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Java Platform, Standard Editionツール・リファレンス
リリース9
E91918-01
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javadoc

javadocツールおよびそのオプションを使用して、Javaソース・ファイルからAPIドキュメントのHTMLページを生成します。

形式

javadoc [options] [packagenames] [sourcefiles] [@files]
options

空白で区切られたコマンド行オプションを指定します。「javadocのオプション」「拡張オプション」「標準ドックレットのオプション」および「標準ドックレットが提供する非標準オプション」を参照してください。

packagenames

ドキュメント化するパッケージの名前を空白で区切って、java.lang java.lang.reflect java.awtのように指定します。サブパッケージもドキュメント化する場合は、-subpackagesオプションを使用してパッケージを指定します。

デフォルトでは、javadocは指定されたパッケージを現在のディレクトリおよびそのサブディレクトリで検索します。パッケージを検索するディレクトリのリストを指定するには、-sourcepathオプションを使用します。

sourcefiles

ドキュメント化するJavaソース・ファイルの名前を空白で区切って、Class.java Object.java Button.javaのように指定します。デフォルトでは、javadocは指定されたクラスを現在のディレクトリで検索します。ただし、クラス・ファイルのフル・パスを指定し、ワイルドカード文字を使用することができます。たとえば、/home/src/java/awt/Graphics*.javaのように指定します。現在のディレクトリからの相対パスを指定することもできます。

@files

javadocコマンド・オプション、パッケージ名およびソース・ファイル名を任意の順序で並べたリストが含まれているファイルの名前を指定します。

説明

javadocコマンドは、一連のJavaソース・ファイルにある宣言およびドキュメンテーション・コメントを解析し、デフォルトではpublicクラス、protectedクラス、ネストされたクラス(匿名の内部クラスは除く)、インタフェース、コンストラクタ、メソッドおよびフィールドについて説明した対応するHTMLページを生成します。javadocコマンドを使用すると、APIドキュメントや、一連のソース・ファイルの実装ドキュメントを生成できます。

javadocコマンドは、パッケージ全体、個々のソース・ファイル、またはその両方に対して実行できます。パッケージ全体をドキュメント化する場合は、-subpackagesオプションを使用して、ディレクトリとそのサブディレクトリを再帰的にたどるか、パッケージ名の明示的なリストを渡すことができます。個々のソース・ファイルをドキュメント化する場合は、Javaソース・ファイル名のリストを渡します。javadocツールの使用方法の詳細は、『Java Platform, Standard Edition Javadocガイド』のjavadocの概要に関する情報を参照してください。

適合性

標準ドックレットではドキュメンテーション・コメントの内容の適合性が検証されることはなく、ドキュメンテーション・コメントのエラーを修正しようとすることもありません。javadocを実行するユーザーは、整合性のない出力やJavaScriptなどの実行可能コンテンツを含む出力を生成する際に生じる可能性のある問題について認識しておく必要があります。標準ドックレットには、開発者がドキュメンテーション・コメントの一般的な問題を検出するのに役立つdoclint機能がありますが、生成された出力を適切な適合性およびその他のチェック・ツールでチェックすることもお薦めします。

HTML5ドキュメントの適合性要件の詳細は、HTML5仕様のConformance requirementsを参照してください。Webページに関連したセキュリティ問題の詳細は、Open Web Application Security Project (OWASP)のページを参照してください。

javadocのオプション

次のオプションは、中核となるjavadocのオプションです。

注意:

--形式のオプションをサポートするツールでは、GNU形式のオプションで空白のかわりに等号(=)を使用して、オプションの名前とその値を区切ることができます。

--add-modules module(,module)*

初期モジュールに加えて解決するルート・モジュール、またはmoduleALL-MODULE-PATHの場合はモジュール・パスのすべてのモジュールを指定します。

-bootclasspath classpathlist

非モジュラ・リリースで使用されるプラットフォーム・クラス・ファイルの場所をオーバーライドします。bootclasspathオプションは、javadocコマンドがソース・ファイルとクラス・ファイルを探すときに使用する検索パスの一部です。

classpathlistパラメータでは、次のいずれかのデリミタを使用して複数のディレクトリを区切ります。

  • Oracle Solaris、LinuxおよびOS X: コロン(:)

  • Windows: セミコロン(;)

-breakiterator

BreakIteratorで最初の文を計算します。最初の文は、パッケージ、クラス、またはメンバーのサマリーにコピーされ、アルファベット順のインデックスにコピーされます。BreakIteratorクラスは、英語を除くすべての言語の文の終わりを判断するために使用されます。

  • 英文のデフォルトの文区切りアルゴリズム — 空白文字またはHTMLブロック・タグ(<P>など)が続くピリオドで停止します。

  • ブレークイテレータ文区切りアルゴリズム — 次の語が大文字で始まる場合、空白文字が続くピリオド、疑問符、または感嘆符で停止します。このアルゴリズムでは、ほとんどの省略表記が処理されます(「The serial no. is valid」は処理されるが「Mr. Smith」は処理されない)。-breakiteratorオプションは、HTMLタグや、数字または記号で始まる文では停止しません。このアルゴリズムでは、HTMLタグに埋め込まれている場合でも、「../filename」の最後のピリオドで停止します。

--class-path path-classpath pathまたは-cp path

javadocコマンドが参照クラスを検索するパスを指定します。参照クラスとは、ドキュメント化されるクラスとそれらのクラスによって参照されるすべてのクラスのことです。

  • Oracle Solaris、LinuxおよびOS X: 複数のパスはコロン(:)で区切ります。

  • Windows: 複数のパスはセミコロン(;)で区切ります。

javadocコマンドは、指定されたパス以下のすべてのサブディレクトリを検索します。classpathlistの値を指定するときは、クラス・パスのドキュメントにある指示に従ってください。

