Sun GlassFish Communications Server 1.5 高可用性 (HA) 管理ガイド

融合ロードバランサの設定

次の節では、ロードバランサ設定を変更および使用する方法についてさらに詳しく説明します。

管理コンソールでのロードバランサ設定の編集

融合ロードバランサの作成後、次の節の説明に従うと、管理コンソールで融合ロードバランサの設定を編集できます。

設定の編集

管理コンソールでロードバランサを設定するには、左側の区画で「融合ロードバランサ」ノードをクリックし、ノードの下に表示されるリストから目的のロードバランサをクリックします。「設定」タブを開きます。「融合ロードバランサ設定を編集」ページが表示されます。

次の表では、ロードバランサ設定の設定について説明します。

表 2–1 ロードバランサ設定の設定

設定 

説明 

ポリシータイプ 

負荷分散アルゴリズムを、HTTP ポリシーおよび SIP ポリシーまたは DCR ファイルのどちらで決定するか指定します。 

HTTP ポリシー 

HTTP 要求のルーティングに使用されるポリシーを指定します。唯一の許可値は round-robin です。この場合、ロードバランサはクラスタのサーバーインスタンスを指定の順序で循環します。

SIP ポリシー 

SIP 要求のルーティングに使用されるポリシーを指定します。ハッシュキーの取得のためにコンシステントハッシュポリシーを適用するパラメータを指定します。これには、ハッシュ対象のパラメータ名の単一値またはコンマ区切り値を使用できます。複数のパラメータを指定する場合、コンシステントハッシュを適用するためにパラメータの連結値が使用されます。デフォルトは from-tag,call-id です。

DCR ファイルのアップロード 

HTTP および SIP 要求のデータ中心ルールを格納する DCR ファイルを指定します。デフォルトでは、このファイルは指定されていません。このファイルが指定されている場合、デフォルトのパスおよび名前は domain-dir/cluster /config/data-centric-rules.xml です。データ中心ルールファイルを指定する融合ロードバランサ設定がクラスタまたはスタンドアロンサーバーインスタンスをまったく参照しない場合、デフォルトのパスおよび名前は domain-dir/config/ data-centric-rules.xmlです。

このファイルが指定されている場合、このファイルの命令は「HTTP ポリシー」および「SIP ポリシー」設定よりも優先されます。このファイルの詳細については、「データ中心ルールファイル」を参照してください。

HTTP 要求が DCR ファイルルールにまったく一致しない場合、ハッシュキーはリモートホストおよびポートを使用して生成されます。SIP 要求が DCR ファイルルールにまったく一致しない場合、ハッシュキーは from-tag,call-id を使用して生成されます。

プロパティー 

プロパティーの名前および値を設定できます。 

ロードバランサの詳細編集

融合ロードバランサの作成後、融合ロードバランサ設定を変更できます。

管理コンソールでロードバランサの詳細を編集するには、左側の区画で「融合ロードバランサ」ノードをクリックし、ノードの下に表示されるリストから目的のロードバランサをクリックします。「ターゲット」タブを開きます。「Edit Load Balancer Details」を選択します。「Edit Load Balancer Details」ページが表示されます。

次の表では、ロードバランサの詳細設定について説明します。

表 2–2 ロードバランサの設定

設定 

説明 

変更を自動的に適用 

設定変更をターゲットサーバーインスタンスに自動的に適用するかどうかを指定します。  

設定ファイル名 

融合ロードバランサの設定ファイルの名前を指定します。 設定ファイルのデフォルトのパスおよび名前は domain-dir/config /cluster-config です。この場合、cluster-config は、クラスタの設定に固有の設定リポジトリディレクトリです。デフォルトでは、設定ファイルの名前は clb-name_CLB_CONFIG.xml です。

要求プールサイズ 

融合ロードバランサのプロキシによって作成およびプールされた要求オブジェクトの数を指定します。 

再試行の送信 

データ送信に失敗したときにリモートインスタンスに関してプロキシが行う再試行の回数を指定します。 

読み取りタイムアウト 

プロキシがソケットチャンネルでクライアントからのデータを待つ時間 (単位:ミリ秒) を指定します。 

自己負荷分散の編集 (ロードバランサターゲットの詳細)

