特記事項: SunFDDI アダプタ

第 2 章 SunFDDI ネットワークユーティリティーの使用

この章では、SunFDDI のネットワークユーティリティーについて説明します。一部の例では pf または nf のいずれか一方のみが示されていますが、特に明記されていない限り、すべての説明は、SunFDDI PCI アダプタ (pf) と SunFDDI SBus アダプタ (nf) の両方に適用されます。

この章では、SunFDDI ソフトウェアが、オペレーティングシステムのデフォルトのベースディレクトリ (<basedir> と示します) にインストールされていると仮定して説明をしています。

デフォルトのベースディレクトリ <basedir> は、以下のとおりです。


/opt/SUNWconn/bin

デフォルトの MAC アドレスの変更

FDDI ネットワークへの接続は、それぞれ一意の 48 ビットの MAC アドレスによって識別されます。最初の SunFDDI カードには、デフォルトで、ホスト常駐の MAC アドレスが使用されます。この MAC アドレスは、マシンのマザーボード上の非揮発性記憶域 (NVRAM) に格納されています。後続の SunFDDI カードには、各 IDPROM に格納されている、カード常駐の MAC アドレスが使用されます。

一般に、この規約によって、マシンに取り付ける SunFDDI カードに一意の MAC アドレスが割り当てられることが保証されます。ただし、Ethernet (le) インタフェースや SunFDDI 2.0 (bf) インタフェースなど、ホスト常駐の MAC アドレスを使用する他の LAN インタフェースと重複する可能性があります。この場合は、システムに最初に取り付けた SunFDDI カードに割り当てられた、デフォルトの MAC アドレスを変更します。

pf_macid または nf_macid を使用してデフォルトの MAC アドレスを変更する

pf_macid(1M) ユーティリティーまたは nf_macid(1M) ユーティリティーを使用して、カード常駐の MAC アドレスを変更してからシステムファイルを変更し、デフォルトの MAC アドレスを無効にします。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. pf_macid(1M) ユーティリティーまたは nf_macid(1M) ユーティリティーを使用して、インスタンス番号 <inst> で識別される SunFDDI インタフェースの IDPROM から MAC アドレスを復元します。


    # <basedir>/nf_macid nf<inst><MACアドレス>
    

  3. マシンの起動ファイルを変更し、システムの再起動時に MAC アドレスが正しく割り当てられるようにします。

    1. /etc/rcS.d/S30rootusr.sh ファイルを編集し、インタフェース nf<inst> を初期化する ifconfig コマンドの直後に以下のような if 文を追加します。

      if 複数のインタフェースの MAC アドレスを変更する場合は、インタフェースごとに if 文を追加します。


      ifconfig $1 plumb
       if [ $1 = "nf<inst>" ]; then
          ifconfig nf<inst> ether <MACアドレス>
       fi
      

      ほとんどのシステムでは、/etc/rcS.d/S30rootusr.sh ファイルは、 /etc/rootusr ファイルへのハードリンクです。

  4. マシンを再起動し、SunFDDI インタフェースに新しい MAC アドレスを割り当てます。

SunFDDI カードにホスト常駐の MAC アドレスが使用されているときは、既存のネットワークに影響を与えずに、カードを別のシステムに付け換えることができます。ただし、ネットワークへのパケット送信が開始された場合は、アドレス解決プロトコル (ARP) によって、他のステーションの ARP テーブルが更新され、そのインタフェースの MAC アドレスが追加されます。FDDI で動作中の OSI に対しては、ES-IS プロトコルによって、同じ機能が実行されます。カード常駐の MAC アドレスを使用する SunFDDI カードを交換した場合は、ARP のエントリの時間切れが発生するか、動作中のすべてのステーションから ARP のエントリを手動で削除するまで、パケットは正しく配信されません。

SunFDDI の統計情報の表示

pf_stat(1M) ユーティリティーや nf_stat ユーティリティーを使用すると、指定された SunFDDI インタフェースの蓄積されている統計情報が表示されます。これらのコマンドは、スーパーユーザーで実行する必要があります。一般的な形式は以下のとおりです。


# <basedir>/pf_stat [-m] pf<inst> [<interval>] [<count>] 

pf<inst> は、SunFDDI インタフェースを指定します。

<interval> は、問い合わせ間隔です (秒単位)。

<count> は、合計問い合わせ回数です。

pf_stat ユーティリティーでは、SMT (ステーション管理) バージョン 7.3 に準拠した列見出しを使用して情報が表示されます。見出しは、以下の点が SMT バージョン 5.1 および 4.2 の見出しと異なります。

