2 インストーラの構成ファイルを使用したJREのインストール

Java Runtime Environment (JRE)をコマンド行からインストールするときは、JDKコマンド行インストール・オプションを補足するためにインストーラの構成ファイルを使用できます。

ノート:

MSI Enterprise JREインストーラは、Oracle Java SEサブスクリプションおよび他のレガシー製品(Oracle Java SE Advanced、Oracle Java SE Suiteなど)の一部として使用でき、My Oracle Support (MOS)を介したダウンロードでのみ利用できます。

インストーラ構成ファイルは、インストーラのコマンド行で指定されたオプションの代替となったり、オプションを拡張したりします。この構成ファイルを使用して、インストールを標準化すること、およびコマンド行で使用できないオプションを指定することができます。

この項には次のトピックが含まれます:

インストーラ構成ファイルのオプション

次の表に、インストーラの構成ファイル・オプションをすべてリストします。

ノート:

1Enable0Disableで置き換えることができます。

AUTO_UPDATEとSTATICを除き、MSI Enterprise JREインストーラをコマンド行から実行するときに次のオプションを使用できます。「コマンド行からのJREのインストール」を参照してください。

表2-1 構成ファイルのオプション

オプション 説明

AUTO_UPDATE=

EnableDisable

自動更新機能を有効にします。

デフォルト: Enable

ノート:

このオプションはMSI Enterprise JREインストーラでは使用できません。

DEPLOYMENT_RULE_SET=

path

組織のデプロイメント・ルール・セットのパスおよびファイル名を指定します。Java Platform, Standard Editionデプロイメント・ガイドデプロイメント・ルール・セットを参照してください。

EULA=

EnableDisable

JavaアプレットまたはJava Web Startアプリケーションを起動する場合、ユーザーは、エンド・ユーザー・ライセンス契約(EULA)に同意するよう求められます。

デフォルト: Disable

INSTALL_DIR=

path

ファイルのインストール先のフォルダまたはディレクトリ。

Javaのデフォルトのインストール・ディレクトリ:

%ProgramFiles%\Java\jre$version
Windowsの場合、ファミリを最初にインストールするときのみ作動します。LinuxおよびSolarisではこの目的のためにオペレーティング・システム・ツールを使用します。インストール・ディレクトリの場所はオペレーティング・システム・ツールによって処理されます。たとえば:
rpm --prefix=path

NOSTARTMENU=

EnableDisable

インストーラがJavaの起動項目を設定せずにJREをインストールすることを指定します。

デフォルト: Disable

REMOVEOLDERJRES=

01

JDK 8u371以降:

REMOVEOLDERJRES=1オプションは、スタンドアロンのEnterprise MSIではサポートされなくなりました。各ファミリのJREは一度に1つのみインストールできます。新しいJREでは、同じファミリの古いJREが自動アップグレードされます。

JDK 8u371よりも前:

REMOVEOLDERJRESオプションは、Enterprise MSIにのみ適用されます。REMOVEOLDERJRES=1を使用すると、JREのインストール時に、静的にインストールされていない既存のJavaバージョンをすべてシステムからアンインストールできます。ただし、REMOVEOLDERJRESオプションでは、静的なJREインストールは削除されません。

たとえば、次のコマンドを実行するとします

msiexec /i jreversion-number.msi REMOVEOLDERJRES=1
静的にインストールされていない既存のJREがすべてシステムから削除されました。

ノート:

REMOVEOLDERJRES引数を指定してJava 7 Enterprise MSIを実行している場合、特定の条件においてEnterprise MSI以外が残ってしまう可能性があります。古いJava 7のEnterprise以外のバージョンをすべて削除するには、最初に次の2つのコマンドを実行することをお薦めします:
  • msiexec /x {57BDA5C6-443C-4D65-B233-2823932170FF} /qn
  • msiexec /x {57BDA5C6-443C-4D65-B233-2823964170FF} /qn

REMOVEOUTOFDATEJRES=

01

オンラインおよびオフラインのインストーラに適用可能。

JREのインストール時に既存の古いJavaバージョンをアンインストールするために使用します。このフラグは、サイレント・モードのJREインストーラ実行可能ファイルのみで作動します。

たとえば、次のコマンドを実行するとします

msiexec /i jreversion-number.msi REMOVEOUTOFDATEJRES=1

安全でないすべてのJREが削除されます。セキュリティ・ベースラインを上回っているJREはアンインストールされません

ノート:

modifyremoveサポートを使用してみるかわりに、REMOVEOUTOFDATEJRESオプションを使用してください。

REBOOT=

EnableDisable

無効にすると、インストーラはJREのインストール後にコンピュータを再起動するようユーザーに求めません。しかし、ほとんどの場合、インストーラはJREのインストール後にコンピュータを再起動する必要はありません。

デフォルト: Enable

STATIC=

EnableDisable

静的なインストールを実行します(「JREの静的なインストールの実行」を参照してください)。

デフォルト: Disable

ノート:

このオプションはMSI Enterprise JREインストーラでは使用できません。

USAGETRACKER_CFG=

path

Java Usage Trackerのプロパティ・ファイルのパスおよびファイル名を指定します。

WEB_ANALYTICS=

EnableDisable

インストーラによるインストール関連の統計のOracleサーバーへの送信を許可または禁止します。

デフォルト: Enable

WEB_JAVA_SECURITY_LEVEL=

H (高), VH (非常に高)

ブラウザまたはJava Web Startで実行中のJavaアプリケーションのインストールのセキュリティ・レベルを構成します。

デフォルト: H

WEB_JAVA=

EnableDisable

ダウンロード済のJavaアプリケーションがWebブラウザまたはJava Web Startでの実行を許可される/されないように、インストールを構成します。

デフォルト: Enable

インストーラ構成ファイルの例

インストーラの構成ファイルの次の例を使用して、Windows用の独自の構成ファイルを作成できます。

Windows用のインストーラ構成ファイルの例を次に示します。次のアクションを指定します:

  • サイレント・インストールを実行する。

  • JREをディレクトリC:\java\jreにインストールする。

  • ブラウザで実行中の署名なしのJavaアプリケーションのセキュリティ・レベルを「非常に高」に設定する。

例2-1 Windows用のインストーラ構成ファイルの例

INSTALL_SILENT=Enable
INSTALL_DIR=C:\java\jre
WEB_JAVA_SECURITY_LEVEL=VH

システム・ランタイム構成ファイル

インストーラはJREをインストールした後で、システム・ランタイム構成ファイルを作成します。

JDK 6では、インストーラがインストーラ構成ファイルを使用してJREをインストールした後で、それをシステム・ランタイム構成ファイルとして%ALLUSERSPROFILE%\Oracle\Java\java_settings.cfgに保存します。

JDK 8以降では、インストーラがインストーラ構成ファイルを使用してJREをインストールした後で、それをシステム・ランタイム構成ファイルとしてC:\Program Files (x86)\Common Files\Oracle\Java\java_settings.cfgに保存します

環境変数%ALLUSERSPROFILE%の値は、通常C:\ProgramDataです。