Solaris のシステム管理 (基本編)

第 6 章 クライアントとサーバーサポートの管理 (概要)

この章では、ネットワーク環境でのサーバーとクライアントの管理について説明し、Oracle Solaris OS でサポートされる各システム構成 (「システムタイプ」と呼ぶ) に関する情報を紹介します。また、目的に合った最適なシステムを選択するためのガイドラインも示します。


注 –

Oracle Solaris ZFS ルートファイルシステムがインストールされているシステムでは、smosservice および smdiskless コマンドを使用できません。これは、ZFS ルートファイルシステムのインストールがサポートされているすべての Solaris リリースでの既知の問題です。

Solaris Flash インストール機能を使用すると、UFS ルートファイルシステムまたは ZFS ルートファイルシステムを実行するシステムをすばやくプロビジョニングできます。詳細は、『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』「ZFS ルートファイルシステムのインストール (Oracle Solaris フラッシュアーカイブインストール)」を参照してください。


この章の内容は次のとおりです。

ディスクレスクライアントサポートの管理手順については、第 7 章ディスクレスクライアントの管理 (手順)を参照してください。

クライアントとサーバーサポートの管理に関する新機能

この節では、この Solaris リリースで新たに追加または変更されたディスクレスクライアント機能について説明します。 Oracle Solaris リリースの新機能の完全な一覧やその説明については、『Oracle Solaris 10 9/10 の新機能』を参照してください。

bootadm - p コマンドによるプラットフォーム指定のサポート

bootadm コマンドに、-p platform 引数が新たに追加されました。このオプションを使用すると、クライアントプラットフォームがサーバープラットフォームと異なる場合 (ディスクレスクライアントを管理している場合など) に、クライアントシステムのプラットフォームまたはマシンのハードウェアクラスを指定できます。

詳細は、bootadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

nfs4_domain キーワードがディスクレスクライアントのブートに与える影響

Oracle Solaris 10 で配布されていた set_nfs4_domain スクリプトは、NFSv4 ドメインの設定に使用されなくなりました。NFSv4 ドメインを設定するには、新しい nfs4_domain キーワードをディスクレスクライアントの sysidcfg ファイルに追加してください。sysidcfg ファイルに nfs4_domain キーワードがある場合は、ディスクレスクライアントの最初のブート時にドメインが適切に設定されます。

x86: GRUB ブート環境のディスクレスクライアントの変更点

新しいディスクレスブート方式では、次の機能が拡張されています。

x86: smdiskless コマンドの変更点

ディスクレスクライアントを設定するには smdiskless コマンドを使用します。以前の smdiskless コマンドは、ルート (/) および /usr ファイルシステムを設定してから、NFS 経由でこれらのファイルシステムをクライアントにエクスポートしていました。クライアントをブートするには、さらに /tftpboot 領域を手動で構成する必要がありました。この手動で構成する手順が、ディスクレスクライアントを設定するときに必要なくなりました。smdiskless コマンドが、/usr/sadm/lib/wbem/config_tftp ファイルのスクリプトを自動的に呼び出して、PXE ブートのための /tftpboot 領域を準備します。

smdiskless コマンドの実行後に、/tftpboot/01 ethernet-address ファイルが pxegrub および /tftpboot/menu.lst.01 ethernet-address ファイルへのリンクとして表示されます。このファイルには、GRUB メニューエントリが含まれます。この例の ethernet-address では、クライアントネットワークインタフェースの Ethernet アドレスの先頭に 01 が付いています。 クライアントネットワークインタフェースの Ethernet アドレスを指定するときには、大文字を使用し、コロンは含めないでください。

ディスクレスクライアントのブートアーカイブは、シャットダウン時に自動的に更新されます。シャットダウン時にクライアントのブートアーカイブの期限が切れている場合は、OS サーバーから次のコマンドを実行して、ブートアーカイブを更新する必要があります。


# bootadm update-archive -f -R /export/root/host-name

host-name はクライアントシステムのホスト名です。

詳細は、「x86: フェイルセーフモードでブートして、破壊されたブートアーカイブを強制的に更新する方法」 and the bootadm(1M) のマニュアルページを参照してください。


注 –

この情報は、x86 ベースのクライアントを運用する SPARC および x86 ベースの OS サーバーに適用されます。


DHCP の設定および構成の詳細については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の第 14 章「DHCP サービスの構成 (手順)」を参照してください。