ローカルインタフェースの統計情報の表示

-m オプションを指定せずに pf_stat コマンドを入力すると、ローカルインタフェース pf<inst> から取得された統計情報が表示されます。

たとえば、インタフェース pf0 の蓄積された統計情報を表示するには、以下のように入力します。


# <basedir>/pf_stat pf0
Ring ECM RMT PCMS Ring_OP XmitP RecvP
UP IN RING_OP ACTIVE c 16fde 1862d

interval (問い合わせ間隔) と count (合計問い合わせ回数) を指定することによって、インタフェースを動的に監視することができます (アクティブモニター)。この方法では、現在の状態と前回の状態の差分が表示されます。最短間隔は 1 秒で、蓄積された統計情報は、問い合わせ 10 回ごとに表示されます。

たとえば、インタフェース pf0 を 60 秒ごとに 3 分間監視するには (合計 3 回の問い合わせ)、以下のように入力します。


# <basedir>/pf_stat pf0 60 3
Ring ECM RMT PCMS Ring_OP XmitP RecvP
UP  IN  RING_OP ACTIVE c 131a0 131aa
UP  IN  RING_OP ACTIVE 0 0 0
UP  IN  RING_OP ACTIVE 0 1 1

ローカルインタフェースの統計情報の解釈

-m オプションを指定せずに pf_stat ユーティリティーを実行すると、さまざまな SMT 状態のマシンや、ローカルステーションが接続されているネットワークに関する情報が表示されます。

Ring (リング状態)

リング状態 (Ring Status) は、FDDI ネットワークへの物理接続の現在の状態を示します。pf_stat では、Ring 見出しの下に以下のいずれかの状態が返されます。

ECM (エンティティー調整管理)

ECM (Entity Coordination Management) は、エンティティー調整管理状態のマシンの現在の状態を示します。エンティティー調整管理状態のマシンでは、以下の機能や設備が制御されます。

表 2–1 に、pf_stat によって ECM 見出しの下に返される状態を示します。

表 2-1 ECM 見出しの下の pf_stat の状態

状態 

意味 

OUT

ECM は動作中ではなく、接続要求を待っています (初期状態)。 

IN

ECM は動作中です (正常な接続要求後の通常の状態)。 

TRACE

ECM は適切なエンティティーにトレース要求を伝達中です。 

LEAVE

ECM はステーションがリングから切り離される前に接続をすべて終了中です。 

PATH_TEST

ECM はトレースが完了し、パステスト状態に移行中です。 

INSERT

ECM は、ステーションがリングに追加されることを示す要求を光バイパススイッチに送信中です。この処理によってスイッチが解放されます。 

CHECK

ECM は、ネットワークからシンボルが受信されていることを検証中です。 

DEINSERT

ECM は、ステーションがリングから切り離されることを示す要求を、光バイパススイッチに送信中です。この処理によってスイッチが始動されます。 

RMT (リング管理)

RMT (Ring Management) は、リング管理状態のマシンの現在の状態を示します。リング管理状態のマシンでは、以下の機能が制御されます。

表 2–2 に、pf_stat によって RMT 見出しの下に返される状態を示します。

表 2-2 RMT 見出しの下の pf_stat の状態

状態 

意味 

ISOLATED

RMT は動作していません (初期状態)。 

NON_OP

RMT は動作可能なリングを待っています。 

RING_OP

RMT は正常に動作しています。 

DETECT

RMT は重複するアドレスを確認中です (初期化中の一時的な状態)。 

NON_OP_DUP

RMT はアドレスの重複を検出し、回復を開始しています。この状態ではリングは動作不能です。 

RING_OP_DUP

RMT は、MAC アドレスの重複を検出し、エラーのフラグを設定しました。この状態ではリングは動作可能です。 

DIRECTED

RMT は、ビーコンの時間が超過し、回復を開始する前にダイレクトビーコンのストリームを転送中です。 

TRACE

RMT は、スタックビーコンの回復のためにトレースを開始しました。 

PCM (物理接続管理)

PCM (Phisycal Connection Management) は、物理接続管理状態のマシンの現在の状態を示します。物理接続管理状態のマシンでは、以下の機能が制御されます。

