Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

IA: ディスクスライス

IA システム上では、ディスクは fdisk パーティションに分割されます。fdisk パーティションは、Solaris など、特定のオペレーティングシステムで使用するように確保されたディスクの一部です。

表 28-3 のように、Solaris は Solaris fdisk パーティション上に、0 から 9 までの番号が付いた 10 のスライスを配置します。

表 28-3 IA: ディスクスライス

スライス 

ファイルシステム 

通常クライアントまたはサーバーのどちらにあるか 

用途 

ルート 

両方 

オペレーティングシステムを構成するファイルとディレクトリを含む。 

スワップ 

両方 

仮想メモリー、つまり「スワップ空間」を提供する。スワップ空間は、実行中のプログラムが大きすぎてコンピュータのメモリーに入りきらないときに使用される。その場合、Solaris 環境では、プログラムがメモリーからディスクに「スワップ」され、必要に応じて戻される。 

両方 

慣例的に、このスライスは Solaris fdisk パーティション全体を表す。このスライスは、Sun の format ユーティリティと Solaris インストールプログラムによって自動的に定義される。このスライスのサイズは変更しないこと。

/export

サーバーのみ 

オペレーティングシステムの代替バージョンを含む。これらの代替バージョンは、サーバーとはアーキテクチャが異なるクライアントシステムに必要である。 

/export/swap

サーバーのみ 

クライアントシステムに仮想メモリーを提供する。 

/opt

両方 

システムに追加されるアプリケーションソフトウェアを含む。インストール時に、このファイルシステムにスライスが割り当てられていなければ、スライス 0 に/opt ディレクトリが入る。

/usr

両方 

ユーザーが実行するオペレーティングシステムコマンド (「実行可能」コマンドとも呼ぶ) を含む。また、このスライスには、マニュアル、システムプログラム (initsyslogd など)、ライブラリルーチンも含まれる。

/home または /export/home

両方 

ユーザーによって作成されるファイルを含む。 

両方 

Solaris がハードディスクからブートするために必要な情報を含む。スライス番号は 8 であるが、この情報は、Solaris パーティションの先頭にあり、ブートスライスと呼ばれる。 

両方 

代替ディスクブロック用に予約された領域であり、代替セクタースライスと呼ばれる。