4 Advanced Management Console に対するOracleデータベースのインストールと構成

Advanced Management Console のデータベースによって、すべてのデータをホストするためのデータ・ストレージが提供されます。

データベースには、MSIファイル、アプリケーション、デプロイメント・ルールおよびデプロイメント・ルール・セットに関する情報が保存されます。データベースは、エージェント、Java Runtime Environment (JRE)の統計情報およびJavaインストーラ構成に関する情報も格納します。この章には、Oracleデータベースのソフトウェア要件とインストールおよび構成の手順を説明する次の項が含まれています。

Oracleデータベースのソフトウェア要件

Advanced Management Console とともにOracleデータベースを使用するには、サポートされているバージョンのOracleデータベースをOracle Databaseソフトウェアのダウンロードからダウンロードしてインストールします。

WindowsでのOracleデータベースのインストール

ノート:

Oracle 11gデータベースをインストールするには、Oracle 11gのドキュメントを参照してください。

このトピックでは、Oracle Database 12cのインストール・ステップを説明します。

Windowsオペレーティング・システムにOracleデータベースをインストールするには、次のようにします。
  1. ブラウザでOracle Databaseソフトウェアのダウンロードに移動します。
  2. 64ビットの.zipファイルをダウンロードします。.zipファイルを選択し、右クリックして「すべて展開」を選択します。両方の.zipファイルを同じフォルダに抽出します。
    unzipコマンドを使用してアーカイブを抽出しないでください。setup.exeの実行に失敗する可能性があります。
  3. setup.exeを実行し、使用するデータベースおよびWindowsユーザーの要件に応じてインストール・オプションを選択します。
  4. インストール・プロセスのデータベース識別子の指定画面で、グローバル・データベース名(amc2など)およびOracleシステム識別子、SID (amc2など)を入力します。「コンテナ・データベースとして作成」オプションのチェック・ボックスを選択しないでください。「インストール」ボタンが有効になります。
  5. 「インストール」をクリックして、製品をインストールします。
    Oracle DatabaseがWindowsにインストールされます。
  6. SQL Plusアプリケーションを起動します。SQL Plusを起動するには、コマンドラインからSQLPLUSコマンドを入力します。
Windowsの「スタート」から、「プログラム」、「Oracle-OraHomeName」、「Application Development」「SQL Plus」の順にクリックします。

WindowsでのOracleデータベースの構成

WindowsでAdvanced Management Console に対してOracleデータベースをインストールしたら、構成する必要があります。

WindowsでOracleデータベースを構成するには、次のようにします。
  1. sys as sysdba、および「スキーマ・パスワード」ステップでインストール・プロセス中に選択したパスワードを使用して、SQL*Plusアプリケーションにログインします。
  2. ユーザー(amc2など)を作成し、データベースへのアクセス権を付与します(amc2など)。 「WindowsでのOracleデータベースのインストール」で設定した名前がデータベース名になります。
    SQL> CREATE USER amc2 IDENTIFIED BY amc2 
    DEFAULT TABLESPACE users
    QUOTA UNLIMITED ON users PASSWORD EXPIRE;
    SQL> CREATE ROLE amc2_role;
    SQL> GRANT CREATE SESSION, CREATE TABLE, CREATE SEQUENCE, CREATE VIEW, CREATE TRIGGER to amc2_role; 
    SQL> GRANT amc2_role TO amc2;

    MSIバイナリなどの大量のBLOBエントリに対応するのに十分なデータベース記憶域を確保するように、OracleデータベースQUOTAUNLIMITEDに構成します。SQL Create User文で問題が発生した場合は、SQL*Plusアプリケーションからログアウトしてステップ1およびステップ2を繰り返します。

  3. ユーザーを正常に作成したら、SQL*Plusアプリケーションを終了し、ユーザー(amc2など)としてSQL*Plusにログインします。パスワードを設定するように求めるプロンプトが表示されます。強力なパスワードを設定します。

このトピックで示したOracleデータベース・ユーザーの資格証明は例です。AMCは、データベース・ユーザーの資格証明を把握する必要はありません。Oracleデータベース・ユーザーの資格証明はアプリケーション・サーバーでデータ・ソース接続を構成する場合にのみ必要です。

LinuxでのOracleデータベースのインストールおよび構成

構成ではroot権限が必要になるため、Oracleデータベースのインストールと構成を開始する前にroot権限を取得できるようにしてください。ただし、rootユーザーとしてインストーラを起動しないでください。
LinuxにOracleデータベースをインストールおよび構成するには、次のようにします。
  1. 必要に応じて、SSHまたはVNCを使用してサーバーに接続します。
  2. データベース・インストーラを解凍します。 
  3. シェルで、ulimit -s 10240コマンドを実行します。これは、データベース・インストールに必要な最大スタック・サイズの制限の設定です。また、/etc/security/limits.confファイルを編集して、データベース・ユーザー・デプロイメントのために次のnofilenprocstackおよびmemlockの値を設定します。
    deployment   soft   nofile    1024
     
    deployment   hard   nofile    65536
     
    deployment   soft   nproc    16384
     
    deployment   hard   nproc    16384
     
    deployment   soft   stack    10240
     
    deployment   hard   stack    32768
     
    deployment   hard   memlock    134217728
     
    deployment   soft   memlock    134217728
  4. /etc/pam.d/loginに次の行が含まれることを検証します。
    session include system-auth
    /etc/pam.d/loginに含まれない場合は、次の行を追加します。
    # echo ‘session include system-auth’ >> /etc/pam.d/login
  5. /etc/pam.d/system-authに次の行が含まれることを検証します。
    session required pam_limits.so
    /etc/pam.d/system-authに含まれない場合は、次の行を追加します。
    # echo ‘session required pam_limits.so’ >> /etc/pam.d/system-auth
  6. データベース・ソフトウェアの所有者としてログインし、次のシェル制限を検証します。
    -bash-4.2$ ulimit -Sn
    1024
     