この見出しは、管理されているポートの種類に応じて、以下のように変更されます。

表 2–3 に、pf_stat によって PCM 見出しの下に返される状態を示します。

表 2-3 PCM 見出しの下の pf_stat の状態

状態 

意味 

OFF

PCM は動作中ではありません (初期状態)。 

BREAK

PCM は接続同期化フェーズを開始しています。 

CONNECT

PCM は、接続の終端を同期中です。 

NEXT

PCM は、SIGNAL 状態に移行する前に PDU を転送中です。

SIGNAL

PCM は、NEXT 状態の後、信号ビット (情報) を転送および受信中です。

JOIN

同期接続シーケンスの最初の状態です。 

VERIFY

同期接続シーケンスの 2 番目の状態です。 

ACTIVE

ポートがトークンパスに正常に組み込まれたことを示す最後の状態です。 

TRACE

PCM は、TRACE 状態を実行中です。

接続の完全な同期化と、ポートのトークンパスへの組み込みまでの PCM の各状態の通常の流れを、図 2–1 に示します。問い合わせの最短間隔は 1 秒です。1 秒は、PCM 状態の完全なシーケンスの取得と表示には長すぎる場合があります。

図 2-1 PCM 状態の通常の流れ

Graphic

Ring_OP (Ring Operational)

Ring_OP は、受信された Ring_OP (リング動作可能) 信号の数を示します。この信号は、ステーションが動作可能なネットワークに組み込まれたときに生成されます。

XmitP (転送パケット)

interval および count を指定せずに pf_stat を実行した場合は、インタフェースが有効になってから転送された合計パケット数が表示されます。interval および count を指定して pf_stat を実行した場合は、最後の問い合わせ以降に転送されたパケット数が表示されます。

RecvP (受信パケット)

interval および count を指定せずに pf_stat を実行した場合は、インタフェースが有効になってから受信された合計パケット数が表示されます。interval および count を指定して pf_stat を実行した場合は、最後の問い合わせ以降に受信されたパケット数が表示されます。

ローカルインタフェースの統計情報の例

以下の出力は、以下のコマンドを使用して、シングルアタッチのステーションから取得したものです。FDDI ケーブルを SunFDDI カードから切り離し、再接続することによって疑似的な障害状態が一時的に生成されています。


# <basedir>/pf_stat pf0 1 20
Ring ECM RMT PCMS Ring_OP XmitP RecvP
UP IN RING_OP ACTIVE 2 26 1d
UP IN RING_OP ACTIVE 0 0 0
UP IN RING_OP ACTIVE 0 0 0
UP IN RING_OP ACTIVE 0 0 0
DOWN IN ISOLATED CONNECT 0 1 1
DOWN IN ISOLATED CONNECT 0 0 0
DOWN IN ISOLATED NEXT 0 0 0
UP IN RING_OP ACTIVE 1 0 0
UP IN RING_OP ACTIVE 0 1 1

Ring ECM RMT PCMS Ring_OP XmitP RecvP
UP IN RING_OP ACTIVE 3 29 20
UP IN RING_OP ACTIVE 0 0 0
UP IN RING_OP ACTIVE 0 1 1
UP IN RING_OP ACTIVE 0 0 0
UP IN RING_OP ACTIVE 0 0 0
UP IN RING_OP ACTIVE 0 0 0
UP IN RING_OP ACTIVE 0 0 0
UP IN RING_OP ACTIVE 0 0 0
UP IN RING_OP ACTIVE 0 0 0
UP IN RING_OP ACTIVE 0 1 1

この例では、以下の事項を示しています。

SunFDDI カードにあるリンク状態指示子は、以下のイベントシーケンスを示します。

(接続されている) -> オレンジ色 (切り離されている) -> (接続されている)

隣接するステーションの統計情報の表示

-m オプションを指定して pf_stat コマンドまたは nf_stat コマンドを使用すると、ローカルインタフェース pf<inst> に接続された隣接するステーションと、ネットワークから受信されたフレームに関する情報が表示されます。

たとえば、インタフェース pf0 に接続された隣接するステーションに関する情報を表示するには、以下のように入力します。


# <basedir>/pf_stat -m pf0
PhyS Frame Error Lost SA UNA DNA
M b43eb2 0 3 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>

interval (秒単位の問い合わせ間隔) と count (合計問い合わせ回数) を指定することによって、隣接するステーションを動的に監視することができます (アクティブモニター)。最短間隔は 1 秒で、蓄積された統計情報は、問い合わせ 10 回ごとに表示されます。