GRUB ブート環境でのディスクレスクライアントの管理方法の詳細は、「GRUB を使用して x86 システムをブートする (作業マップ)」を参照してください。

クライアントとサーバータスクの操作手順

サーバーとクライアントサポートの設定手順については、次の表を参照してください。

クライアントとサーバーサービス 

詳細 

インストールまたは JumpStart クライアント 

『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (ネットワークインストール)』

Solaris OS でのディスクレスクライアントシステム 

「ディスクレスクライアント管理の概要」 および 第 7 章ディスクレスクライアントの管理 (手順)

サーバー、クライアント、およびアプライアンスとは

通常、ネットワーク上のシステムは、次の表に示されたいずれかのシステムタイプに該当します。

システムタイプ 

説明 

サーバー 

ネットワーク上のほかのシステムにサービスを提供するシステム。ファイルサーバー、ブートサーバー、Web サーバー、データベースサーバー、ライセンスサーバー、印刷サーバー、インストールサーバー、さらに、特定のアプリケーション用のサーバーなどもあります。この章では、「サーバー」とは、ネットワーク上のほかのシステムにブートサービスとファイルシステムを提供するシステムのことを意味します。

クライアント 

サーバーから提供されるリモートサービスを利用するシステム。クライアントによっては、ディスクの記憶容量に限りがあったり、まったくディスクを持たないものもあり、このようなクライアントは、サーバーから提供されるリモートファイルシステムに依存しなければ機能できません。ディスクレスシステム、および アプライアンスシステムは、このタイプのクライアントの一例です。 

また、サーバーが提供するリモートサービス (インストールソフトウェアなど) を利用しながらも、サーバーに依存しなくても機能するクライアントもあります。このタイプのクライアントの例として、スタンドアロンシステムがあります。スタンドアロンシステムは、ルート (/)、/usr/export/home の各ファイルシステムとスワップ空間を含む独自のハードディスクを備えています。

アプライアンス 

Sun Ray アプライアンスのようなネットワークアプライアンスを使うと、アプリケーションや Solaris OS にアクセスできます。アプライアンスを使うと、サーバー管理を一元化できるので、クライアント管理またはアップグレードを行う必要がなくなります。Sun Ray アプライアンスには「ホットデスク」機能も備わっています。ホットデスク機能を使用すると、サーバーグループのどのアプライアンスからでもただちに、作業中のコンピュータセッション (正確に言うと作業を中断したところ) にアクセスできます。詳細は、http://www.sun.com/software/index.jsp?cat=Desktop& を参照してください。

クライアントサポートとは

サポートには、次の項目が含まれます。

システムタイプの概要

システムタイプは、ルート (/) と /usr ファイルシステム (スワップ領域を含む) にアクセスする方法によって決まる場合があります。たとえば、スタンドアロンシステムとサーバーシステムでは、これらのファイルシステムをローカルディスクからマウントしていますが、その他のクライアントでは、これらのファイルシステムをリモートからマウントし、サーバーから提供されるサービスに依存しています。次の表にそれぞれのシステムタイプの特徴を示します。

表 6–1 システムタイプの特徴

システムタイプ 

ローカルファイルシステム 

ローカルスワップ空間 

リモートファイルシステム 

ネットワーク利用度 

相対パフォーマンス 

サーバー 

ルート (/)

/usr

/home

/opt

/export/home

 

使用可能 

使用不可 

高 

高 

スタンドアロンシステム 

ルート (/)

/usr

/export/home

使用可能 

使用不可 

低 

高 

OS サーバー 

/export/root

       

ディスクレスクライアント 

使用不可 

使用不可 

ルート (/)

スワップ領域 

/usr

/home

高 

 

 

 

 

 

 

高 

低 

 

 

 

 

 

 

低 

アプライアンス 

使用不可 

使用不可 

使用不可 

高 

高 

サーバー

サーバーシステム上には、次のファイルシステムがあります。

サーバー上には、ほかのシステムをサポートするために次のソフトウェアも格納できます。

スタンドアロンシステム

「ネットワークに接続されたスタンドアロンシステム」は、ネットワーク上のほかのシステムと情報を共有できますが、ネットワークから切り離されても機能できます。

スタンドアロンシステムは、ルート (/)、/usr/export/home の各ファイルシステムとスワップ空間を含むハードディスクを自ら持つため、独立して動作できます。つまり、スタンドアロンシステムは、OS ソフトウェア、実行可能ファイル、仮想メモリー空間、ユーザーが作成したファイルにローカルにアクセスできます。


