移行されたデータを受け入れるためのクラウド内のサービスの準備

アカウントにソース・データベースの公開キーを追加し、データを格納するストレージ・バケットを作成し、互換性のあるデータベースをリージョンにプロビジョニングし、ソース・データベースのウォレットをクラウドの新しいデータベースにコピーして、移行されたデータを受け入れるようにOracle Cloud Infrastructureアカウントを準備します。

Oracle Cloud Infrastructureアカウント・プロファイルへの公開キーの追加

ソース・データベースで作成したウォレット公開キーをOracle Cloud Infrastructureアカウントに追加します。公開キーは、Oracle Cloud Infrastructure Object Storageへのアクセスに使用されます。

  1. Oracle Cloud Infrastructureコンソールに移動し、「プロファイル」アイコンをクリックします。
  2. 「ユーザー設定」「リソース」「APIキー」の順に選択します。
  3. 「公開キーの追加」「公開キーの貼付け」の順に選択します。
  4. 公開キー・テキストをフィールドに貼り付けます。「追加」をクリックします
    これは、ソース・データベースでウォレットを作成したときに保存した、ヘッダー文およびフッター文を含む公開キーです。
  5. アップロードされた公開キーのフィンガープリントを書き留めます。これは後で必要になります。

オブジェクト・ストレージでのバケットの作成

バケットは、データの格納および編成に使用されます。作成したバケットは、Oracle Cloud Infrastructure Object Storageにバックアップされるデータのコンテナになります。

  1. Oracle Cloud Infrastructureコンソール「コア・インフラストラクチャ」で、「オブジェクト・ストレージ」をクリックします。
  2. ページの左側にある「コンパートメント」リストからコンパートメントを選択します。
    コンパートメントは、リソースをデプロイした場所です。
  3. 「バケットの作成」をクリックします。
  4. バケットに名前を付けます。
    bucket-20210210-1359など、現在の年、月、日および時間を反映するデフォルト・バケット名が生成されます。デフォルトを他のバケット名に変更する場合は、文字、数字、ダッシュ、アンダースコアおよびピリオドを使用します。機密情報を入力しないでください。たとえば、バケットにatp-uploadという名前を付けます。
  5. バケット属性のデフォルト値を使用します。
    たとえば、「標準」ストレージ層を選択します。「標準」は、高速な即時アクセスを必要とするデータの格納に使用される、デフォルトのプライマリ・ストレージ層です。
  6. 「バケットの作成」をクリックします。

Oracle Cloud Infrastructureへのデータベースのプロビジョニング

Oracle Cloud Infrastructureで互換性のあるデータベースをプロビジョニングします。データベースはベア・メタルまたは仮想マシンのいずれかですが、バージョンはソース・データベースと同じバージョン以上である必要があります。

クラウドのコンテナ・データベース(CDB)またはシステム識別子(SID)名は、ソース・データベースのCDBまたはSID名と同じである必要があります。データベース・システムのタイプおよびプロビジョニングされるノードの数によっては、データベース・システムのプロビジョニングに1時間以上かかる場合があります。

開始する前に、コンパートメントに、データベース・システムをプロビジョニングするためのプライベート・サブネットを持つVirtual Cloud Network (VCN)が設定されている必要があります。データベースにアクセスするには、VCN内のパブリック・サブネットに要塞ホストをプロビジョニングするか(パブリックIPを持つように)、VPNまたはOracle Cloud Infrastructure FastConnectを介してプライベート・ネットワークに直接アクセスする必要があります。パブリック・サブネットCIDRブロックからデータベース・ポート(1521)へのアクセス権を付与する、データベース・プライベート・サブネットにセキュリティ・リスト・ルールを作成します。

