各ノードで次の手順を実行します。この手順は、複数のノードで同時に行えます。
各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。
ノードの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 CD-ROM を挿入します。
ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_1 ディレクトリにマウントされます。
ノードを Sun Cluster 3.1 ソフトウェアにアップグレードします。
/cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools ディレクトリに移動します。ここに示した ver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。
以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの Solaris 8 バージョンのパスを使用しています。
# cd /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_8/Tools |
クラスタソフトウェアフレームワークをアップグレードします。
# ./scinstall -u update -S interact |
NAFO グループを IP ネットワークマルチパスグループに変換するときに使用するテスト IP アドレスを指定します。
scinstall が、必要とされる各テスト IP アドレスをユーザーに求めることを指定します。
アップグレード処理が中断された場合は、ノードが非クラスタモードであることを確認した後、scinstall コマンドを再開します。
詳細については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。IP ネットワークマルチパス用のテスト IP アドレスの詳細については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』を参照してください。
アップグレード処理中、scinstall は次の構成変更を行います。
ルートディレクトリに移動して、CD-ROM を取り出します。
Sun Cluster パッチをインストールします。
パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「パッチとファームウェアレベル」を参照してください。
この時点でノードを再起動しないでください。
各アプリケーションをアップグレードし、必要に応じてアプリケーション用のパッチを適用します。
インストール方法については、各アプリケーションのマニュアルを参照してください。これらのガイドラインに従って、Sun Cluster 構成のアプリケーションをアップグレードします。
アプリケーションが共有ディスクに格納されている場合は、アプリケーションをアップグレードする前に、関連するディスクグループをマスターして、関連するファイルシステムを手作業でマウントする必要があります。
アプリケーションのアップグレード中にノードを再起動しなければならない場合は、起動コマンドに -x オプションを追加します。このオプションを指定することで、そのノードは非クラスタモードで再起動されます。以下の 2 つのコマンドは、ノードをシングルユーザーの非クラスタモードで起動します。
# reboot -- -xs ok boot -xs |
データサービスを Sun Cluster 3.1 ソフトウェアバージョンにアップグレードします。
Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM で提供されるデータサービスだけが scinstall(1M) によって自動的にアップグレードされます。カスタムまたはサードパーティ製のデータサービスは、手動でアップグレードする必要があります。
アップグレード対象のノードでSun Cluster 3.1 Agents CD-ROM を CD-ROM ドライブに挿入します。
データサービスソフトウェアをアップグレードします。
# scinstall -u update -s all -d /cdrom/cdrom0 |
アップグレードを行うよう指定します。
すべての Sun Cluster データサービスをアップグレードします。
アップグレード処理が中断された場合は、ノードが非クラスタモードであることを確認した後、scinstall コマンドを再開します。
CD-ROM を取り出します。
必要に応じて、Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM で提供されないカスタムのデータサービスを手動でアップグレードします。
Sun Cluster データサービスパッケージをインストールします。
パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって』の「パッチとファームウェアレベル」を参照してください。
すべてのノードがアップグレードされた後、各ノードを再起動してクラスタにします。
# reboot |
すべてのノードがクラスタメンバーであることを、任意のノードから確認します。
# scstat -- クラスタノード -- ノード名 状態 --------- ------ Cluster node: phys-schost-1 Online Cluster node: phys-schost-2 Online |
クラスタ状態の表示方法の詳細については、scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
アップグレードを終了します。
クラスタソフトウェアのアップグレードを完了する に進みます。
次の例は、Solaris 8 オペレーティング環境において、2 ノードクラスタを Sun Cluster 3.0 から Sun Cluster 3.1 ソフトウェアにアップグレードする処理を示しています。クラスタノード名は、phys-schost-1 と phys-schost-2 です。
(最初のノードで、Sun Cluster 3.1 CD-ROM からのフレームワークソフトウェアをアップグレードする) phys-schost-1# cd /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_8/Tools phys-schost-1# ./scinstall -u update -S interact (最初のノードで、Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM からのデータサービスをアップグレードする) phys-schost-1# ./scinstall -u update -s all -d /cdrom/cdrom0 (2 番目のノードで、Sun Cluster 3.1 CD-ROM からのフレームワークソフトウェアをアップグレードする) phys-schost-2# cd /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_8/Tools phys-schost-2# ./scinstall -u update -S interact (2 番目のノードで、Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM からのデータサービスをアップグレードする) phys-schost-2# ./scinstall -u update -s all -d /cdrom/cdrom0 (各ノードを再起動してクラスタメンバーにする) phys-schost-1# reboot phys-schost-2# reboot (クラスタのメンバーシップを確認する) # scstat |