Java SE Advanced Management Consoleユーザーズ・ガイド
リリース1.0
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5 ルール・セットの管理

このトピックでは、デプロイメント・ルール・セットの目的と、Advanced Management Consoleを使用してルール・セットを作成、更新および削除する方法について説明します。

このトピックの内容は次のとおりです。

デプロイメント・ルール・セットの概要

デプロイメント・ルール・セット機能は、Javaデスクトップ環境を直接管理するエンタープライズ用のデプロイメント機能です。デプロイメント・ルール・セットによって、エンタープライズは、アプリケーション・セキュリティ・ポリシーがかつてないほど厳しくなっている環境において、レガシー・ビジネス・アプリケーションを引き続き使用し、特定のアプリケーションに使用されるJREのバージョンを制御できます。ルール・セットの詳細は、Java Platform, Standard Editionデプロイメント・ガイド「デプロイメント・ルール・セット」を参照してください。

AMC UIのルール・ビューに、定義されているルール・セットが表示されます。既存のルール・セットを表示して新しいルール・セットを追加するには、AMC UIを起動します。「AMC UIの起動と停止」を参照してください。

ホーム・ビューで、「ルール」または「ルールとルール・セットの表示と管理」をクリックしてルール・ビューを表示します。表5-1に、各ルール・セットのルール・セット表に表示される情報を示します。

表5-1 デプロイメント・ルール・セットの情報

データ 説明

ルール・セット

ルール・セットの名前。この名前は、エクスポートされたルール・セットには含まれません。三角形の記号を使用するか、ルール・セット名をダブルクリックすると、ルール・セットに含まれるルールの名前の表示と非表示を切り替えることができます。

ルール

ルール・セットのルールの数。


定義できるルール・セットの数に制限はありませんが、ユーザーのシステムでアクティブにできるルール・セットは1つのみです。そのルール・セットは、DeploymentRuleSet.jarという名前の署名済JARファイルである必要があります。Advanced Management Consoleのエクスポート機能によって、ユーザーに配布するためにこのファイルを作成できます。

ルール・セットの追加

ルール・セットは、次の方法を使用してAdvanced Management Consoleに追加できます。

既存のルール・セットのインポート

既存のルール・セットがある場合、それをAdvanced Management Consoleにインポートし、AMC UIを使用してルール・セットを管理できます。

ルール・セットをインポートするには、次の手順を実行します。

  1. AMC UIで、「ルール」をクリックしてルール・ビューに移動します。

  2. ルール・セット表の上にあるルール・セットのインポート・アイコンをクリックします。

  3. インポートするファイルの場所を入力するか、参照して指定します。

    DeploymentRuleSet.jarファイルまたはruleset.xmlファイルをインポートできます。

  4. ルール・セットの名前を入力します。

    この名前は、ルール・セットを管理するためにAdvanced Management Consoleによって使用されます。名前は、ルール・セットのエクスポート時には含まれません。

  5. 「インポート」をクリックしてルール・セットをインポートします。

    ルール・セットがルール・セット表に追加され、ルール・セットに含まれるルールがルール表に追加されます。ルール・セットを展開すると、インポートされたルールを表示できます。ルールの名前のデフォルトは、ルール・セット名とルール番号の組合せです。ルールの名前を変更するには、ルールを編集します。「ルールの編集」を参照してください。

ルール・セットの作成

ユーザーのシステムでアクティブにできるルール・セットは1つのみですが、複数のルール・セットをAdvanced Management Consoleで設定できます。エンタープライズの部署ごとにカスタマイズされたルール・セットを提供するなど、異なる目的に対応したルール・セットを作成できます。複数のルール・セットを使用することで、各ルールの異なる組合せを試すこともできます。

ルール・セットを作成するには、次の手順を実行します。

  1. AMC UIで、「ルール」をクリックしてルール・ビューに移動します。

  2. ルール表で、ルール・セットに含めるルールを選択します。

    ルールを選択しない場合、空のルール・セットが作成されます。

  3. ルール・セット表の上にある新規ルール・セット・アイコンをクリックします。

    新規ルール・セット・ウィンドウが表示されます。

  4. ルール・セットの名前を入力します。

  5. 「ルール表から選択したルールを追加」を選択し、選択したルールをルール・セットに移入します。

    このオプションを選択しない場合、空のルール・セットが作成されます。

  6. 「作成」をクリックしてルール・セットを作成します。

    ルール・セットがルール・セット表に追加されます。ルール・セットの作成時にルールを追加した場合、ルール・セットを展開してそれらのルールを表示できます。

ルール・セットの編集

ルール・セットの作成後、別のルールを追加したり、不要なルールを削除できます。ルールの順序を変更することもできます。アプリケーションに対して実行されるアクションは、アプリケーションに一致する最初のルールによって決定されるため、ルール・セットのルールの順序は重要です。

