cs00 ユーザーズガイド

cm のカスタマイズ

cm を使用するための設定

cm かな漢字サーバーインタフェースモジュールを使用するには、次の作業が必要です。

  1. まず cs00setup(1) を実行してください。

  2. $HOME/.dtprofile を編集します。

    次の記述を変更します。

    変更前 :

    #
    ###==- Generated by cs00setup to launch XIM for Japanese. == BEGIN 
    == -==##
    # Launch X Input Method Server in this area.
    # You can modify contents of this area. But if you execute
    # setup command of XIMS, this area will be overwritten.
    # Please DO NOT delete the line includes "== BEGIN ==" or "== END 
    ==" in
    # this area.
    # Launch the X Input Method Server.
    if [ "_$DTSTARTIMS" = "_True" ]; then
        _sunximswm="dtwm"
        _file=/usr/openwin/lib/locale/$LANG/imsscript/S599cs00
        if [ -f $_file ]; then
            . $_file
        fi
        unset _sunximswm _file
    fi
    ###==- Generated by cs00setup to launch XIM for Japanese. == END 
    == -==### 

    変更後 :

    #
    ###==- Generated by cs00setup to launch XIM for Japanese. == BEGIN 
    == -==##
    # Launch X Input Method Server in this area.
    # You can modify contents of this area. But if you execute
    # setup command of XIMS, this area will be overwritten.
    # Please DO NOT delete the line includes "== BEGIN ==" or "== END 
    ==" in
    # this area.
    # Launch the X Input Method Server.
    if [ "_$DTSTARTIMS" = "_True" ]; then
        LC_ALL=ja ¥
            XFILESEARCHPATH=/usr/openwin/lib/locale/ja/%T/%N%S ¥
            /usr/openwin/bin/htt -if cm -nosm -lc_basiclocale ja &
        unset DTSTARTIMS
    fi
    ###==- Generated by cs00setup to launch XIM for Japanese. == END 
    == -==###

  3. $HOME/.openwin-init を編集します。

変更前 :

...toolwait /usr/openwin/bin/htt -if xci -lc_basiclocale ja

変更後 :

...toolwait /usr/openwin/bin/htt -if cm -lc_basiclocale ja

設定した内容は、次にログインした時から有効になります。


注 -

wnn6setup(1)atok8setup(1)cs00setup(1) を実行したり、ワークスペースメニューから日本語入力システムを切り替えたりすると、これらの設定は無効になります。


cm かな漢字変換サーバーインタフェースモジュールを使用している場合、カスタマイズできるファイルは、変換サーバーとの接続方法やデータ入力キーの機能の割り当てなどに関連する 4 つのファイルです。以下にその 4 つのファイルのカスタマイズ方法を説明します。


注 -

cm かな漢字変換サーバーインタフェースモジュールは、SPARC のみ利用できます。



注 -

libmle と cs00 を用いた日本語入力では、libmle を使う 1 プロセスについて利用できる変換セッションの数は最大 512 個となります。したがって、cm かな漢字変換サーバーインタフェースモジュールを使用すると、変換セッション数は最大 512 個となります。ただし、メモリー不足などの原因により 512 個利用できない場合があります。


変換サーバーとの接続方法やデータ入力キーの機能の割り当てなど、カスタマイズできるファイルは、次の 4 つです。

cstab を除く 3 つのファイルは、/etc/mle/locale/cs00 にデフォルトのデータがあります。また、cstab は、/etc/mle/locale にあります。


注 -

locale には、ロケール名が入ります。cs00 の場合、ja または japanese が有効です。


カスタマイズを行う場合、一般的なカスタマイズとシステムごとのカスタマイズの 2 通りがあります。

一般的なカスタマイズ方法は以下のとおりです。

  1. 各自のホームディレクトリの下に.mle/locale/cs00 というディレクトリを作成します。このディレクトリは、cs00setup(1) を実行すると自動的に作成されます。

    sun% cd
    sun% mkdir -p .mle/locale/cs00
    

  2. 修正したいファイルをコピーします。

    sun% cp /etc/mle/locale/cs00/filename ‾/.mle/locale/cs00/filename
    

    cstab の場合は、以下のようになります。

    sun% cp /etc/mle/locale/cstab ‾/.mle/locale/cstab
    

  3. コピーされたファイルを編集します。

    また、上記 1.〜3. の手順の代わりに以下のコマンドを実行することにより、環境変数 MLEPATH を使用して設定する方法もあります。

    sun% setenv MLEPATH dir
    

    dir をカスタマイズしたいファイルがあるディレクトリ名 (フルパス名) で置き換えてください。

    システムごとにカスタマイズする場合は、/etc/mle/locale/cs00/filename または、/etc/mle/locale/cstab を直接修正してください。