-sourcepathが省略されている場合、javadocコマンドは、-classpathを使って、ソース・ファイルとクラス・ファイルを検索します(下位互換性のため)。ソース・ファイルとクラス・ファイルを別々のパスから検索する必要がある場合は、-sourcepath-classpathの両方を使います。

  • Oracle Solaris、LinuxおよびOS X: たとえば、com.mypackageをドキュメント化する場合に、そのソース・ファイルがディレクトリ/home/user/src/com/mypackageにあり、このパッケージが/home/user/libにあるライブラリに依存しているときは、次のコマンドを使用します。

    javadoc -sourcepath /home/user/src -classpath /home/user/lib com.mypackage 
    
  • Windows: たとえば、com.mypackageをドキュメント化する場合に、そのソース・ファイルがディレクトリ\user\src\com\mypackageにあり、このパッケージが\user\libにあるライブラリに依存しているときは、次のコマンドを使用します。

    javadoc -sourcepath \user\lib -classpath \user\src com.mypackage
    

他のツールと同様に、-classpathが指定されていない場合、CLASSPATH環境変数が設定されていれば、javadocコマンドはこの環境変数を使用します。どちらも設定されていない場合、javadocコマンドは現在のディレクトリからクラスを検索します。

*というベース名を含むクラス・パス要素は、ディレクトリ内の拡張子.jarまたは.JARを持つすべてのファイルのリストを指定するのと同じとみなされます。

たとえば、ディレクトリmydira.jarb.JARが含まれている場合、クラス・パス要素foo/*A.jar:b.JARに展開されます(JARファイルの順番は不確定)。このリストには、隠しファイルも含め、指定されたディレクトリ内のすべてのJARファイルが含まれます。*からなるクラスパス・エントリは、カレント・ディレクトリ内のすべてのJARファイルのリストに展開されます。CLASSPATH環境変数も同様に展開されます。クラス・パスのワイルドカード展開は、Java仮想マシン(JVM)の起動前に実行されます。System.getenv ("CLASSPATH")の呼出しなどによって環境を照会しないかぎり、Javaプログラムが展開されていないワイルドカードを認識することはありません。

-doclet class

代替ドックレットを使用して出力を生成ます。完全修飾名を使用してください。このドックレットにより、出力の内容と形式が定義されます。-docletオプションが使用されていない場合、javadocコマンドは、標準ドックレットを使用してデフォルトのHTML形式を生成します。このクラスには、start(Root)メソッドが含まれていなければなりません。この起動クラスへのパスは、-docletpathオプションによって定義されます。

-docletpath path

ドックレット・クラス・ファイル(-docletオプションで指定)と、それが依存するJARファイルを検索する場所を指定します。開始クラス・ファイルがJARファイル内にある場合、このオプションではそのJARファイルへのパスが指定されます。絶対パスまたは現在のディレクトリからの相対パスを指定できます。classpathlistに複数のパスまたはJARファイルを含める場合、Oracle Solarisではコロン(:)、Windowsではセミコロン(;)を使用して区切ります。目的のドックレット開始クラスがすでに検索パス内にある場合は、このオプションは不要です。

-encoding name

ソース・ファイルのエンコーディングの名前(EUCJIS/SJISなど)を指定します。このオプションが指定されていない場合は、プラットフォームのデフォルト・コンバータが使用されます。

-exclude pkglist

指定されたパッケージとそのサブパッケージを-subpackagesによって作成されたリストから無条件に除外します。過去の-subpackagesオプションの指定によって組み込まれたパッケージ、または将来組み込まれるパッケージも除外の対象となります。

次の例では、java.iojava.utiljava.mathなどは組み込まれますが、java.netjava.lang以下のパッケージは除外されます。これらの例では、java.langのサブパッケージであるjava.lang.refは除外されます。

  • Oracle Solaris、LinuxおよびOS X:

    javadoc -sourcepath /home/user/src -subpackages java -exclude java.net:java.lang
    
  • Windows:

    javadoc -sourcepath \user\src -subpackages java -exclude java.net:java.lang
    
--expand-requires value

ドキュメント化されるモジュールのセットを拡張するようjavadocツールに指示します。デフォルトでは、コマンド行で明示的に指定されたモジュールのみがドキュメント化されます。次の値がサポートされています。

  • transitive: これらのモジュールの必要なすべての推移的な依存性を追加で含めます。

  • all: すべての依存性を含めます。

-extdirs dirlist

拡張機能クラスが存在するディレクトリを指定します。拡張機能クラスとは、Java拡張機能メカニズムを使うすべてのクラスです。extdirsオプションは、javadocコマンドがソース・ファイルとクラス・ファイルを探すときに使う検索パスの一部です。詳細は、-classpathオプションを参照してください。dirlist内で複数のディレクトリを区切るには、Windowsではセミコロン(;)、Oracle Solarisではコロン(:)を使用します。

-helpまたは--help

オンライン・ヘルプを表示します。javadocおよびdocletのコマンド行オプションが一覧表示されます。

-Jflag

javadocコマンドを実行するJava Runtime Environment (JRE)に、flagを直接渡します。たとえば、生成ドキュメントを処理するためにシステムで32Mバイトのメモリーを確保しておく必要がある場合は、-Xmxオプションをjavadoc -J-Xmx32m -J-Xms32m com.mypackageのように呼び出します。ただし、-Xmsは初期メモリーのサイズを設定するだけなので、オプションです。これは、必要なメモリーの最小サイズがわかっている場合に便利です。

Jflagの間には空白を入れません。

使用しているjavadocコマンドのバージョンを確認するには、-versionオプションを使用します。出力ストリームには標準ドックレットのバージョン番号が含まれます。

javadoc -J-version
java version "1.7.0_09"
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.7.0_09-b05)
Java HotSpot(TM) 64-Bit Server VM (build 23.5-b02, mixed mode)
--limit-modules module (,module)*

