Solaris 8 のインストール (上級編)

第 23 章 カスタム JumpStart インストールの準備

この章では、カスタム JumpStart インストールを使用して、各サイトのシステムに Solaris 8 ソフトウェアをインストールするために必要な準備の手順について説明します。

作業マップ: カスタム JumpStart インストールの準備

表 23–1 作業マップ: カスタム JumpStart インストールの準備

作業 

説明 

参照先 

旧バージョンの Solaris ソフトウェアがシステム上にインストールされている場合は、システムをアップグレードする方法を決定する 

システムに以前の Solaris リリースがインストールされている場合は、システムをどのようにアップグレードするかを決める必要があります。システムアップグレードの前と後に実施すべき作業を明確にしておいてください。計画を立てることによって、プロファイル、begin スクリプト、finish スクリプトなどの作成が容易になります。 

第 8 章「Solaris オペレーティング環境のアップグレード」

JumpStart ディレクトリを作成する 

 

サーバーの場合

ネットワーク接続されたシステムに対してカスタマイズ JumpStart インストールを実行する場合は、プロファイルサーバーを作成する必要があります。プロファイルサーバーには、カスタム JumpStart ファイル用の JumpStart ディレクトリが入っています。 

ネットワーク上のシステム用のプロファイルサーバーの作成

フロッピーディスクの場合

ネットワークに接続されていないシステムに対して JumpStart インストールを実行する場合は、プロファイルフロッピーディスクを作成する必要があります。プロファイルフロッピーディスクには、カスタム JumpStart ファイルが入っています。 

スタンドアロンシステム用のプロファイルフロッピーディスクの作成

ルールを rules ファイルに追加する

各システムグループまたは単一のシステムをどのようにインストールするか決定した後で、インストールする各グループに対してルールを作成します。各ルールは、1 つ以上のシステム属性にもとづいてグループを識別し、それぞれのグループを 1 つのプロファイルにリンクします。 

rules ファイルの作成

ルールごとにプロファイルを作成する 

プロファイルは、どのように Solaris ソフトウェアをシステムにインストールするか (たとえば、どのソフトウェアグループをインストールするか) を定義するテキストファイルです。すべてのルールはプロファイルを指定して、ルールが一致したときにシステムがどのようにインストールされるかを定義します。通常は、ルールごとに異なるプロファイルを作成しますが、複数のルールで同じプロファイルを使用することも可能です。 

プロファイルの作成

(省略可能) プロファイルをテストする 

プロファイルの作成後、pfinstall(1M) コマンドを使用すれば、プロファイルを使用してシステムをインストールまたはアップグレードする前に、プロファイルをテストできます。

プロファイルのテスト

rules ファイルの妥当性を検査する

 

rules.ok ファイルは、rules ファイルから生成されたファイルで、JumpStart プログラムがプロファイルを使用してインストールするシステムを一致させるために使用されます。rules ファイルの妥当性を検査するには、check スクリプトを使用する必要があります。

rules ファイルの妥当性を検査する

ネットワーク上のシステム用のプロファイルサーバーの作成

ネットワーク上のシステム用にカスタム JumpStart インストールを設定する際は、サーバー上に JumpStart ディレクトリと呼ばれるディレクトリを作成する必要があります。JumpStart ディレクトリには、重要なカスタム JumpStart ファイル (rules ファイル、rules.ok ファイル、プロファイルなど) がすべて置かれます 。JumpStart ディレクトリは、プロファイルサーバーのルート (/) ディレクトリに作成する必要があります。

JumpStart ディレクトリを持つサーバーは、「プロファイルサーバー」と呼びます。プロファイルサーバーは、インストールサーバーまたはブートサーバーと同じにすることも、あるいは異なるサーバーとして独立させることもできます。プロファイルサーバーは、異なるプラットフォームのシステムにもカスタム JumpStart ファイルを提供できます。たとえば、IA サーバーは、SPARC システムと IA システムの両方にカスタム JumpStart ファイルを提供できます。


注 –

プロファイルサーバーの作成後、システムがそのサーバーにアクセスできるように設定する必要があります。詳細は、すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする方法を参照してください。


JumpStart ディレクトリをサーバー上に作成する方法


注 –

この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャを使用せずにディスクを管理する方法の詳細は、http://docs.sun.com 上の Solaris 9 System Administration Collection に含まれている『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。Solaris 9 のリリース前には、Solaris 9 アーリーアクセスの『System Administration Guide: Basic Administration』を参照してください。Solaris 9 アーリーアクセスのマニュアルを参照する方法については、『Solaris 8 2/02 新規機能の概要』の「アーリーアクセス」をご覧ください。


