5 Advanced Management Console に対するOracle WebLogic Serverの構成

WebLogic Serverインスタンスでは、データベースにアクセスするために、エージェントおよびデータ・ソースと通信するためのWebサービスを備えています。また、Advanced Management ConsoleとJava Usage TrackerパーサーをAdvanced Management Consoleのサーバー・コンポーネントとして構成するためのユーザー・インタフェース(UI)もあります。

Advanced Management Consoleに対するOracle WebLogic Serverの構成のトピックには、AMCに対してOracle WebLogic Serverをインストールおよび構成するためのソフトウェア要件を説明する次の項があります:

Oracle WebLogic Serverのソフトウェア要件

Advanced Management Console には、Oracle WebLogic ServerとJava SE Development Kit 8ダウンロードが必要です。

AMCのみにOracle WebLogic Serverを使用する場合、開発用Oracle WebLogic ServerインストーラでOracle WebLogic Server 12c R2以上に移動して、macOS、WindowsおよびLinuxの配布用zipオプションを選択します。Oracle WebLogic Serverのライセンスを持っている場合は、Oracle Software Deliveryからパッケージをダウンロードできます。

WebLogic Serverのインストール

Oracle WebLogic Serverをインストールするには様々な方法があります。Oracle WebLogic Serverインストールの例では、Oracle WebLogic Serverのインストール、ドメインの作成、管理サーバーの作成および管理対象サーバーの作成の例が示されています。

ノート:

本番環境では、管理対象サーバーにのみAMCをデプロイすることをお薦めします。

データベースによるWebLogic Serverの構成

このトピックには、データベースでOracle WebLogic Serverを構成してJDBCサーバーをデプロイする方法を説明する次の項があります。

MySQLデータベースによるWebLogic Serverの構成

MySQLデータベースによってOracle WebLogic Serverを構成し、ユーザー・データにアクセスしてを変更するためのサービスを提供できます。データベースにはJDBCを使用してアクセスします。

データベースでWebLogic Serverを構成するには:
  1. ブラウザでOracle WebLogic Server管理コンソールを開きます。
    • SSLリスニング・ポートがWebLogic Serverインスタンスに構成されている場合は、https://wls-hostname:port/consoleに移動します。次に例を示します。
      https://localhost:7002/console
    • SSLリスニング・ポートがWebLogic Serverインスタンスに構成されていない場合は、http://wls-hostname:port/consoleに移動します。次に例を示します。
      http://localhost:7001/console
  2. 左側のパネルの「ドメイン構造」ブロックで、「ドメイン」「サービス」を選択し、「データ・ソース」を選択します。
  3. 新しい汎用データ・ソースを作成します。データ・ソース名を設定します(amc2 mysqlなど)。
  4. JNDI名amc2/db/mysqlに設定します。これは、データ・ソース・オブジェクトを探すためのAMCの重要な値です。
  5. データベース・タイプに「MySQL」を選択します。
  6. MySQL 5.xの場合、データベース・ドライバで「MySQLのドライバ(タイプ4)バージョン:com.mysql.jdbc.Driverを使用」を選択します。MySQL 8の場合、「MySQLのドライバ(タイプ4)バージョン:com.mysql.cj.jdbc.Driverを使用」を使用する必要があります。
  7. 「トランザクション・オプション」セクションで、「グローバル・トランザクションのサポート」チェック・ボックスが選択されていないことを確認してください。Advanced Management Consoleではグローバル・トランザクションはサポートされません。
  8. 「Advanced Management Consoleに対するMySQLデータベースのインストールと構成」の手順を実行して作成したMySQLデータベース名をデータベース名に設定します。
  9. データベースのhost-nameportを次のように設定します。
    • Oracleデータベースが存在するホスト名。
    • portはデフォルトのままにするか、異なる場合はデータベース・ポートに変更します。
  10. MySQLデータベースのデータベースのユーザー名とパスワードを設定します(amc2などのユーザー名と強力なパスワード)。MySQLデータベースのユーザー名とパスワードは、「Advanced Management Consoleに対するMySQLデータベースのインストールと構成」の手順を実行して構成した値です。
  11. 「プロパティ」テキスト・ボックスで、次の行を追加してこのJDBC接続のUnicodeを有効にします。

