15 国際化

国際化サポートの領域で発生する可能性のある問題をトラブルシューティングするための情報と指針。

詳細は、国際化の概要に関する項を参照してください。

この章では、国際化およびローカリゼーションのトラブルシューティング手法について説明します。

国際化およびローカリゼーションのトラブルシューティング

トラブルシューティングを始める前に、国際化ローカリゼーションの違いを必ず理解しておいてください。

  • 国際化とは、様々な言語や地域への適応(ローカライズ)を、容易に低コストでソフトウェアを変更せずに行えるようにソフトウェアを設計するプロセスのことです。このプロセスには一般に、プログラム内で言語や文化に依存している部分を分離する作業が含まれます。たとえば、エラー・メッセージのテキストはプログラム・ソース・コードから分離された状態に保たれますが、それは、ローカリゼーション時にメッセージを翻訳する必要があるからです。

  • ローカリゼーションとは、特定ロケールでの使用にプログラムを適応させるプロセスのことです。ロケールとは、同じ言語や慣習を共有する地理的または政治的な地域のことです。ローカリゼーションには、ユーザー・インタフェース・ラベル、エラー・メッセージ、オンライン・ヘルプなどのテキストの翻訳が含まれます。また、データ項目(通貨値、時間、日付、数値など)の文化固有の書式設定も含まれます。

Java SEプラットフォームのユーザー・インタフェース・ライブラリを使えば、インタラクティブなリッチ・アプリケーションを開発できます。国際化の側面にはテキスト入力、テキスト表示、ユーザー・インタフェース・レイアウトが含まれます。次の説明は、国際化と、AWT、Java 2D、およびSwing APIで提供される機能との関係を示したものです。

  • テキスト入力とは、キーボードをタイピングするか、インプット・メソッド、手書き認識、音声入力などのフロントエンド・ソフトウェアを使用して、ドキュメントに新しいテキストを入力するプロセスのことです。

  • テキスト表示はマルチステップのプロセスであり、フォントの選択、段落や行へのテキストの配置、文字または文字シーケンスのグリフの選択、それらのグリフのレンダリング、を含みます。一部の書記法では、双方向テキスト・レイアウトや複雑な文字からグリフへのマッピングが必要となります。テキスト表示は、軽量ユーザー・インタフェース・コンポーネントではJava 2Dグラフィックス・システムとSwingツールキットによって、ピア・ユーザー・インタフェース・コンポーネントではAWTによって、それぞれ処理されます。

  • ユーザー・インタフェース・レイアウトは、ローカリゼーションによって発生するテキストの拡大や縮小に対応するほか、ユーザーの書記法の方向に一致する必要があります。