プログラミングインタフェース

appcert の使用法

appcert を使用して、利用しているアプリケーションを確認するには、次のように入力します。


appcert object|directory

object|directory は次のどちらかです。


注 –

appcert ユーティリティーは、アプリケーションを実行する環境とは異なる環境で実行する場合もあります。このような環境では、appcert ユーティリティーは Solaris ライブラリインタフェースへの参照を正しく解決できないことがあります。


appcert は Solaris 実行時リンカーを使用して、実行可能ファイルまたは共有オブジェクトファイルごとにインタフェース依存関係のプロファイルを構築します。このプロファイルを使用すると、アプリケーションが依存している Solaris システムインタフェースを判断できます。このプロファイルに記述されている依存関係を Solaris ABI と比較すると、Solaris ABI への準拠を確認できます。このプロファイルには、非公開インタフェースが見つかってはなりません。

appcert はディレクトリを再帰的に検索して、ELF 以外を無視しながら、オブジェクトファイルを探します。アプリケーションの確認が終了すると、appcert は検索結果レポートを標準出力 (通常は画面) に出力します。このレポートは、作業用ディレク トリ (通常は /tmp/appcert.pid) の Report という名前のファイルに書き込まれます。このサブディレクトリ名の pid は 1 から 6 桁の数字であり、appcert の当該インスタンスのプロセス ID を示します。appcert が出力ファイルに書き込むディレクトリ構造の詳細については、appcert の結果」を参照してください。

appcert のオプション

次のオプションで、appcert の動作を変更できます。次のオプションは、コマンド行において appcert コマンドから object|directory オペランドの間のどこにでも入力できます。

-B

appcert ユーティリティーをバッチモードで実行します。

バッチモードでは、appcert は確認するバイナリごとに 1 行をレポートに書き込みます。

PASS で始まる行は、その行が示すバイナリには appcert の警告が発行されなかったことを意味します。

FAIL で始まる行は、その行が示すバイナリに問題が見つかったことを意味します。

INC で始まる行は、その行が示すバイナリが完全には確認できなかったことを意味します。

-f infile

ファイル infile には、確認すべきファイルの一覧がファイル名ごとに 1 行ずつ書き込まれている必要があります。このファイルで指定されたファイルは、コマンド行に指定されたファイルに追加されます。このスイッチを使用する場合、オブジェクトまたはディレクトリをコマンド行に指定する必要はありません。

-h

appcert の使用法を出力します。

-L

デフォルトでは、appcert はアプリケーション内にあるすべての共有オブジェクトを記して、このような共有オブジェクトが入っているディレクトリを LD_LIBRARY_PATH に追加しますが、-L スイッチはこの動作を無効にします。

-n

デフォルトでは、ディレクトリを検索して確認すべきバイナリを探すとき、appcert はシンボリックリンクに従います。-n スイッチはこの動作を無効にします。

-S

Solaris ライブラリディレクトリ /usr/openwin/lib および /usr/dt/libLD_LIBRARY_PATH に追加します。

-w working_dir

ライブラリ構成要素を実行するディレクトリを指定します。このスイッチを指定した場合、appcert は一時ファイルをこのディレクトリに作成します。このスイッチを指定しない場合、appcert は一時ファイルを /tmp ディレクトリに作成します。