    useUnicode=yes

    characterEncoding=UTF-8

  12. 「ターゲットの選択」ページで、Advanced Management Consoleをデプロイするサーバーを選択します。
  13. 変更を保存するには「終了」をクリックします。
  14. 「データ・ソース」表で、直前に作成したデータ・ソースをクリックします。
  15. 接続プール」タブをクリックします。
  16. 「最大容量」50に設定します。
  17. 保存」をクリックして、変更を保存します。

AMCは、データベース・ユーザーの資格証明を把握する必要はありません。MySQLデータベース・ユーザーの資格証明はアプリケーション・サーバーでデータ・ソース接続を構成する場合にのみ必要です。そのため、ステップ4で述べたJNDI名は設定に対して非常に重要です。

WebLogic Serverをデータベースで構成する場合、データベースのJDBCデータ・ソースをデプロイしてWebLogic Serverに接続します。

OracleデータベースによるWebLogic Serverの構成

OracleデータベースによってOracle WebLogic Serverを構成し、ユーザー・データにアクセスして変更するためのサービスを提供できます。データベースにはJDBCを使用してアクセスします。

OracleデータベースによってWebLogic Serverを構成するには、次のようにします。

  1. ブラウザでOracle WebLogic Server管理コンソールを開きます。
    • SSLリスニング・ポートがWebLogic Serverインスタンスに構成されている場合は、https://wls-hostname:port/consoleに移動します。次に例を示します。
      https://localhost:7002/console
    • SSLリスニング・ポートがWebLogic Serverインスタンスに構成されていない場合は、http://wls-hostname:port/consoleに移動します。次に例を示します。
      http://localhost:7001/console
  2. 左側のパネルの「ドメイン構造」ブロックで、ドメイン・サービスを選択し、「データ・ソース」を選択します。
  3. 新しい汎用データ・ソースを作成します。データ・ソース名を設定します。たとえば、amc2 oracleです。
  4. データベースがOracle 12c以降の場合は、「JNDI名」amc2/db/oracleに設定します。データベースがOracle 11gの場合には、「JNDI名」をamc2/db/oracle11に設定します。
    これは、データ・ソース・オブジェクトを探すためのAMCの重要な値です。
  5. データベース・タイプで「Oracle」を選択します。
  6. データベース・ドライバでOracleのインスタンス接続用ドライバ(Thin)を、バージョンで「任意」を選択します。
  7. 「トランザクション・オプション」セクションで、「グローバル・トランザクションのサポート」チェック・ボックスが選択されていないことを確認してください。Advanced Management Consoleではグローバル・トランザクションはサポートされません。
  8. 「Advanced Management Consoleに対するOracleデータベースのインストールと構成」の手順を実行して作成したOracleデータベース名をデータベース名に設定します。
  9. データベースのhost-nameportを次のように設定します。
    • Oracleデータベースが存在するホスト名。
    • portはデフォルトのままにするか、異なる場合はデータベース・ポートに変更します。
  10. ご使用のOracleデータベースのデータベース・ユーザー名とパスワードを設定します。
    Oracleデータベースのユーザー名とパスワードは、「Advanced Management Consoleに対するOracleデータベースのインストールと構成」の手順を実行して構成した値です。たとえば、ユーザー名amc2と強力なパスワードです。
  11. URLでportの後のコロン(:)をスラッシュ(/)に変更します。
    次に例を示します。
     jdbc:oracle:thin:@oracledb-hostname:port/amc2
  12. 「プロパティ」テキスト・ボックスで、次の行を追加してこのJDBC接続のUnicodeを有効にします。

    user=amc2

    useUnicode=yes

    characterEncoding=UTF-8

  13. 「次」をクリックします。
  14. 「ターゲットの選択」ページで、Advanced Management Consoleをデプロイするサーバーを選択します。
  15. 変更を保存するには「終了」をクリックします。
  16. 「データ・ソース」表で、直前に作成したデータ・ソースをクリックします。
  17. 接続プール」タブをクリックします。
  18. 「最大容量」を50に設定します。
  19. 保存」をクリックして、変更を保存します。