ロードバランサの作成後、ロードバランサターゲットクラスタを自己負荷分散にするかどうかを変更できます。

管理コンソールでロードバランサターゲットの詳細を編集するには、左側の区画で「融合ロードバランサ」ノードをクリックし、ノードの下に表示されるリストから目的のロードバランサをクリックします。「LB ターゲット」タブを開きます。「LB ターゲットの詳細を編集」を選択します。「LB ターゲットの詳細を編集」ページが表示されます。このページでは、「自己負荷分散」だけが編集可能な設定です。この設定は有効または無効にすることができます。


注 –

自己負荷分散を無効にしたロードバランサは、本稼働環境ではサポートされません。


ロードバランサ設定の編集

ロードバランサの作成後、asadmin set コマンドを使用すると、ロードバランサ設定を編集できます。

融合ロードバランサ設定を編集するには、次のコマンドを使用します。


asadmin set config-name-config.availability-service.converged-load-balancer.setting

次に例を示します。


asadmin set c1-config.availability-service.converged-load-balancer.config-file=myclb.xml

asadmin set c1-config.availability-service.converged-load-balancer.auto-commit=true

asadmin set c1-config.availability-service.converged-load-balancer.converged-lb-config-name=myclb-config

融合ロードバランサプロキシ設定を編集するには、次のコマンドを使用します。


asadmin set config-name-config.availability-service.converged-load-balancer.proxy.setting

次に例を示します。


asadmin set c1-config.availability-service.converged-load-balancer.proxy.request-pool-size=50
asadmin set c1-config.availability-service.converged-load-balancer.proxy.send-retry-count=3
asadmin set c1-config.availability-service.converged-load-balancer.proxy.read-time-out=1500

融合ロードバランサプロキシ設定ポリシーの設定を編集するには、次のコマンドを使用します。


asadmin set domain.converged-lb-config.clb-config.converged-lb-policy.setting

次に例を示します。


asadmin set domain.converged-lb-configs.myclb-config.converged-lb-policy.http=round-robin

asadmin set domain.converged-lb-configs.myclb-config.converged-lb-policy.sip=from-tag,call-id

クラスタの self-loadbalance 設定を編集するには、次のコマンドを使用します。


asadmin set domain.converged-lb-config.clbcfg.converged-lb-cluster-ref.cluster.self-loadbalance=setting

次に例を示します。


asadmin set domain.converged-lb-configs.myclb-config.converged-lb-cluster-ref.clust1.self-loadbalance=true

注 –

自己負荷分散を無効にしたロードバランサは、本稼働環境ではサポートされません。


asadmin set コマンドの詳細については、『Sun GlassFish Communications Server 1.5 Reference Manual』を参照してください。

サーバーインスタンスの負荷分散の有効化または無効化

サーバーインスタンスを停止する前に、要求が別のインスタンスにフェイルオーバーされるように、そのインスタンスの負荷分散を無効にする必要があります。サーバーインスタンスまたはクラスタの負荷分散を無効にするには、asadmin disable-converged-lb-server コマンドを使用します。

次に例を示します。


asadmin disable-converged-lb-server --user admin --passwordfile pass.txt cluster1

asadmin enable-converged-lb-server コマンドを使用すると、サーバーインスタンスまたはクラスタの負荷分散を有効にすることができます。デフォルトでは、新規のインスタンスまたはクラスタを作成したとき、lb-enabled オプションは false に設定されます。ユーザーはインスタンスまたはクラスタの負荷分散を明示的に有効にする必要があります。

次に例を示します。


asadmin enable-converged-lb-server --user admin --passwordfile pass.txt cluster1

asadmin disable-converged-lb-server コマンドおよび asadmin enable-converged-lb-server の詳細については、『Sun GlassFish Communications Server 1.5 Reference Manual』を参照してください。

融合ロードバランサのログメッセージレベルの変更

融合ロードバランサメッセージのデフォルトのログレベルは、INFO に設定されています。この設定を変更するには、asadmin set コマンドを使用して javax.enterprise.system.container.clb プロパティーを変更します。たとえば、次のようにすると、c1-config のログレベルを FINE に変更できます。


asadmin set c1-config.log-service.module-log-levels.property.clb=FINE

asadmin set c1-config.log-service.module-log-levels.property.sip=FINE