プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows
B58878-10
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

7 Oracle Databaseソフトウェアの削除

この章では、指定したOracleホームに関連するOracleソフトウェアおよび構成ファイルを完全に削除する方法を説明します。

deinstallコマンドは、スタンドアロンのOracle Databaseインストール、Oracle Clusterware、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)をサーバーから削除するだけでなく、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)およびOracle Database Clientのインストールも削除します。

Oracle Database 11gリリース2 (11.2)以降、削除ツールを使用して、Oracle Database、Oracle Clusterware、Oracle ASM、Oracle RAC、Oracle Database Clientインストールに関連付けられているOracleホーム全体を削除することをお薦めします。個々の製品またはコンポーネントの削除はサポートされていません。


関連項目:

Oracle RACインストールの削除の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』および『Oracle Real Applications Clustersインストレーション・ガイド』を参照してください。

Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループの削除の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』のディスク・グループの削除に関する項を参照してください。


次の各項では、ツールとそのツールを使用するための追加オプションについて説明します。


注意:

クラスタ内のノード上にスタンドアロン・データベースがあり、同じグローバル・データベース名(GDN)を持つデータベースが複数ある場合は、削除ツールを使用して削除できるデータベースは1つのみです。

7.1 削除ツールについて

削除ツール(deinstall)は、インストール・メディアからインストールした後、Oracleホーム・ディレクトリから使用できます。これはORACLE_HOME\deinstallにあります。

deinstallコマンドでは、ユーザーが入力した情報およびソフトウェア・ホームから収集した情報を使用してパラメータ・ファイルが作成されます。または、以前のdeinstallコマンドで生成されたパラメータ・ファイルを使用するには、–checkonlyオプションを指定するか、レスポンス・ファイル・テンプレートを編集します。


注意:

deinstallコマンドを実行すると、構成解除して削除するホーム以外に、中央インベントリに他の登録済ホームが含まれていない場合、削除ツールはOracle Databaseインストール所有者のOracleベース・ディレクトリで次のファイルおよびディレクトリの内容を削除します。
  • admin

  • cfgtoollogs

  • checkpoints

  • diag

  • oradata

  • flash_recovery_area

Optimal Flexible Architecture(OFA)構成を使用してインストールを構成することと、Oracleソフトウェアを排他的に使用するためにOracleベースとOracleホームのパスを予約することをお薦めします。Oracleソフトウェア所有者であるユーザー・アカウントが所有するOracleベース内のこれらの場所に、ユーザー・データがある場合、このデータはdeinstallコマンドによって削除されます。


このコマンドでは、次の構文を使用します。変数はイタリックで示しています。

deinstall.bat -home complete path of Oracle home [-silent] [-checkonly] [-local]
[-paramfile complete path of input parameter property file] [-params name1=value name2=value . . .]
[-o complete path of directory for saving files] [-help]
 

削除ツールは、Oracleソフトウェア・インストール所有者として実行することをお薦めします。削除ツールは、デフォルトでは、インストール所有者としてOracleホームのdeinstallディレクトリから実行します。

DRIVE_LETTER:\> deinstall

サーバーに関する情報の入力を求められたら、情報を入力するかデフォルトを受け入れます。

deinstallツールによって、Oracleソフトウェアが停止され、特定のOracleホームのOracleソフトウェアおよびオペレーティング・システムの構成ファイルが削除されます。削除ツールを実行してスタンドアロン・サーバー用Oracle Grid Infrastructureを削除する場合、roothas.plスクリプトを実行し、Oracle Restartを構成解除するよう求められます。

さらに、削除ツールは、他の場所での実行、パラメータ・ファイルを使用して実行、または他のオプションを選択して実行できます。


注意:

Windows Vista、Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2012、Windows Server 2012 R2でユーザー・アカウント制御が有効になっている場合、DOSコマンド・ウィンドウへのデスクトップ・ショートカットを作成する必要があります。「管理者として実行」によりコマンド・ウィンドウを開き、ポップアップ・メニューを右クリックして削除ツールを起動します。