参照可能なモジュールの領域を制限します。

-locale name

javadocコマンドがドキュメントを生成するときに使うロケールを指定します。引数には、java.util.Localeのドキュメントで説明されているロケールの名前を指定します。たとえば、en_US(英語、米国)、en_US_WIN (Windowsで使われる英語)などを指定します。

注意:

-localeオプションは、標準ドックレットまたはその他の任意のドックレットが提供する、すべてのオプションより前(左側)に指定する必要があります。そうしないと、ナビゲーション・バーが英語で表示されます。このコマンド行オプションだけは、指定する順序に依存します。

ロケールを指定すると、指定したロケールのリソース・ファイルがjavadocコマンドによって選択されて、メッセージ(ナビゲーション・バー、リストと表の見出し、ヘルプ・ファイルの目次、stylesheet.cssファイルのコメントなどの文字列)のために使われます。また、アルファベット順にソートされるリストのソート順、および最初の文の末尾を判別するための文の区切り文字も、指定したロケールによって決まります。ただし、-localeオプションは、ドキュメント化されるクラスのソース・ファイル内で指定されているドキュメンテーション・コメントのテキストのロケールを決定するものではありません。

--module module(,module)*

指定されたモジュールをドキュメント化します。

--module-path pathまたは-p path

アプリケーション・モジュールの参照先を指定します。

--module-source-path path

複数のモジュールの入力ソース・ファイルの参照先を指定します。

-package

package、protected、およびpublicのクラスとメンバーだけを表示します。

-private

すべてのクラスとメンバーを表示します。

-protected

protectedおよびpublicのクラスとメンバーだけを表示します。これはデフォルトの設定です。

-public

publicのクラスおよびメンバーのみを表示します。

-quiet

メッセージを抑制し、警告とエラーだけが表示されるようにして、これらを特定しやすくします。version文字列も抑制します。

--release release

指定されたリリースとのソース互換性を持たせます。

--show-members value

どのメンバー(フィールドやメソッド)をドキュメント化するかを指定し、valueには次のいずれかを指定できます。

  • protected: デフォルト値はprotectedです。

  • public: public値のみを表示します。

  • package: public、protectedおよびpackageのメンバーを表示します。

  • private: すべてのメンバーを表示します。

--show-module-contents value

モジュール宣言の文書粒度を指定します。指定できる値はapiまたはallです。

--show-packages value

どのモジュール・パッケージをドキュメント化するかを指定します。指定できる値はexportedまたはallパッケージです。

--show-types value

どのタイプ(クラス、インタフェースなど)をドキュメント化するかを指定し、valueには次のいずれかを指定できます。

  • protected: デフォルト値です。publicおよびprotectedタイプを表示します。

  • public: public値のみを表示します。

  • package: public、protectedおよびpackageタイプを表示します。

  • private: すべてのタイプを表示します。

-source release

受け付けるソース・コードのリリースを指定します。releaseパラメータには次の値を指定できます。javacコマンドでコードをコンパイルしたときに使用した値に対応するreleaseの値を使用します。

  • リリース値: 9javadocコマンドは、JDK 9では言語機能を含んだコードを受け付けます。-sourceオプションを使用しないと、コンパイラはデフォルトとして9の動作をします。

  • リリース値: 8javadocコマンドは、JDK 8で導入されたジェネリックスおよびその他の言語機能を含んだコードを受け付けます。

  • リリース値: 7javadocコマンドは、JDK 7で導入された、アサーションを含むコードを受け付けます。

  • リリース値: 6javadocコマンドは、JDK 6以降に導入されたアサーション、ジェネリックスまたはその他の言語機能をサポートしません。

--source-path pathまたは-sourcepath path

javadocコマンドにパッケージ名または-subpackagesオプションを渡すときに、ソース・ファイルを検索するためのパスを指定します。

  • Oracle Solaris、LinuxおよびOS X: 複数のパスはコロン(:)で区切ります。

  • Windows: 複数のパスはセミコロン(;)で区切ります。

javadocコマンドは、指定されたパス以下のすべてのサブディレクトリを検索します。このオプションを使用して、ドキュメント化されるソース・ファイルの位置のみでなく、それ自体はドキュメント化されないがドキュメント化されるソース・ファイルから継承されたコメントを持つソース・ファイルの位置も確認できます。

-sourcepathオプションは、javadocコマンドにパッケージ名を渡すときにだけ使用できます。javadocコマンドに渡されるソース・ファイルは、このパスからは検索されません。ソース・ファイルを検索するには、そのファイルのあるディレクトリに移動するか、各ファイルの先頭にパスを含めます。-sourcepathが省略された場合、javadocコマンドは、クラス・パスを使ってソース・ファイルを検索します(-classpathを参照)。デフォルトの-sourcepathは、クラス・パスの値です。-classpathを省略してパッケージ名をjavadocコマンドに渡すと、javadocコマンドは現在のディレクトリおよびそのサブディレクトリからソース・ファイルを検索します。

sourcepathlistには、ドキュメント化するパッケージ名のソース・ツリーのルート・ディレクトリを設定します。

  • Oracle Solaris、LinuxおよびOS X:

    • たとえば、com.mypackageという名前のパッケージをドキュメント化する場合に、そのソース・ファイルが/home/user/src/com/mypackage/*.javaにあるとします。次のように、sourcepath/home/user/src (com\mypackageを含むディレクトリ)として指定し、パッケージ名を指定します。

      javadoc -sourcepath /home/user/src/ com.mypackage
      
    • sourcepathの値とパッケージ名を連結して、ドットをスラッシュ(/)に変更すると、次のように、パッケージのフル・パスになります。

      /home/user/src/com/mypackage
      
    • 2つのソース・パスを設定するには、次のようにします。

      javadoc -sourcepath /home/user1/src:/home/user2/src com.mypackage
      
  • Windows:

    • たとえば、com.mypackageという名前のパッケージをドキュメント化する場合に、そのソース・ファイルが\user\src\com\mypackage\*.javaにあるとします。次のように、sourcepath\user\src (com\mypackageを含むディレクトリ)として指定し、パッケージ名を指定します。

      javadoc -sourcepath C:\user\src com.mypackage
      
    • ソース・パスの値とパッケージ名を連結して、ドットをバックスラッシュ(\)に変えると、パッケージのフル・パスになることに注目してください。

      \user\src\com\mypackage
      
    • 2つのソース・パスを設定するには、次のようにします。

      javadoc -sourcepath \user1\src;\user2\src com.mypackage
      
-subpackages subpkglist

ソース・ファイルから指定されたパッケージおよびそのサブパッケージ内に再帰的にドキュメントを生成します。このオプションは、ソース・コードに新しいサブパッケージを追加する際に便利です。新しいサブパッケージは自動的に組み込まれます。各package引数は、任意の最上位サブパッケージ(javaなど)または完全修飾のパッケージ(javax.swingなど)になります。ソース・ファイルを含んでいる必要はありません。どのオペレーティング・システムでも、引数はコロンで区切られます。ワイルドカードは使用できません。パッケージの検索場所を指定するには、-sourcepathを使用します。このオプションは、ソース・ツリーにあるがパッケージには属していないソース・ファイルを処理しません。

たとえば、次のコマンドは、javaおよびjavax.swingという名前のパッケージとこれらのサブパッケージ全部のドキュメントを生成します。

  • Oracle Solaris、LinuxおよびOS X:

    javadoc -d docs -sourcepath /home/user/src  -subpackages java:javax.swing
  • Windows:

    javadoc -d docs -sourcepath \user\src -subpackages java:javax.swing 
    
--system jdk

モジュラ・リリースで使用されるシステム・モジュールの場所をオーバーライドします。

--upgrade-module-path path

アップグレード可能オプションの場所をオーバーライドします。

-verbose

javadocコマンドの実行中に詳細なメッセージを表示します。verboseオプションを指定しないと、ソース・ファイルのロード時、ドキュメントの生成時(ソース・ファイルごとに1つのメッセージ)、およびソート時にメッセージが表示されます。verboseオプションを指定すると、各Javaソース・ファイルの解析に要した時間(ミリ秒単位)を示す追加のメッセージが表示されます。

-X

非標準オプションの形式を出力して終了します。

拡張オプション

次に示すのは、javadocの拡張オプションであり、予告なく変更される可能性があります。

--add-exports module/package=other-module(,other-module)*

定義モジュールから追加モジュールに、あるいはother-moduleALL-UNNAMEDの場合はすべての名前のないモジュールにエクスポートされると見なされるパッケージを指定します。

--add-reads module /package=other-module (,other-module)

指定のモジュールで必須と見なされる追加モジュールを指定します。other-moduleALL-UNNAMEDの場合、名前のないモジュールが必要となります。

--patch-module module=pathlist

クラス・ファイルやリソースなどのモージュールの内容を他のバージョンで置き換えます。新しいモジュールの内容をpathlistに含めてJARまたはディレクトリのリストを指定できます。

リストの各要素は、セパレータで区切ります。

  • Oracle Solaris、LinuxおよびOS X: コロン(:)

  • Windows: セミコロン(;)

-Xmaxerrs number

印刷するエラーの最大数を設定します。

-Xmaxwarns number

印刷する警告の最大数を設定します。

-Xmodule:module-name

コンパイルされるクラスが属するモジュールを指定します。

-Xold

従来のjavadocツールを起動します。

標準ドックレットのオプション

次のオプションは、標準ドックレットによって提供されます。

-author

生成ドキュメントに、@authorのテキストを組み込みます。

-bottom html-code

各出力ファイルの最下部に配置するテキストを指定します。このテキストは、下部ナビゲーション・バーより下の、ページの最下部に配置されます。テキストには、HTMLタグと空白を含めることができますが、これらを含める場合は、テキストを引用符で囲まなければなりません。テキスト内の内部引用符には、エスケープ文字を使用してください。

-charset name

このドキュメント用のHTML文字セットを指定します。この名前は IANA Registry, Character Setsで指定されている望ましいMIME名である必要があります。

たとえば、javadoc -charset "iso-8859-1" mypackageを実行すると、生成されるすべてのページの先頭に次の行が挿入されます。

<META http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=ISO-8859-1">

このMETAタグについては、HTML standard (4197265 and 4137321), HTML Document Representationを参照してください。

-d directory

javadocコマンドで生成されたHTMLファイルを保存する生成先ディレクトリを指定します。-dオプションを省略すると、ファイルは現在のディレクトリに保存されます。directoryの値には、絶対ディレクトリ、または現在の作業ディレクトリからの相対ディレクトリを指定できます。javadocコマンドを実行すると生成先ディレクトリが自動的に作成されます。

  • Oracle Solaris、LinuxおよびOS X: たとえば、次のコマンドでは、com.mypackageパッケージのドキュメントが生成され、その結果が/user/doc/ディレクトリに保存されます。

    javadoc -d /user/doc/ com.mypackage
    
  • Windows: たとえば、次のコマンドでは、com.mypackageパッケージのドキュメントが生成され、その結果が\user\doc\ディレクトリに保存されます。

    javadoc -d \user\doc\ com.mypackage
-docencoding name

生成されるHTMLファイルのエンコーディングを指定します。この名前はIANA Registry, Character Setsで指定されている望ましいMIME名である必要があります。