AMCは、Oracle Databaseユーザーの資格証明を把握する必要はありません。Oracleデータベース・ユーザーの資格証明はアプリケーション・サーバーでデータ・ソース接続を構成する場合にのみ必要です。ステップ4で述べたJNDI名は設定に対して非常に重要です。

WebLogic Serverをデータベースで構成した後で、データベースのJDBCデータ・ソースをデプロイしてWebLogic Serverに接続します。

WebLogic Serverデプロイメント・ライブラリへのJAX-RS 2.0のデプロイ

Advanced Management Console でWebサービス用のJAX-RS 2.0 RESTful Management APIを使用する必要がある場合は、WebLogic Serverデプロイメント・ライブラリにjax-rs-2.0.warファイルをデプロイする必要があります。

WebLogic Server管理コンソールからファイルをデプロイするには、次のようにします。

  1. WebLogic Server管理コンソールにログインします。
  2. 左パネルの「ドメイン構造」ブロックから「デプロイメント」を選択します。
  3. 「インストール」ボタンをクリックします。
  4. Windowsオペレーティング・システムの場合は、パス%MW_HOME%\wlserver\common\deployable-librariesを入力します。

    Linuxオペレーティング・システムの場合は、パス$MW_HOME/wlserver/common/deployable-librariesを入力します。

  5. jax-rs-2.0.warを選択します。
  6. 残りのすべての設定に対するデフォルト値をそのまま使用し、「次へ」「次へ」「次へ」および「終了」をクリックします。
  7. 新規エントリName=jax-rs(2.0) およびType=Library「デプロイメント」セクションで確認します。
  8. 「デプロイメント」リストから、jax-rs(2.X.X)「ターゲット」タブの順にクリックし、Advanced Management Consoleをデプロイするサーバーを選択します。
  9. 「保存」をクリックします。

WebLogic Server JTAの設定

データベース・アクセスに対するJavaトランザクションのタイムアウト間隔の値を十分に長く設定していない場合、WebLogic Serverでエラーが発生する可能性があります。JavaトランザクションAPI (JTA)を使用してタイムアウト間隔を定義するには、WebLogic Server管理者の資格証明が必要です。

WebLogic Serverドメインのタイムアウトが300秒になるようにJavaトランザクションAPI (JTA)構成を定義するには:

  1. WebLogic Server管理コンソールにログインします。
  2. 左側のパネルの「ドメイン構造」ブロックで、「サービス」に移動して、サービスから「JTA」を選択します。
  3. 「構成」タブをクリックして、「JTA」サブタブをクリックします。
  4. JavaトランザクションAPI (JTA)のページで、「タイムアウト」の値に300を入力します。

Javaヒープ・サイズおよびプロキシ・サーバーの設定

サーバーからインターネットへの直接アクセスが使用できない場合は、WebLogic Serverに対してプロキシ・サーバーを設定する必要があります。Advanced Management Console では、Javaセキュリティ・ベースラインへのアクセス権が必要です。また、JNLPファイルが企業ネットワーク外にある場合は、それらをイントロスペクトするために、インターネット・アクセスが必要となります。たとえば、OracleチュートリアルからJNLPアプリケーションを起動する場合、情報を正しく表示するには、Advanced Management Console で、JNLPファイルおよび参照されるjarをダウンロードする必要があります。

Javaヒープ・サイズおよびプロキシ・サーバーを設定するには:

  1. WebLogic Server管理コンソールにログインします。
  2. 管理コンソールで「環境」に移動し、「サーバー」「管理対象サーバー」の順に選択します。
  3. 「構成」タブ、「サーバーの起動」サブ・タブの順にクリックします。
  4. 次のVMオプションを「引数」テキスト・フィールドに追加し、ヒープ・サイズおよびプロキシ設定(HTTPSおよびHTTPプロキシ設定)を含めます。
    -Xmx4G
    -Dhttps.proxyHost=<host_name> -Dhttps.proxyPort=<proxy_port>
    -Dhttp.proxyHost=<host_name> -Dhttp.proxyPort=<proxy_port>
    -Dhttp.nonProxyHosts=<server_hostname|server_IP>

    ノート:

    • <host_name><proxy_port><server_hostname>および<server_IP>を、環境に対応する実際の値に置き換えます。
      構成値の例を次に示します:
      -Dhttps.proxyHost=proxy.example.com -Dhttps.proxyPort=80 
      -Dhttp.proxyHost=proxy.example.com -Dhttp.proxyPort=80  
      -Dhttp.nonProxyHosts=localhost
          

      プロキシ構成の詳細は、Javaネットワーキングおよびプロキシに関する項を参照してください。

    • ご使用の環境にプロキシが必要ない場合は、JVMプロパティを指定しないでください。
    • 推奨されるとおりにJavaヒープ・サイズを調整する必要があります。4GB以上のヒープ・サイズをお薦めします。-Xmx4Gオプションは、最大ヒープ・サイズを4GBに変更します。ヒープ・サイズが4GBでは32ビットのJVMを起動できないため、64ビットのJVMを使用することをお薦めします。

信頼できるHTTPS証明書

Advanced Management Consoleでは、AMCサーバーとクライアント(エージェント、Web UI、デプロイメント・ルール・セット・ツール、Javaインストーラ構成)との通信にHTTPSのみを使用します。AMCのHTTPS設定では、クライアント側のJava Runtime Environment (JRE)で信頼される有効なHTTPS証明書が必要です。

有効なHTTP証明書が入手可能で、Oracle WebLogic Serverアイデンティティ・キーストアがそれによって設定されていることを確認します。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理 12c』キーストアの構成に関する項を参照してください。

ノート:

自己署名証明書は、デモの場合のみ使用できます。本番システムでは使用できません。

WebLogic Serverのメール通知の設定

Advanced Management Console サーバーは、自身の資格証明でエージェントを登録する管理対象デスクトップ・ユーザーに電子メール通知をオプションで送信します。AMCサーバーは、Oracle WebLogic Serverに組み込まれているJavaMail APIを使用して、AMCと実際のSMTPメール・サーバーの媒介として機能します。特定のメール・サーバーを使用するには、WebLogic Serverを構成する必要があります。

WebLogic Serverコンソールで電子メール通知設定用にWebLogic Serverを構成するには:

  1. WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. ドメイン構造ブロックから「サービス」および「メール・セッション」を選択します。

  3. 「新規」をクリックして、フォームに入力します。

次の詳細内容でフォームに入力します。

  1. 名前: 任意の名前を指定します。
  2. JNDI名: JNDI名をamc2/mailとして指定します。これは、メール・サーバーの設定の重要な値です。
  3. セッションのユーザー名とパスワードを指定します。
  4. JavaMailプロパティを設定します。

    mail.transport.protocol=smtp

    mail.smtp.ssl.enable=true

    mail.smtp.auth=true

    mail.smtp.host=<your email host name>

  5. SMTPセッションをトレースするには、mail.debug=trueを設定します。
  6. 「次」を選択してから、AMCがデプロイされるサーバーを選択します。
  7. 「終了」をクリックします。
  8. サーバーを再起動します。

AMCユーザー・インタフェースの「構成」タブの「設定」サブ・タブには、WebLogic Serverメール通知の有効と無効を切り替えるためのチェック・ボックスがあります。JNDI名が見つからない場合、このチェック・ボックスは無効化され、WebLogic Serverの電子メール通知を有効にできません。

WebLogic Server構成の保護

WebLogic ServerでJavaセキュリティ・マネージャを使用すると、Java仮想マシン(JVM)で実行しているリソースを保護して、Advanced Management Console のセキュリティを強化できます。