  1. Oracle Cloud Infrastructureコンソールで、「データベース」「ベア・メタル、VMおよびExadata」の順にクリックします。
  2. 「データベース・システムの作成」をクリックします。
  3. データベース・システムが存在するコンパートメントを選択します。
  4. データベース・システムに名前を付けます。
  5. 可用性ドメインを選択します。
  6. 「Shape Type」を選択します。
  7. データベース要件に一致するコンピュート・シェイプを選択します。
  8. マルチコア・シェイプのノード数を選択します。
    複数のノードを選択した場合、Logical Volume Managerのストレージオプションは使用できません。
  9. ストレージ管理オプションとして、「Oracle Grid Infrastructure (OGI)」または「Logical Volume Manager (LVM)」を選択します。OGIを使用すると、複数のノードにまたがるストレージをシームレスに管理でき、回復性のために推奨されます。バージョン11gは、Oracle Grid Infrastructureを使用する場合にのみ使用できます。
  10. 記憶域の構成: このデータベースに必要な記憶域の量を選択します。
  11. アクセスのためにSSH公開キーをアップロードします。
  12. ライセンス・タイプとして「ユニバーサル・クレジットを使用するライセンスを含む」を選択するか、Oracle Databaseライセンスを所有している場合は「Bring Your Own License」を選択します。
  13. データベース・システムのVCNおよびサブネットを選択します。
  14. ホスト名接頭辞を選択します。
  15. 「次」をクリックします。
  16. ソースCDB名に対応するデータベース名またはソース・データベースSIDを入力します。
    リストア・フェーズをシームレスに機能させるには、ソース・データベース名とターゲット・データベース名が一致している必要があります。
  17. データベース・バージョンを選択します。
    ターゲット・データベースのバージョンは、ソース・データベースのバージョン以上である必要があります。

    ターゲット・データベースは、より高いパッチ・レベルにすることができます。より高いバージョンの場合は、移行前にアップグレードが必要です。

  18. パスワード要件に一致するSYSユーザーのパスワードを設定します。
  19. 「作成」をクリックします。

ターゲット・データベースへのWalletのコピー

IPアドレスを使用して、ターゲット・データベース・ホストの/home/oracle/ディレクトリにウォレットをコピーし、要塞ホストとターゲット・データベース・ホストの間のSSHトンネルを開きます。

  1. 要塞ホストのパブリックIPアドレスを取得します。
    1. コンソールで、「コンピュート・インスタンス」をクリックします。
    2. 要塞ホストをクリックします。パブリックIPアドレスが、要塞ホストの詳細に表示されます。
  2. データベース・システム・ノードのプライベートIPアドレスを取得します。
    マルチノードDB Systemの場合は、マスター・ノードのIPアドレスを取得します。
    1. コンソールで、「データベース」「ベア・メタル、VMおよびExadata」の順にクリックします
    2. データベース・システムを選択します。
    3. 左メニューで、「ノード」をクリックします。
    4. IPアドレスまたはノード・リスト内のホストの「プライベートIPアドレスおよびDNS名」に移動します。
  3. IPアドレスを使用して、要塞ホストとデータベース・ホストの間のSSHトンネルを開き、ターゲット・データベース・ホストの/home/oracle/ディレクトリにウォレットをコピーします。
    ファイルは、ユーザーoracleが所有している必要があります。
    #copy files over to target DB host through Bastion Host
    BASTION_IP=192.0.2.1 # public IP
    DB_HOST=10.0.1.11 # private IP
    
    scp -o ProxyCommand="ssh -W %h:%p opc@${BASTION_IP}" wallet.zip opc@${DB_HOST}:~/
    ssh -J opc@${BASTION_IP} opc@${DB_HOST} 'sudo chown oracle:oinstall wallet.zip; sudo mv wallet.zip /home/oracle/'
  4. 現在のウォレットをバックアップし、ターゲット・データベースにウォレットをインストールします。
    mv $ORACLE_HOME/data/wallet $ORACLE_HOME/data/wallet_bck
    mkdir -p $ORACLE_HOME/data/wallet
    unzip wallet.zip -d $ORACLE_HOME/data/wallet/