たとえば、pf0 に接続された隣接するステーションを 10 秒ごとに 1 分間監視する場合は (合計 6 回の問い合わせ)、以下のように入力します。


# <basedir>/pf_stat -m pf0 10 6
PhyS Frame Error Lost SA UNA DNA
M c460a6d 0 3 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
M 27224 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
M 27227 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
M 27220 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
M 2722e 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
M 27223 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>

隣接するステーションの統計情報の解釈

-m オプションを指定して pf_stat ユーティリティーを実行すると、ローカルインタフェース pf<inst> に接続されたステーションに関する情報が表示されます。

Phy (物理接続)

Phy は、FDDI ネットワークへの物理接続のタイプを示します。この見出しは、管理されているポートの種類に応じて、以下のように変更されます。

pf_stat では、Phy 見出しの下に以下のいずれかの状態が返されます。

表 2-4 PHY 見出しの下の pf_stat の状態

状態 

意味 

NONE

ポートは切り離されています。 

M

ポートは端末集配信装置 (コンセントレータ) のポート M に接続されています。 

S

ポートは、シングルアタッチステーションのポート S に接続されています。 

A

ポートは、デュアルアタッチステーションのポート A に接続されています。 

B

ポートは、デュアルアタッチステーションのポート B に接続されています。 

Frame (受信フレーム)

interval および count を指定せずに pf_statnf_stat を実行した場合は、インタフェースが有効になってから受信された合計 SMT フレーム数が表示されます。interval および count を指定して pf_statnf_stat を実行した場合は、最後の問い合わせ以降に受信された SMT フレーム数が表示されます。

SMT フレームに関するより詳細な情報は、pf_smtmon(1M) ユーティリティーまたは nf_smtmon(1M) ユーティリティーを使用して取得することができます。これらのユーティリティーについては、SMT フレームの監視を参照してください。

Error (エラーフレーム)

interval および count を指定せずに pf_statnf_stat を実行した場合は、インタフェースが有効になってから受信された合計エラーフレーム数が表示されます。interval および count を指定して pf_statnf_stat を実行した場合は、最後の問い合わせ以降に受信されたエラーフレーム数が表示されます。エラーフレームは、E (エラー) ビットが設定され、その E ビットがローカルステーションで初めて検出された SMT フレームです。このフレームは、エラーの原因の場所は示しません。エラーフレームが頻繁に発生する場合は、汚れ (光ファイバ) や電気的な干渉 (UTP) など、ネットワーク上にノイズの問題がある可能性があります。

Lost (消失フレーム)

interval および count を指定せずに pf_stat または nf_stat を実行した場合は、インタフェースが有効になってから受信された合計消失フレーム数が表示されます。interval および count を指定して pf_stat または nf_stat を実行した場合は、最後の問い合わせ以降に受信された消失フレーム数が表示されます。消失フレームは、ローカルステーションで受信が異常終了した SMT フレームです。このフレームは、エラーの原因の場所は示しません。消失フレームが多い場合は、汚れ (光ファイバ) や電気的な干渉 (UTP) など、ネットワーク上にノイズの問題がある可能性があります。

SA (ステーションアドレス)

ローカルステーションの MAC アドレスが表示されます。

UNA (上位隣接アドレス)

リングで、ローカルステーションから上位に接続された、隣接するステーションの MAC アドレスが表示されます。

DNA (下位隣接アドレス)

リングで、ローカルステーションから下位に接続された、隣接するステーションの MAC アドレスが表示されます。

隣接するステーションの統計情報の例

以下の出力は、以下のコマンドを使用して、シングルアタッチのステーションから取得したものです。FDDI ケーブルを SunFDDI カードから切り離し、再接続することによって疑似的な障害状態が一時的に生成されています。


# <basedir>/pf_stat -m pf0 1 20
PhyS Frame Error Lost SA UNA DNA
 M c45d5463 1 1b <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 27437 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 27427 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 27435 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 NONE 182f1 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 NONE 0 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 NONE 0 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M d432 0 7 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 2707e 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>

PhyS Frame Error Lost SA UNA DNA
 M c46e5ce7 1 22 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 27228 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 27230 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 27227 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 2722e 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 2722c 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 27228 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 27231 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 2722b 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>
 M 27227 0 0 <MACアドレス1> <MACアドレス2> <MACアドレス3>