  1. JumpStart ディレクトリを作成するサーバーに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. サーバーに JumpStart ディレクトリを作成します。


    # mkdir -m 755 jumpstart_dir_path
    

    jumpstart_dir_path は、JumpStart ディレクトリの絶対パスです。

    たとえば、次のコマンドは、ルートファイルシステムに jumpstart というディレクトリを作成し、アクセス権を 755 に設定します。


    # mkdir -m 755 /jumpstart
    
  3. /etc/dfs/dfstab ファイルを編集します。次のエントリを追加してください。


    share -F nfs -o ro,anon=0 jumpstart_dir_path
    

    たとえば、次のエントリは /jumpstart ディレクトリを共有します。


    share -F nfs -o ro,anon=0 /jumpstart
    
  4. shareall と入力して Enter を押します。

  5. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを JumpStart ディレクトリにコピーするかどうか決定します。

    • コピーしない場合は、手順 8 へ進みます。

    • コピーする場合は、次の表を利用して次に行う作業を決定します。

    例のコピー元 

    実行すべき作業 

    プラットフォームに対応した Solaris 8 DVD または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD 

    サーバーの CD-ROM ドライブに、Solaris 8 DVD または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を挿入します。 

    ボリュームマネージャが自動的に CD をマウントします。 

    ローカルディスク上で使用されているプラットフォーム用の Solaris 8 DVD イメージまたは Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージ

    Solaris 8 DVD イメージまたは Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 イメージが配置されている場所にディレクトリを移動します。たとえば、次のようにコマンドを入力します。  


    cd /export/install

  6. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを、プロファイルサーバーの JumpStart ディレクトリにコピーします。


    # cp -r media_path/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path
    

    media_path

    ローカルディスク上の CD、DVD、またはイメージのパス。 

    jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart ファイルの例を配置する、プロファイルサーバー上のパス。 

    たとえば、次のコマンドは、jumpstart_sample ディレクトリをプロファイルサーバー上の /jumpstart ディレクトリにコピーします。


    cp -r /cdrom/sol_8_sparc/s0/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* /jumpstart
    
  7. サンプル JumpStart ファイルを更新し、それらのファイルがサイトの環境内で動作するようにします。

  8. JumpStart ディレクトリの所有者が root で、そのアクセス権が 755 に設定されていることを確認します。

  9. ネットワーク上のシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるように設定します。

    詳細は、すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする方法を参照してください。

すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする方法

プロファイルサーバーを作成する際に、システムがカスタム JumpStart インストール中にプロファイルサーバーにアクセスできるようにする必要があります。このためには、次の方法があります。


注 –

以下の手順は、JumpStart ディレクトリをフロッピーディスクに保存する場合と、システムのブート時にプロファイルサーバーの場所を指定する場合は不要です。


この手順は、ネットワークインストール情報が /etc/bootparams ファイルに格納されている場合だけ有効です。ネットワークインストール情報は、次の場所に格納することもできます。

  1. インストールサーバーまたはブートサーバーにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. テキストエディタを使用して /etc/bootparams を開きます。

  3. 次のエントリを追加します。

    * install_config=server:jumpstart_dir_path
    

    すべてのシステムにアクセスできるように指定するワイルドカード文字 

    server

    JumpStart ディレクトリがあるプロファイルサーバーのホスト名 

    jumpstart_dir_path

    JumpStart ディレクトリの絶対パス 

    たとえば、次のエントリはすべてのシステムが、sherlock というサーバーにある /jumpstart ディレクトリにアクセスできるようにします。

    * install_config=sherlock:/jumpstart

    注意 – 注意 –

    この手順を使用した場合、インストールクライアントを起動したときに次のエラーメッセージが表示されることがあります。

    WARNING: getfile: RPC failed: error 5: (RPC Timed out).

    このエラーメッセージの詳細は、一般的な問題を参照してください。


    これで、すべてのシステムはプロファイルサーバーにアクセスできるようになりました。

スタンドアロンシステム用のプロファイルフロッピーディスクの作成

JumpStart ディレクトリを含むフロッピーディスクは、プロファイルフロッピーディスクと呼ばれます。ネットワークに接続されていないシステムには、プロファイルサーバーへのアクセス権はありません。このため、システムがネットワークに接続されていない場合はフロッピーディスク上に JumpStart ディレクトリを作成する必要があります。プロファイルフロッピーディスクを作成するシステムには、フロッピーディスクドライブが必要です。

JumpStart ディレクトリには、重要なカスタム JumpStart ファイル (rules ファイル、rules.ok ファイル、プロファイルなど) がすべて入っています。JumpStart ディレクトリは、プロファイルフロッピーディスクのルート (/) ディレクトリに作成する必要があります。

SPARC: プロファイルフロッピーディスクを作成する方法


注 –

この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャを使用せずにフロッピーディスク、CD、および DVD を管理する方法の詳細は、http://docs.sun.com 上の Solaris 9 System Administration Collection に含まれている『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。Solaris 9 のリリース前には、Solaris 9 アーリーアクセスの『System Administration Guide: Basic Administration』を参照してください。Solaris 9 アーリーアクセスのマニュアルを参照する方法については、『Solaris 8 2/02 新規機能の概要』の「アーリーアクセス」をご覧ください。


  1. フロッピーディスクドライブマネージャを持つ SPARC システムに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 空のフロッピーディスクまたは上書き可能なディスクをフロッピーディスクドライブに挿入します。

