Solaris 8 のインストール (上級編)

第 24 章 カスタム JumpStart オプション機能の使用

この章では、カスタム JumpStart インストールのオプション機能について説明します。


注 –

この章の手順は、カスタム JumpStart ファイルの提供に使用される SPARC サーバーと IA サーバーの両方 (「プロファイルサーバー」と呼ばれる) に利用できます。プロファイルサーバーは、異なるプラットフォームタイプのシステムにカスタム JumpStart ファイルを提供できます。たとえば、SPARC サーバーは、SPARC システムと IA システムの両方に、カスタム JumpStart ファイルを提供できます。


begin スクリプトの作成

「begin スクリプト」とは、ユーザーが定義する Bourne シェルスクリプトで、rules ファイル内で指定し、Solaris ソフトウェアがシステムにインストールされる前に作業を実行します。begin スクリプトは、カスタム JumpStart インストールで Solaris をインストールするときのみ使用できます。

begin スクリプトは、次のような場合に使用してください。

begin スクリプトに関する注意事項

begin スクリプトによる動的プロファイルの作成

「動的プロファイル」とは、カスタム JumpStart インストール時に begin スクリプトが動的に作成するプロファイルです。動的プロファイルは、特定のシステムを 1 つのプロファイルに対応させる rules ファイルを設定できない場合に必要となります。たとえば、異なるハードウェア構成要素を持つ同一システムモデル (異なるフレームバッファを持つシステムなど) に対しては動的プロファイルを使用しなければならない場合があります。

動的プロファイルを使用するルールの設定手順は次のとおりです。

システムが、プロファイルフィールドに等号 (=) があるルールと一致すると、begin スクリプトは、システムに Solaris ソフトウェアをインストールするのに使用する動的プロファイルを作成します。

次に、毎回同じ動的プロファイルを作成する begin スクリプトの例を示します。もちろん、ルールの評価に応じて異なる動的プロファイルを生成する begin スクリプトも作成できます。


例 24–1 動的プロファイルを作成する begin スクリプト

#!/bin/sh
echo "install_type        initial_install"> ${SI_PROFILE}
echo "system_type         standalone">> ${SI_PROFILE}
echo "partitioning        default">> ${SI_PROFILE}
echo "cluster             SUNWCprog">> ${SI_PROFILE}
echo "package       SUNWman     delete">> ${SI_PROFILE}
echo "package       SUNWolman   delete">> ${SI_PROFILE}
echo "package       SUNWxwman   delete">> ${SI_PROFILE}

上記のように begin スクリプトは、デフォルトで /tmp/install.input に設定されている動的プロファイル名に SI_PROFILE 環境変数を使用する必要があります。この動的プロファイルは、デフォルトでは /tmp/install.input に設定されます。



注 –

begin スクリプトを動的プロファイルの作成に使用する場合は、スクリプトにエラーがないことを確認してください。動的プロファイルは、begin スクリプトが実行されてから作成されます。このため、check スクリプトで動的プロファイルの妥当性は検査されません。


finish スクリプトの作成

「finish スクリプト」とは、ユーザーが定義する Bourne シェルスクリプトで、rules ファイル内で指定し、Solaris ソフトウェアがシステムにインストールされた後、システムがリブートする前に作業を実行します。finish スクリプトは、カスタム JumpStart インストールで Solaris をインストールするときのみ使用できます。

finish スクリプトは、次のような作業に利用できます。

finish スクリプトに関する注意事項

finish スクリプトでファイルを追加する方法

finish スクリプトにより、JumpStart ディレクトリにあるファイルをインストールされたシステムへ追加できます。これは、SI_CONFIG_DIR 変数で指定されるディレクトリ (デフォルトは /tmp/install_config) に JumpStart ディレクトリがマウントされるためです。


注 –

インストールされたシステムにすでに存在するファイルに、JumpStart ディレクトリからファイルをコピーして、ファイルを置換することもできます。


  1. インストールされたシステムに追加するすべてのファイルを JumpStart ディレクトリにコピーします。

  2. 新しくインストールされたファイルシステムの階層にコピーしたいファイルの finish スクリプトごとに次の行を挿入します。

    cp ${SI_CONFIG_DIR}/file_name /a/path_name
    

たとえば、自分のサイトのすべてのユーザーを対象に開発された特別なアプリケーション site_prog があると仮定します。site_prog のコピーを JumpStart ディレクトリに置いた場合、finish スクリプト内の次の行は JumpStart ディレクトリからシステムの /usr/bin ディレクトリに site_prog をコピーします。

cp ${SI_CONFIG_DIR}/site_prog  /a/usr/bin

finish スクリプトによるパッケージとパッチの追加

finish スクリプトを作成すると、Solaris ソフトウェアをシステムにインストールした後に、パッケージやパッチを自動的に追加できます。finish スクリプトを使用してパッケージを追加すると時間を節約できるだけでなく、サイトのさまざまなシステムにパッケージおよびパッチをインストールする上での整合性を維持できます。

pkgadd(1M) コマンドや patchadd(1M) コマンドを finish スクリプトで使用するときは、-R オプションを使用して、/a をルートパスとして指定する必要があります。

