この節では、カスタム JumpStart によるインストール方法である scinstall(1M) の設定と使用について説明します。 この方法は、Solaris と Sun Cluster ソフトウェアの両方を 1 回の操作ですべてのクラスタノードにインストールし、クラスタを動作可能にします。この手順は、新しいノードを既存のクラスタに追加するときにも使用できます。
Solaris ソフトウェアをインストールする前に、ハードウェアの設定が完了していることと、接続が完全であることを確認します。
ハードウェアの設定の詳細については、『Sun Cluster 3.1 Hardware Administration Collection』およびサーバーと記憶装置のマニュアルを参照してください。
クラスタ構成の計画が完了していることを確認します。
必要条件とガイドラインについては、クラスタソフトウェアのインストールの準備をする を参照してください。
次の情報を用意します。
各クラスタノードの Ethernet アドレス
以下に示す、必要事項を記入した構成計画ワークシート
『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「ミラー化ルートワークシートのローカルファイルシステム」、または『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「非ミラー化ルートワークシートのローカルファイルシステム」
『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「クラスタ名とノード名のワークシート」
『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「クラスタインターコネクトのワークシート」
計画のガイドラインについては、Solaris オペレーティング環境についての計画 と Sun Cluster 環境の計画 を参照してください。
ネームサービスを使用しているかどうかを確認します。
既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。
インストールする場合は、別のアクティブクラスタノードから scsetup(1M) を実行し、認証クラスタノードのリストにこの新しいノードの名前を追加します。詳細については、『Sun Cluster 3.1 のシステム管理』の「クラスタノードの追加と削除」の「ノードを認証ノードリストに追加する」手順を参照してください。
インストールしない場合は、手順 6 に進みます。
スーパーユーザーとして、JumpStart インストールサーバーを Solaris オペレーティング環境インストール用に設定します。
JumpStart インストールサーバーの設定方法については、setup_install_server(1M) と add_install_client(1M) のマニュアルページ、および『Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」 を参照してください。
インストールサーバーを設定するときには、次の条件に適合していることを確認します。
インストールサーバーはクラスタノードと同じサブネット上にあるが、それ自体はクラスタノードではないこと
インストールサーバーによって、Sun Cluster ソフトウェアに必要な Solaris オペレーティング環境のリリースがインストールされていること
Sun Cluster の JumpStart インストール用のカスタム JumpStart ディレクトリが存在すること。この jumpstart-dir ディレクトリには check(1M) ユーティリティのコピーが含まれているため、JumpStart インストールサーバーが読み取れるように NFS でエクスポートされている必要があります。
各新規クラスタノードが、Sun Cluster のインストール用のカスタム JumpStart ディレクトリ設定を使用する、カスタム JumpStart インストールクライアントとして構成されていること
JumpStart インストールサーバーに、Sun Cluster 3.1 CD-ROM のコピーを格納する ディレクトリを作成します。
次の例では、このディレクトリとして /export/suncluster を使用します。
# mkdir -m 755 /export/suncluster |
Sun Cluster CD-ROM を JumpStart インストールサーバーにコピーします。
JumpStart インストールサーバーの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 CD-ROM を挿入します。
ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_1 ディレクトリにマウントされます。
/cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools ディレクトリに移動します。ここに示した ver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。
以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの Solaris 8 バージョンのパスを使用しています。
# cd /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_8/Tools |
CD-ROM を JumpStart インストールサーバー上の新しいディレクトリにコピーします。
scinstall コマンドで、CD-ROM のファイルをコピーする新しいインストールディレクトリを作成します。この例では、インストールディレクトリの名前として /export/suncluster/sc31 を使用します。