ユーザー・アカウント制御の詳細は、「ユーザー・アカウント制御を使用したユーザー・アカウントの管理」を参照してください。


オプションは次のとおりです。

  • -home

    このフラグを使用して、確認または削除するOracleホームのパスを示します。削除する予定のOracleホームでdeinstallコマンドを使用してOracleソフトウェアを削除するには、別の場所のパラメータ・ファイルを指定し、-homeフラグは使用しません。

    ORACLE_HOME\deinstallパスからdeinstallを実行する場合、ツールが、実行されているホームを認識するので-homeフラグは必要ありません。スタンドアロン・バージョンのツールを使用する場合、-homeは必須です。

  • -silent

    このフラグは、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでコマンドを実行する場合に使用します。-silentフラグを使用する場合は、-paramfileフラグを使用して、削除または構成解除するOracleホームの構成値を含むパラメータ・ファイルを指定する必要があります。

    使用または変更するパラメータ・ファイルは、-checkonlyフラグを指定してdeinstallを実行すると生成できます。deinstallコマンドにより、削除および構成解除するOracleホームの情報が検出されます。生成されたプロパティ・ファイルは、-silentオプションで使用できます。

    responseフォルダにあるテンプレート・ファイルdeinstall.rsp.tmplを変更することもできます。

  • -checkonly

    このフラグは、Oracleソフトウェア・ホームの構成ステータスをチェックする場合に使用します。-checkonlyフラグを指定してコマンドを実行すると、Oracleの構成は削除されません。-checkonlyフラグにより、deinstallコマンドで使用できるパラメータ・ファイルが生成されます。

  • -local

    このフラグは、複数ノード環境でクラスタ内のOracleソフトウェアを削除する場合に使用します。

    このフラグを指定してdeinstallを実行すると、ローカル・ノード(deinstallが実行されたノード)上のOracleソフトウェアが構成解除および削除されます。リモート・ノードでは、Oracleソフトウェアは構成解除されますが、削除されません。

  • -paramfile complete path of input parameter property file

    このフラグは、デフォルト以外の場所にあるパラメータ・ファイルを指定してdeinstallを実行する場合に使用します。このフラグを使用するときは、パラメータ・ファイルがある完全パスを指定します。

    パラメータ・ファイルのデフォルトの場所は、deinstallの場所によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージの場所からの場合: ORACLE_HOME\inventory\response

    • OTNからの解凍済アーカイブ・ファイルからの場合: ziplocation\response

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): ORACLE_HOME\deinstall\response

  • -params [name1=value name 2=value name3=value . . .]

    このフラグは、作成したパラメータ・ファイルで変更する1つ以上の値を上書きする場合に、パラメータ・ファイルとともに使用します。

  • -o complete path of directory for saving files

    このフラグは、プロパティ・ファイルが保存されている、デフォルトの場所以外のパスを指定する場合に使用します。デフォルトの場所は、\response\deinstall.rsp.tmplです。

    パラメータ・ファイルのデフォルトの場所は、deinstallの場所によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージの場所からの場合(インストール前): ORACLE_HOME\

    • OTNからの解凍済アーカイブ・ファイルからの場合: \ziplocation\response\

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -help

    ヘルプ・オプション(-help)を指定すると、オプション・フラグに関する追加情報を取得できます。

7.2 失敗したインストールで使用する削除ツールのダウンロード

削除ツール(deinstall)を使用して失敗した、または不完全なインストールを咲く上する必要がある場合は、Oracle Technology Network(OTN)Webサイトから別途ダウンロードできます。

OTNから削除ツールをダウンロードする手順は、次のとおりです。

  1. 次のURLに移動します。

    http://www.oracle.com/technetwork/database/enterprise-edition/downloads/index.html

