Java Platform, Standard Editionトラブルシューティング・ガイド
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2.6 jcmdユーティリティ

jcmdユーティリティを使用してJVMに診断コマンド・リクエストを送信し、JVMではこれらのリクエストを使用してJavaフライト記録の制御、トラブルシューティング、JVMおよびJavaアプリケーションの診断を行います。JVMが実行されているものと同じマシン上で使用され、JVMの起動で使用されたものと同じ有効なユーザーおよびグループ識別子を持っている必要があります。

jcmdの構文および他の使用方法の詳細は、jcmdコマンドのマニュアル・ページを参照してください。

特殊コマンドjcmd <process id/main class> PerfCounter.printは、プロセス内のすべてのパフォーマンス・カウンタを出力します。

コマンドjcmd <process id/main class> <command> [options]は、JVMに実際のコマンドを送信します。

例2-1に、jcmdユーティリティによるJVMへの診断コマンド・リクエストを示します。

次の項では、jcmdユーティリティでの便利なコマンドおよびトラブルシューティング手法について説明します。

2.6.1 jcmdユーティリティの便利なコマンド

使用可能な診断コマンドはHotSpot VMのバージョンごとに異なる場合があるので、jcmd <process id/main class> helpを使用して、使用可能なすべてのオプションを確認することをお薦めします。JDK 8以降のツールに含まれている非常に役立つコマンドの一部を次に示します。jcmd <process id/main class> help <command>を使用すれば、該当するコマンドのその他のオプションをいつでも確認できることを覚えておいてください。

  • HotSpotおよびJDKのバージョンIDの出力

    jcmd <process id/main class> VM.version

  • VMに設定されているすべてのシステム・プロパティの出力

    数百行の情報が表示される可能性があります。

    jcmd <process id/main class> VM.system_properties

  • VMで使用されるすべてのフラグの出力

    フラグを指定していない場合でも、いくつかのデフォルト値(初期ヒープ・サイズや最大ヒープ・サイズなど)が表示されます。

    jcmd <process id/main class> VM.flags

  • 稼働時間(秒)の出力

    jcmd <process id/main class> VM.uptime

  • クラス・ヒストグラムの作成

    出力結果が冗長になる可能性があるので、出力をファイルにリダイレクトできます。内部クラスとアプリケーション固有のクラスの両方がリストに含まれます。メモリーの消費量が最も多いクラスから降順に表示されます。

    jcmd <process id/main class> GC.class_histogram

  • ヒープ・ダンプ(hprofダンプ)の作成

    jcmd GC.heap_dump filename=Myheapdump

    これはjmap -dump:file=<file> <pid>を使用する方法と同じですが、推奨ツールはjcmdです。

  • ヒープ・ヒストグラムの作成

    jcmd <process id/main class> GC.class_histogram filename=Myheaphistogram

    これはjmap -histo <pid>を使用する方法と同じですが、推奨ツールはjcmdです。

  • スタック・トレースのあるすべてのスレッドの出力

    jcmd <process id/main class> Thread.print

2.6.2 jcmdユーティリティによるトラブルシューティング

jcmdユーティリティでは、次のトラブルシューティング・オプションを使用できます。

  • 記録の開始

    たとえば、識別子が7060の実行中Javaプロセスで2分間の記録を開始し、それを現在のディレクトリのmyrecording.jfrに保存するには、次を使用します。

    jcmd 7060 JFR.start name=MyRecording settings=profile delay=20s duration=2m filename=C:\TEMP\myrecording.jfr

  • 記録の確認

    JFR.check診断コマンドは、実行中の記録を確認します。次に例を示します。

    jcmd 7060 JFR.check

  • 記録の停止

    JFR.stop診断コマンドは、実行中の記録を停止し、記録データを破棄することもできます。次に例を示します。

    jcmd 7060 JFR.stop

  • 記録のダンプ

    JFR.dump診断コマンドは、実行中の記録を停止し、記録をファイルにダンプすることもできます。次に例を示します。

    jcmd 7060 JFR.dump name=MyRecording filename=C:\TEMP\myrecording.jfr

  • ヒープ・ダンプの作成

    ヒープ・ダンプを作成する推奨方法を次に示します。

    jcmd <pid> GC.heap_dump filename=Myheapdump

  • ヒープ・ヒストグラムの作成

    ヒープ・ヒストグラムを作成する推奨方法を次に示します。

    jcmd <pid> GC.class_histogram filename=Myheaphistogram

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