1 JShellの概要

Java Shellツール(JShell)は、Javaプログラミング言語を学習したり、およびJavaコードのプロトタイプを作成するための対話型ツールです。JShellはRead-Evaluate-Print Loop (REPL)であり、入力時に宣言、文および式を評価し、ただちに結果を表示します。ツールは、コマンドラインから実行されます。

トピック

このツールの参照情報は、Java Development Kitツール仕様jshellコマンドに関する項を参照してください。

JShellを使用する理由

JShellを使用すると、一度に1つずつプログラム要素を入力したり、ただちに結果を確認したり、必要に応じて調整できます。

Javaプログラムの開発には、通常、次のプロセスが含まれます。

  • 完全なプログラムを作成します。

  • これをコンパイルして、エラーを修正します。

  • プログラムを実行します。

  • 問題がある場所を調べます。

  • これを編集します。

  • このプロセスを繰り返します。

JShellを使用すると、プログラム開発時にコードを試したり、オプションを容易に調べることができます。JShellセッションで、個々の文をテストしたり、様々なバリエーションのメソッドを試したり、よく知らないAPIを試すことができます。JShellはIDEに取ってかわるものではありません。プログラムの開発時に、コードをJShellに貼り付けてこれを試してから、動作するコードをJShellからプログラム・エディタまたはIDEに貼り付けます。

JShellの起動および停止

JShellは、JDK 9で導入されました。JShellを起動するには、コマンドラインでjshellコマンドを入力します。

JDK 9以降をシステムにインストールする必要があります。ご使用のパスにbinディレクトリ(例: java-home/jdk-9/bin)が含まれていない場合、そのディレクトリ内からツールを起動します。

次の例に、コマンドおよびJShellからの応答を示します。入力するテキストは、太字で示されます。

% jshell
|  Welcome to JShell -- Version 9
|  For an introduction type: /help intro

jshell>

このチュートリアルの例では、詳細モードを使用します。このチュートリアルで作業する際は、例と同じものが表示されるように、詳細モードを使用することをお薦めします。ツールをよく理解している場合、通常またはより簡潔なモードでの実行を選択することもできます。

詳細モードでJShellを起動するには、-vオプションを使用します。

% jshell -v

JShellを終了するには、/exitを入力します。

jshell> /exit
|  Goodbye