  3. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    
  4. フロッピーディスクに UNIX ファイルシステム (UFS) が含まれているかどうかを確認します。

    システム上のファイル /etc/mnttab の内容を調べ、次のようなエントリがないか確認します。


    /vol/dev/diskette0/scrap  /floppy/scrap  ufs  suid,rw,largefiles,dev=1740008  927147040
    • このようなエントリが存在する場合は、手順 7 へ進みます。

    • エントリが存在しない場合は、次の手順へ進みます。

  5. フロッピーディスクをフォーマットします。


    注意 – 注意 –

    この手順によって、フロッピーディスク上のすべてのデータは上書きされます。



    # fdformat -U
    
  6. フロッピーディスクに UFS ファイルシステムを作成します。


    # newfs /vol/dev/aliases/floppy0
    
  7. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを JumpStart ディレクトリにコピーするかどうかを決定します。

    • コピーしない場合は、手順 10 へ進みます。

    • コピーする場合は、次の表を利用して次に行う作業を決定します。

    例のコピー元 

    実行すべき作業 

    Solaris 8 DVD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) 

    サーバーの CD-ROM ドライブに Solaris 8 DVD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) を挿入します。 

    ボリュームマネージャが自動的に CD をマウントします。 

    ローカルディスク上の Solaris 8 DVD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) のイメージ

    Solaris 8 DVD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) イメージの場所にディレクトリを移動させます。コマンド例を示します。Solaris 8 LANGUAGES CD (SPARC) に含まれているパッケージのリストです。 


    cd /export/install
    

  8. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを、プロファイルフロッピーディスクのルートディレクトリ (JumpStart ディレクトリ) にコピーします。


    # cp -r media_path/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path
    

    media_path

    ローカルディスク上の CD、DVD、またはイメージのパス。 

    jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart のサンプルファイルを配置するプロファイルフロッピーディスクのパス。 


    注 –

    すべてのカスタム JumpStart インストールファイルは、フロッピーディスクのルートディレクトリに置かれている必要があります。


    たとえば、次のコマンドは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) の jumpstart_sample の内容を、プロファイルフロッピーディスク scrap のルート (/) ディレクトリにコピーします。


    cp -r /cdrom/sol_8_sparc/s0/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* /floppy/scrap
    
  9. プロファイルフロッピーディスク上の JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。

  10. JumpStart ディレクトリの所有者が root で、そのアクセス権が 755 に設定されていることを確認します。

  11. フロッピーディスクを取り出します。


    # eject floppy
    

    これで、プロファイルフロッピーディスクの作成が完了しました。rules ファイルを更新して、プロファイルフロッピーディスクにプロファイルを作成して、カスタム JumpStart インストールを実行できます。処理を続けるには、rules ファイルの作成へ進んでください。

x86: プロファイルフロッピーディスクを作成する方法


注 –

この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャを使用せずにフロッピーディスク、CD、および DVD を管理する方法の詳細は、http://docs.sun.com 上の Solaris 9 System Administration Collection に含まれている『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。Solaris 9 のリリース前には、Solaris 9 アーリーアクセスの『System Administration Guide: Basic Administration』を参照してください。Solaris 9 アーリーアクセスのマニュアルを参照する方法については、『Solaris 8 2/02 新規機能の概要』の「アーリーアクセス」をご覧ください。


  1. フロッピーディスクドライブを持つ SPARC システムまたは IA システムにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. Solaris 8 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) をフロッピーディスクドライブ (通常はドライブ A) に挿入します。このフロッピーディスクは、プロファイルフロッピーディスクとして使用します。


    x86 のみ –

    ブートフロッピーディスクソフトウェアは、http://soldc.sun.com/support/drivers/dcs_diskettes の「Solaris Developer Connection」からこのソフトウェアをダウンロードしてフロッピーディスクにコピーすることによってアクセスできるようになります。


  3. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    
  4. Solaris 8 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクイメージをシステムのハードディスクにコピーします。


    # dd if=/vol/dev/aliases/floppy0 of=boot_image
    

    ここで boot_image は Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクイメージがコピーされるファイル名です。絶対パス名を指定できます。

    たとえば次のコマンドは、ブートフロッピーディスクを boot_save ファイルにコピーします。


    dd if=/vol/dev/aliases/floppy0 of=boot_save
    
  5. 「ファイル・マネージャ (File Manager)」ウィンドウの「取り出し (Eject Disk)」をクリックするか、コマンド行に eject floppy と入力して、フロッピーディスクを取り出します。

  6. 「リムーバブルメディア・マネージャ (Removable Media manager)」画面で「了解 (OK)」をクリックします。

  7. Solaris 8 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) を手動で取り出します。

  8. 空のフロッピーディスクまたは上書き可能なディスクをフロッピーディスクドライブに挿入します。

  9. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    
  10. フロッピーディスクをフォーマットします。


    注意 – 注意 –

    この手順によって、フロッピーディスク上のすべてのデータは上書きされます。



    # fdformat -d -U
    
  11. Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクイメージを、システムのハードディスクからフォーマットしたフロッピーディスクにコピーします。


