCprgcmJVRMzsXlF/jNuKXDsh/mRbz3rgmfWEAAsOyqiS/CU
    gUW1rdldZeeVxyR/Cni/UPnNXZeY6l7yZ3VF7kBzWJXspOi4j9n4wQfQHZrbNhR+
    mQIDAQAB
    -----END PUBLIC KEY-----
    
  5. ウォレット・フォルダをパスなしで圧縮して、ウォレット・ファイルのコピーを作成します(-jフラグ)。
    ウォレットはバックアップの暗号化に使用され、ターゲット・データベースのバックアップの復号化に必要です。
    zip -j wallet.zip $ORACLE_HOME/data/wallet/*
  6. 圧縮されたウォレット・ファイルをローカル・インスタンスにダウンロードします。このファイルは、後でSCPを使用してアップロードします。