例 24–2 はパッケージを追加する finish スクリプトの例を示します。


例 24–2 finish スクリプトでパッケージを追加する

  #!/bin/sh
 
  BASE=/a
  MNT=/a/mnt
  ADMIN_FILE=/a/tmp/admin
 
  mkdir ${MNT}
  mount -f nfs sherlock:/export/package ${MNT}1
  cat>${ADMIN_FILE} <<DONT_ASK2
  mail=root
  instance=overwrite
  partial=nocheck
  runlevel=nocheck
  idepend=nocheck
  rdepend=nocheck
  space=ask
  setuid=nocheck
  conflict=nocheck
  action=nocheck
  basedir=default
  DONT_ASK
 
  /usr/sbin/pkgadd -a ${ADMIN_FILE} -d ${MNT} -R ${BASE} SUNWxyz3 
  umount ${MNT}
  rmdir ${MNT}
  1. インストールするパッケージを含むサーバー上にディレクトリをマウントします。

  2. 一時的なパッケージ管理ファイル admin を作成し、パッケージのインストール時に pkgadd(1M) コマンドがチェックも質問の表示も行わないようにします。この一時的なパッケージ管理ファイルは、パッケージの追加時に自動インストールを実施するために使用してください。

  3. -a オプション (パッケージ管理ファイルを指定) と -R オプション (ルートパスを指定) を使用してパッケージを追加します。



注 –

以前は finish スクリプト環境では、pkgadd コマンドや patchadd コマンドとともに chroot(1M) コマンドが使用されていました。しかし、一部のパッケージやパッチには -R オプションが正しく動作しないものがあります。このような状況では、chroot コマンドを実行する前に /a ルートパスにダミーの /etc/mnttab ファイルを作成する必要があります。

/etc/mnttab ダミーファイルを作成するには、次の行を finish スクリプトに追加します。

cp /etc/mnttab /a/etc/mnttab

finish スクリプトによるルート環境のカスタマイズ

finish スクリプトを使って、システムにインストールされたファイルをカスタマイズできます。たとえば、例 24–3 の finish スクリプトは、ルートディレクトリ内の .cshrc ファイルに情報を追加することによって、ルート環境をカスタマイズします。


例 24–3 finish スクリプトによるルート環境のカスタマイズ

#!/bin/sh
#
# Customize root's environment
#
echo "***adding customizations in /.cshrc"
test -f a/.cshrc || {
cat>> a/.cshrc <<EOF
set history=100 savehist=200 filec ignoreeof prompt="\$user@`uname -n`> "
alias cp cp -i
alias mv mv -i
alias rm rm -i
alias ls ls -FC
alias h history
alias c clear
unset autologout
EOF
}

finish スクリプトによるシステムのルートパスワードの設定

Solaris ソフトウェアがシステムにインストールされると、そのシステムはリブートします。ブートプロセス終了前に、システムはルートパスワードを入力するように求めてきます。パスワードを入力するまで、システムはブート処理を終了できません。

set_root_pw という finish スクリプトは、auto_install_sample ディレクトリに保存されます。この finish スクリプトは、プロンプトを表示することなく root パスワードを自動的に設定する方法を示します。例 24–4set_root_pw を示します。


例 24–4 finish スクリプトによるシステムのルートパスワードの設定

	 #!/bin/sh
	 #
	 #       @(#)set_root_pw 1.4 93/12/23 SMI
	 #
	 # This is an example Bourne shell script to be run after installation.
	 # It sets the system's root password to the entry defined in PASSWD.
	 # The encrypted password is obtained from an existing root password entry
	 # in /etc/shadow from an installed machine.
 
	 echo "setting password for root"
 