# ./scinstall -a /export/suncluster/sc31 |
CD-ROM を取り出します。
# cd / # eject cdrom |
JumpStart インストールサーバー上の Sun Cluster 3.1 CD-ROM イメージが、JumpStart インストールサーバーで読み取れるように NFS によってエクスポートされていることを確認します。
自動ファイル共有の詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』の「Solaris NFS の環境」または『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』 のネットワークファイルシステムの管理 (概要)」を参照するか、 share(1M) および dfstab(4) のマニュアルページを参照してください。
既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。
新しいノードをクラスタの承認済みノードリストに追加したかどうかを確認します。
追加している場合は、手順 11 に進みます。
まだ追加していない場合は、任意の既存クラスタノードから scsetup(1M) を実行して認証クラスタノードのリストにこの新しいノードの名前を追加してください。詳細については、『 Sun Cluster 3.1 のシステム管理』の「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。
JumpStart インストールサーバーから scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。
ここでは、作成したインストールディレクトリの例として、パス /export/suncluster/sc31 を使用します。
# cd /export/suncluster/sc30/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools # ./scinstall |
CD-ROM パスの ver は、 8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。
対話式 scinstall ユーティリティを使用するときには、次の指針に従います。
対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。
特に指定のある場合以外は、Control-D キーを押すと、関連のある一連の質問の最初か、メインメニューに戻ります。 Sun Cluster ソフトウェアをインストールした後に Control-D を押してセッションを中断した場合、 scinstall は、これらのパッケージのインストールを解除するかどうかをたずねます。
セッション中の応答は、次に同じメニューオプションを実行したときのデフォルトの応答として記憶されます。デフォルトの応答はプロンプトの終わりに角括弧 ([ ]) に囲まれて表示されます。
メインメニューから 3 (このインストールサーバから JumpStart できるようにクラスタを構成) を入力します。
このオプションを使用して、カスタム JumpStart 完了スクリプトを構成します。JumpStart は、これらの完了スクリプトを使用して、 Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。
*** メインメニュー *** 次の (*) オプションのうちから 1 つを選択してください: 1) このマシンを最初のノードとして新しいクラスタを確立 2) すでに確立されているクラスタにこのマシンを追加 * 3) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成 4) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加 5) このクラスタノードのリリース情報を出力 * ?) メニューオプションのヘルプ * q) 終了 オプション: 3 *** カスタム JumpStart *** ... 継続しますか (yes/no) [yes]? |
画面上でオプション 3 にアスタリスクが表示されない場合、JumpStart の設定が完了していないか、エラーが発生しているため、このオプションが無効であることを意味します。scinstall ユーティリティーを終了し、 手順 6 から 手順 8 までを繰り返して JumpStart 設定を修正してから、scinstall ユーティリティーを再起動してください。
JumpStart ディレクトリの名前を指定します。
>>> カスタム JumpStart ディレクトリ <<< .... JumpStart ディレクトリ名は ? jumpstart-dir |
クラスタの名前を指定します。
>>> クラスタ名 <<< ... 確立したいクラスタ名は ? clustername |
すべてのクラスタノードの名前を指定します。
>>> クラスタノード <<< ... 初期クラスタ構成に参加させるすべてのノードの名前を入力してく ださい。 少なくとも 2 つのノードを入力する必要があります。一行 ごとに 1 つのノードを入力します。終了したら、Ctrl-D を押してく ださい: ノード名: node1 ノード名: node2 ノード名 (終了するには Ctrl-D): <Control-D> 完成したノードのリスト: ... よろしいですか (yes/no) [yes]? |
データ暗号化標準 (DES) 認証を使用するかどうかを指定します。