-docencodingオプションを省略しながら-encodingオプションを使用した場合、生成されるHTMLファイルのエンコーディングは、-encodingオプションによって決まります。たとえば、javadoc -docencoding "iso-8859-1" mypackageのように使用します。

-docfilessubdirs

再帰的にdoc-fileサブディレクトリをコピーします

-doctitle html-code

概要ファイルの最上部の近くに配置するタイトルを指定します。titleタグに指定されたテキストは中央揃えになり、レベル1の見出しとして、上部ナビゲーション・バーのすぐ下に置かれます。titleタグには、HTMLタグと空白を含めることができますが、これらを含める場合は、タイトルを引用符で囲まなければなりません。titleタグ内の内部引用符は、エスケープする必要があります。例: javadoc -header "<b>My Library</b><br>v1.0" com.mypackage

-excludedocfilessubdir name

指定された名前のdoc-filesサブディレクトリをすべて除外します。doc-filesディレクトリの深いコピーを有効にします。コピー先には、サブディレクトリとすべての内容が再帰的にコピーされます。たとえば、ディレクトリdoc-files/example/imagesとその内容がすべてコピーされます。サブディレクトリを除外するオプションもあります。

-footer html-code

各出力ファイルの下端に配置するフッター・テキストを指定します。html-codeの値は、下部ナビゲーション・バーの右側に配置されます。html-codeの値には、HTMLタグと空白を含めることができますが、これらを含める場合は、html-codeの値を引用符で囲む必要があります。フッター内の内部引用符には、エスケープ文字を使用してください。

--frames

生成された出力でのフレームの使用を有効化します(デフォルト)。

-group namep1:p2

指定されたパッケージを「概要」ページでグループ化します。

-header html-code

各出力ファイルの上端に配置するヘッダー・テキストを指定します。ヘッダーは、上部ナビゲーション・バーの右側に配置されます。headerには、HTMLタグと空白を含めることができますが、これらを含める場合は、headerを引用符で囲まなければなりません。ヘッダー内の内部引用符には、エスケープ文字を使用してください。例: javadoc -header "<b>My Library</b><br>v1.0" com.mypackage

-helpfile filename

上部および下部のナビゲーション・バーの「ヘルプ」リンクのリンク先となるファイルを組み込みます。このオプションが指定されていない場合、javadocコマンドは、javadocコマンド内にハードコードされているヘルプ・ファイルhelp-doc.htmlを作成します。このオプションを使うと、そのデフォルトの動作をオーバーライドできます。filenameには任意の名前を指定でき、help-doc.htmlには限定されません。javadocコマンドは、このオプションでの指定に従って、ナビゲーション・バーにあるリンクに調整を加えます。例:

  • Oracle Solaris、LinuxおよびOS X:

    javadoc -helpfile /home/user/myhelp.html java.awt.
    
  • Windows:

    javadoc -helpfile C:\user\myhelp.html java.awt.
    
-html4

HTML 4.0.1出力を生成します。このオプションを使用しない場合、-html4がデフォルトです。

-html5

HTML 5出力を生成します。このオプションを使用しない場合、-html4がデフォルトです。

-keywords

HTMLキーワードの<META>タグを、クラスごとに生成されるファイルに追加します。これらのタグは、<META>タグを検索するサーチ・エンジンがページを見つける場合に役立ちます。インターネット全体を検索する検索エンジンのほとんどは<META>タグを参照しません。ページが誤用している可能性があるからです。検索を自身のWebサイトに限定している企業では、サーチ・エンジンが<META>タグを調べることによってメリットを得られます。<META>タグには、クラスの完全修飾名と、フィールドおよびメソッドの修飾されていない名前が含まれます。コンストラクタは、クラス名と同じであるため含まれません。たとえば、クラスStringは次のキーワードで開始します。

<META NAME="keywords" CONTENT="java.lang.String class">
<META NAME="keywords" CONTENT="CASE_INSENSITIVE_ORDER">
<META NAME="keywords" CONTENT="length()">
<META NAME="keywords" CONTENT="charAt()">
-link url

Javadocにより生成された既存の外部参照クラスのドキュメンテーションへのリンクを作成します。url引数は、リンク先として指定する、Javadocにより生成された外部ドキュメントを含むディレクトリの絶対URLまたは相対URLです。javadocコマンドの実行時に複数の-linkオプションを指定して、複数のドキュメントへのリンクを作成することもできます。

このディレクトリ内にpackage-listファイルが存在していなければなりません。そうでない場合は、-linkofflineオプションを使用します。javadocコマンドはpackage-listファイルからパッケージ名を読み取り、これらのパッケージをそのURLにリンクします。javadocコマンドを実行すると、作成される<A HREF>リンク内にextdocURLの値がコピーされます。したがって、extdocURLはファイルへのURLではなくディレクトリへのURLでなければなりません。urlへの絶対リンクを使用すると、ユーザーのドキュメントを任意のWebサイト上のドキュメントにリンクできます。相対位置へリンクするだけでよい場合は相対リンクを使用できます。相対リンクを使用する場合、ユーザーが渡す値は、生成先ディレクトリ(-dオプションで指定)からリンク先となるパッケージを含むディレクトリへの相対パスにする必要があります。絶対リンクを指定する場合は通常、HTTPリンクを使用します。Webサーバーを持たないファイル・システムにリンクする場合は、ファイル・リンクを使用できます。生成されたドキュメントにアクセスするすべての人が同じファイル・システムを共有している場合にのみファイル・リンクを使用します。いずれの場合も、そしてすべてのオペレーティング・システムにおいて、URLが絶対か相対か、およびhttp:file:かにかかわらず、URL Memo: Uniform Resource Locatorsで指定されているとおりにセパレータとしてスラッシュを使用します。

-link  http://<host>/<directory>/<directory>/.../<name>
-link file://<host>/<directory>/<directory>/.../<name>
-link <directory>/<directory>/.../<name>
-linkoffline url1 url2

