Solaris ボリュームマネージャの管理

RAID-1+0 と RAID-0+1 の提供

Solaris ボリュームマネージャは、RAID-1+0 と RAID-0+1 の冗長性を両方ともサポートします。RAID-1+0 の冗長性は、ミラーの後にストライプ化される構成です。RAID-0+1 の冗長性は、ストライプの後にミラー化される構成です。Solaris ボリュームマネージャインタフェースは、すべての RAID-1 デバイスを RAID-0+1 として扱いますが、可能であれば、ボリュームを構成するコンポーネントやミラーを個別に認識します。


注 –

Solaris ボリュームマネージャは、RAID-1+0 機能を常に提供できるわけではありません。しかし、両方のサブミラーが同じで、(ソフトパーティションではなく) ディスクスライスで構成されている場合、RAID-1+0 は可能です。


3 つのストライプ化されたスライスからなる 2 面ミラーでの RAID-0+1 の実装について考えてみます。Solaris ボリュームマネージャを使用しなかった場合、1 つのスライスで障害が発生すると、ミラーの片面が使用できなくなる可能性があります。ホットスペアが使用されていない場合、2 つめのスライスで障害が発生すると、このミラーは使用不能になります。Solaris ボリュームマネージャを使用すると、最大 3 つのスライスで障害が発生しても、ミラーが使用できなくなることはありません。ミラーが使用不能にならないのは、ストライプ化された 3 つのスライスのそれぞれが、ミラーのもう一方の側の対応するスライスに対してミラー化されているからです。

図 10–2 に、RAID-1 ボリュームではスライスが失われることがあるのに対して、RAID-1+0 の実装ではデータ損失が起きないことを示します。

図 10–2 RAID-1+ 0 の例

RAID-1 ボリュームの 6 つのスライスのうち 3 つに障害が発生しても、RAID-1 + 0 を実装しているために、データを失わずにすむケースを示しています。

RAID-1 ボリュームは、2 つのサブミラーからなります。各サブミラーは、同じ飛び越し値が設定された3 つの同一物理ディスクからなります。3 つのディスク A、B、および F で障害が発生しても、支障はありません。ミラーの論理ブロック範囲全体が少なくとも 1 つの正常なディスクに格納されています。ボリュームの全データが使用可能です。

ただし、ディスク A と D で障害が発生した場合は、ミラーの一部分のデータがどのディスクでも使用できなくなります。これらの論理ブロックにはアクセスできません。しかし、データが使用可能なミラー部分へのアクセスは、引き続き可能です。この場合、ミラーは、不良ブロックを含む単一ディスクのように機能します。損傷部分は使用不能になりますが、残りの部分は使用可能です。