デフォルトでは、Sun Cluster ソフトウェアを使用してノードをクラスタに接続できるのは、ノードが物理的にプライベートインターコネクトに接続されていて、かつ上記の 手順 15 の方法でノード名が指定されている場合だけです。しかし、この時点ではプライベートインターコネクトは完全に構成されていないので、実際にはノードはパブリックネットワーク経由でスポンサーノードと通信します。DES 認証を使用すると、スポンサーノードはクラスタ構成を更新するために接続しようとするノードをより信頼性の高い方法で認証するため、インストール時のセキュリティレベルが上がります。
DES 認証を使用してセキュリティレベルを上げることを選択した場合、任意のノードがクラスタに参加できるようにするためには、必要な暗号化鍵をすべて構成する必要があります。詳細については、keyserv(1M) と publickey(4) のマニュアルページを参照してください。
>>> ノードを追加する要求を認証する <<< ... DES 認証を使用しますか (yes/no) [no]? |
プライベートネットワークアドレスとネットマスクを指定します。
>>>クラスタトランスポートのネットワークアドレス <<< ... デフォルトのネットワークアドレスを使用しますか (yes/no) [yes]? デフォルトのネットマスクを使用しますか (yes/no) [yes]? |
クラスタの構築に成功した後では、プライベートネットワークアドレスは変更できません。
クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。
当該クラスタが 2 ノードクラスタである場合、トランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。
>>> ポイントツーポイントケーブル <<< ... この 2 ノードクラスタはトランスポート接続点を使用しますか (yes/no) [yes]? |
ノードがお互いに直接接続されているかどうかに関わらず、クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定できます。クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定した場合、将来、より簡単に新しいノードをクラスタに追加できます。
クラスタが 4 つ以上のノードを持っている場合、トランスポート接続点を使用する必要があります。Return キーを押して、次の画面に進みます。
>>> ポイントツーポイントケーブル <<< ... このクラスタは 2 ノードクラスタではないため、2 つのトランス ポート接続点を構成するようにたずねられます。 ENTER を押すと継続します: |
クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを確認します。
使用する場合、トランスポート接続点の名前を指定します。このとき、デフォルトの名前 switchN を使用するか、または独自の名前を作成することが可能です。
>>> クラスタトランスポート接続点 <<< ... クラスタ内の 1 番目の接続点の名前は [switch1]? クラスタ内の 2 番目の接続点の名前は [switch2]? |
使用しない場合は、手順 20 に進みます。
1 番目のノードの 1 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。
>>> クラスタトランスポートアダプタとケーブル <<< ... 1 番目のクラスタトランスポートアダプタの名前は ? adapter |
1 番目のアダプタの接続エンドポイントを指定します。
当該クラスタがトランスポート接続点を使用しない場合、当該アダプタが接続されている 2 番目のノード上にあるアダプタの名前を指定します。
... 「adapter」が接続される「node2」上のアダプタの名前は ? adapter |
クラスタがトランスポート接続点を使用する場合、1 番目のトランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。
... 「adapter」が接続される接続点の名前は ? switch ... デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? |
SCI アダプタを使用する構成の場合は、アダプタ接続 (ポート名) をたずねられたときに、デフォルトを受け入れてはいけません。その代わりに、ノードが物理的にケーブル接続されている、Dolphin スイッチ自体の上にあるポート名 (0、1、2、または 3) を指定します。次の例に、デフォルトのポート名を拒否して、Dolphin スイッチのポート名 0 を指定するときのプロンプトと応答を示します。
... デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? no 使用したいポートの名前は ? 0 |
1 番目のノードの 2 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。
... 2 番目のクラスタトランスポートアダプタの名前は ? adapter |
2 番目のアダプタの接続エンドポイントを指定します。
当該クラスタがトランスポート接続点を使用しない場合、当該アダプタが接続されている 2 番目のノード上にあるアダプタの名前を指定します。
... 「adapter」が接続される「node2」上のアダプタの名前は ? adapter |
クラスタがトランスポート接続点を使用する場合、2 番目のトランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。
... 「adapter」が接続される「node1」上のアダプタの名前は ? switch ... デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? |