ルール・セットへのルールの追加

ルール・セットにルールを追加するには、次の手順を実行します。

  1. AMC UIで、「ルール」をクリックしてルール・ビューに移動します。

  2. ルール表で1つ以上のルールを選択します。

  3. 次のいずれかの方法を使用して、選択したルールをルール・セットに追加します。

    • マウスを使用して、選択したルールをルール表からルール・セット表のターゲット・ルール・セットにドラッグします。

    • ルール・セット表の上にある「選択したルールをルール・セットに追加」アイコンをクリックします。「ルール・セットにルールを追加」ウィンドウで、1つ以上のターゲット・ルール・セットを選択し、「追加」をクリックします。

    • ルール・セット表で、ルール・セットのルールを選択します。マウスを使用して、異なるルール・セットにルールをドラッグします。ルールは、ターゲット・ルール・セットに追加されますが、ソース・ルール・セットにも残ります。

ルール・セットのルールの順序変更

ルール・セットのルールの順序は重要です。アプリケーションに一致する最初のルールが、そのアプリケーションに対するアクションの決定に使用されます。最適な結果を得るには、最も制限的な一致基準を持つルールを、より制限的でない一致基準を持つルールより前に配置します。

ルール・セットのルールの順序を変更するには、次の手順を実行します。

  1. AMC UIで、「ルール」をクリックしてルール・ビューに移動します。

  2. ルールの順序を変更するルール・セットを展開します。

  3. マウスを使用して、ルール・セットの希望の位置に各ルールをドラッグします。

ルール・セットからのルールの削除

ルール・セットからルールを削除するには、次の手順を実行します。

  1. AMC UIで、「ルール」をクリックしてルール・ビューに移動します。

  2. ルールを削除するルール・セットを展開します。

    ルールは、複数のルール・セットから削除できます。

  3. 削除するルールを選択します。

  4. ルール・セット表の上にある「選択した項目の削除」アイコンをクリックします。

    「ルール・セットからルールを削除」ウィンドウが表示されます。

  5. 削除するルールのみが表示されていることを確認します。

  6. 「削除」をクリックしてルールを削除します。

選択したルールは、ルール・セットから削除されますが、将来の使用に備えてルール表には残ります。表示されているすべてのルール・セットからルールを削除するには、「ルールの削除」を参照してください。

アプリケーションとルール・セット間の関係の分析

AMC UIによって、一致するアプリケーションと、その各一致アプリケーションに対して実行されるアクションを確認するためにルール・セットを分析できます。関係を確認するために、AMCコレクタからの情報を使用します。アプリケーション表に存在しないルール・セットとアプリケーション間の関係は、Advanced Management Consoleで確認できません。

アプリケーションとルール・セット間の関係を表示するには、次の2つの方法があります。

アプリケーション・ビューでの関係の表示

アプリケーション・ビューで、特定のアプリケーションに一致するルールが含まれるルール・セットを識別できます。アプリケーション・ビューで関係を表示することで、現在のルール・セットがアプリケーションに対して適切なアクションを提供しているかどうかを確認できます。

特定のアプリケーションの関係を表示するには、次の手順を実行します。

  1. AMC UIで、「アプリケーション」をクリックしてアプリケーション・ビューに移動します。

  2. アプリケーション表からアプリケーションを選択します。

  3. 「関係」をクリックします。

    「アプリケーションの関係」ウィンドウが表示されます。右側のパネルには、アプリケーションとそのJARファイルおよび拡張機能が表示されます。左側のパネルには、アプリケーションに一致するルールが含まれるルール・セットが表示されます(存在する場合)。アプリケーションの実行を許可するルール・セットは、緑色でハイライト表示されます。アプリケーションの実行をブロックするルール・セットは、赤色でハイライト表示されます。アプリケーションの実行を許可するかどうかを判断するためにデフォルト処理を使用するルール・セットは、黄色でハイライト表示されます。