    # dd if=boot_image of=/vol/dev/aliases/floppy0
    

    ここで boot_image は、Solaris 8 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) のイメージをコピーするファイル名を示します。絶対パス名を指定できます。

  12. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを JumpStart ディレクトリにコピーするかどうかを決定します。

    • コピーしない場合は、手順 15 へ進みます。

    • コピーする場合は、次の表を利用して次に行う作業を決定します。

    例のコピー元 

    実行すべき作業 

    Solaris 8 DVD (Intel) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) 

    サーバーの CD-ROM ドライブに、Solaris 8 DVD (Intel) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) を挿入します。 

    ボリュームマネージャが自動的に CD をマウントします。 

    ローカルディスク上の Solaris 8 DVD (Intel) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) のイメージ

    Solaris 8 DVD (Intel) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージが置かれたディレクトリに移動します。入力例を示します。 


    cd /export/install

  13. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを、プロファイルフロッピーディスクのルートディレクトリ (JumpStart ディレクトリ) にコピーします。


    # cp -r media_path/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path
    

    media_path

    ディスク上の CD、DVD、またはイメージのパス。 

    jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart のサンプルファイルを置くプロファイルフロッピーディスクのパス。 


    注 –

    プロファイルフロッピーディスクを使用するときは、すべてのカスタム JumpStart インストールファイルは、フロッピーディスクのルートディレクトリに置かれている必要があります。


    たとえば、次のコマンドは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) の jumpstart_sample の内容を、プロファイルフロッピーディスク scrap のルート (/) ディレクトリにコピーします。


    cp -r /cdrom/sol_8_ia/s2/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* /floppy/scrap
    
  14. プロファイルフロッピーディスク上の JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。

  15. JumpStart ディレクトリの所有者が rootで、そのアクセス権が 755 に設定されていることを確認します。

  16. 「ファイル・マネージャ (File Manager)」ウィンドウの「取り出し (Eject Disk)」をクリックするか、コマンド行に eject floppy と入力して、フロッピーディスクを取り出します。

  17. 「リムーバブルメディア・マネージャ (Removable Media Manager)」画面で「了解 (OK)」をクリックします。

  18. フロッピーディスクを手動で取り出します。

これで、プロファイルフロッピーディスクの作成が完了しました。rules ファイルを更新して、プロファイルフロッピーディスクにプロファイルを作成して、カスタム JumpStart インストールを実行できます。処理を続けるには、rules ファイルの作成へ進んでください。

rules ファイルの作成

rules ファイルは、Solaris オペレーティング環境のインストール先となる各システムグループのルールを含むテキストファイルです。各ルールは 1 つ以上のシステム属性をベースとした一連のシステムを識別するとともに、各グループをプロファイルにリンクします。プロファイルは、グループ内の各システムに Solaris ソフトウェアをどのようにインストールするかを示したテキストファイルです。たとえば、次のルールは JumpStart プログラムが basic_prof プロファイル内の情報を使用し、i86pc プラットフォームグループを持つすべてのシステムに対してインストールを実行することを示します。

karch i86pc - basic_prof -

rules ファイルを使用して、カスタム JumpStart インストールに必要な rules.ok ファイルを作成します。


注 –

スタンドアロンシステム用のプロファイルフロッピーディスクの作成 または ネットワーク上のシステム用のプロファイルサーバーの作成 の手順にしたがって JumpStart ディレクトリを設定した場合は、JumpStart ディレクトリに rules ファイルのサンプルがあります。rules ファイルのサンプルには、説明といくつかのルール例があります。サンプルの rules ファイルを利用する場合は、使用しないルール例は必ずコメントにしておいてください。


rules ファイルの構文

rules ファイルは、次のように作成する必要があります。

rules ファイルには、次の要素を任意に含めることができます。

rules ファイルを作成する方法

  1. テキストエディタを使用して rules というテキストファイルを作成するか、あるいは作成済みの JumpStart ディレクトリからサンプル rules ファイルを開きます。

  2. Solaris ソフトウェアのインストール先となるシステムグループごとに 1 つのルールを rules ファイルに追加します。

    rules ファイルのキーワードと値の一覧は、ルールキーワードと値の説明を参照してください。

    rules ファイル内のルールは、次の構文に従っている必要があります。

    [[!]]rule_keyword rule_value [[&& [[!]]rule_keyword rule_value]] ... begin  profile  finish
    
    表 23–2 ルールの構文要素

    要素 

    説明 

    !