構成が SCI アダプタを使用している場合、アダプタの接続 (ポート名) についてたずねられたときにデフォルトをそのまま使用してはいけません。その代わりに、ノードが物理的にケーブル接続されている、Dolphin スイッチ自体の上にあるポート名 (0、1、2、または 3) を指定します。次の例に、デフォルトのポート名を拒否して、Dolphin スイッチのポート名 0 を指定するときのプロンプトと応答を示します。
... デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? no 使用したいポートの名前は ? 0 |
クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを確認します。
各クラスタノードの広域デバイスファイルシステム名を指定します。
>>> 広域デバイスファイルシステム <<< ... デフォルトでは、/globaldevices を使用します。 For node "node1", このデフォルトを使用しますか (yes/no) [yes]? For node "node2", このデフォルトを使用しますか (yes/no) [yes]? |
生成された scinstall コマンドを使用するか、または拒否します。
確認のため、これまでの入力から生成された scinstall コマンドが表示されます。
>>> 確認 <<< 次のオプションを scinstall に指示しています: ----------------------------------------- For node "node1", scinstall -c jumpstart-dir -h node1 \ ... これらのオプションを使用しますか (yes/no) [yes]? ----------------------------------------- For node "node2", scinstall -c jumpstart-dir -h node2 \ ... これらのオプションを使用しますか (yes/no) [yes]? ----------------------------------------- JumpStart の設定を継続しますか (yes/no) [yes]? |
生成されたコマンドを使用しない場合、scinstall ユーティリティはメインメニューに戻ります。メインメニューからオプション「3」を実行し直して、応答を変更します。以前の応答はデフォルトとして表示されます。
必要に応じて、 scinstall によって作成されたデフォルトの class ファイルまたはプロファイルを調整します。
scinstall コマンドによって、デフォルトの class ファイルであるautoscinstall.class が、jumpstart-dir/autoscinstall.d/3.1 ディレクトリに作成されます。
install_type initial_install system_type standalone partitioning explicit filesys rootdisk.s0 free / filesys rootdisk.s1 750 swap filesys rootdisk.s3 512 /globaldevices filesys rootdisk.s7 20 cluster SUNWCuser add package SUNWman add |
デフォルトの class ファイルは Solaris ソフトウェアのエンドユーザーシステムサポートソフトウェアグループ (SUNWCuser) をインストールします。構成に他の Solaris ソフトウェア条件がある場合、class ファイルを適宜変更します。詳細については、Solaris ソフトウェアグループについて を参照してください。
次のいずれかの方法でプロファイルを変更します。
autoscinstall.class ファイルを直接編集します。この方法による変更は、カスタム JumpStart ディレクトリを使用するすべてのクラスタのすべてのノードに適用されます。
rules ファイルが別のプロファイルを指し示すように更新してから、check ユーティリティを実行して、rules ファイルの妥当性を検査します。
Solaris オペレーティング環境のインストールプロファイルが、Sun Cluster ファイルシステムの最小の割り当て要件を満たしているかぎり、インストールプロファイルに対するその他の変更に制限はありません。Sun Cluster 3.1 ソフトウェアをサポートするためのパーティション分割のガイドラインについては、システムディスクパーティション を参照してください。JumpStart プロファイルの詳細については、『Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。
インターコネクトトランスポート用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。
使用する場合で、 かつ「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールする場合は、手順 27 で説明されている方法を使用して、次のエントリをデフォルトの class ファイルに追加します。
package SUNWrsm add package SUNWrsmx add package SUNWrsmo add package SUNWrsmox add |
さらに、Sun Cluster パッケージをインストールして、RSMAPI と SCI-PCI アダプタをサポートするためには、手順 33 で、インストール後に実行する完了スクリプトを作成または変更する必要があります。
