Sun GlassFish Communications Server 1.5 高可用性 (HA) 管理ガイド

融合負荷分散の設定

この節では、ロードバランサを設定する方法について説明します。次の項目が含まれています。

融合負荷分散を設定するための前提条件

ロードバランサを設定する前に、次の手順を実行する必要があります。

融合負荷分散を設定するための手順

ユーザーの環境で負荷分散を設定するには、管理コンソールまたは asadmin コマンドを使用します。以降の節では、さらに詳しい情報を示します。

Procedure管理コンソールを使用して融合負荷分散を設定する

  1. ロードバランサを作成します。

    左側の区画で「融合ロードバランサ」をクリックし、「新規」をクリックします。「新しい融合ロードバランサ」ページで、ロードバランサ名を入力し、ロードバランサの役割を果たすターゲットクラスタまたはインスタンスも選択します。

    任意で、次の設定を指定できます。

    • 設定ファイル名 — 融合ロードバランサの設定ファイルの名前を指定します。 設定ファイルのデフォルトのパスおよび名前は、domain-dir/config/cluster-config /converged-loadbalancer.xml です。

    • 変更を自動的に適用 — 設定変更をターゲットサーバーインスタンスに自動的に適用するかどうかを指定します。 デフォルトでは、この設定はオフになっています。この設定を true にして、融合ロードバランサの設定ファイルを生成します。

    • 自己負荷分散 — ターゲットクラスタを自己負荷分散にするかどうかを指定します。デフォルトでは、この設定はオンになっています。本稼働環境では、自己負荷分散ターゲットクラスタのみがサポートされます。

  2. 自己負荷分散でないロードバランサの場合、ロードバランサが管理できるように、クラスタまたはスタンドアロンサーバーインスタンスに参照を追加します。

    左側の区画で「融合ロードバランサ」ノードをクリックし、ノードの下に表示されるリストから目的のロードバランサをクリックします。「融合ロードバランサの LB ターゲット」タブを開いて、「LB ターゲットの管理」をクリックし、「LB ターゲットの管理」ページで必要な LB ターゲットを選択します。

    クラスタまたはスタンドアロンインスタンスを LB ターゲットとして選択できます。クラスタとスタンドアロンインスタンスの組み合わせを LB ターゲットとして選択することはできません。


    注 –

    このステップは、本稼働環境ではサポートされません。


  3. ロードバランサを作成したときにクラスタがすでに起動している場合、ロードバランサを起動するには、クラスタを再起動する必要があります。

参照

詳細については、管理コンソールのオンラインヘルプを参照してください。

Procedureasadmin コマンドを使用して融合負荷分散を設定する

1 つの asadmin コマンド、create-converged-lb を使用すると、次のステップを実行できます。

  1. ロードバランサ設定を作成します。

    asadmin create-converged-lb-config コマンドを使用します。

  2. ロードバランサが管理するクラスタまたはスタンドアロンサーバーインスタンスへの参照を追加します。

    asadmin create-converged-lb-ref コマンドを使用します。


    注 –

    クラスタ配備の設定および定義の繰り返し処理を実行するときは、--autocommit を false に設定することをお勧めします。デフォルトで、このオプションは false に設定されています。これは主に中間融合ロードバランサファイルの生成を防止することが目的です。この設定がないと、domain.xml の変更のたびに中間ファイルが生成され、融合ロードバランサ自体の設定の表示に影響を及ぼします。クラスタ配備定義が展開の安定段階に達した時点で、--autocommit を true に設定します。



例 2–1 融合ロードバランサの作成

次の一連の asadmin コマンドでは、クラスタ、ノードエージェント、および自己負荷分散融合ロードバランサを設定します。


asadmin> create-cluster cluster1
    Command create-cluster executed successfully.
asadmin>create-node-agent --user admin --passwordfile pass.txt 
--host host1 nodeagent1
    Command create-node-agent executed successfully.
asadmin>create-node-agent --user admin --passwordfile pass.txt 
--host host1 nodeagent2
    Command create-node-agent executed successfully.
asadmin>create-instance --user admin --passwordfile pass.txt --nodeagent nodeagent1 
--cluster cluster1 cluster1_instance1
   Command create-instance executed successfully.
asadmin> create-instance --user admin --passwordfile pass.txt 
--nodeagent nodeagent2 --cluster cluster1 cluster1_instance2
   Command create-instance executed successfully.
asadmin> create-converged-lb --user admin --passwordfile pass.txt 
--configfile clb.xml --autocommit=true --lbenableallinstances=true 
--target cluster1 clb-1
   Command create-converged-lb executed successfully.
asadmin> start-node-agent nodeagent1
   Command start-node-agent started successfully.
asadmin> start-node-agent nodeagent2
   Command start-node-agent started successfully.
asadmin> start-cluster cluster1
 cluster1_instance1 is running, does not require restart
 cluster1_instance2 is running, does not require restart
 Command start-cluster executed successfully.

ロードバランサを作成したときにクラスタがすでに起動している場合、ロードバランサを起動するには、クラスタを再起動する必要があります。


参照

これらの asadmin コマンドの詳細については、『Sun GlassFish Communications Server 1.5 Reference Manual 』 を参照してください。