3 分析への外部データの追加

この章では、プレゼンテーション・サービスで作成した分析に外部データを含める方法について説明します。外部データはリポジトリの外部からのデータであり、このデータは、Visual Analyzerで作成され保存された外部サブジェクト領域に含まれます。外部サブジェクト領域を保存した後は、プレゼンテーション・サービスでの使用のためにそれらを使用できます。

分析への外部データの追加について

プレゼンテーション・サービスで分析を作成または変更する場合、Visual Analyzerで作成および保存された外部サブジェクト領域のデータを含めることができます。

Visual Analyzerで作成および保存されたデータ・セットは、Oracle BIメタデータ・リポジトリのサブジェクト領域と照合され、モデル化されます。外部サブジェクト領域で分析を作成した場合、分析に列を追加することのみ可能で、データをモデル化することはできません。Visual Analyzerで行った外部サブジェクト領域に対する更新は、プレゼンテーション・サービスに表示されます。

新規分析を作成するか、既存の分析を変更した場合、Oracle BIメタデータ・リポジトリのサブジェクト領域と照合され、かつアクセス権限を持つ外部サブジェクト領域が、「サブジェクト領域の選択」ダイアログまたは「サブジェクト領域の追加/削除」ダイアログに表示されます。サブジェクト領域リストに含まれる外部サブジェクト領域の詳細は、外部サブジェクト領域へのアクセスおよび外部サブジェクト領域のデータを含む分析の共有を参照してください。

分析を作成または変更する際に、外部サブジェクト領域のデータを次の方法で使用できます:

  • 外部サブジェクト領域を単独で使用する分析を作成します。

    外部サブジェクト領域にのみ基づく分析を作成できます。外部サブジェクト領域が照合されモデル化されるサブジェクト領域を使用する必要はありません。

  • 外部サブジェクト領域と、外部サブジェクト領域が照合されモデル化されるサブジェクト領域を併用する分析を作成します。

たとえば、外部サブジェクト領域とされ保存された新規予算データに対する進捗レポートの更新など、エンタープライズ・データのメトリックをオーバーレイできます。人口統計などの外部サブジェクト領域内の属性で分析を強化すれば、教育レベルの違いが販売数量に与える影響に関する洞察を得ることができます。製品が再分類された場合、売上セグメンテーションがどのように変化するかを確認するなど、カスタム・ロールアップおよびセグメントを定義できます。

製品、ブランド、販売員など、販売に関するデータを含むサブジェクト領域があるとします。サブジェクト領域にはないターゲット売上という売上高を含む外部サブジェクト領域があります。サブジェクト領域の製品およびブランドの値を外部サブジェクト領域のターゲット売上の値と結合する分析を作成します。外部サブジェクト領域の製品およびブランド列がサブジェクト領域の列と照合され、ターゲット売上がメジャーとして追加されるように、外部サブジェクト領域がモデル化されています。照合により、外部サブジェクト領域がサブジェクト領域と関連付けられます。

外部サブジェクト領域へのアクセスおよび外部サブジェクト領域のデータを含む分析の共有

自分がアクセスする権限を持つ外部サブジェクト領域のみを分析に追加できます。

外部サブジェクト領域への権限は、Visual Analyzerで、またはその外部サブジェクト領域を使用する分析経由で付与されます。

外部サブジェクト領域は、Visual Analyzerでその外部サブジェクト領域を作成および保存したユーザーにより個人ユーザーまたは役割のメンバーとしてアクセス権限が付与されている場合に、「サブジェクト領域の選択」ダイアログまたは「サブジェクト領域の追加/削除」ダイアログに表示されます。

また、外部サブジェクト領域を含む分析を作成および保存したプレゼンテーション・サービス・ユーザーにより、その分析を表示または編集する権限が付与されている場合にも、その外部サブジェクト領域が「サブジェクト領域の選択」ダイアログまたは「サブジェクト領域の追加/削除」ダイアログに表示されます。次の点に注意してください。

  • ユーザーが外部サブジェクト領域を含む分析を保存すると、Oracle BI EEにより、外部サブジェクト領域のデータが共有されることを確認するメッセージがユーザーに対して表示されます。