  2. 「Oracle Database 11g Release 2」の下で、削除ツールをダウンロードする各プラットフォームの「See All」をクリックします。

    削除ツールは、このページの後ろでダウンロードできます。

7.3 Deinstallコマンドの実行例

deinstall.batコマンドを実行すると、システムから削除するOracleソフトウェアのホーム・ディレクトリを入力するように要求されます。プロンプトに従って追加情報を入力してください。

deinstall.zipファイルからdeinstallツールを実行する場合、-homeフラグを含める必要があり、ヘルプが表示されます。インストール済のORACLE_HOMEからツールを実行する場合、-homeフラグは必要なく、ホーム・アドレスの入力は求められることなく削除が開始されます。

オプション・フラグ-paramfileを使用してパラメータ・ファイルへのパスを指定します。

次の例では、deinstall.batコマンドはパスC:\app\oracle\product\11.2.0\dbhome_1\deinstallにあり、ソフトウェア所有者の場所C:\Documents and Settings\oracle\にあるパラメータ・ファイルを使用しています。

DRIVE_LETTER:\> cd \app\oracle\product\11.2.0\dbhome_1\deinstall\
DRIVE_LETTER:\> deinstall.bat -paramfile %HOMEPATH%\my_db_paramfile.tmpl

グリッド・インフラストラクチャ・ホームの場合、スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのホーム(この例ではC:\app\oracle\product\11.2.0\grid)にあるdeinstall.batスクリプトを使用します。

DRIVE_LETTER:\> cd \app\oracle\product\11.2.0\grid\deinstall\
DRIVE_LETTER:\> deinstall.bat -paramfile %HOMEPATH%\my_grid_paramfile.tmpl

7.4 Oracle Databaseの削除パラメータ・ファイルの例

スタンドアロンOracle Databaseに対して、-paramfileオプションを指定して削除コマンドを実行すると、パラメータ・ファイルに指定した値を使用できます。パラメータ・ファイルの例を次に示します。この例では、Oracle Databaseバイナリ所有者はoracleで、Oracle Databaseホーム(Oracleホーム)はパスC:\app\oracle\product\11.2.0\dbhome_1にあり、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている場所)はC:\app\oracleで、Oracleインベントリ・ホームはC:\Program Files\Oracle\Inventoryで、仮想IPアドレス(VIP)は192.0.2.1で、ローカル・ノード(削除セッションの実行元となるノード)はmyserverです。

#Copyright (c) 2005, 2006 Oracle Corporation. All rights reserved.
#Fri Jan 30 23:15:49 UTC 2009
ORACLE_BASE.orcl=C\:\\app\\oracle
FLASH_RECOVERY_LOC.orcl=C\:\\app\\oracle\\flash_recovery_area
STORAGE_TYPE.orcl=FS
DB_TYPE.orcl=SI_DB
ASM_HOME=
ASM_LOCAL_SID=
NETCA_LOCAL_LISTENERS=LISTENER
LOGDIR=C\:\\app\\oracle\\product\\11.2.0\\dbhome_1\\deinstall\\logs\\
NODE_LIST.orcl=node1
ARCHIVE_LOG_DESTINATION_LOC.orcl=
ORACLE_BASE=C\:\\app\\oracle
OLD_ACTIVE_ORACLE_HOME=
LOCAL_SID.orcl=orcl
INVENTORY_LOCATION=C\:\\Program Files\\Oracle\\Inventory
ASM_FILES.orcl=
RAW_MAPPING_FILE.orcl=
SID_LIST.orcl=orcl
DB_UNIQUE_NAME_LIST=orcl
DATAFILE_LOC.orcl=C\:\app\\oracle\\oradata\\orcl
CRS_HOME=false
HOME_TYPE=SIDB
CREATION_MODE.orcl=y
CONFIGFILE_LOC.orcl=C\:\\app\\oracle\\oradata\\orcl\\control01.ctl, C\:\\app\\oracle\\oradata\\orcl\\control02.ctl, C\:\\app\\oracle\\oradata\\orcl\\control03.ctl,C\:\\app\\oracle\\product\\11.2.0\\dbhome_1\\database\\dr1orcl.dat,C\:\\app\\oracle\\product\\11.2.0\\dbhome_1\\database\\dr2orcl.dat
ORACLE_BINARY_OK=true
local=false
LOCAL_NODE=myserver
SPFILE_LOC.orcl=C\:\\app\\oracle\\product\\11.2.0\\dbhome_1\\database\\spfileorcl.ora
silent=false
ORACLE_HOME=C\:\\app\\oracle\\product\\11.2.0\\dbhome_1
DISK_GROUPS.orcl=