	 # set the root password
 PASSWD=dKO5IBkSF42lw
	 #create a temporary input file1
 cp /a/etc/shadow /a/etc/shadow.orig2
 
	 mv /a/etc/shadow /a/etc/shadow.orig
 	nawk -F: '{
         if ( $1 == "root" )3
           printf"%s:%s:%s:%s:%s:%s:%s:%s:%s\n",$1,passwd,$3,$4,$5,$6,$7,$8,$9
      else
		        printf"%s:%s:%s:%s:%s:%s:%s:%s:%s\n",$1,$2,$3,$4,$5,$6,$7,$8,$9
      }' passwd="$PASSWD" /a/etc/shadow.orig> /a/etc/shadow
 #remove the temporary file
 rm -f /a/etc/shadow.orig4
 # set the flag so sysidroot won't prompt for the root password
 sed -e 's/0 # root/1 # root/' ${SI_SYS_STATE}> /tmp/state.$$5
  mv /tmp/state.$$ ${SI_SYS_STATE}
  1. PASSWD 変数に、システムの /etc/shadow ファイルの既存のエントリから取得した暗号化されたルートパスワードを設定します。

  2. /a/etc/shadow の一時入力ファイルを作成します。

  3. $PASSWD をパスワードフィールドとして使用して、新しくインストールしたシステム用の /etc/shadow ファイルにあるルートエントリを変更します。

  4. 一時的な /a/etc/shadow ファイルを削除します。

  5. 状態ファイルのエントリを 0 から 1 へ変更します。これによりユーザーはルートパスワードの入力を求められません。この状態ファイルには、SI_SYS_STATE 変数 (現在の値は /a/etc/.sysIDtool.state) を使用してアクセスします。この値の変更によってスクリプトで問題が発生することを防ぐには、必ず $SI_SYS_STATE を使用してこのファイルを参照してください。ここに示されている sed コマンドでは、01 の後にタブ文字が入っています。



注 –

finish スクリプトを使用してシステムのルートパスワードを設定した場合は、finish スクリプト内の暗号化されたパスワードからルートパスワードを解読されないように対策を講じてください。


finish スクリプトを使用して Web Start インストールプログラムでソフトウェアをインストールする

finish スクリプトを使用すると、Solaris オペレーティング環境のインストールに続いてさらにソフトウェアをインストールできます。一部のソフトウェアプログラムは、インストール時に情報入力を求めるプロンプトを表示する Solaris Web Start プログラムでインストールできます。自動インストールを行うには、-nodisplay または -noconsole オプションを指定して Solaris Web Start プログラムを実行します。

表 24–1 Solaris Web Start オプション

オプション 

説明 

-nodisplay

GUI を使用せずにインストーラを実行します。-locales オプションによってインストールが変更された場合を除き、デフォルトの製品インストールを使用してください。

-noconsole

対話形式のテキストコンソールデバイスを介さずにインストールを実行します。UNIX スクリプトで -nodisplay と共に使用すると便利です。

圧縮された構成ファイルの作成

add_install_client コマンドを使用してカスタム JumpStart 構成ファイルの場所を指定する代わりに、システムのブート時に構成ファイルの場所を指定することができます。ただし、boot コマンドに指定できるファイル名は 1 つだけです。したがって、すべてのカスタム JumpStart 構成ファイルを 1 つのファイルに圧縮する必要があります。圧縮された構成ファイルの形式は、次のいずれかにしてください。

圧縮された構成ファイルを作成する方法

  1. プロファイルサーバー上の JumpStart ディレクトリに移動します。


    # cd jumpstart_dir_path
    
  2. 圧縮ツールを使って、すべてのカスタム JumpStart 構成ファイルを 1 つのファイルに圧縮します。


    注 –

    圧縮構成ファイルに相対パスを含めないでください。カスタム JumpStart 構成ファイルは、圧縮されたファイルと同じディレクトリに置かれている必要があります。


    圧縮された構成ファイルには、次のファイルを含まれている必要があります。

    • プロファイル

    • rules

    • rules.ok

    圧縮された構成ファイルに、さらに sysidcfg ファイルを入れることもできます。

  3. 圧縮された構成ファイルを NFS サーバー、HTTP サーバー、またはローカルハードディスク上に保存します。

圧縮された構成ファイルの例

次の例は、tar コマンドを使って、圧縮された構成ファイルを config.tar という名前で作成します。カスタム JumpStart 構成ファイルはすべて /jumpstart ディレクトリにあります。


例 24–5 圧縮された構成ファイルの作成


# cd /jumpstart
# tar -cvf config.tar *
a profile 1K
a rules 1K
a rules.ok 1K
a sysidcfg 1K

ディスク構成ファイルの作成

この節では、単一ディスク構成ファイルまたは複数ディスク構成ファイルを作成する方法について説明します。 ディスク構成ファイルを作成すると、単一のシステムから pfinstall(1M) を使用して、異なるディスク構成に対してプロファイルをテストできます。