この例では、以下の事項を示しています。

SMT フレームの監視

pf_smtmon(1M) ユーティリティーまたは nf_smtmon(1M) ユーティリティーは、ローカルステーションで受信された SMT フレームが表示されるアクティブモニターです。これらのユーティリティーは、SunNet Manager のプロキシエージェントと共に利用することにより、通信問題の診断に特に役立ちます。

これらのコマンドは、スーパーユーザーで実行する必要があります。一般的な形式は以下のとおりです。


# <basedir><inst>] [-x] [-h] [<frameclass>] /pf_smtmon [-i pf

-i pf<inst> は、SunFDDI インタフェースを指定します。

-x は、受信された SMT フレームが 16 進数で表示されます。

-h は、有効なフレームクラスの一覧を含むヘルプ情報が表示されます。

<frameclass> は、1 つまたは複数の SMT フレームクラスを指定します (出力のフィルタリングに使用)。

インタフェースを指定しなかった場合は、pf_smtmon(1M) または nf_smtmon(1M) によって、pf0 で受信された SMT フレームが返されます。フレームタイプを指定しなかった場合は、pf_smtmon によって、受信されたすべての SMT フレームが表示されます。pf_smtmon(1M) または nf_smtmon(1M) を終了するには、Ctrl-C を使用します。

インタフェース pf1 で受信された、符号化された SMT フレームを表示するには、以下のように入力します。


# <basedir>/pf_smtmon -i pf1
pf1: nif_request v=0x1 t=0xfc03e781 s=10-0-4-48-6f-a5 i=0x28
pf1: nif_response v=0x1 t=0xfc03e781 s=10-0-4-8-24-5c i=0x28
pf1: nif_request v=0x1 t=0xfc00dec6 s=10-0-4-b8-6e-ab i=0x28
pf1: nif_request v=0x1 t=0xfc03e787 s=10-0-4-48-6f-a5 i=0x28
pf1: nif_response v=0x1 t=0xfc03e787 s=10-0-4-8-24-5c i=0x28

SMT フレームの要素は以下のように定義されます。

表 2-5 SMT フレームの要素

要素 

定義 

class_type

SMT フレームのクラスとタイプを示します (SMT フレームのクラスとタイプを参照してください)。

v

バージョン ID。SMT 情報フィールドの構造を示します。 

t

トランザクション ID。SMT 応答フレームと要求フレームの組み合わせに使用されます。 

s

ステーション ID。フレームの転送元のステーションを一意に識別します。 

i

情報フィールド長。SMT 情報フィールドの長さを定義します。 

  1. インタフェース pf1 で受信された SMT フレームを 16 進数で表示する場合は、以下のように入力します。


    # <basedir>/pf_smtmon -i pf1 -x
    pf1: nif_request v=0x1 t=0x170 s=10-0-4-8-24-5c i=0x28
    004DC000 0000004F FFFFFFFF FFFF1000 0408245C 01020001 00000170 00001000 
    0408245C 00000028 00010008 00001000 04B86EAB 00020004 00010100 00030004 
    00002100 200B0008 00000001 00000001 76C467A0 
    
    pf1: nif_request v=0x1 t=0x5e0f s=10-0-d4-78-42-4d i=0x28
    004D0000 0000004F FFFFFFFF FFFF1000 D478424D 01020001 00005E0F 00001000 
    D478424D 00000028 00010008 00001000 0408245C 00020004 01010208 00030004 
    00001200 200B0008 0000000B 00000002 A522BBA1 
    
    pf1: nif_response v=0x1 t=0xfc00d94a s=10-0-4-8-24-5c i=0x28
    004D0000 00000041 100004B8 6EAB1000 0408245C 01030001 FC00D94A 00001000 
    0408245C 00000028 00010008 00001000 04B86EAB 00020004 00010100 00030004 
    00002100 200B0008 00000001 00000001 865549E2 0049C020 F0154E4F FFFFFFFF 
    FFFF1000 04B86EAB 01020001 FC00D94A 00001000 04B86EAB 00000028 00010008 
    00001000 D478424D 00020004 00010100 00030004 00002000 200B0008 00000001 
    00000001 
    
