原典情報: $ORACLE_HOME\relnotes\README_olm.txt
このREADMEには、Windows NTおよびWindows 2000上で機能するOracle9i Real Application Clustersの追加のディスク管理ツールに関する情報が含まれています。Oracle Cluster Setupウィザードにより、次のディスク管理ツールがすべてのノードにインストールされます。
Object Link Manager: 論理ドライブへのシンボリック・リンクを作成または変更するGUIツールです。
このユーティリティは、Oracle Cluster Setupウィザードの一部として、または個別に使用できます。
EXPORTSYMLINKSユーティリティ: 対応するディスク・ドライブから永続シンボリック・リンクを読み取り、リストの.TBLファイル(デフォルト名はSYMMAP.TBL)を生成します。
IMPORTSYMLINKSユーティリティ: .tblファイルを読み取り、クラスタのディスク上およびすべてのノード上に永続シンボリック・リンクを作成します。
DELETEDISKユーティリティ: ディスク全体を再フォーマットし、内容を削除します。
LETTERDELETEユーティリティ: Oracle RAWパーティションからすべてのドライブ文字を削除し、ディスク・キー・レジストリを更新して、再起動のマッピングを無効化します。
LOGPARTFORMATユーティリティ: 論理ドライブ内のすべての領域をゼロに初期化し、シンボリック・リンク名を削除します。
CRLOGDRユーティリティ: プライマリ・パーティションがなく、拡張パーティションが1つあるディスク上の論理ドライブとその関連シンボリック名を作成および削除します。 このツールを使用して、ディスク・レイアウトを確認します。
Windows 2000では、次の問題が確認されています。
このディレクトリにあるディスク管理ツールでは、Terminal Services Clientを使用しないでください。 変更が適用されない場合があります。
シンボリック・リンクの作成や論理ドライブの追加など、ディスク管理の変更時にディスク管理ウィンドウが開いている場合は、ウィンドウを閉じて再度開かないと、適用した変更内容は表示されません。
Oracle OSDをインストールしていない場合、ディスク管理ツールはOracle Cluster Setupウィザードでは自動的にはインストールされません。
ディスク管理ユーティリティをインストールするには、クラスタの1つのノードで次の作業を実行します。
一時ディレクトリを作成します。
作成した一時ディレクトリに\OPS_PREINSTALL\OLMディレクトリの内容をコピーします。
作成した一時ディレクトリから次のコマンドを入力して、クラスタのすべてのノードでOracle Object Serviceが自動起動(autostart)されるようにサービスをインストールして設定します。
C:\> ORACLEOBJSERVICE /INSTALL
Object Link Manager(GUIORACLEOBJMANAGER.EXE)は、論理ドライブへの永続シンボリック・リンクの作成に使用されるユーティリティです。 Oracle Cluster Setupウィザードにより、Object Link Managerがインストールされ、Oracle Object Serviceがすべてのノードで起動されます。 このサービスは、シンボリック・リンクが変更されるとすべてのノードを更新し、再起動時に常に起動されるように自動起動(autostart)に設定されます。
Object Link Managerを実行するには、いずれの方法でインストールした場合も、次のように入力します。
C:> GUIORACLEOBJMANAGER.EXE
ヘルプを参照するには、次のように入力します。
/?