注 –

スタンドアロンシステムには、必要なファイルシステムを保持できるだけのディスク容量が必要です。


「ネットワークに接続されないスタンドアロンシステム」は、ネットワークに接続されていない点を除き、ネットワークに接続されたスタンドアロンシステムと同じです。

ディスクレスクライアント

「ディスクレスクライアント」とは、ディスクが搭載されておらず、必要なすべてのソフトウェアおよび記憶装置をサーバーに依存しているシステムのことです。ディスクレスクライアントには、サーバーからリモートで、ルート (/)、/usr、および /home ファイルシステムがマウントされます。

ディスクレスクライアントでは、ネットワークを介して OS ソフトウェアや仮想メモリー空間に継続的にアクセスする必要があるため、多大なネットワークトラフィックが発生します。ディスクレスクライアントは、ネットワークから切り離されたり、そのサーバーが正しく機能しない場合は機能できません。

ディスクレスクライアントの概要については、「ディスクレスクライアント管理の概要」を参照してください。

アプライアンス

アプライアンス (Sun Ray アプライアンスなど) は、管理を必要としない X ディスプレイデバイスです。このデバイスには、CPU、ファン、ディスクがなく、メモリーもわずかしか搭載されていません。アプライアンスは、Sun のディスプレイモニターに接続されていますが、アプライアンスユーザーのデスクトップセッションは、サーバーで実行され、その結果がユーザーのモニターに表示されます。

ユーザーの X 環境は自動的に設定されます。この環境には次の特徴があります。

システムタイプ選択のガイドライン

次の特徴に基づいてそれぞれのシステムタイプを比較することにより、使用中の環境にどのシステムタイプが適切かを判断することができます。

一元管理:

パフォーマンス

ディスク使用率

この構成を効果的に導入するには、どれくらいのディスク容量が必要か。

次の表では、各システムタイプの点数を特徴別に表示しています。1 は、もっとも効果があることを意味します。4 は、もっとも効果が低いことを意味します。

表 6–2 システムタイプの比較

システムタイプ 

一元管理 

パフォーマンス 

ディスク使用率 

スタンドアロンシステム 

ディスクレスクライアント 

アプライアンス 

ディスクレスクライアント管理の概要

次の節と第 7 章ディスクレスクライアントの管理 (手順)では、Oracle Solaris OS でのディスクレスクライアントサポートの管理方法について説明します。

「ディスクレスクライアント」とは、オペレーティングシステム、ソフトウェア、および記憶装置を「OS サーバー」に依存しているシステムのことです。ディスクレスクライアントは、そのルート (/)、/usr、およびその他のファイルシステムを OS サーバーからマウントします。ディスクレスクライアントは独自の CPU と物理メモリーを持っており、データをローカルで処理することができます。しかしディスクレスクライアントは、ネットワークから切り離されたり、その OS サーバーが正しく機能しない場合は機能できません。ディスクレスクライアントは、ネットワークを経由して継続的に機能する必要があるため、多大なネットワークトラフィックを発生させます。

Solaris 9 以降のリリースでは、ディスクレスクライアントの smosservice コマンドと smdiskless コマンドを使って、OS サービスやディスクレスクライアントサポートを管理できるようになりました。Solaris 8 リリースでは、Solstice GUI 管理ツールでディスクレスクライアントが管理されていました。

OS サーバーおよびディスクレスクライアントのサポート情報


注意 – 注意 –

一方のシステムは新しいブート方式を実装しているが、もう一方のシステムは実装していない OS クライアントサーバー構成を使用してディスクレスクライアントサポートを追加しようとすると、深刻な互換性の問題が発生する可能性があります。新しいブート (GRUB) は、Solaris 10 1/06 リリースから x86 プラットフォームで実装され、Solaris 10 10/8 リリースから SPARC プラットフォームで実装されました。OS サーバー上で実行されているリリースよりも新しい Solaris リリースを実行しているシステムでのディスクレスサポートの追加も、サポートされていない構成です。問題が発生する可能性を回避するために、ディスクレスクライアントサポートを追加する前に最新の Solaris リリースをインストールすることをお勧めします。


smosservice および smdiskless コマンドでサポートされる Solaris リリースおよびアーキテクチャーの種類は次のとおりです。

次の表に、smosservice および smdiskless コマンドでサポートされる x86 OS クライアントサーバー構成を示します。この情報は、Solaris 9 および Oracle Solaris 10 FCS (3/05) リリースに適用されます。

