4 アプリケーションのインストールの管理

ユーザーのシステムにおけるアプリケーションのインストールおよび起動方法を制御できます。パッケージ化ツールで提供されるオプションを使用すると、承認されるライセンス、アプリケーションのインストール場所、およびコンソールが必要かどうかを指定できます。

ライセンスを含める

ユーザーがWindowsまたはmacOSにアプリケーションをインストールする際に受け入れる諸条件がある場合は、アプリケーションをパッケージ化するときに--license-fileオプションを使用します。

アプリケーションを含むディレクトリにライセンス・ファイルもある場合、そのファイルはアプリケーションとともにユーザーのマシンにインストールされます。WindowsまたはmacOSにインストールする前にユーザーにライセンスの承認を要求する場合は、--license-fileオプションを使用します。アプリケーション・ディレクトリにないライセンス・ファイルを指定する場合、ユーザーはインストール時にライセンスが表示されますが、ファイルはアプリケーションとともにインストールされません。また、サイレント・インストールとその他のタイプのインストールでは、ライセンス・ファイルは表示されません。

次のコマンドは、動的ツリー・アプリケーションのパッケージにライセンス・ファイルmyApps/myLicense.txtを追加します。

jpackage --type exe --name DynamicTreeDemo --input myApps \
   --main-jar DynamicTree.jar --license-file myApps/myLicense.txt

ショートカットの作成

ユーザーがアプリケーションをインストールするときにショートカットを作成するには、アプリケーションをパッケージ化するときに--linux-shortcutまたは--win-shortcutオプションを使用します。アプリケーションのカスタム・アイコンを表示するには、--iconオプションを使用します。

LinuxおよびWindowsプラットフォームでは、ショートカットがサポートされています。アイコンを指定しない場合、デフォルトのアイコンが使用されます。Linuxでカスタム・アイコンを指定すると、ショートカットが自動的に作成され、--linux-shortcutオプションは不要です。カスタム・アイコンは、プラットフォームの要件を満たすフォーマットであることが必要です。

次のコマンドは、Linuxにインストールされたとき、動的ツリー・アプリケーションに対するデフォルト・アイコンを使用してショートカットを作成します。

jpackage --name DynamicTreeDemo --input myApps --main-jar DynamicTree.jar \
   --linux-shortcut

次のコマンドは、Windowsにインストールされたとき、動的ツリー・アプリケーションに対するカスタム・アイコンを使用してデスクトップ・ショートカットを作成します。

jpackage --name DynamicTreeDemo --input myApps --main-jar DynamicTree.jar \
   --icon DTDemo.ico --win-shortcut

インストール・ディレクトリの設定

インストール・ディレクトリの名前とパッケージの名前が異なるようにする必要がある場合は、--install-dirオプションを使用します。Windowsでは、--win-dir-chooserオプションを使用すると、アプリケーションをインストールする場所をユーザーが選択できるようになります。

アプリケーションは、「オプションが指定されていない場合のデフォルト」で説明されているデフォルトのプラットフォーム固有のインストール・ディレクトリにインストールされます。アプリケーションのディレクトリ名はデフォルトでパッケージ名になりますが、アプリケーションをパッケージ化するときに、--install-dirオプションを使用して変更できます。

Windowsには、ユーザーがインストール場所を選択できるオプションもあります。表示されるダイアログは、デフォルトでパッケージ名の付いたディレクトリになります。

次のコマンドは、動的ツリー・アプリケーションをc:\Program Files\DynamicTreeDemoではなくc:\Program Files\DTDemoにインストールします。

jpackage --type exe --name DynamicTreeDemo --input myApps \
   --main-jar DynamicTree.jar --install-dir DTDemo

次のコマンドを使用すると、ユーザーはアプリケーションがインストールされるディレクトリを選択できます。

jpackage --type exe --name DynamicTreeDemo --input myApps \
   --main-jar DynamicTree.jar --win-dir-chooser

メニューへのアプリケーションの追加

ユーザーがメニューからアプリケーションにアクセスできるようにするには、アプリケーションをパッケージ化するときに、--linux-menu-groupオプションあるいは--win-menuおよび--win-menu-groupオプションを使用します。

Linuxプラットフォームで、--linux-menu-groupオプションを使用していない場合、使用しているWindowsマネージャに固有のメニュー内の不明グループにアプリケーションが追加されます。

Windowsプラットフォームでは、選択したグループの「スタート」メニューにアプリケーションを追加できます。グループが存在しない場合は、作成されます。グループ名を指定しない場合、アプリケーションは不明グループに追加されます。--win-menu-groupオプションは、--win-menuオプションが使用されている場合にのみ意味を持ちます。

次のコマンドは、Windowsの「スタート」メニューの「Small, Inc」グループに動的ツリー・アプリケーションを追加します。引用符は、名前にスペースが含まれている場合のみ必要です。

jpackage --type exe --name DynamicTreeDemo --input myApps \
   --main-jar DynamicTree.jar --win-menu --win-menu-group "Small, Inc"

macOSでは、アプリケーションはメニュー・バーに表示されます。表示される名前は、デフォルトでパッケージの名前になります。次のコマンドは、--mac-package-nameオプションを使用して、メニュー・バーにDTDemoを表示します。

jpackage --name DynamicTreeDemo --input myApps --main-jar DynamicTree.jar \
   --mac-package-name DTDemo

コンソールで起動

アプリケーションがコマンドラインから実行されているか、コンソール・インタラクションが必要な場合は、--win-consoleオプションを使用して、Windowsがコンソール・ウィンドウでアプリケーションを起動することを認識できるようにします。

次のコマンドは、Windowsに対して、コンソール・ウィンドウを使用してHello Worldアプリケーションを起動するように指示します。

jpackage --input mySamples\hwapp --main-jar HelloWorld.jar --win-console