7.5 Oracle Grid Infrastructureの削除用パラメータ・ファイルの例

スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのホームに対して、-paramfileオプションを指定してdeinstallコマンドを実行すると、パラメータ・ファイルに指定した値を使用できます。

パラメータ・ファイルの例を次に示します。この例では、Oracle Grid Infrastructureバイナリ所有者はoracle、Oracle Grid InfrastructureホームはパスD\:\\app\\oracleにあり、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている場所)はD\:\\app\\11.2.0\\、中央Oracleインベントリ・ホーム(oraInventory)はC\:\\Program Files\\Oracle\\Inventory、仮想IPアドレス(VIP)は192.0.2.1、ローカル・ノード(削除セッションの実行元となるノード)はmyserverです。

#Copyright (c) 2005, 2006 Oracle Corporation.  All rights reserved.
#Wed Feb 18 06:15:35 PST 2009
LOCAL_NODE=myserver
HOME_TYPE=SIHA
ASM_REDUNDANCY=NORMAL 
ORACLE_BASE=D\:\\app\\oracle
SCAN_PORT=0
silent=false
ASM_UPGRADE=false
ORA_CRS_HOME=D\:\\app\\oracle\\product\\11.2.0\\grid
GPNPCONFIGDIR=$ORACLE_HOME
LOGDIR=D\:\\app\\oracle\\product\\11.2.0\\db_1\\deinstall\\logs\\
GPNPGCONFIGDIR=$ORACLE_HOME
ORACLE_OWNER=Administrator
CRS_STORAGE_OPTION=0
ORACLE_BINARY_OK=true
NETCA_LISTENERS_REGISTERED_WITH_HAS=LISTENER
ASM_ORACLE_BASE=D\:\\app\\oracle
NETCFGJAR_NAME=netcfg.jar
JREDIR=D\:\\app\\oracle\\product\\11.2.0\\grid\\jdk\\jre\\
ASM_DISK_GROUPS=DATA
LANGUAGE_ID='AMERICAN_AMERICA.WE8MSWIN1252'
CSS_LEASEDURATION=400
ASM_HOME=D\:\\app\\oracle\\product\\11.2.0\\grid
ASM_DIAGNOSTIC_DEST=D\:\\app\\oracle
SHAREJAR_NAME=share.jar
HELPJAR_NAME=help4.jar
SILENT=false
local=false
INVENTORY_LOCATION=C\:\\Program Files\\Oracle\\Inventory
GNS_CONF=false
JEWTJAR_NAME=jewt4.jar
EMBASEJAR_NAME=oemlt.jar
ASM_DISKS=\\\\.\\ORCLDISKDATA0,\\\\.\\ORCLDISKDATA1,\\\\.\\ORCLDISKDATA2
ORACLE_HOME=D\:\\app\\oracle\\product\\11.2.0\\grid
CRS_HOME=true
ASM_IN_HOME=y
EWTJAR_NAME=ewt3.jar
ASM_DROP_DISKGROUPS=true
OLD_ACTIVE_ORACLE_HOME=
ASM_LOCAL_SID=+ASM
JLIBDIR=D\:\\app\\oracle\\product\\11.2.0\\grid\\jlib
VNDR_CLUSTER=false
ASM_DISK_GROUP=DATA