    ルールキーワードの前で使用し、否定を示す記号 

    rule_keyword

    これは、ホスト名 (hostname) やメモリーサイズ (memsize) などの一般的なシステム属性を記述する事前定義された字句単位または語。rule_keyword は、同じ属性を持つシステムを 1 つのプロファイルに対応させるためにルール値と共に使用される。ルールキーワードの一覧は、ルールキーワードと値の説明を参照してください。

    rule_value

    対応するルールキーワードに特定のシステム属性を与える値。ルール値の一覧は、ルールキーワードと値の説明 を参照

    &&

    ルールキーワードとルール値のペアを同じルールで結合する (論理積をとる) ときに使用する記号。カスタム JumpStart インストール時に、システムがルール内のすべてのペアに一致しなければ、ルールの一致は成立しない 

    begin

    インストールが開始する前に実行できるオプションの Bourne シェルスクリプト名。begin スクリプトがない場合、このフィールドにマイナス記号 (-) を指定する必要がある。begin スクリプトはすべて、JumpStart ディレクトリになければならない。 

    begin スクリプトの作成方法の詳細は、begin スクリプトの作成を参照

    profile

    テキストファイル名。システムがルールに一致したとき Solaris ソフトウェアがシステムにどのようにインストールされるかを定義している。プロファイル内の情報は、プロファイルキーワードと、それらに対応するプロファイル値から構成される。すべてのプロファイルは JumpStart ディレクトリになければならない。 


    注 –

    プロファイルフィールドについては、別の使用方法もあります。詳細は、サイト固有のインストールプログラムの使用begin スクリプトによる動的プロファイルの作成を参照してください。


    finish

    インストール終了後に実行できるオプションの Bourne シェルスクリプト名。finish スクリプトがない場合、このフィールドにマイナス記号 (-) を指定する必要がある。finish スクリプトはすべて、JumpStart ディレクトリになければならない。 

    finish スクリプトの作成方法の詳細は、finish スクリプトの作成を参照

    各ルールには、少なくとも次の要素を含める必要があります。

    • キーワード、値、および対応するプロファイル

    • begin および finish フィールド内のマイナス記号 (-) (begin および finish スクリプトが指定されない場合)

  3. rules ファイルを JumpStart ディレクトリに保存します。

  4. rootrules ファイルを所有していて、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。

rules ファイルの例

次のサンプルファイルは、rules ファイル内のルールをいくつか示しています。各行には、ルールキーワードとそのキーワードに有効な値があります。JumpStart プログラムは、rules ファイルを上から下へ走査します。

ルールキーワードと値を既知のシステムに対応付けることができた場合、JumpStart プログラムは profile フィールドに示されているプロファイルによって指定されている Solaris ソフトウェアをインストールします。


例 23–1 rule ファイル

 # rule keywords and rule values       begin script       profile       finish script
 # -----------------------------       ------------       --------      -------------
  hostname eng-11                      -                  basic_prof    -
  network 192.43.34.0 && !model \
 'SUNW,SPARCstation-20'2               -                  net_prof      -
  model SUNW,SPARCstation-LX3          -                  lx_prof       complete
  network 193.144.2.0 && karch i86pc  setup4              IA_prof       done
  memsize 16-32 && arch i3865          -                  prog_prof     -
  any6  -                              -                  generic_prof  -
  1. このルールは、システムのホスト名が eng-1 の場合に一致します。basic_prof プロファイルは、ルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

  2. このルールは、システムがサブネット 192.43.34.0 にあって、SPARCstationTM 20 (SUNW, SPARCstation-20) ではない場合に一致します。net_prof プロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。このルールは、rules ファイルの構文に説明されているルールラップの例も示しています。

  3. このルールは、システムが SPARCstation LX である場合に一致します。lx_prof プロファイルと complete 終了スクリプトは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

  4. このルールは、システムが 193.144.2.0 にあって、IA ベースのシステムである場合に一致します。setup 開始スクリプト、IA_prof プロファイル、および done 終了スクリプトは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

  5. このルールは、システムに 16 〜 32M バイトのメモリーがあって、IA システムである場合に一致します。prog_profプロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

  6. このルールは、上記のルールに一致しなかったすべてのシステムに一致します。generic_prof プロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。any を使用する場合は、この値を常に rules ファイルの最後のファイルとして使用する必要があります。


プロファイルの作成

プロファイルは、システムに Solaris ソフトウェアをインストールする方法を示したテキストファイルです。プロファイルには、インストール要素 (インストールするソフトウェアグループなど) を指定します。各ルールには、システムのインストール方法を示すプロファイルを指定します。プロファイルは、ルールごとに異なるものを作成しても、複数のルールに同じものを使用しても構いません。

プロファイルは、1 つまたは複数のプロファイルキーワードとそれらの値から構成されます。各プロファイルキーワードは、JumpStart プログラムがどのようにしてシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするかを制御するコマンドです。たとえば、次のプロファイルキーワードと値は、JumpStart プログラムがシステムをサーバーとしてインクルードすることを指定しています。

system_type  server

注 –

ネットワーク上のシステム用のプロファイルサーバーの作成または スタンドアロンシステム用のプロファイルフロッピーディスクの作成の手順を使用して JumpStart ディレクトリを作成した場合、プロファイルのサンプルが JumpStart ディレクトリにあります。


プロファイルの構文

プロファイルには次の要素を含める必要があります。

プロファイルには以下の要素を含めることができます。

プロファイルを作成する方法

  1. テキストエディタを使用してテキストファイルを作成し、わかりやすい名前を付けます。または、作成した JumpStart ディレクトリ内のサンプルプロファイルを開きます。