Object Link Managerのログ・ファイル(OOBJSERVICE.LOG)は、デフォルトのTEMPディレクトリに配置されます。
リンク名を割り当てる論理ドライブを選択します。
「シンボリック・リンク」リストに新しいリンク名を入力します。 たとえば、データベース名がOPの場合、SYSTEM表領域のデータファイル名としてOP_SYSTEM1を追加します。 論理ドライブごとに一意の名前を入力してください。
変更を元に戻す場合は「元に戻す」をクリックします。
注意: 「適用」をクリックした後に「元に戻す」をクリックしても変更内容は元に戻りません。
「適用」をクリックして、ディスクに対するすべての変更内容を保存します。
クラスタ内のすべてのノードに対してGUIORACLEOBJMANAGER.EXEを使用して、すべてのマッピングが正しいことを確認します。
変更を追加した場合は「適用」をクリックします。
プログレス・バーが停止するまで待機して、「閉じる」をクリックします。
Object Link Managerアプリケーションが実行されているノードに、論理ドライブとシンボリック・リンクが表示されます。 リンク名は大文字で表示されますが、名前の大/小文字は区別されません。
注意:
論理ドライブを作成または削除した場合は、ディスクを構成したノードでObject Link Managerを再実行して、リンクを再度割り当てる必要があります。
変更した後に再起動する必要はありません。 ただし、ノードが停止している場合は、再起動時に自動的に更新されます。 再起動の場合もログ・ファイルは生成されます。
シンボリック・リンク名を記載した.TBLファイルを作成してObject Link Managerにインポートすることで、シンボリック・リンク名をマップできます。 そのためには、論理ドライブのサイズと割り当てるシンボリック・リンク名を把握している必要があります。
EXPORTSYMLINKSユーティリティを使用してシンボリック・リンクのリストを生成し、SYMMAP.TBLという名前のファイルを作成します。
/f:filename
このパラメータを使用しないと、EXPORTSYMLINKSユーティリティでは、SYMMAP.TBLファイルへのシンボリック・リンク・マッピングが現行ディレクトリにエクスポートされます。 パラメータを指定した場合は、filenameに指定したファイルにシンボリック・リンク・マッピングがエクスポートされます。
次に例を示します。
EXPORTSYMLINKS /f:MYLINKS.TBL
次の表に、「op」という名前のデータベースのディスク・レイアウト例を示します。
Symbolic Name Raw Device Size (MB) op_cwmlite1 \Device\Harddisk2\Partition1 32 op_system1 \Device\Harddisk2\Partition1 299 op_users1 \Device\Harddisk2\Partition1 126 op_temp1 \Device\Harddisk2\Partition1 102 op_rbs1 \Device\Harddisk2\Partition1 534 op_indx1 \Device\Harddisk2\Partition2 71 op_tools1 \Device\Harddisk2\Partition2 24 op_drsys1 \Device\Harddisk2\Partition2 102 op_control1 \Device\Harddisk2\Partition3 102 op_control2 \Device\Harddisk2\Partition3 102 op_redo1_1 \Device\Harddisk2\Partition3 8 op_redo1_2 \Device\Harddisk2\Partition3 8 OPSM \Device\Harddisk2\Partition3 102
SYMMAP.TBLファイルは、独自のシンボリック・リンク名を論理ドライブの割当てに追加することで変更します。
注意:
ドライブを追加または削除する場合は、EXPORTSYMLINKSを使用して、ディスクを構成したノードについてSYMMAP.TBLファイルを再度エクスポートする必要があります。 .TBLファイルは有効になりません。
IMPORTSYMLINKS.EXEユーティリティを使用してSYMMAP.TBLファイルをObject Link Managerにインポートします。
IMPORTSYMLINKSユーティリティで.TBLファイルが読み取られ、シンボリック・リンク名が作成されます。
/f:filename
このパラメータを使用しないと、IMPORTSYMLINKSでは、SYMMAP.TBLファイルのシンボリック・リンク・マッピングが使用されます。 パラメータを指定した場合は、filenameに指定したファイルのシンボリック・リンク・マッピングが使用されます。
次に例を示します。
IMPORTSYMLINKS /f:C:\TEMP\MYLINKS.TBL
注意:
IMPORTSYMLINKSでは、重複する名前の検出が実行され、重複がある場合、マッピングはインポートされません。
DELETEDISKユーティリティは、ディスク全体を再フォーマットし、内容を削除します。 次のコマンドライン・パラメータを使用します。
/ddrive_number
(必須)このパラメータは指定する必要があります。drive_numberにはディスクの番号を指定します。
/q
(オプション) 抑制モードを示します。 フォーマットの確認プロンプトが表示されなくなります。
/fsd
(オプション) 有効なファイル・システム・パーティションが含まれている場合もハード・ディスクをフォーマットする場合は、このパラメータを使用します。
たとえば、ディスク2の論理ドライブをすべて削除する場合は、次のコマンドを使用します。