  • 外部サブジェクト領域を使用する分析とともに保存されている権限は、その分析および外部サブジェクト領域に適用されます。

  • 外部サブジェクト領域を使用する分析は共有カタログ・フォルダに保存する必要があります。これにより、その分析を表示または編集するユーザーが外部サブジェクト領域からのデータも表示できるようになります。

  • 外部サブジェクト領域を使用する分析が共有フォルダ以外の場所に保存されていて、かつ外部サブジェクト領域にアクセスする権限がVisual Analyzerで与えられていないユーザーが分析を表示または編集する場合、外部サブジェクト領域のデータは分析に表示されません。

サブジェクト領域のアイコン

サブジェクト領域内のアイテムを異なる方法で示すアイコンが作成されます。

Oracle BI EEの「サブジェクト領域の選択」ダイアログと「サブジェクト領域の追加/削除」ダイアログでは、管理ツールで作成されたサブジェクト領域とVisual Analyzerで作成され保存された外部サブジェクト領域とを区別するために異なるアイコンが使用されます。

管理ツールで作成されたサブジェクト領域の場合は、紫色と黄色の四角形のアイコンが表示されます。Visual Analyzerで作成され保存された外部サブジェクト領域の場合は、緑色の四角形のアイコンが表示されます。次の図を参照してください。

分析への外部サブジェクト領域の追加

分析の作成時または既存の分析の変更時に、外部サブジェクト領域からデータを追加できます。

  • 新規分析を作成する場合は、「サブジェクト領域の選択」ダイアログで、分析に使用する外部サブジェクト領域を選択します。詳細は、サブジェクト領域のアイコンを参照してください。
  • 既存の分析を編集する場合は、「サブジェクト領域」ペインで「サブジェクト領域の追加/削除」をクリックし、追加する外部サブジェクト領域を選択して、「OK」をクリックします。詳細は、サブジェクト領域のアイコンを参照してください。

分析からの外部サブジェクト領域の除去

分析から外部サブジェクト領域を除去できます。

外部サブジェクト領域を除去すると、そのデータが分析から除去されます。外部サブジェクト領域とそのデータは、Oracle BIサーバー上に残ります。サブジェクト領域の除去とOracle BIサーバーからのデータの削除の詳細は、Oracle BI EEからの外部サブジェクト領域の削除を参照してください。

外部サブジェクト領域が一致してモデル化される場合にはサブジェクト領域は除去できないことに注意してください。

追加したデータを除去するには:

  1. 外部データを追加した分析を編集用に開きます。
  2. 「サブジェクト領域」ペインで、「サブジェクト領域の追加/削除」をクリックします。
  3. 「サブジェクト領域の追加/削除」ダイアログで、除去する外部サブジェクト領域を選択して、「OK」をクリックします。詳細は、サブジェクト領域のアイコンを参照してください。

外部サブジェクト領域データのダウンロード

読取りアクセス権があるユーザーは、外部サブジェクト領域内のデータをダウンロードできます。

ダウンロードされたデータはすべてのワークシート、および各ワークシートのすべての列を含むファイルに保存されます。ダウンロードされたデータには、一番最近アップロードされたデータが反映されており、必ずしも外部サブジェクト領域にアップロードされた元データとは限りません。

外部データをダウンロードするには:

  1. 「サブジェクト領域」ペインで外部サブジェクト領域を右クリックして、「ダウンロード」を選択します。

  2. 「名前を付けて保存」ダイアログで、デフォルト・ファイル名をそのまま使用するか、新しい名前をファイルに付けます。

  3. 「保存」をクリックします。

注:

外部サブジェクト領域の読取り変更またはフル・コントロールのいずれかの共有権限があれば、スプレッドシート・ファイル全体をダウンロードするアクセス権が与えられます。詳細は、外部サブジェクト領域へのアクセスおよび外部サブジェクト領域のデータを含む分析の共有を参照してください。

Oracle BI EEからの外部サブジェクト領域の削除

ストレージ制限を守るためにスペースを解放する必要がある場合は、Oracle BIサーバーから外部サブジェクト領域を恒久的に削除できます。

外部サブジェクト領域のみを削除できます。分析に含めた外部サブジェクト領域は削除できません。外部サブジェクト領域の削除は、分析からの外部サブジェクト領域の除去で説明されている分析からの外部サブジェクト領域の削除とは異なります。

  • 「サブジェクト領域」ペインで外部サブジェクト領域を右クリックして、「削除」を選択します。