Solaris 10 1/06 リリース以降を実行している場合は、ディスクレスクライアントサポートを追加する前に、同じリリースをインストールするか、同じリリースにアップグレードすることをお勧めします。

表 6–3 クライアントとサーバーでの x86 OS のサポート
 

ディスクレスクライアント OS

 

サーバー OS

Oracle Solaris 10 3/05

Solaris 9

Oracle Solaris 10 3/05

サポートされています 

サポートされています 

Solaris 9

サポートされていません 

サポートされています 

次の表に、smosservice コマンドと smdiskless コマンドでサポートされる SPARC OS クライアントサーバー構成を示します。この情報は、Solaris 8 と Solaris 9 リリース、および 10 5/08 OS までの Oracle Solaris OS に適用されます。

Solaris 10 10/08 リリース以上を実行している場合は、ディスクレスクライアントサポートを追加する前に、同じリリースをインストールするか、同じリリースにアップグレードすることをお勧めします。

表 6–4 クライアントとサーバーでの SPARC OS のサポート
 

ディスクレスクライアント OS

   

サーバー OS

Oracle Solaris 10 3/05 から Solaris 10 5/08

Solaris 9

Solaris 8

Oracle Solaris 10 3/05 から Solaris 10 5/08

サポートされています 

サポートされています 

サポートされています 

Solaris 9

サポートされていません 

サポートされています 

サポートされています 

Solaris 8

サポートされていません 

サポートされていません 

サポートされています 

ディスクレスクライアント管理機能

smosservice コマンドおよび smdiskless コマンドを使うと、ネットワークにディスクレスクライアントサポートを追加したり、維持したりすることができます。ネームサービスを使うと、システム情報を一元管理できるので、ホスト名などの重要なシステム情報をネットワーク上のすべてのシステムに複製する必要がありません。

smosservice コマンドおよび smdiskless コマンドを使うと、次の作業を実行できます。

x86 システム上で GRUB ベースのブートを実行する場合は、DHCP 構成を手動で設定する必要があります。詳細は、「x86: GRUB ベースのブート環境にディスクレスクライアントを追加するための準備方法」を参照してください。


注 –

ディスクレスクライアントコマンドは、ディスクレスクライアントのブートの設定にのみ使用できます。このコマンドは、リモートインストールまたはプロファイルサービスなど、ほかのサービスの設定では使用できません。リモートインストールを設定するには、sysidcfg ファイルにディスクレスクライアント仕様を定義する必要があります。詳細は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (カスタム JumpStart/上級編)』を参照してください。


ディスクレスクライアントコマンドの使用

次の表のコマンドを使って独自のシェルスクリプトを記述すると、簡単にディスクレスクライアント環境を設定および管理できます。

表 6–5 ディスクレスクライアントコマンド

コマンド 

サブコマンド 

作業 

/usr/sadm/bin/smosservice

add

OS サービスを追加します 

 

delete

OS サービスを削除します 

 

list

OS サービスをリスト表示します 

 

patch

OS サービスのパッチを管理します 

/usr/sadm/bin/smdiskless

add

ディスクレスクライアントを OS サーバーに追加します 

 

delete

ディスクレスクライアントを OS サーバーから削除します 

 

list

OS サーバー上のディスクレスクライアントをリスト表示します 

 

modify

ディスクレスクライアントの属性を変更します 

次に示す 2 種類の方法で、これらのコマンドに関するヘルプを参照することができます。

ディスクレスクライアント管理に必要な RBAC 権限

smosservice コマンド および smdiskless コマンドはスーパーユーザーとして使用できます。役割によるアクセス制御 (RBAC) を使用している場合、割り当てられた RBAC 権限に応じて、すべてのディスクレスクライアントコマンドまたはそのサブセットのいずれかを使用できます。次の表にディスクレスクライアントコマンドを使用するのに必要な RBAC 権限を示します。