    -bash-4.2$ ulimit -Hn
    65536
     
    -bash-4.2$ ulimit -Su
    16384
     
    -bash-4.2$ ulimit -Hu
    16384
     
    -bash-4.2$ ulimit -Ss
    10240
     
    -bash-4.2$ ulimit -Hs
    32768
     
    -bash-4.2$
  7. データベース・インストーラが解凍されたディレクトリに移動し、./runInstallerコマンドを実行してインストール・ウィザードを開始します。必要な情報を指定し、「次」をクリックします。このウィザードのデフォルトの選択を使用し、「次」をクリックします。
  8. 「システム・クラスの選択」ページで、「デスクトップ・クラス」を選択し、「次」をクリックします。
  9. 「標準インストール」ページで、次を実行します。
    1. インストール場所の情報を指定します。
    2. グローバル・データベース名がorclであることを確認し、「次」をクリックします。
  10. 「インベントリの作成」ページで、製品インベントリの場所を設定し、「次」をクリックします。
  11. インストール・ウィザードで、「OK」をクリックします。
    前提条件チェックのサマリーが表示されます。「インストール」をクリックして、データベースのインストールを開始します。インストールの際には必ずスクリプトを実行します。
  12. ウィザードの指示に従って、スクリプトを実行します。
    ENVスクリプトは/usr/local/binにコピーされます。パスは必要に応じて変更できます。
  13. インストール・ウィザードで「OK」をクリックして、インストールを続行します。
  14. インストールが完了したら、「閉じる」をクリックしてウィザードを閉じ、cat/etc/oratabコマンドを実行してインストールの情報を確認します。
  15. scratch/deployment/app/oraInventoryにあるスクリプトを実行します。インストール時にデフォルトのOracleベースの場所を使用しなかった場合は、使用した場所に応じて変更してください。
  16. データベース・ファイルの場所に移動し、PDB用にamc2ディレクトリを作成します。
  17. sqlplusを使用し、sysdbaとしてデータベースに接続し、次のコマンドを入力してPDBを作成します。
    CREATE PLUGGABLE DATABASE amc2 ADMIN USER amc2 identified by "amc2" DEFAULT TABLESPACE USERS DATAFILE '/scratch/deployment/app/deployment/oradata/orcl/amc2/users01.dbf' SIZE 250M AUTOEXTEND ON FILE_NAME_CONVERT=('/scratch/deployment/app/deployment/oradata/orcl/pdbseed/', '/scratch/deployment/app/deployment/oradata/orcl/amc2/');
  18. データベース・セッションをAMC2に変更し、AMC2 が開いていることを確認します。
    alter session set container=amc2;
    alter pluggable database amc2 open;
    1. ユーザーAMC2の権限を構成および設定します。
      次に示すのは、権限をamc2に付与するコマンドです。 
       grant CREATE SESSION, CREATE TABLE, CREATE SEQUENCE, CREATE VIEW to amc2;
      次に示すのは、割当てを設定するコマンドです。
      alter user amc2 quota unlimited on users;
    2. AMC2の状態を保存します。
  19. リスナーを停止し、sqlplusを終了します。
    リスナーを停止するには、次のコマンドを使用します。 
    $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop
  20. 構成ファイルでリスナー・ポートが1521に設定されていることを確認します。
    構成ファイル$ORACLE_HOME/network/admin/listener.oraを次のように編集できます。
    LISTENER =
      (DESCRIPTION_LIST =
        (DESCRIPTION =
          (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = your_host_name)(PORT = 1521))
          (ADDRESS = (PROTOCOL = IPC)(KEY = EXTPROC1521))
        )
      ) 
  21. TNS構成ファイル$ORACLE_HOME/network/admin/tnsnames.oraを次のように編集します。
    LISTENER_AMC2 =
      (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = localhost)(PORT = 1521))
    ORCL =
      (DESCRIPTION =
        (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = localhost)(PORT = 1521))
        (CONNECT_DATA =
          (SERVER = DEDICATED)
          (SERVICE_NAME = orcl)
        )
      )
    AMC2 =
      (DESCRIPTION =
        (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = your_host_name)(PORT = 1521))
        (CONNECT_DATA =
          (SERVER = DEDICATED)
          (SERVICE_NAME = amc2)
        )
      ) 
  22. 2つの構成ファイルを適切に設定したら、次のコマンドを入力して、再度リスナーを起動します。
    $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl start
  23. 次のコマンドを使用して、データベース・リスナーが実行していることを確認します。
    $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl services
データベース管理者である場合は、ORAchkを使用してOracleデータベースをチェックします。
  1. MOSからORAchkをダウンロードします。

    ノート:

    MOSは https://support.oracle.comで利用可能です。
  2. orachk.zipSRVDBにコピーして解凍します。

  3. rootユーザーとして./orachkを実行して、Oracleデータベースを確認し、HTMLレポートを生成します。これにより、HTMLファイルを含むレポートのzipファイルが作成されます。レポートには、検出された問題と、問題を修正するためのMOSノートまたはドキュメントへのリンクが記載されています。