SPARC: ディスク構成ファイルを作成する方法

  1. テストするディスクを持つ SPARC システムを決定します。

  2. スーパーユーザーになります。

  3. 単一ディスク構成ファイルを作成するには、prtvtoc(1M) コマンドの出力をファイルに保存します。


    # prtvtoc /dev/rdsk/device_name>disk_config_file
    

    /dev/rdsk/device_name

    システムのディスクのデバイス名。device_name は、cwtxdys2 または cxdys2 の形式にしてください。

    disk_config_file

    ディスク構成ファイルの名前 

  4. 複数のディスクに Solaris ソフトウェアをインストールするテストを

    • 実行しない場合は、作業はここで終了です。

    • 実行する場合は、各ディスク構成ファイルを結合し、その出力を新しいファイルに保存します。


      # cat disk_file1 disk_file2>multi_disk_config
      

      新しいファイルは、次の例に示すように複数ディスク構成ファイルになります。


      # cat 104_disk2 104_disk3 104_disk5>multi_disk_test
      
  5. 前の手順で作成した複数のディスク構成ファイルにおいて、ディスクデバイス名のターゲット番号がそれぞれ

    • 固有である場合は、ここで作業は終了です。

    • 固有でない場合は、テキストエディタでファイルを開き、ターゲット番号を固有のものにします。

      たとえば、次に示すように、異なるディスクデバイス名について同じターゲット番号 (t0) がファイルに含まれているとします。

      * /dev/rdsk/c0t0d0s2 partition map
      ...
      * /dev/rdsk/c0t0d0s2 partition map

      この場合は次のように、2 番目のターゲット番号を t2 に設定します。

      * /dev/rdsk/c0t0d0s2 partition map
      ...
      * /dev/rdsk/c0t2d0s2 partition map

SPARC: ディスク構成ファイルの例

次の例では、104M バイトのディスクを持つ SPARC システムで、単一ディスク構成ファイル 04_test を作成します。


例 24–6 SPARC: ディスク構成ファイルの作成

prtvtoc コマンドの出力を 104_test という単一ディスク構成ファイルに保存します。


# prtvtoc /dev/rdsk/c0t3d0s2>104_test

104_test ファイルは、次のようになります。

* /dev/rdsk/c0t3d0s2 partition map
*
* Dimensions:
*     512 bytes/sector
*      72 sectors/track
*      14 tracks/cylinder
*    1008 sectors/cylinder
*    2038 cylinders*    2036 accessible cylinders
* Flags:
*   1: unmountable
*  10: read-only
*
*                          First     Sector    Last
* Partition  Tag  Flags    Sector     Count    Sector  Mount Directory
       1      2    00          0     164304   164303   /
       2      5    00          0    2052288  2052287  
       3      0    00     164304     823536   987839   /disk2/b298
       5      0    00     987840     614880  1602719   /install/298/sparc/work
       7      0    00    1602720     449568  2052287   /space

これで SPARC システム用のディスク構成ファイルの作成が終了しました。ディスク構成ファイルを使用してプロファイルをテストする詳細は、プロファイルのテストを参照してください。


x86: ディスク構成ファイルを作成する方法

  1. テストするディスクを持つ IA システムを決定します。

  2. スーパーユーザーになります。

  3. 単一ディスク構成ファイルを作成するには、fdisk(1M) コマンドの出力をファイルに保存します。


    # fdisk -R -W disk_config_file-h /dev/rdsk/device_name
    

    disk_config_file

    ディスク構成ファイルの名前 

    /dev/rdsk/device_name

    ディスク全体の fdisk レイアウトのデバイス名。device_namecwtxdyp0 または cxdyp0 の形式にしてください。

  4. prtvtoc(1M) コマンドの出力をディスク構成ファイルに追加します。


    # prtvtoc /dev/rdsk/device_name >>disk_config
    

    /dev/rdsk/device_name

    システムのディスクのデバイス名。device_name は、 cwtxdy s2 または cxd ys2 の形式にしてください。

    disk_config

    ディスク構成ファイルの名前 

  5. 複数のディスクに Solaris ソフトウェアをインストールするテストを

    • 実行しない場合は、ここで終了です。

    • 実行する場合は、各ディスク構成ファイルを結合し、その出力を新しいファイルに保存します。


      # cat disk_file1 disk_file2>multi_disk_config
      

      新しいファイルは、次に示すように複数ディスク構成ファイルになります。


      # cat 104_disk2 104_disk3 104_disk5>multi_disk_test
      
  6. 前の手順で作成した複数のディスク構成ファイルにおいて、ディスクデバイス名のターゲット番号がそれぞれ

    • 固有である場合は、ここで作業は終了です。

    • 固有でない場合は、テキストエディタでファイルを開き、ターゲット番号を固有のものにします。

      たとえば、次に示すように、異なるディスクデバイス名について同じターゲット番号 (t0) がファイルに含まれているとします。

      * /dev/rdsk/c0t0d0s2 partition map
      ...
      * /dev/rdsk/c0t0d0s2 partition map