表 6–6 ディスクレスクライアント管理に必要な RBAC 権限

RBAC 権限 

コマンド 

作業 

基本的な Solaris ユーザー、ネットワーク管理 

smosservice list

OS サービスをリスト表示します 

 

 

smosservice patch

OS サービスのパッチリストを表示します 

 

smdiskless list

OS サーバー上のディスクレスクライアントのリストを表示します 

Network Management 

smdiskless add

ディスクレスクライアントを追加します 

システム管理者 

すべてのコマンド 

すべての作業 

OS サービスの追加

Oracle Solaris OS サーバーとは、ディスクレスクライアントシステムをサポートするオペレーティングシステム (OS) サービスを提供するサーバーのことです。OS サーバーを新たにサポートすることも、smosservice コマンドを使ってスタンドアロンシステムを OS サーバーに変換することもできます。

サポートする各プラットフォームグループおよび Oracle Solaris リリース用に、特定の OS サービスを OS サーバーに追加する必要があります。たとえば、Oracle Solaris リリースが動作する SPARC sun-4u システムをサポートするには、sun-4u/Oracle Solaris 10 OS サービスを OS サーバーに追加する必要があります。サポートするディスクレスクライアントごとに、そのクライアント用の OS サービスを OS サーバーに追加する必要があります。たとえば、Oracle Solaris 10 や Solaris 9 リリースが動作する SPARC sun-4m システムまたは x86 システムは、それぞれ異なるプラットフォームグループに属しているため、それぞれのシステムをサポートするための OS サービスを追加する必要があります。

OS サービスを追加するには、該当する Oracle Solaris ソフトウェア CD、DVD、またはディスクイメージへのアクセス権が必要です。

OS サーバーにパッチが適用された場合に OS サービスを追加する

OS サーバーに OS サービスを追加しようとすると、サーバー上の OS と追加するサービスの OS のバージョンが一致しないというエラーメッセージが表示される場合があります。このエラーメッセージは、OS サーバーにインストールされている OS のパッケージにパッチが適用されていても、追加しようとしている OS サービスのパッケージにはパッチが適用されていない (パッチがパッケージに組み込まれているため) 場合に表示されます。

たとえば、最新の Solaris リリースまたは Oracle Solaris OS が動作するサーバーがあるとします。このサーバーには、パッチがすでに適用された Solaris 9 SPARC sun-4m OS サービスなど、追加の OS サービスがロードされている可能性があります。このため、Solaris 8 SPARC sun-4u OS サービスを CD-ROM からこのサーバーに追加しようとすると、次のエラーメッセージが表示されることがあります。


Error: inconsistent revision, installed package appears to have been 
patched resulting in it being different than the package on your media. 
You will need to backout all patches that patch this package before 
retrying the add OS service option.

OS サーバーに必要なディスク容量

ディスクレスクライアント環境を設定する前に、ディスクレスクライアントの各ディレクトリに必要なディスク容量があるかどうかを確認する必要があります。

以前のバージョンの Solaris リリースでは、インストール中にディスクレスクライアントサポートについてのプロンプトが表示されました。Solaris 9 以降のリリースでは、手動で、インストール中に /export ファイルシステムを割り当てるか、インストール後に作成する必要があります。具体的なディスク容量要件については、次の表を参照してください。

表 6–7 Solaris OS サーバーおよびディスクレスクライアントのディスク容量に関する推奨事項

サーバー OS/アーキテクチャータイプ

ディレクトリ

必要なディスク容量

Oracle Solaris 10 SPARC の OS サーバー 

/export

5 - 6.8G バイト 

Oracle Solaris 10 x86 の OS サーバー 

/export

5 - 6.8G バイト 

Oracle Solaris 10 SPARC のディスクレスクライアント 

/export

1 台のディスクレスクライアントにつき 200 - 300M バイトの容量を確保してください。 

Oracle Solaris 10 x86 のディスクレスクライアント 

/export

1 台のディスクレスクライアントにつき 200 - 300M バイトの容量を確保してください。 


注 –

ディスク容量に関する推奨事項は、インストールされている Oracle Solaris リリースによって異なる場合があります。最新の Solaris リリースでのディスク容量に関する推奨事項の詳細については、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』「ソフトウェアグループごとの推奨ディスク容量」を参照してください。