Solaris 共通デスクトップ環境 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド

アプリケーション検索パス

アプリケーション検索パスは、デスクトップがローカル・システムとネットワーク上のアプリケーション・サーバのアプリケーションを検出するのに使用する一次検索パスです。

アプリケーション検索パスに位置が追加されると、別の検索パス (データベース、アイコン、ヘルプ) は、該当するデータの位置を反映させるために自動的に更新されます。したがって、アプリケーション検索パスによって、アプリケーションとデスクトップ構成ファイルの管理が比較的簡単になります。詳細は、「アプリケーション検索パスがデータベース、アイコン、およびヘルプの検索パスに与える影響」を参照してください。

デフォルトのアプリケーション検索パス

デフォルトのアプリケーション検索パスの位置には、個人用、システム共通、および組み込みがあります。デフォルトの languageC です。

個人用の位置 - HomeDirectory/.dt/appmanager

システム共通の位置 - /etc/dt/appconfig/appmanager/language

組み込みの位置 - /usr/dt/appconfig/appmanager/language

アプリケーション検索パス環境変数

アプリケーション検索パスは、組み込み位置と次の入力変数で構成されます。

DTSPSYSAPPHOSTS - システム共通のアプリケーション検索パス入力変数

DTSPUSERAPPHOSTS - 個人用のアプリケーション検索パス入力変数

構成された検索パスは、DTAPPSEARCHPATH 出力変数によって指定されます。

アプリケーション検索パス入力変数の構文

DTSPSYSAPPHOSTS 変数と DTSPUSERAPPHOSTS 変数の構文は次のとおりです。

VARIABLE=location [,location...]

location が取り得る構文は次のとおりです。

/path - ローカル (セッション・サーバ) システムのディレクトリを指定します。ローカル・ディレクトリを追加するにはこの構文を使用します。

hostname: - システム共通の /etc/dt/appconfig/appmanager/language ディレクトリをシステム hostname に指定します。アプリケーション・サーバを追加するにはこの構文を使用します。

hostname:/path - リモート・システム hostname にディレクトリを指定します。

localhost: - ローカル・システム共通の位置です。このキーワードは、ローカル・システム共通の位置の優先度を変えるのに使用されます。詳細は、「システム共通のローカル位置の優先度の変更」を参照してください。

アプリケーション検索パスの構成方法

アプリケーション検索パスの値 (DTAPPSEARCHPATH) は、次の位置を組み合わせて作成されます。位置は、上から優先度の高い順に並んでいます。

構文 hostname: は、ディレクトリ /etc/dt/appconfig/appmanager をシステム hostname に指定するために展開されます。

システム共通のローカル位置の優先度の変更

デフォルトでは、ローカル・システム共通の位置 (/etc/dt/appconfig/appmanager/language) はリモート位置に優先します。したがって、ローカル・アプリケーション・グループは、同名のリモート・グループに優先します。たとえば、ローカル・システムとリモート・システムの両方に Printer アプリケーション・グループ (/etc/dt/appconfig/appmanager/language/Printers) がある場合は、ローカル・グループを使用します。

アプリケーション検索パス入力変数に、ローカル・システム共通のアプリケーション・グループの優先度を指定するには、次の構文を使用します。

localhost:

たとえば、システムがアプリケーション・サーバ SysASysBSysC にアクセスしなければならず、SysB のシステム共通のアプリケーション・グループを同名の他のローカル・グループよりも優先したいとします。

そのような動作は、DTSPSYSAPPHOSTS の次の値で作成されます。

DTSPSYSAPPHOSTS=SysB:,localhost:,SysA:,SysC:

アプリケーション検索パスがデータベース、アイコン、およびヘルプの検索パスに与える影響

アプリケーション検索パスに追加されると、対応する位置が、データベース検索パス、アイコン検索パス、およびヘルプ検索パスに自動的に追加されます。この機能により、アプリケーション検索パス入力変数を設定するだけで、アプリケーション・サーバを検索パスに追加できます。

たとえば、DTSPSYSAPPHOSTS を次のように設定した場合は、表 9-3 の検索パスが影響を受けます。

export DTSPSYSAPPHOSTS=servera:
表 9-3 影響を受ける検索パス

検索パス 

検索パスに追加されるディレクトリ 

アプリケーション 

servera:/etc/dt/appconfig/appmanager/language

データベース 

servera:/etc/dt/appconfig/types/language

アイコン 

servera:/etc/dt/appconfig/icons/language

ヘルプ 

servera:/etc/dt/appconfig/help/language

同様に、DTSPSYSAPPHOSTS を次のように設定した場合は、表 9-4 の検索パスが影響を受けます。

export DTSPSYSAPPHOSTS=/projects1/apps
表 9-4 影響を受ける検索パス

検索パス 

検索パスに追加されるディレクトリ 

アプリケーション 

/projects1/apps/appmanager/language

データベース 

/projects1/apps/types/language

アイコン 

/projects1/apps/icons/language

ヘルプ 

/projects1/apps/help/language