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Oracle Application Server 高可用性ガイド
10gリリース3(10.1.3.1.0)

B31835-01
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4 アクティブ/パッシブ・トポロジ

この章では、アクティブ/パッシブ・トポロジの構成方法と管理方法について説明します。この章の項は次のとおりです。

4.1 アクティブ/パッシブ・トポロジについて

アクティブ/パッシブ・トポロジは、次のもので構成されています。

Oracleホームは共有記憶域にインストールします。アクティブ・パッシブ・トポロジでは、実行時に1つのノードのみがアクティブになります。もう一方のノードはパッシブになります。アクティブ・ノードは共有記憶域をマウントするため、ファイルにアクセスし、すべてのプロセスを実行し、すべてのリクエストを処理できます。クライアントは、仮想ホスト名を使用してアクティブ・ノードにアクセスします。クライアントがトポロジ内のノードの物理ホスト名を認識している必要はありません。

なんらかの理由でアクティブ・ノードに障害が発生すると、フェイルオーバー・イベントが実行され、パッシブ・ノードが引き継いでアクティブ・ノードになります。パッシブ・ノードは共有記憶域をマウントし、すべてのプロセスを実行し、すべてのリクエストを処理します。仮想ホスト名およびIPは、パッシブ・ノードを指すようになります。クライアントは、仮想ホスト名を使用してノードにアクセスするため、リクエストを処理しているのがパッシブ・ノードであることを意識することはありません。

フェイルオーバーを有効にするには、ノードがハードウェア・クラスタに存在する必要があります。


注意

OracleAS Cold Failover Clusterトポロジにある各ノードのローカル記憶域へのOracleホームのインストールはサポートされていません。Oracleホームは共有記憶域にインストールする必要があります。 


ベンダー・クラスタウェア

アクティブ/パッシブ・トポロジの2つのノードはハードウェア・クラスタにあります。このクラスタには通常、ベンダー・クラスタウェアが含まれています。認証済クラスタウェアの一覧は、Oracle Technology NetworkのWebサイト(http://www.oracle.com/technology)を参照してください。

Windowsで実行している場合は、クラスタに次の製品が必要です。

これらの製品は、トポロジ内の両方のノード(アクティブとパッシブ)にインストールする必要があります。

アクティブ/パッシブ・トポロジ: 利点
アクティブ/パッシブ・トポロジ: 欠点
アクティブ/パッシブ・トポロジの図

図4-1は、共有記憶域にOracle Application ServerのOracleホームがインストールされているアクティブ/パッシブ・トポロジの図を示しています。OracleホームにはOracle HTTP ServerとOC4Jの両方が含まれています。図4-2は、Oracle HTTP ServerとOC4Jが個別のOracleホームにインストールされている分散アクティブ/パッシブ・トポロジを示しています。

図4-1    同じOracleホームにOracle HTTP ServerとOC4Jがインストールされているアクティブ/パッシブ・トポロジ


画像の説明

図4-2    個別のOracleホームにOracle HTTP ServerとOC4Jがインストールされているアクティブ/パッシブ・トポロジ


画像の説明

4.2 アクティブ/パッシブ・トポロジの管理

アクティブ/パッシブ・トポロジの管理では、1つのみのOracleホームを管理すればよいため、単一インスタンスのOracle Application Serverトポロジの管理と非常によく似ています。

この項の項目は次のとおりです。

4.2.1 Application Server Controlコンソールを使用した管理

Application Server Controlコンソールを使用して、アクティブ/パッシブ・トポロジを管理できます。Application Server Controlコンソールにアクセスするには、物理ホスト名のかわりに仮想ホスト名を使用します。

4.2.2 コンポーネントの起動と停止

opmnctlコマンドを使用すると、トポロジ内のコンポーネントを起動および停止できます。次に、例を示します。

opmnctl startall

Application Server Controlコンソールを使用して起動と停止の操作を実行することもできます。

4.2.3 アプリケーションのデプロイ

アプリケーションは通常の方法でデプロイします。アプリケーションは、アクティブ・ノードのみにデプロイします。

アプリケーションのデプロイ方法の詳細は、『Oracle Containers for J2EEデプロイメント・ガイド』を参照してください。

4.3 アクティブ/パッシブ・トポロジにおけるOracle HTTP ServerおよびOC4Jの高可用性機能の概要

表4-1は、アクティブ/パッシブ・トポロジにおけるOracle HTTP ServerとOC4Jの高可用性機能の概要を示しています。

表4-1    アクティブ/パッシブ・トポロジにおけるOracle HTTP ServerおよびOC4Jの高可用性機能の概要 
項目  説明 

ノード障害からの保護 

Oracle HTTP Server: アクティブ・ノードに障害が発生した場合は、パッシブ・ノードが引き継いでOracle HTTP Serverプロセスを実行します。

OC4J: アクティブ・ノードに障害が発生した場合は、パッシブ・ノードが引き継いでOC4Jプロセスを実行します。 

サービス障害からの保護 

Oracle HTTP ServerおよびOC4J: Windowsでは、Oracle Fail Safeがアクティブ・ノードのサービスを監視します。サービスが停止した場合は、Oracle Fail Safeがそのサービスの再開を試みます。サービスを開始できない場合は、Oracle Fail Safeがインスタンスをノード2(パッシブ・ノード)にフェイルオーバーし、サービスを開始します。

UNIXでは、ベンダー・クラスタウェアがOracle Fail Safeと同様のサービスを提供します。 

プロセス障害からの保護 

Oracle HTTP Server: OPMNはOracle HTTP Serverプロセスを監視し、障害発生時にそのプロセスを再起動します。さらに、トポロジ内の別のOracle HTTP Serverプロセスで障害が発生した場合、OPMNはそれぞれのOracle HTTP Serverに障害を通知します。

OC4J: OPMNはOC4Jプロセスを監視し、障害発生時にそのプロセスを再起動します。またOPMNは、この再起動が成功しなかった場合、動作しているOC4Jプロセスにのみリクエストを送信するようmod_oc4jに通知します。

OPMNの詳細は、第2.1項「OPMNでのプロセス管理」 を参照してください。 


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