begin および finish スクリプトには、いくつかの便利な環境変数を使用できます。たとえば、begin スクリプトは、ディスクサイズ (SI_DISKSIZES) を抽出して、実際のディスクサイズに基づいてシステムに特定のパッケージをインストールするか、またはインストールしないでおくことができます。
システムについて収集された情報は、これらの環境変数に格納されます。これらの変数は、通常、rules ファイルに使用するルールキーワードと値によって設定するかどうかが決まります。
たとえば、システムにすでにインストールされているオペレーティングシステムについての情報は、installed キーワードを使用した後でのみ (SI_INSTALLED で) 入手できます。
表 19-1 は、これらの変数とその値を説明しています。
表 19-1 インストール環境変数
環境変数 |
説明 |
---|---|
CHECK_INPUT |
JumpStart ディレクトリ内の rules ファイルへのパス。ファイルは /tmp/install_config/rules にマウントされます。 |
HOME |
インストール時のスーパーユーザーのホームディレクトリ (/tmp/root) |
PATH |
インストール時のシェル検索パス (/sbin:/usr/sbin/install.d:/usr/openwin/bin:/usr/sbin:/usr/bin) |
SI_ARCH |
インストールクライアントのハードウェアアーキテクチャー。この変数は、rules ファイルで arch キーワードを使用する場合に設定します。 |
SI_BEGIN |
begin スクリプトを使用している場合は、その名前 |
SI_CLASS |
インストールクライアントをインストールするために使用されるプロファイルの名前 |
SI_CONFIG_DIR |
JumpStart ディレクトリへのパス。ディレクトリは /tmp/instal_config にマウントされます。 |
SI_CONFIG_FILE |
JumpStart ディレクトリ内の rules ファイルへのパス。ファイルは /tmp/install_config/rules にマウントされます。 |
SI_CONFIG_PROG |
rules ファイル |
SI_CUSTOM_PROBES_FILE |
custom_probes.ok ファイル。ここには、独自のルールキーワードやプローブキーワードを定義できます。custom_probes.ok ファイルを作成すれば、これを使ってデフォルトのルールキーワードのリストを拡張することができます。デフォルトのルールキーワードについては表 18-3 を、デフォルトのプローブキーワードについては表 20-1 をそれぞれ参照してください。 |
SI_DISKLIST |
コンマで区切られた、インストールクライアント上のディスク名のリスト。この変数は、rules ファイルで disksize キーワードを使用して照合する場合に設定します。SI_DISKLIST および SI_NUMDISKS 変数は、rootdisk (「システムのルートディスクを決定する方法」を参照) に使用する物理ディスクを判断するために使用します。 |
SI_DISKSIZES |
コンマで区切られた、インストールクライアント上のディスクサイズのリスト。この変数は、rules ファイルで disksize キーワードを使用して照合する場合に設定します。 |
SI_DOMAINNAME |
ドメイン名。この変数は、rules ファイルで dommainname キーワードを使用して照合する場合に設定します。 |
SI_FINISH |
finish スクリプトを使用する場合は、その名前 |
SI_HOSTADDRESS |
インストールクライアントの IP アドレス |
SI_HOSTID |
インストールクライアントの Ethernet アドレス |
SI_HOSTNAME |
インストールクライアントのホスト名。この変数は、rules ファイルで hostname キーワードを使用して照合する場合に設定します。 |
SI_INSTALLED |
特定のオペレーティングシステムが入っているディスクのデバイス名 (Solaris、SunOS、または System V)。この変数は、rules ファイルで installed キーワードを使用して照合する場合に設定します。SI_INST_OS と SI_INST_VER は、SI_INSTALLED の値を決定するために使用します。 |
SI_INST_OS |
オペレーティングシステムの名前。SI_INST_OS と SI_INST_VER は、SI_INSTALLED の値を決定するために使用します。 |
SI_INST_VER |
オペレーティングシステムのバージョン。SI_INST_OS と SI_INST_VER は、SI_INSTALLED の値を決定するために使用します。 |
SI_KARCH |
インストールクライアントのカーネルアーキテクチャー。この変数は、rules ファイルで karch キーワードを使用して照合する場合に設定します。 |
SI_MEMSIZE |
インストールクライアントの物理メモリーの量。この変数は、rules ファイルで memsize キーワードを使用して照合する場合に設定します。 |
SI_MODEL |
インストールクライアントのモデル名。この変数は、rules ファイルで model キーワードを使用して照合する場合に設定します。 |
SI_NETWORK |
インストールクライアントのネットワーク番号。この変数は、rules ファイルで network キーワードを使用して照合する場合に設定します。 |
SI_NUMDISKS |
インストールクライアントのディスク数。この変数は、rules ファイルで disksize キーワードを使用して照合する場合に設定します。SI_NUMDISKS および SI_DISKLIST 変数は、rootdisk に使用する物理ディスクを決定するために使用します (「システムのルートディスクを決定する方法」)。 |
SI_OSNAME |
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージのオペレーティングシステムのリリース。この変数は、たとえば、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) のオペレーティングシステムのバージョンに基づいてシステムに Solaris をインストールする場合に使用できます。 |
SI_PROFILE |
マウントされた JumStart ディレクトリ内のプロファイルへのパス。このパスは /tmp/install_config/profile_name です。派生プロファイルを作成する場合は、SI_PROFILE に /tmp/install.input ファイルが設定されます。 |
SI_ROOTDISK |
論理名 rootdisk によって表されるディスクのデバイス名。この変数は、rules ファイルで disksize または installed キーワードを rootdisk に設定した場合に設定します。 |
SI_ROOTDISKSIZE |
論理名 rootdisk によって表されるディスクのサイズ。この変数は、rules ファイルで disksize または installed キーワードを rootdisk に設定した場合に設定します。 |
SI_SYS_STATE |
/a/etc/.sysIDtool.state ファイル。finish スクリプトにこのファイルを指定すれば、システムのリブート時に sysidroot プログラムからスーパーユーザーのパスワードを入力するように求めるプロンプトを表示しないようにすることができます。 |
SI_TOTALDISK |
インストールクライアント上のディスク容量の合計。この変数は、rules ファイルで totaldisk キーワードを使用して照合する場合に設定します。 |
SHELL |
インストール時のデフォルトシェル (/sbin/sh) |
TERM |
インストールクライアントの端末タイプ |
TZ |
NIS または NIS+ ネームサービスに指定されているデフォルトの時間帯 |