ロードバランサは、目標や環境に応じて、以下の節で説明している各種の方法で設定できます。
開発環境または本稼働環境では、1 つのクラスタに含まれるすべてのサーバーインスタンスが、専用の負荷分散インスタンスをまったく使用することなく、要求のリダイレクトおよび処理の両方にかかわるように指定できます。 これは、ターゲットと LB ターゲットが同じクラスタである「自己負荷分散」クラスタです。
フロントエンドハードウェア IP スプレーヤは、クラスタ内のすべてのインスタンスに要求を均等に分散させます。ハードウェア IP スプレーヤを使用しない場合、要求はクラスタ内のどのサーバーインスタンスにも転送できます。そのインスタンスの融合ロードバランサコンポーネントにより、要求は確実にクラスタ全体に分散されます。ただし、そのインスタンスはシングルポイント障害です。ハードウェア IP スプレーヤがあると、高可用性を実現できます。
開発環境では、1 つ以上のスタンドアロンサーバーインスタンスを、クラスタへの要求のリダイレクト、または要求を処理するその他のスタンドアロンインスタンスへの要求のリダイレクトを実行する専用ロードバランサとして指定できます。これらの専用ロードバランサは、ロードバランサの「ターゲット」と呼ばれます。
要求を処理するクラスタまたはインスタンスはロードバランサの「LB ターゲット」と呼ばれます。特定のロードバランサの LB ターゲットにはクラスタまたはスタンドアロンインスタンスを使用できますが、クラスタとインスタンスを混ぜることはできません。
クラスタ化されたサーバーインスタンスを LB ターゲットとして使用 - ロードバランサを配備する最も一般的な方法は、サーバーインスタンスのクラスタを LB ターゲットとして使用する方法です。デフォルトでは、クラスタ内のすべてのインスタンスは同じ設定を持ち、同じアプリケーションが配備されています。ロードバランサは、サーバーインスタンスの間でワークロードを分散させ、正常でないインスタンスから正常なインスタンスへのフェイルオーバーを要求します。複数のクラスタがある場合、要求はクラスタ間で負荷分散されますが、要求のフェイルオーバーは単一クラスタ内のインスタンス間でのみ行われます。
複数のスタンドアロンインスタンスを LB ターゲットとして使用 - 複数のスタンドアロンインスタンスを LB ターゲットとして使用し、これらの LB ターゲット間で要求を負荷分散およびフェイルオーバーするようにロードバランサを設定することもできます。ただし、この設定では、それぞれのスタンドアロンインスタンスに同種の環境が確保され、同じアプリケーションが配備されていることを手動で確認する必要があります。クラスタでは自動的に同種の環境が維持されるため、ほとんどの状況では、クラスタの使用がより適切で、より容易な方法です。
1 つのクラスタ内のすべてのインスタンスは、相互の IP アドレスに対して同様のビューが必要です。たとえば、インスタンス 1 およびインスタンス 2 という 2 つのインスタンスを持つクラスタについて考えてみます。インスタンス 1 がインスタンス 2 の IP アドレスを調べたときに、a.b.c.d を取得したとします。インスタンス 2 が自らの IP アドレスを調べたときにも、a.b.c.d (インスタンス 1 から見た場合と同じ IP アドレス) として認識される必要があります。ユーザーのマシンにあるホストファイルが正しく設定されていることを確認してください。
専用ロードバランサは本稼働環境ではサポートされません。