C:> DELETEDISK /d2
DELETEDISKユーティリティを実行した後は、すべてのノードに対してDisk Administratorを実行し、ディスク・シグネチャを再初期化する必要があります。
次に例を示します。
C:> LETTERDELETE
LOGPARTFORMATユーティリティは、論理ドライブ内のすべての領域をゼロに初期化し、シンボリック・リンク名を削除します。 このユーティリティは、制御ファイルの情報が古い場合に使用します。 指定する必要がある唯一のパラメータは、使用する論理ドライブ名です。
たとえば、\\.\ops_db12という論理ドライブのすべての領域をゼロに初期化する場合は、次のコマンドを使用します。
C:> LOGPARTFORMAT \\.\OPS_DB12
CRLOGDRユーティリティは、プライマリ・パーティションがなく、拡張パーティションが1つのみ存在するディスク上の論理ドライブとその関連シンボリック名を作成および削除します。 このユーティリティを使用して、ディスク・レイアウトを確認することもできます。
次の8個のパラメータがサポートされています。
/d ゼロから始まるドライブ番号(必須パラメータ) /s 論理ドライブのサイズ /n 論理ドライブ番号 /o 拡張パーティションの先頭からの空き領域のオフセット /l シンボリック名 /r 論理ドライブまたはシンボリック名を削除します /p ディスク・レイアウトを印刷します /b バナーを表示しません
サーバーを再起動する際の再順序付けの問題を回避するために、CRLOGDRユーティリティのみを使用して拡張パーティションの最後から論理ドライブを削除することをお薦めします。
または、最後の空き領域のオフセットを指定して、パーティションの最後に論理ドライブを追加してください。
シンボリック名を指定せずにディスク3に300MBの論理ドライブを作成するには、次のコマンドを使用します。
CRLOGDR /d3 /s 300
「CONTROL1」というシンボリック名でディスク3に100MBの論理ドライブを作成するには、次のコマンドを使用します。
CRLOGDR /d3 /s 100 /l CONTROL1
事前に作成した第2論理ドライブ(2)に「SYSTEM1」というシンボリック名を割り当てるには、次のコマンドを使用します。
CRLOGDR /d3 /n 2 /l SYSTEM1
シンボリック名を指定せずにディスク3の100MBのオフセット位置に300MBの論理ドライブを作成するには、次のコマンドを使用します。
CRLOGDR /d3 /s 300 /o 100
注意:
オフセットの/oパラメータには空き領域の開始オフセットを指定する必要があります。
ディスク3の第2論理ドライブを削除するには、次のコマンドを使用します。
CRLOGDR /d3 /r /n 2
注意:
このコマンドは、ドライブに関連付けられているシンボリック名も削除します。
「CONTROL1」というシンボリック名を削除するには、次のコマンドを使用します(ディスク番号を指定する必要はありません)。
CRLOGDR /r /l CONTROL1
CRLOGDRユーティリティの印刷パラメータ(/p)を使用して、ディスク・レイアウトを確認できます。 たとえば、ディスク4のレイアウトを出力するには、次のコマンドを使用します。
CRLOGDR /d4 /p
論理ドライブ番号または空き領域。
論理ドライブまたは空き領域のサイズ。
ドライブに関連付けられているシンボリック名(ある場合)。 2個のハイフン(--)は、ドライブにシンボリック名が割り当てられていないことを示します。
パーティションの種類。6は大規模なMS-DOSパーティション、7はNTFSパーティションを示します。
注意: RAWディスク・パーティションにはファイル・システムはありません。
拡張パーティションの開始位置からのパーティションのオフセット。
Object Link Managerにマッピングが表示されない場合は、クラスタ内のすべてのノードでOracle Object Serviceが起動されていることを確認してください。
一部のトラブルシューティング項目は、クラスタウェアのインストールが適切でないことに関連しています。
ORACLESERVICESIDとTNS LISTENERが、同じWindows NTアカウントで、同じユーザーIDを使用して実行されていることを確認してください。
ほとんどの場合、拡張パーティションが作成されていないことに起因しています。 拡張パーティションを作成し、拡張パーティション内に複数の論理ドライブを作成します。
質問: 論理ドライブを作成し、その論理ドライブに物理ディスク規則名を定義した場合、どのような影響がありますか。
次に例を示します。
PhysicalDrivesys1 = \Device\Harddisk2\Partition1 PhysicalDriveusr1 =\Device\Harddisk3\Partition1
回答: Oracle Databaseでは、実際には論理ドライブであったとしても、物理ディスク規則を使用してデータファイルを処理します。 物理ディスク・ネーミング規則を使用しているかぎり、これによってデータが壊れたり、消失することはありません。 できるかぎり早い時期に論理ドライブに変換することをお薦めします。 物理パーティションと論理ドライブの互換性の問題に関する項を参照してください。
質問: Partition0を表す論理名を作成した場合、どのような影響がありますか。次に例を示します。
op_system1 = \Device\Harddisk1\Partition0
回答: Disk Administratorでは、通常、各ディスクの最初のブロックに署名を書き込みます。そのため、データファイルのヘッダー部分が上書きされる可能性があり、重大な問題を引き起こす場合があります。