    注 –

    プロファイルの名前は、システムに Solaris ソフトウェアをインストールするためにそのプロファイルをどのように使用するかを示すものにしてください (例: basic_install eng_profileuser_profile)。


  2. プロファイルにプロファイルキーワードと値を追加します。

    プロファイルのキーワードと値の一覧は、プロファイルキーワードと値を参照してください。


    注 –

    プロファイルキーワードとプロファイル値には、大文字と小文字の区別があります。


  3. JumpStart ディレクトリにプロファイルを保存します。

  4. プロファイルの所有権が root で、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。

  5. (省略可能) プロファイルをテストします。

    プロファイルのテストに関する情報については、プロファイルのテストを参照してください。

プロファイルの例

次のサンプルプロファイルは、さまざまなプロファイルキーワードとプロファイル値を使用して、Solaris ソフトウェアをシステムにどのようにインストールするかを指定する方法を示しています。プロファイルキーワードと値には、プロファイルキーワードと値の説明を示してあります。


例 23–2 リモートファイルシステムのマウントとパッケージの追加および削除

 
# profile keywords        profile values
# -----------------       -----------------
  install_type            initial_install1
  system_type             standalone2
  partitioning            default3
  filesys                 any 512 swap   # specify size of /swap
  cluster                 SUNWCprog4
  package                 SUNWman delete5
  package                 SUNWolman delete
  package                 SUNWxwman delete
  package                 SUNWoldem add
  package                 SUNWxwdem add
  package                 SUNWoldim add
  package                 SUNWxwdim add
  1. install_type キーワードは、すべてのプロファイルに必要です。

  2. system_type キーワードは、システムをスタンドアロンシステムとしてインストールするように定義します。

  3. ファイルシステムスライスは、インストールするソフトウェアごとに default 値を使用して決定されます。swap は 512M バイトに設定され、値が any であるすべてのディスクにインストールされます。標準のマニュアルページは、ネットワーク上のファイルサーバー s_ref からマウントされます。

  4. 開発者システムサポートソフトウェアグループ (SUNWCprog) がシステムにインストールされます。

  5. マニュアルページはリモートからマウントされるため、マニュアルページパッケージはシステムにインストールされません。ただし、OPEN LOOK および X Window System のデモプログラムとイメージが入ったパッケージはシステムにインストールされます。



例 23–3 ファイルシステムのインストール場所の指定

# profile keywords        profile values
# ----------------        -------------------
  install_type	        initial_install
  system_type             standalone
 
  partitioning            explicit1
  filesys                 c0t0d0s0 auto /
  filesys                 c0t3d0s1 auto swap
  filesys                 any auto usr
  cluster                 SUNWCall2
  1. ファイルシステムスライスは、filesys キーワード (explicit 値) によって指定します。ルート (/) のサイズは、選択したソフトウェア (値 auto) にもとづいて c0t0d0s0 にインストールされます。swap は、必要なサイズに設定された上で c0t3d0s1 上にインストールされます。usr は、選択したソフトウェア (値 any) にもとづきインストールプログラムによってインストール先が決定されます。

  2. 全体ディストリビューションフトウェアグループ (SUNWCall) がシステムにインストールされます。



例 23–4 x86: fdisk キーワードの使用方法

# profile keywords      profile values
# ----------------      -------------------
  install_type          initial_install
  system_type           standalone

  fdisk                 c0t0d0 0x04 delete1
  fdisk                 c0t0d0 solaris maxfree2
  cluster               SUNWCall3
  cluster               SUNWCacc delete4
  1. タイプ DOSOS16 (04 16 進) の fdisk パーティションはすべて、c0t0d0 ディスクから削除されます。

  2. Solaris fdisk パーティションが、c0t0d0 ディスク上の最大の連続空き領域に作成されます。

  3. 全体ディストリビューションソフトウェアグループ (SUNWCall) がシステムにインストールされます。

  4. システムアカウントユーティリティ (SUNWCacc) は、システムにインストールされません。



例 23–5 アップグレード用ディスク容量の再配置

# profile keywords         profile values
# ----------------         -------------------
  install_type             upgrade1
 
  root_device              c0t3d0s22
 
  backup_media             remote_filesystem timber:/export/scratch3
  layout_constraint        c0t3d0s2 changeable 1004
  layout_constraint        c0t3d0s4 changeable
  layout_constraint        c0t3d0s5 movable
 
  package                  SUNWbcp delete5
  package                  SUNWolman add6
  package                  SUNWxwman add
  cluster                  SUNWCumux add
 
  locale                   de7
  1. このプロファイルは、ディスク容量を再配置することによってシステムをアップグレードします。この例では、システム上のファイルシステムのいくつかにアップグレード用の容量が十分にないため、ディスク容量を再配置する必要があります。

  2. c0t3d0s2 のルートファイルシステムがアップグレードされます。

  3. リモートシステム timber が、ディスク容量の再配置中のデータのバックアップに使用されます。

  4. layout_constraint キーワードは、アップグレードのためにディスク領域の再配置を行う時に自動レイアウトが以下のことを実施できることを示します。