エンドユーザーシステムサポートソフトウェアグループよりも上位レベルの Solaris ソフトウェアグループをインストールしている場合、SUNWrsm* パッケージは Solaris ソフトウェアと一緒にインストールされるので、class ファイルに追加する必要はありません。
インストールしない場合は、手順 29 に進みます。
SunPlex Manager を使用するかどうかを決定します。
使用する場合で、 かつ 「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールする場合は、手順 27 で説明されている方法を使用して、次のエントリをデフォルトの class ファイルに追加します。
package SUNWapchr add package SUNWapchu add |
エンドユーザーシステムサポートソフトウェアグループよりも上位レベルの Solaris ソフトウェアグループをインストールしている場合、SUNWrsm* パッケージは Solaris ソフトウェアと一緒にインストールされるので、class ファイルに追加する必要はありません。
使用しない場合は、手順 30 に進みます。
Solaris パッチディレクトリを設定します。
jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches ディレクトリを JumpStart インストールサーバー上に作成します。
上記のディレクトリは node がクラスタノードの名前であるクラスタノードごとに 1 つずつ作成します。あるいは、次の命名規則を使用して、共有パッチディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。
# mkdir jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches |
これらの各ディレクトリに Solaris パッチのコピーを格納します。
また、Solaris ソフトウェアをインストールした後にインストールする必要があるすべてのハードウェア関連パッチのコピーもこれらのディレクトリに格納します。
各ノード上で、ローカルに必要なホスト名情報を含むファイルを設定します。
JumpStart インストールサーバーに、 jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/archive/etc/inet/hosts という名前のファイルを作成します。
上記ファイルは node がクラスタノードの名前であるクラスタノードごとに 1 つずつ作成します。あるいは、この命名規則を使用して、共有 hosts ファイルへのシンボリックリンクを作成します。
各ファイルに以下のエントリを追加します。
Sun Cluster CD-ROM のイメージがコピーされている NFS サーバーの IP アドレスとホスト名。これは JumpStart インストールサーバーである場合も、別のマシンである場合もあります。
クラスタ内にある各ノードの IP アドレスとホスト名。
インターコネクト用にRemote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。
使用する場合は、手順 33 の指示に従って、インストール後に実行する完了スクリプトを設定して、次の追加パッケージをインストールします。次の表の順番どおりに、Sun Cluster 3.1 CD-ROM の /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Packages ディレクトリから適切なパッケージをインストールします。
CD-ROM パスの ver は、 8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。
機能 |
インストールする追加の Sun Cluster 3.1 パッケージ |
---|---|
RSMAPI |
SUNWscrif |
SCI-PCI アダプタ |
SUNWsci SUNWscid SUNWscidx |
使用せずに、独自のインストール後に実行する完了スクリプトを追加する場合は、手順 33 に進みます。それ以外の場合、手順 34 に進みます。
(省略可能) インストール後に実行する独自の完了スクリプトを追加します。
インターコネクトトランスポート用にRemote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用する場合は、Sun Cluster の SUNWscrif ソフトウェアパッケージをインストールするために、完了スクリプトを変更する必要があります。このパッケージは、scinstall では自動的にインストールされません。
scinstall コマンドでインストールされた標準の完了スクリプトの後に実行するような独自の完了スクリプトも追加できます。JumpStart 完了スクリプトを作成する方法については、『Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。
クラスタ管理コンソールを使用している場合、クラスタ内にある各ノードのコンソール画面を表示します。
管理コンソールで cconsole(1M) がインストールおよび構成されている場合は、これを使用して個々のコンソール画面を表示できます。それ以外の場合、各ノードのコンソールに個別に接続する必要があります。
各ノードのコンソール上にある ok PROM プロンプトから boot net - install コマンドを入力して、ネットワーク JumpStart インストールを各ノード上で開始します。
ok boot net - install |
上記コマンド内のダッシュ記号 (-) の両側は空白文字で囲む必要があります。