このオプションは、-linkオプションのバリエーションです。どちらも、Javadocによって生成された外部参照クラスのドキュメントへのリンクを作成します。javadocコマンドがWeb接続を使ってドキュメントにアクセスできないとき、Web上のドキュメントにリンクするには、-linkofflineオプションを使用します。外部ドキュメントのpackage-listファイルにアクセスできないとき、またはこのファイルがurlで指定された場所とは異なる場所(通常、packageListLocで指定可能なローカルな場所)に存在するとき、-linkofflineオプションを使用します。url1にWorld Wide Web上でしかアクセスできない場合は、-linkofflineオプションを指定することにより、ドキュメントの生成時にjavadocコマンドがWebに接続できなければならないという制約がなくなります。さらに、ドキュメントを更新するためのワークアラウンドとしての使用も可能です。パッケージのセット全体に対してjavadocコマンドを実行したあと、変更した一部のパッケージに対して再度javadocコマンドを実行できます。こうして、更新されたファイルを、オリジナルのファイル・セットに挿入できるようにします。次に例を示します。-linkofflineオプションは引数を2つ取ります。最初の引数は<a href>リンクに組み込まれる文字列を指定する引数、2番目の引数は-linkofflineオプションに対してpackage-listの検索場所を指定する引数です。

url1またはurl2の値は、リンク先として指定する、Javadocにより生成された外部ドキュメントを含むディレクトリの絶対URLまたは相対URLです。相対値の場合、-dオプションで指定される生成先ディレクトリを基準にした、リンクされるパッケージのルートの相対パスを指定する必要があります。-linkオプションのurlを参照してください。javadocコマンドの1回の実行で、複数の-linkofflineオプションを指定できます。

-linksource

各ソース・ファイル(行番号付き)のHTMLバージョンを作成し、標準HTMLドキュメントからソース・ファイルへのリンクを追加します。リンクは、ソース・ファイル内に宣言されているクラス、インタフェース、コンストラクタ、メソッド、フィールドに対して作成されます。そうでない場合、たとえばデフォルト・コンストラクタや生成されたクラスに対しては、リンクは作成されません。

このオプションは、-public-package-protected-privateの各オプションとは関係なく、privateクラス、privateフィールド、privateメソッドの本体を始めとする組み込まれたソース・ファイル内のすべての非公開実装の詳細を公開します。-privateオプションを指定しないかぎり、privateクラスやprivateインタフェースの一部には、リンクを介してアクセスできないことがあります。

各リンクは、その宣言内の識別子名の上に作成されます。たとえば、Buttonクラスのソース・コードへのリンクは、「Button」という語の上に作成されます。

public class Button extends Component implements Accessible

ButtonクラスのgetLabelメソッドのソース・コードへのリンクは、「getLabel」という語の上に作成されます。

public String getLabel()
-nocomment

主説明およびすべてのタグを含むコメント本文全体を抑制し、宣言だけを生成します。このオプションを使用すると、元は異なる目的のためだったソース・ファイルを再利用し、新しいプロジェクトの早い段階でスケルトンHTMLドキュメントを作成できます。

-nodeprecated

非推奨APIをドキュメントに生成しないようにします。このオプションを指定すると、-nodeprecatedlistオプションを指定した場合と同じ効果があり、ドキュメントの残り部分全体で非推奨APIが生成されなくなります。このオプションは、コードを記述しているとき、非推奨のコードによって気を散らされたくない場合に便利です。

-nodeprecatedlist

非推奨APIのリストを含むファイル(deprecated-list.html)、およびナビゲーション・バーのそのページへのリンクが生成されないようにします。javadocコマンドは、ドキュメントの残り部分では非推奨APIを引き続き生成します。このオプションは、非推奨APIがソース・コードに含まれておらず、ナビゲーション・バーをすっきりと見せたい場合に便利です。

--no-frames

生成された出力でのフレームの使用を無効化します。

-nohelp

出力の各ページの最上部と最下部にあるナビゲーション・バーから「ヘルプ」リンクを省略します。

-noindex

生成ドキュメントから、索引を省略します。デフォルトでは、索引が生成されます。

-nonavbar

通常は生成されるページの最上部と最下部に表示されるナビゲーション・バー、ヘッダー、およびフッターを生成しないようにします。-nonavbarオプションは、-bottomオプションには影響を与えません。-nonavbarオプションは、印刷するためだけにファイルをPostScriptまたはPDFに変換する場合など、内容だけが重要で、ナビゲーションの必要がない場合に便利です。

-noqualifier name1: name2...

出力から修飾子のリストを除外します。クラスまたはインタフェースの名前が表示される場所からパッケージ名が削除されます。

次の例では、すべてのパッケージ修飾子を省略します。-noqualifier all

次の例では、パッケージ修飾子java.langおよびjava.ioを省略します。-noqualifier java.lang:java.io

次の例では、javaで始まるパッケージ修飾子とcom.sunのサブパッケージを省略しますが、javax: -noqualifier java.*:com.sun.*は省略しません。

パッケージ修飾子が上記の動作に従って表示される場合、名前は適切に短縮されます。この規則は、-noqualifierオプションを使用したかどうかにかかわらず有効です。

-nosince

生成ドキュメントから、@sinceタグに対応する「導入されたバージョン」セクションを省略します。

-notimestamp

タイムスタンプが抑制されます。各ページ先頭近くにある、生成されたHTML内のHTMLコメントにタイムスタンプが隠されます。javadocコマンドを2つのソース・ベースで実行し、それらに対してdiffを実行する場合、-notimestampオプションを使用すると、タイムスタンプによってdiffが発生しなくなるので便利です(このオプションを使用しないと、各ページでdiffになります)。タイムスタンプには、javadocコマンドのリリース番号が含まれています。