    pf1: nif_request v=0x1 t=0x5e13 s=10-0-d4-78-42-4d i=0x28
    004D0000 0000004F FFFFFFFF FFFF1000 D478424D 01020001 00005E13 00001000 
    D478424D 00000028 00010008 00001000 0408245C 00020004 01010208 00030004 
    00001200 200B0008 0000000B 00000002 4AD75A79 
    
    pf1: nif_request v=0x1 t=0x5e17 s=10-0-d4-78-42-4d i=0x28
    004D0000 0000004F FFFFFFFF FFFF1000 D478424D 01020001 00005E17 00001000 
    D478424D 00000028 00010008 00001000 0408245C 00020004 01010208 00030004 
    00001200 200B0008 0000000B 00000002 DCEBADA2 
    
    pf1: nif_request v=0x1 t=0x171 s=10-0-4-8-24-5c i=0x28
    004DC000 0000004F FFFFFFFF FFFF1000 0408245C 01020001 00000171 00001000 
    0408245C 00000028 00010008 00001000 04B86EAB 00020004 00010100 00030004 
    00002100 200B0008 00000001 00000001 127B1D3B 
    
    pf1: nif_request v=0x1 t=0x5e1b s=10-0-d4-78-42-4d i=0x28
    004D0000 0000004F FFFFFFFF FFFF1000 D478424D 01020001 00005E1B 00001000 
    D478424D 00000028 00010008 00001000 0408245C 00020004 01010208 00030004 
    00001200 200B0008 0000000B 00000002 626FA878 

SMT フレームのクラスとタイプ

SMT フレームは、ピアツーピア (ステーション間) 管理に使用されます。SMT フレームは、フレームの機能を定義するクラスに分類されます。各クラスは、フレームが通知 (情報のみ) であるか、サービスの要求であるか、要求への応答であるかを定義する 3 つのタイプに分類されます。SMT フレームとその機能についての詳細は、『ANSI/FDDI Station Management (SMT) X3.299 R7.3 Specification』を参照してください。

pf_smtmon(1M) ユーティリティーまたは nf_smtmon(1M) ユーティリティーを使用して、以下の SMT フレームクラスを監視します。

NIF (隣接局情報フレーム)

pf_smtmon(1M) または nf_smtmon(1M) を実行したときに表示される最も一般的なフレームです。隣接するステーションに関する情報 (アドレス、説明、状態、MAC 機能など) が送信され、ステーションがリングに接続されて機能していることを示すキープアライブ (keep-alive) 通知として使用されます。NIF フレームは、通知、要求、応答のいずれかです。

SIF (局情報フレーム)

これらのフレームでは、ステーションに関するより詳細な情報が送信されます。SIF 構成フレームは、ステーションの構成 (ポート数、MAC エンティティ数、接続方針など) を示します。SIF 操作フレームは、ステーションの現在の状態を示します。SIF フレームは要求または応答のいずれかです。

ECF (エコーフレーム)

これらのフレームは、ICMP の ping パケットと同等で、ステーション間の接続のテストに使用されます。ECF フレームは要求または応答のいずれかです。

RDF (資源否定フレーム)

これらのフレームは、要求が拒否されたことを示します。SMT エージェント (SunFDDI に付属する SunNet Manager プロキシエージェントなど) で、サポートされていない、または認識できない要求が受信された場合は、要求が拒否されたことを示す RDF フレームが発行されます。RDF フレームは常に応答です。

ESF (拡張サービスフレーム)

これらのフレームは実装に依存します。ESF フレームは、通知、要求、応答のいずれかです。

PMF (パラメタ管理フレーム)

これらのフレームは、遠隔ステーションの属性のアクセスに使用されます。パラメタ管理プロトコルでは、get (表示) 機能および set (変更) 機能の両方がサポートされています。ただし、pf_smtmon(1M) ユーティリティーや nf_smtmon(1M) ユーティリティーでは、PMF_get フレームだけが表示されます。PMF_get フレームは、要求または応答のいずれかです。

pf_smtmon の出力のフィルタリング

pf_smtmon(1M) または nf_smtmon(1M) では、デフォルトで、ローカルステーションで受信された SMT フレームがすべて表示されます。コマンド行で、nifsif_configsif_operatecfrdfesfpmf_get の中から 1 つまたは複数のフレームクラスを指定することによって、pf_smtmon(1M) または nf_smtmon(1M) によって生成された出力のフィルタリングを行うことができます。

以下に例を示します。