Sun Cluster のインストール出力は、 /var/cluster/logs/install/scinstall.log.pid ファイルに記録されます (pid は scinstall インスタンスのプロセス ID 番号)。
独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしていない限り、scinstall コマンドは自動的にデフォルトの ntp.conf ファイルをインストールします。デフォルトのファイルは 8 ノードを想定しているので、 xntpd(1M) デーモンは起動時にこれらのノードに関してエラーメッセージを発行することがあります。このようなエラーメッセージは無視しても安全です。通常のクラスタ条件下で、これらのメッセージを表示しないようにする方法については、ネットワークタイムプロトコル (NTP) を構成する を参照してください。
インストールが正常に完了すると、各ノードは新しいクラスタノードとして完全にインストールされます。
Solaris ソフトウェアのインストール時、Solaris インタフェースグループの機能はデフォルトで無効になります。インタフェースグループは Sun Cluster 構成ではサポートされていないため、再度有効にしないでください。Solaris インタフェースグループの詳細については、 ifconfig(1M) のマニュアルページを参照してください。
既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。
インストールしない場合は、手順 37 に進みます。
インストールする場合、新しいノード上で、既存のすべてのクラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。
クラスタ内にある別のアクティブなノードから、すべてのクラスタファイルシステムの名前を表示します。
% mount | grep global | egrep -v node@ | awk '{print $1}' |
クラスタに追加したノード上で、クラスタ内にある各クラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。
% mkdir -p mountpoint |
たとえば、マウントコマンドが戻したファイルシステム名が /global/dg-schost-1 である場合、クラスタに追加するノード上で mkdir -p /global/dg-schost-1 を実行します。
これらのマウントポイントは、手順 39 においてクラスタを再起動するとアクティブになります。
VERITAS Volume Manager (VxVM) が、クラスタ内にあるノードにすでにインストールされているかどうかを確認します。
インストールされている場合は、 VxVM がインストールされているノード上で同じ vxio 番号が使用されていること、および VxVM がインストールされていない各ノード上で vxio 番号が使用できることを確認します。
# grep vxio /etc/name_to_major vxio NNN |
VxVM がインストールされていないノード上ですでに vxio 番号が使用されている場合、当該ノード上で /etc/name_to_major ファイルのエントリが使用する番号を変更して、この番号を解放します。
インストールされていない場合は、手順 37 に進みます。
Sun Cluster ソフトウェア用のパッチをインストールします。
パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「パッチとファームウェアレベル」を参照してください。
Sun Enterprise 10000 サーバーで動的再構成 (DR) を使用するかどうかを決定します。
使用する場合、各ノード上で次のエントリを /etc/system ファイルに追加します。
set kernel_cage_enable=1 |
このエントリは、次のシステム再起動後に有効になります。Sun Cluster 構成で、動的再構成の作業を実行するための手順については、『Sun Cluster 3.1 のシステム管理』を参照してください。動的再構成の詳細については、サーバーのマニュアルを参照してください。
使用しない場合は、手順 39 に進みます。
既存のクラスタに対する新しいノードの追加、またはクラスタ全体の再起動を必要とする Sun Cluster ソフトウェアパッチのインストール (あるいはこの両方) を行ったかどうかを確認します。
行っていない場合、かつ、インストールしている任意のノードがノードの再起動を必要とする場合、あるいは、変更箇所を有効にするには再起動が必要な場合は、個々のノードを再起動します。
行った場合、次の手順に指示されているとおりに再構成用の再起動を実行します。
ノードのどれか 1 つでクラスタを停止します。
# scshutdown |
クラスタがシャットダウンするまで、最初にインストールしたクラスタノードを再起動しないでください。
クラスタ内にある各ノードを再起動します。
ok boot |
クラスタのインストールモードが無効になるまでは、最初にインストールした (つまり、クラスタを構築した) ノードだけが定足数投票権を持ちます。インストールモードが無効になっていない (つまり、構築された) クラスタでは、クラスタをシャットダウンせずに最初にインストールしたノードを再起動すると、残りのクラスタノードは定足数を獲得できず、クラスタ全体が停止します。クラスタノードは インストール後の設定を行う の手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまで、インストールモードのままです。
ネームサービス検索順を設定します。
ネームサービススイッチを構成する に進みます。