Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

システムタイプの概要

システムタイプは基本的に、ルート (/) と /usr ファイルシステム (スワップ領域を含む) にアクセスする方法によって決まります。たとえば、スタンドアロンとサーバーシステムでは、これらのファイルシステムをローカルディスクからマウントしていますが、その他のクライアントでは、これらのファイルシステムをリモートからマウントし、サーバーから提供されるサービスに依存しています。表 5-1 に、各システムタイプの相違点を要約します。

表 5-1 システムタイプの概要

システムタイプ 

ローカルファイルシステム 

ローカルスワップ領域 

リモートファイルシステム 

ネットワーク利用度 

相対パフォーマンス 

サーバー 

ルート (/)

/usr

/home

/opt

/export/home

/export/root

あり 

なし 

高 

高 

スタンドアロン 

ルート (/)

/usr

/export/home

あり 

なし 

低 

高 

JavaStationTM

なし 

なし 

/home

低 

高 

サーバー

サーバーシステム上には、次のファイルシステムがあります。

サーバー上には、他のシステムをサポートするために次のソフトウェアも格納できます。

スタンドアロンシステム

「ネットワークに接続されたスタンドアロンシステム」は、ネットワーク上の他のシステムと情報を共有できますが、ネットワークから切り離されても機能できます。

スタンドアロンシステムは、ルート (/)、/usr/export/home の各ファイルシステムとスワップ空間を含むハードディスクを自ら持つため、独立して動作できます。つまり、スタンドアロンシステムは、オペレーティングシステムのソフトウェア、実行可能ファイル、仮想メモリ空間、ユーザーが作成したファイルにローカルにアクセスできます。


注 -

スタンドアロンシステムに必要な 4 つのファイルシステムを保持するには、十分なディスク領域が必要です。


「ネットワークに接続されないスタンドアロンシステム」は、ネットワークに接続されていない点を除き、ネットワークに接続されたスタンドアロンシステムと同じです。

JavaStation クライアント

JavaStation は、システム管理が不要になるように設計されたクライアントです。このクライアントは Java(TM) を最適化します。つまり、JavaStation クライアントはネットワークの利点を活用して、Java アプリケーションとそのサービス、完全に統合されたシステムとネットワーク管理を提供します。JavaStation にはローカルの管理が必要ありません。つまり、ブート、管理、データの格納は、サーバーが処理します。