-notree

生成されるドキュメントからクラスおよびインタフェースの階層ページを省略します。これらのページには、ナビゲーション・バーの「ツリー」ボタンからアクセスできます。デフォルトでは、階層が生成されます。

-overview filename

javadocコマンドで、filenameによって指定されたソース・ファイルから概要ドキュメント用のテキストを取得し、そのテキストを「概要」ページ(overview-summary.html)に配置するように指定します。ファイル名とともに指定される相対パスは、現在の作業ディレクトリからの相対パスです。

filenameの値とpathには、それぞれ任意の名前と場所を指定できますが、通常は、overview.htmlという名前を付けて、ソース・ツリー内の最上位のパッケージ・ディレクトリがあるディレクトリに配置します。この場所に配置すると、-sourcepathオプションによってこのファイルが指し示されるので、パッケージをドキュメント化する際にpathが不要になります。

  • Oracle Solaris、LinuxおよびOS X: たとえば、java.langパッケージのソース・ツリーが/src/classes/java/lang/の場合、概要ファイルを/src/classes/overview.htmlに配置できます。

  • Windows: たとえば、java.langパッケージのソース・ツリーが\src\classes\java\lang\の場合、概要ファイルは\src\classes\overview.htmlに配置できます

概要ページが作成されるのは、javadocコマンドに複数のパッケージ名を渡した場合だけです。概要ページのタイトルは、-doctitleによって設定されます。

-serialwarn

@serialタグがない場合は、コンパイル時に警告を生成します。デフォルトでは、Javadocで直列化の警告は生成されません。このオプションを使用すると、直列化の警告が表示されるので、デフォルトの直列化可能フィールドとwriteExternalメソッドを適切にドキュメント化するのに役立ちます。

-sourcetab tablength

ソース内の各タブが使用する空白文字の数を指定します。

-splitindex

索引ファイルをアルファベットごとに複数のファイルに分割し、文字ごとに1つのファイルと、アルファベット以外の記号で始まる索引エントリ用に1つのファイルを作成します。

-stylesheetfile path

代替HTMLスタイルシート・ファイルのパスを指定します。このオプションが指定されていない場合、javadocコマンドは、javadocコマンド内にハードコードされているスタイルシート・ファイルstylesheet.cssを自動的に作成します。このオプションを使うと、そのデフォルトの動作をオーバーライドできます。ファイル名には任意の名前を指定でき、stylesheet.cssには限定されません。次に例を示します。

  • Oracle Solaris、LinuxおよびOS X:

    javadoc -stylesheet file /home/user/mystylesheet.css com.mypackage
    
  • Windows:

    javadoc -stylesheet file C:\user\mystylesheet.css com.mypackage
    
-tag name:locations: header

単一の引数カスタム・タグを指定します。javadocコマンドでタグ名のスペル・チェックを行うには、ソース・コード内のすべてのカスタム・タグに-tagオプションを組み込むことが重要です。今回の実行で出力されないタグは、Xを付けて無効にします。コロン(:)が常に区切り文字になります。-tagオプションは、タグの見出しheaderを太字で出力します。その次の行には、このオプションの単一の引数で指定したテキストが続きます。ブロック・タグと同様、この引数のテキストにはインライン・タグを含めることができます。このインライン・タグも解釈されます。出力は、引数を1つ取る標準のタグ(@return@authorなど)の出力とよく似ています。header値を省略すると、tagnameが見出しとして表示されます。

-taglet class

そのタグのドキュメントの生成に使用されるタグレットの完全修飾名を指定します。classの値には完全修飾名を使用してください。このタグレットは、カスタム・タグのテキスト引数の数も定義します。タグレットは、これらの引数を受け付け、処理し、出力を生成します。

タグレットは、ブロック・タグまたはインライン・タグで便利です。タグレットは任意の数の引数をとることができます。また、テキストを太字にする、箇条書きを作成する、テキストをファイルに書き出す、その他のプロセスを開始するなどのカスタム動作を実装できます。タグレットで指定できるのは、タグの配置場所と配置形式のみです。その他のすべての決定は、ドックレットによって行われます。タグレットを使用しても、包含クラスのリストからクラス名を削除するなどの処理は実行できません。ただし、タグのテキストをファイルに出力したり、別のプロセスをトリガーするなどの副作用は得られます。タグレットのパスを指定するには、-tagletpathオプションを使用します。以下は、生成されるページの「Parameter」と「Throws」の間に「To Do」タグレットを挿入する例です。

-taglet com.sun.tools.doclets.ToDoTaglet
-tagletpath /home/taglets 
-tag return
-tag param
-tag todo
-tag throws
-tag see

-tagオプションのかわりに-tagletオプションを使用することもできますが、読みにくくなる場合があります。

-tagletpath tagletpathlist

タグレットのクラス・ファイルの検索パスを指定します。tagletpathlistには、コロン(:)で区切って複数のパスを含めることができます。javadocコマンドは、指定されたパス以下のすべてのサブディレクトリを検索します。

-top html-code

各出力ファイルの最上部に配置するテキストを指定します。

-use

クラスおよびパッケージの使用ページを作成します。ドキュメント化されるクラスおよびパッケージごとに1つの「使用」ページを組み込みます。このページには、その特定のクラスまたはパッケージのAPIを使っているパッケージ、クラス、メソッド、コンストラクタ、およびフィールドが記述されます。たとえば、クラスCを例にとると、クラスCを使っているものとしては、Cのサブクラス、Cとして宣言されているフィールド、Cを返すメソッド、および、型Cのパラメータを持つメソッドとコンストラクタがあります。たとえば、String型の「使用」ページを見てみましょう。java.awt.FontクラスのgetNameメソッドはタイプStringを返すため、getNameメソッドはStringを使用し、getNameメソッドはStringの「使用」ページに表示されます。ドキュメント化されるのはAPIの使用のみで、実装はドキュメント化されません。あるメソッドが、その実装の中でStringを使用していても、引数として文字列を取ったり、文字列を返したりしない場合は、Stringの使用とは見なされません。生成された「使用」ページにアクセスするには、目的のクラスまたはパッケージに移動し、ナビゲーション・バーの「使用」リンクをクリックします。