  4. ルール・セットを展開すると、アプリケーションに一致する特定のルールを表示できます。

    アプリケーションに一致するルールは、ルール・セットに使用されるものと同じ色でハイライト表示されます。

  5. 終了したら、「閉じる」をクリックします。

ルール・ビューでの関係の表示

ルール・ビューで、特定のルール・セットのルールに一致するアプリケーションを識別できます。ルール・ビューで関係を表示することで、既知のアプリケーションに対するルール・セットをチェックして、適切なアクションが実行されることを確認できます。

特定のルール・セットの関係を表示するには、次の手順を実行します。

  1. AMC UIで、「ルール」をクリックしてルール・ビューに移動します。

  2. ルール・セット表で、ルール・セットを選択します。

  3. ルール・セット表の上にある「ルール・セットの関係」アイコンをクリックします。

    「ルール・セットの関係」ウィンドウが表示されます。右側のパネルには、ルール・セットとそのルールが表示されます。左側のパネルには、ルール・セットに一致するアプリケーションが表示されます。アプリケーションは、そのアプリケーションに対して実行されるアクションを示すためにハイライト表示されます。アクション列にも、実行されるアクションが示されます。

    実行が許可されるアプリケーションは、緑色でハイライト表示され、アクション列にチェック・マーク(チェック・マークは、実行を示します。)が含まれます。下に破線があるチェック・マーク(下に破線があるチェック・マークは、強制実行を示します。)は、ルールによって指定されたJREを使用してアプリケーションが実行されることを示しています。ブロックされるアプリケーションは、赤色でハイライト表示され、アクション列に、中央に線の入った円(中央に線の入った円は、ブロックを示します。)が含まれます。デフォルト処理を使用するアプリケーションは、黄色でハイライト表示され、アクション列に下向き矢印(下向き矢印は、標準処理を示します。)が含まれます。

  4. ルール・セットのルールを選択すると、ルールに一致するアプリケーションが表示されます。

    ハイライト表示されているアプリケーションのみがルールに一致します。ハイライト表示されているアプリケーションがない場合、そのルールに一致するアプリケーションは存在しません。

  5. 終了したら、「閉じる」をクリックします。

ルール・セットの削除

ルール・セットを削除するには、次の手順を実行します。

  1. AMC UIで、「ルール」をクリックしてルール・ビューに移動します。

  2. ルール・セット表で、削除する1つ以上のルール・セットを選択します。

  3. ルール・セット表の上にある「選択した項目の削除」アイコンをクリックします。

    「ルール・セットの削除」ウィンドウが表示されます。

  4. 削除するルール・セットのみが表に表示されていることを確認します。

  5. 「削除」をクリックしてルール・セットを削除します。

ルール・セットのエクスポート

本番環境のためのルール・セットを準備できたら、そのルール・セットをエクスポートして、ユーザー用にインストールするファイルを作成します。

ルール・セットをエクスポートするには、次の手順を実行します。

  1. AMC UIで、「ルール」をクリックしてルール・ビューに移動します。

  2. ルール・セット表で、エクスポートするルール・セットを選択します。

  3. ルール・セット表の上にあるルール・セットのエクスポート・アイコンをクリックします。

    ルール・セットのエクスポート・ウィンドウが表示されます。

  4. 次の情報を指定します。

    • 出力ディレクトリ - エクスポートしたファイルを配置する場所を入力するか、参照して指定します。

    • DRSバージョン - ルール・セットのDRSバージョンを選択します。ルールには、DRSの以前のバージョンでサポートされない情報が含まれる可能性があります。自動を選択すると、ルール・セットのルールに基づいて自動的にバージョンが設定されます。

    • ルール・セットの署名 - このオプションを選択すると、エクスポート・プロセスの一部としてルール・セットに署名できます。選択する場合、ルール・セットの署名に使用する証明書のキーストア・パスワードと秘密鍵のパスワードを指定します。このオプションは、JAR署名が構成されている場合にのみ有効になります。詳細は、「JAR署名の構成」を参照してください。


      ヒント:

      アーティファクトへの署名を行う企業コード署名グループまたはサービスが存在する場合、このオプションは選択しないでください。


  5. 「エクスポート」をクリックしてルール・セットをエクスポートします。

    ルール・セットに署名することを選択した場合、署名プロセスが正常に完了すると、指定した出力ディレクトリにDeploymentRuleSet.jarファイルが作成されます。このファイルは、すぐにユーザーに配布できます。

    ルール・セットに署名することを選択しなかったか、署名に失敗した場合、指定した出力ディレクトリにruleset.xmlファイルが作成されます。DeploymentRuleSet.jarファイルを手動で作成して署名をするか、JARファイルを作成して企業コード署名グループまたはサービスによる署名を受ける必要があります。