      この場合は次のように、2 番目のターゲット番号を t2 に設定します。

      * /dev/rdsk/c0t0d0s2 partition map
      ...
      * /dev/rdsk/c0t2d0s2 partition map

x86: ディスク構成ファイルの例

次の例では、500M バイトのディスクを持つ IA システムで、単一ディスク構成ファイル 500_test を作成します。


例 24–7 x86: ディスク構成ファイルの作成

最初に、fdisk コマンドの出力を 500_test という名前のファイルに保存します。


# fdisk -R -W 500_test -h /dev/rdsk/c0t0d0p0

この 500_test ファイルの内容は次のとおりです。

 * /dev/rdsk/c0t0d0p0 default fdisk table
* Dimensions:
*     512 bytes/sector
*      94 sectors/track
*      15 tracks/cylinder
*    1455 cylinders
*
*  HBA Dimensions:
*     512 bytes/sector
*      94 sectors/track
*      15 tracks/cylinder
*    1455 cylinders
*
* systid:
*  1:    DOSOS12
*  2:    PCIXOS
*  4:    DOSOS16
*  5:    EXTDOS
*  6:    DOSBIG
*  86:   DOSDATA
*  98:   OTHEROS
*  99:   UNIXOS
* 130:   SUNIXOS
*
* Id  Act Bhead Bsect   Bcyl  Ehead  Esect  Ecyl Rsect  Numsect
 130  128 44    3       0     46    30     1001 1410   2050140

次に、prtvtoc コマンドの出力を 500_test ファイルに追加します。


# prtvtoc /dev/rdsk/c0t0d0s2>>500_test

これで 500_test ファイルは、完全なディスク構成ファイルになりました。

* /dev/rdsk/c0t0d0p0 default fdisk table	
* Dimensions:
*     512 bytes/sector
*      94 sectors/track
*      15 tracks/cylinder
*    1455 cylinders
*
*  HBA Dimensions:
*     512 bytes/sector
*      94 sectors/track
*      15 tracks/cylinder
*    1455 cylinders
*
* systid:
*  1:    DOSOS12
*  2:    PCIXOS
*  4:    DOSOS16
*  5:    EXTDOS
*  6:    DOSBIG
*  86:   DOSDATA
*  98:   OTHEROS
*  99:   UNIXOS
*  130:  SUNIXOS
*
* Id  Act Bhead Bsect Bcyl  Ehead  Esec  Ecyl Rsect  Numsect
 130  128 44    3     0     46    30    1001 1410   2050140
* /dev/rdsk/c0t0d0s2 partition map
*
* Dimensions:
*      512 bytes/sector
*       94 sectors/track
*       15 tracks/cylinder
*     1110 sectors/cylinder
*     1454 cylinders
*     1452 accessible cylinders
*
* Flags:
*   1: unmountable
*  10: read-only
*                          First    Sector    Last
* Partition  Tag  Flags    Sector     Count    Sector  Mount Directory
       2      5    01       1410   2045910   2047319
       7      6    00       4230   2043090   2047319  /space
       8      1    01          0      1410     1409
       9      9    01       1410      2820     422987

これで IA システム用のディスク構成ファイルの作成が終了しました。ディスク構成ファイルを使用してプロファイルをテストする詳細は、プロファイルのテストを参照してください。


サイト固有のインストールプログラムの使用

begin スクリプトと finish スクリプトを使用すると、独自のインストールプログラムにより Solaris ソフトウェアをインストールできます。

プロファイルフィールドにマイナス記号 (-) が指定されているときには、begin スクリプトと finish スクリプトが、プロファイルや Solaris 8 対話式インストールプログラムの代わりに、システムのインストール方法を制御します。

たとえば次のルールに一致した場合は、begin スクリプト x_install.beg と finish スクリプト x_install.fin が、clover という名前のシステムに Solaris ソフトウェアをインストールします。

hostname clover x_install.beg - x_install.fin