    • スライス 2 と 4 を変更する。これらのスライスはほかの場所へ移動が可能であり、サイズも変更できます。

    • スライス 5 を移動する。このスライスはほかの場所へ移動は可能ですが、サイズは同じに保つ必要があります。

  5. バイナリ互換パッケージ (SUNWbcp) は、アップグレード後、システムにインストールされません。

  6. このコードは、OPEN LOOK と X Window System のマニュアルページと汎用マルチプレクサソフトウェアがまだシステムにインストールされていない場合に、インストールされるようにするものです。すでにシステム上にあるすべてのパッケージが自動的にアップグレードされます。

  7. ドイツ語ローカライズパッケージがシステムにインストールされます。


プロファイルのテスト

プロファイルを作成した後で、pfinstall(1M) コマンドを使用してプロファイルをテストします。プロファイルのテストは、実際にプロファイルを使用してシステムのインストールまたはアップグレードを行う前に行なってください。

pfinstall が生成するインストール出力を調べることによって、意図するとおりにプロファイルが動作するかを簡単に調べることができます。たとえば、実際にシステムでアップグレードを行う前に、そのシステムが Solaris の新しいリリースにアップグレードするための十分なディスク容量を持っているかどうかをプロファイルで調べることができます。

pfinstall を利用すると、以下の要素に対してプロファイルをテストできます。

一時的な Solaris 8 環境を作成してプロファイルをテストする方法

特定の Solaris リリースでプロファイルを正常かつ正確にテストするには、同じリリースの Solaris 環境内にあるプロファイルをテストする必要があります。たとえば、Solaris 8 初期インストールプロファイルをテストする場合は、Solaris 8 を実行しているシステムに対して pfinstall コマンドを実行する必要があります。

以下のどちらかの状況でプロファイルをテストする場合は、一時的なインストール環境を作成する必要があります。

  1. 次に示すメディアのいずれか 1 つのイメージからシステムをブートします。

    • Solaris 8 DVD (SPARC)

    • Solaris 8 DVD (Intel)

    • Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC)

    • Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel)


    注 –

    アップグレードプロファイルをテストしたい場合は、アップグレードするシステムをブートしてください。


  2. システムを識別するための質問に答えます。

  3. Solaris 8 オペレーティング環境をインストールするプログラムとして Solaris 8 対話式インストールプログラムを選択します。

  4. 表示される最初の画面を閉じます。

  5. シェルから pfinstall コマンドを実行します。

プロファイルをテストする方法

  1. プロファイルを作成したシステムと同じプラットフォームタイプ (SPARC または IA) のシステムであることを確認します。

    アップグレードプロファイルをテストする場合、アップグレードする実際のシステム上のプロファイルをテストしてください。

  2. 次の表にもとづいて、次に行うことを決定します。

    状態 

    手順 

    初期インストールプロファイルをテストする (Solaris 8 ソフトウェアが動作しているシステムがある場合) 

    そのシステムでスーパーユーザーになり、手順 5 へ進みます。

    アップグレードプロファイルをテストする (初期インストールプロファイルをテストするための Solaris 8 が動作しているシステムがない場合) 

    一時的な Solaris 8 環境を作成し、プロファイルをテストします。詳細は、一時的な Solaris 8 環境を作成してプロファイルをテストする方法を参照してください。続いて、手順 3へ進みます。

  3. 一時的なマウントポイントを作成します。


    # mkdir /tmp/mnt
    
  4. テストしたいプロファイル (1 つ以上) が入ったディレクトリをマウントします。

    マウントするメディア 

    コマンド 

    リモート NFS ファイルシステムをマウントする (ネットワーク上のシステムの場合) 


    mount -F nfs server_name:path /tmp/mnt
    

    UFS フォーマットのフロッピーディスクをマウントする 


    mount -F ufs /dev/diskette /tmp/mnt
    

    PCFS フォーマットのフロッピーディスクをマウントする 


    mount -F pcfs /dev/diskette /tmp/mnt
    

  5. システムのメモリーサイズを指定してプロファイルをテストするには、SYS_MEMSIZE に使用するメモリーサイズを M バイトで設定します。


    # SYS_MEMSIZE=memory_size
    # export SYS_MEMSIZE
    

  6. 手順 4 でディレクトリを

    • マウントした場合は、/tmp/mnt にディレクトリを変更します。


      # cd /tmp/mnt
      

    • マウントしなかった場合は、プロファイルのある場所にディレクトリを変更します。通常は、JumpStart ディレクトリです。


      # cd jumpstart_dir_path
      

  7. pfinstall(1M) コマンドによってプロファイルをテストします。


    # /usr/sbin/install.d/pfinstall -D:-d disk_config_file[[-c path]] profile
    

    注意 – 注意 –

    -d または -D オプションを指定してください。いずれかを指定しないと pfinstall は指定されたプロファイルを使用して Solaris 8 ソフトウェアをインストールします。その結果、システム上のデータがすべて上書きされます。


