Solstice DiskSuite 4.2.1 ユーザーズガイド

ミラーとサブミラーの状態 (コマンド行)

ミラー上で metastat(1M) を実行すると、各サブミラーの状態、パス番号、読み取りオプション、書き込みオプション、ミラー内の総ブロック数サイズが表示されます。ミラーのパス番号、読み取りオプション、書き込みオプションを変更するには、「ミラーのオプションの変更方法 (コマンド行)」を参照してください。

metastat から出力されたミラーの例を次に示します。


# metastat
d0: Mirror
    Submirror 0: d1
      State: Okay        
    Submirror 1: d2
      State: Okay        
    Pass: 1
    Read option: roundrobin (default)
    Write option: parallel (default)
    Size: 5600 blocks
 
d1: Submirror of d0
    State: Okay        
    Size: 5600 blocks
    Stripe 0:
        Device              Start Block  Dbase State        Hot Spare
        c0t2d0s7                   0     No    Okay        
 
...

ミラー内の各サブミラーに対して、metastat は、その状態、呼び出し (Invoke) 行 (エラーがある場合)、割り当てられたホットスペア集合 (もしあれば)、ブロック単位のサイズ、サブミラー内の各スライスについての情報を表示します。

サブミラーの状態を表 3-8 に示します。

表 3-8 サブミラーの状態 (コマンド行)

状態 

意味 

Okay 

サブミラーにはエラーがなく、正しく機能しています。 

Resyncing 

サブミラーは、アクティブに再同期されています。エラーが発生して訂正されました。サブミラーがちょうどオンラインに復帰したか、または新しいサブミラーが追加されました。 

Needs Maintenance 

サブミラー内のスライスに、入出力エラーまたはオープンエラーが発生しました。サブミラー内のこのスライスに対するすべての読み書きは中止されました。 

さらに、サブミラー内のストライプごとに、metastat は、ストライプ内のスライスのデバイス名 (Device)、スライスが始まる開始ブロック (Start Block)、スライスに状態データベースの複製が含まれるかどうか (Dbase)、スライスの状態 (Status)、障害の発生したスライスのホットスペアに使用されるスライスを示すホットスペア (Hot Spare) を表示します。

ミラーのエラーを解決する場合、おそらくこのスライス状態は最も重要な情報となります。サブミラー状態は、「Okay (正常)」や「Needs Maintenance (要保守)」などの一般的な状態情報を提供するだけです。サブミラーが「Needs Maintenance」状態を通知した場合、スライス状態を参照してください。スライスが「Maintenance (保守状態)」または「Last Erred (最後にエラーが発生した状態)」にある場合、別の障害回復アクションを実行することになります。「Maintenance」のスライスだけが存在する場合、これらのスライスは任意の順序で修復できます。「Maintenance」のスライスと「Last Erred」スライスが存在する場合、最初に「Maintenance」のスライスを修復してから、「Last Erred」スライスを修復しなければなりません。詳細は、「ミラーと RAID5 メタデバイスにおけるスライスの交換と有効化の概要」を参照してください。

サブミラーのスライス状態と実行可能な操作を表 3-9 に示します。

表 3-9 サブミラーのスライス状態 (コマンド行)

状態 

意味 

操作 

Okay 

スライスにはエラーがなく、正常に機能しています。 

ありません。 

Resyncing 

サブミラーの再同期処理が活発に行われています。エラーの発見、訂正処理を行なっていたり、サブミラーがオンライン状態に復帰した直後、または新たにサブミラーが追加された状態です。 

必要ならば、再同期が終了するまで、サブミラーの状態を監視します。 

Maintenance 

スライスに入出力エラーまたはオープンエラーが発生しました。このスライスとの読み書きはすべて中止されました。 

エラーの発生したスライスを有効にするか交換します。「サブミラー内のスライスを有効にする方法 (コマンド行)」、または 「サブミラー内のスライスを交換する方法 (コマンド行)」を参照してください。

注 : metastat(1M) コマンドでは、 metareplace(1M) コマンドで実行すべき適切な操作と一緒に、invoke 障害回復メッセージを表示します。 metareplace -e コマンドも使用できます。

Last Erred 

スライスに入出力エラーまたはオープンエラーが発生しました。しかし、他のスライスにも障害が発生しているため、データは他の場所に複写されません。スライス上では、まだ入出力が実行中です。この入出力がエラーになると、ミラー入出力は異常終了します。 

最初に、「保守状態」のスライスを有効にするか交換します。「サブミラー内のスライスを有効にする方法 (コマンド行)」、または 「サブミラー内のスライスを交換する方法 (コマンド行)」を参照してください。通常、このエラーによって一部のデータが失われるため、修復してからミラーの妥当性をチェックします。ファイルシステムの場合、fsck(1M) コマンドを使用して「メタデータ」の妥当性をチェックしてから、ユーザーデータをチェックします。アプリケーションやデータベースには、メタデータの妥当性をチェックするための独自の方法が必要です。