    注 -

    /etc/mle/locale にあるファイルはオリジナルです。修正前にコピーをするなどして取り扱いには十分に気をつけてください。また、このディレクトリにあるファイルを修正すると、システムを使用しているユーザー全員に影響します。個人で使用する場合は、$MLEPATH/locale または $HOME/.mle/locale を使用してください。


検索順序

カスタマイズに使用されるファイルは、次の順で検索され、先に見つかったファイルが有効となります。

  1. $MLEPATH/locale/

  2. $HOME/.mle/locale/

  3. /etc/mle/locale

カスタマイズの例

keybind ファイルのカスタマイズ

ファンクションキーのキー割り当てをカスタマイズする方法について説明します。

キー割り当てのデフォルトのファイルは、/etc/mle/locale/cs00/keybind です。

keybind ファイルの代表的なファンクションキーについて、キー割り当てを変更する例を示します。


例 7-2 keybind ファイルの内容 (抜粋)

#
# Copyright (c) 1991 by Sun Microsystems, Inc. 
#
#
   : 
   : 
#
^b     I       { C : FOCUS_PREV}                       # ctrl-b      
^f     I       { C : FOCUS_NEXT}                       # ctrl-f      
^h     I       { E: ERASE_LCHAR}                       # ctrl-h      
^i     I       { C: FOCUS_LONG}                        # ctrl-i      
^k     I       { E,C: KAKUTEI};¥                       # ctrl-k      
       *       { I,C: SELECT_DONE}                         
^n     I       { E: CNV_HENKAN ;¥                      # ctrl-n      
                  C: CNV_NEXT};¥                   
       S       { I,C: SELECT_NEXT}                                   
^p     I       { E,C: CNV_PREV};¥                      # ctrl-p      
       S       { I,C: SELECT_PREV}                                   
^u     I       { C: FOCUS_SHORT}                       # ctrl-u      


keybind ファイルには、「入力キー」と「そのキーに割り当てられた機能」 (以下「機能」とします) が書かれています。上記の例では、行頭の ^b が入力キーを、それ以降の記述が設定される「機能」を示します。

ある機能がユーザーにとって好ましくない場合、入力キーを差し替えることによって、キー割り当てをカスタマイズすることができます。たとえば、^K の確定操作を ^N の操作と入れ替えて操作をしたいとします。その場合、入力キーの ^K と ^N を入れ替えてください。この作業は、vi などのテキストエディタで容易に変更できます。

カスタマイズ作業を行う場合は、ファイルを /etc/mle/locale/cs00/keybind から $HOME/.mle/locale/cs00/keybind にコピーして、そこで編集します。

また、環境変数 MLEPATH を設定している場合は、/etc/mle/locale/cs00/keybind から $MLEPATH/locale/cs00/keybind にコピーして、そこで編集することもできます。


注意 - 注意 -

/etc/mle/locale/keybind を変更するとシステムのユーザー全員に影響するため注意が必要です。


修正した keybind の内容は、次に開始される入力セッションから反映されます。

mle コマンドを使用して上記のカスタマイズ作業を行う場合は、keybind ファイル内の後半にある ¥x で始まる行を修正してください。

¥x08      I      { E     : ERASE_LCHAR }         # ctrl-h
¥x0b      I      { E,C   : KAKUTEI       } ; ¥   # ctrl-k
          *      { I,C   : SELECT_DONE   } 

変換サーバーの初期設定

変換サーバーの初期設定は config ファイルをカスタマイズすることにより行われます。config ファイルをカスタマイズする方法について説明します。config で設定可能な設定項目は変換サーバーによって異なります。

config ファイルのデフォルトのファイルは、/etc/mle/locale/cs00/config です。

初期設定の記述方法は以下のとおりです。


	
NAME = value

NAME は設定項目名で、value は設定値となります。以下に設定項目名と設定値の例を示します。ここでは cs00 を例とします (設定項目名は変換サーバーによって異なります)。

設定項目名 

設定値 

1 : かな漢入力 

3 : コード入力 

0 : 学習 off 

1 : 学習 on 

VIM 

1: 全角ひらがなモード [ひら] 

2: 全角カタカナモード [カタ] 

3: 半角カタカナモード [カタ] 

4: 全角英数モード [A] 

5: 半角英数モード [A] 

以下の内容は、config ファイルで設定項目名の S を「学習 off」に設定した場合の例です。

#
#       Default Data for Convert Engine
#
S = 0