    -D

    pfinstall は、現在のシステムのディスク構成を使用してプロファイルをテストします。アップグレードプロファイルをテストする場合は、-D オプションを使用する必要があります。

    -d disk_config_file

    pfinstall は、ディスク構成ファイル (disk_config_file) を使用してプロファイルをテストします。pfinstall が動作しているディレクトリに disk_config_file が置かれていない場合は、パスを指定する必要があります。

    ディスク構成ファイルの作成方法については、ディスク構成ファイルの作成を参照してください。

     


    注 –

    アップグレードプロファイル (install_type upgrade) で -d disk_config_file オプションを使用することはできません。常に、システムのディスク構成に対してアップグレードプロファイルをテストする必要があります (つまり、-D オプションを使用する必要があります)。


    -c path

    Solaris 8 ソフトウェアイメージのパス。このオプションは、たとえば、システムでボリュームマネージャを使用して Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC または Intel) を各自のプラットフォームにマウントする場合に使用します。 


    注 –

    プラットフォーム対応の Solaris 8 DVD または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージからブートした場合は、-c オプションは不要です。DVD または CD イメージは、ブート処理の一環として /cdrom 上にマウントされます。


    profile

    テストするプロファイル名。profilepfinstall が実行されているディレクトリにない場合は、パスを指定する必要があります。

プロファイルテストの例

次の例は、pfinstall を使用して basic_prof というプロファイルをテストする方法を示しています。このテストは、Solaris 8 ソフトウェアがインストールされているシステム上のディスク構成に対して行われます。basic_prof プロファイルは、/jumpstart ディレクトリにあります。ボリュームマネージャを使用しているので、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージへのパスが指定されています。


例 23–6 Solaris 8 システムによるプロファイルテスト


# cd /jumpstart
# /usr/sbin/install.d/pfinstall -D -c /cdrom/pathname basic_prof

次の例は、pfinstall を使用して Solaris 8 システム上の basic_prof というプロファイルをテストする方法を示しています。535_test ディスク構成ファイルがテストされ、システムメモリーが 64M バイトあるかどうか確認されます。また、この例で pfinstall は、/export/install ディレクトリにある Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) のイメージを使用します。


例 23–7 ディスク構成ファイルによるプロファイルテスト


# SYS_MEMSIZE=64
# export SYS_MEMSIZE
# /usr/sbin/install.d/pfinstall -d 535_test -c /export/install basic_prof

rules ファイルの妥当性を検査する

rules ファイルとプロファイルは、check スクリプトを実行して、これらのファイルが正しく設定されていることを確認してからでないと使用できません。すべてのルールとプロファイルが有効な場合は、rules.ok ファイルが作成されます。このファイルは、カスタム JumpStart インストールソフトウェアがシステムをプロファイルと照合するために必要です。

表 23–3check スクリプトの動作を示します。

表 23–3 check スクリプト使用の流れ

手順 

説明 

rules ファイルの構文検査を行う。

 

check は、ルールキーワードが正当かどうか、および各ルールに対して begin フィールド、 class フィールド、および finish フィールドが指定されているかどうかを確認する(begin および finish フィールドはファイル名でなくマイナス記号 (-) であることもある)。

rules ファイルにエラーがなければ、ルールに指定された各プロファイルの構文検査が行われる。

エラーがなければ、check スクリプトは rules ファイルから rules.ok ファイルを作成する。コメントと空白行をすべて削除し、すべてのルールを保持し、終わりに次のコメント行を追加する。

# version=2 checksum=num

rules ファイルの妥当性を検査する方法

  1. check スクリプトが JumpStart ディレクトリにあることを確認します。


    注 –

    check スクリプトは、Solaris 8 DVD または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD の Solaris_8/Misc/jumpstart_sample ディレクトリにあります。


  2. JumpStart ディレクトリへ移動します。

  3. check スクリプトを実行して rules ファイルの妥当性を検査します。


    $ ./check [[-p path -r file_name]]

    -p path

    使用しているシステムの check スクリプトではなく Solaris 8 ソフトウェアイメージの check スクリプトを使用して rules を検証します。path は、ローカルディスク、マウントされた Solaris 8 DVD、または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD 上のイメージです。

    システムが以前のバージョンの Solaris を実行している場合、このオプションを使用して、一番新しい check バージョンを実行します。 

    -r file_name

    名前が rules 以外の rules ファイル名を指定します。このオプションを使用すると、rules ファイルに組み込む前にルールの妥当性を検査できます。

    check スクリプトを実行すると、rules ファイルの有効性と各プロファイルの有効性の検査結果が表示されます。エラーが見つからない場合は、The custom JumpStart configuration is ok と表示されます。

  4. rootrules.ok ファイルを所有していて、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。

rules ファイルの検証が終わると、第 24 章「カスタム JumpStart オプション機能の使用」でオプションのカスタム JumpStart 機能について参照してください。カスタム JumpStart インストールの実行については、第 26 章「カスタム JumpStart インストールの実行」を参照してください。