-version

生成ドキュメントに、バージョン・テキストを組み込みます。このテキストは、デフォルトでは省略されます。使用しているjavadocコマンドのバージョンを確認するには、-J-versionオプションを使用します。

-windowtitle title

HTMLの<title>タグに配置するタイトルを指定します。titleタグに指定されたテキストは、ウィンドウのタイトルや、このページに対して作成されたブラウザのブックマーク(お気に入り)に表示されます。このタイトルにはHTMLタグを含めないでください。タイトルにHTMLタグが含まれていると、ブラウザがタグを正しく解釈できません。titleタグ内の内部引用符には、エスケープ文字を使用してください。-windowtitleオプションが省略されている場合、javadocコマンドは、-windowtitleオプションのかわりに-doctitleオプションの値を使います。例: javadoc -windowtitle "My Library" com.mypackage

標準ドックレットが提供する非標準オプション

次に示すのは、標準ドックレットによって提供される非標準オプションであり、予告なく変更される可能性があります。

-Xdoclint

Javadocコメントの問題に関する推奨チェックを有効にします。

-Xdoclint:(all|none|[-]group)

不正な参照、アクセシビリティの欠如、Javadocコメントの欠落に関する特定のチェックを有効または無効にし、無効なJavadoc構文およびHTMLタグの欠落についてエラーを報告します。

javadocコマンドでこのオプションを使用すると、生成された出力に含まれているすべてのドキュメンテーション・コメントをチェックできます。生成される出力に含める項目は、標準オプション-public-protected-packageおよび-privateを使用して選択できます。

-Xdoclintを有効にすると、javacコマンドに似たメッセージによって問題が報告されます。javadocコマンドは、メッセージ、ソース行のコピー、およびエラーが検出された正確な位置を指すキャレットを出力します。メッセージは警告またはエラーです。どちらになるかは、その重要度、および生成されたドキュメントに対してバリデータを実行した場合にエラーを招く可能性によって決まります。たとえば、不正な参照やJavadocコメントの欠落は、javadocコマンドが無効なHTMLを生成する原因にはならないため、このような問題は警告として報告されます。構文エラーやHTML終了タグの欠落は、javadocコマンドが無効な出力を生成する原因になるため、このような問題はエラーとして報告されます。

-Xdoclintオプションは、リクエストされたマークアップに基づいて入力コメントを有効にします。

デフォルトでは、-Xdoclintオプションは有効になっています。無効にするには、-Xdoclint:noneオプションを使用します。

次のオプションにより、-Xdoclintオプションで報告する項目が変更されます。

  • -Xdoclint none: -Xdoclintオプションを無効にします

  • -Xdoclint group: groupのチェックを有効にします

  • -Xdoclint all: すべてのグループのチェックを有効にします

  • -Xdoclint all,-group: groupのチェックを除くすべてのチェックを有効にします

変数groupは、次のいずれかの値を取ります。

  • accessibility: アクセシビリティ・チェッカで検出されるような問題をチェックします(たとえば、<table>タグにキャプション属性やサマリー属性が指定されていない場合)。

  • html: 高レベルのHTMLの問題を検出します(ブロック要素がインライン要素の内側にある、終了タグを必要とする要素が閉じていない、など)。このルールは、選択された標準ドックレットhtml出力生成に基づいて、HTML4仕様およびHTML5仕様から導出されます。このタイプのチェックを使用すると、一部のブラウザで意図したとおりに解釈されない可能性があるHTMLの問題をjavadocコマンドで検出できます。

  • missing : Javadocコメントまたはタグの欠落をチェックします(たとえば、コメントやクラスが見つからない、メソッドに@returnタグや類似のタグがない、など)。

  • reference : JavadocタグからJava API要素を参照する場合の問題をチェックします(たとえば、@seeに項目が見つからない、@paramの後の名前が正しくない、など)。

  • syntax : 低レベルの問題をチェックします。たとえば、山カッコ(<>)やアンパサンド(&)がエスケープされていない、Javadocタグが無効である、などです。

-Xdoclintオプションは複数回指定できるため、複数のカテゴリのエラーと警告をチェックできます。または、前述のオプションを使用して、エラーと警告のカテゴリを複数指定することもできます。たとえば、ファイルfilenameのHTML、構文、およびアクセシビリティの問題をチェックするには、次のコマンドのどちらかを使用します。

javadoc -Xdoclint:html -Xdoclint:syntax -Xdoclint:accessibility filename
javadoc -Xdoclint:html,syntax,accessibility filename

注意:

javadocコマンドでは、これらのチェックの完全性は保証されません。具体的に言うと、これは完全なHTMLコンプライアンス・チェッカではありません。-Xdoclintオプションの目的は、一般的なエラーの大部分をjavadocコマンドで報告できるようにすることです。

javadocコマンドは、無効な入力を修正しようとはせず、報告するだけです。

-Xdoclint/package:([-]) packages

特定のパッケージのチェックを有効または無効にします。packagesはカンマで区切られたパッケージ指定子のリストです。パッケージ指定子は、パッケージの修飾名またはパッケージ名の接頭辞の後に*を指定(指定されたパッケージのすべてのサブパッケージまで拡張)したものです。パッケージ指定子の前に-を指定すると、指定したパッケージに関するチェックを無効にできます。

-Xdocrootparent url

Javadocコメント内の/..が後に続く@docRootのすべてをurlで置換します。