Sun Java Enterprise System 2005Q4 インストールガイド(UNIX 版)

アンインストーラの実行

「アンインストールの前提条件」の関連作業が完了すると、アンインストーラを実行する準備が整います。ここでは、アンインストーラを使用する 3 とおりの方法を説明します。

uninstall コマンドの構文については、付録 B 「インストールコマンド」を参照してください。

グラフィカルモードでのアンインストーラの実行

ここでは、対話形式によるグラフィカルインタフェースを使用して、Java ES コンポーネントをアンインストールする方法を説明します。

Procedureグラフィカルアンインストーラの起動

手順
  1. (オプション) ローカルディスプレイへのアクセスを確保します。

    リモートマシンにログインするときは、DISPLAY 環境変数がローカルディスプレイに適した設定になっていることを確認します。DISPLAY 変数が正しく設定されていないと、インストーラはテキストベースモードで実行されます。

    • C Shell での例 (マシン名は myhost):


      setenv DISPLAY myhost:0.0
    • Korn Shell での例 (マシン名は myhost):


      DISPLAY=myhost:0.0

      ローカルディスプレイでインストーラを実行するには、表示権限の付与が必要になる場合があります。たとえば、次のコマンドを使用して、myhost から serverhost のルートユーザーに表示権限を付与することができます。


      myhost\> xauth extract - myhost:0.0|rsh -l root serverhost xauth merge -

    注 –

    このような権限を安全に付与する手順については、『Solaris X Window System 開発ガイド』の「サーバーに対するアクセスの操作」の章を参照してください。


  2. root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。

  3. アンインストーラが格納されているディレクトリに移動します。

    • Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys4

    • Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys4

  4. グラフィカルアンインストーラを起動します。


    ./uninstall

    「ようこそ」ページが表示されます。

  5. 「次へ」をクリックして処理を継続します。

    「コンポーネントの選択」ページが表示されます。

Procedureアンインストールするコンポーネントの選択

手順
  1. コンポーネントを調べて、アンインストールするコンポーネントを選択します。

    • システムにインストールされて有効になっているコンポーネントを選択できます。システムにインストールされていないコンポーネントは選択できません。

    • コンポーネントによっては、サブコンポーネントを含むものもあります。それらのコンポーネントを展開すると、対応するサブコンポーネントが表示されます。

    • サブコンポーネントを含むコンポーネントの選択を解除したときは、コンポーネントを展開し、サブコンポーネントのリストを確認します。

  2. 選択内容に問題がなければ、「次へ」をクリックします。

  3. アンインストーラが削除対象として選択された製品間の依存関係を認識し、設定データが失われる可能性が検出された場合には、警告メッセージが出力されます。次のいずれかを選択できます。

    1. 「続行」をクリックして、アンインストールを続行します。

    2. 「閉じる」をクリックして、「コンポーネントの選択」ページに戻ります。

Procedure管理者アクセス権の付与

削除を指定したコンポーネントによっては、アンインストーラから管理者 ID とパスワードが要求されます。アンインストーラで入力する必要のある情報の詳細については、「アンインストーラ用の管理者アクセス権の付与」を参照してください。


注 –

それに加えて、ポート番号またはホスト名の入力を求められる場合もあります。


手順
  1. 必要な管理者情報を指定します。

  2. 「次へ」をクリックして、「アンインストールの準備が完了しています」ページに進みます。

Procedureソフトウェアのアンインストール

アンインストーラは、削除対象として選択されたコンポーネントと再利用可能になるディスク容量の合計を一覧表示します。

手順
  1. アンインストールの選択内容を確認します。

    1. 変更が必要な場合は、「戻る」を何度かクリックして「コンポーネントの選択」ページを表示します。

    2. 「コンポーネントの選択」ページの情報を必要に応じて変更します。

    3. 「次へ」をクリックし、アンインストーラページを再び先に進めます。

      アンインストーラは、ユーザーが以前に指定した値を記憶しています。ユーザーが以前に指定した値は変更可能です。

  2. 選択内容に問題がなければ、「次へ」をクリックします。

    アンインストーラはシステムからのソフトウェアの削除を開始し、次の情報を表示します。

    • 現在削除中のパッケージの名前

    • 全体的な完了割合を示す進捗状況バー

    • すべてのコンポーネント製品ソフトウェアの削除が完了すると、アンインストーラは「アンインストールが完了しました」ページを表示します。

  3. 「サマリーの表示」ボタンまたは「アンインストールログの表示」ボタンをクリックすると、アンインストールに関する情報が表示されます。

    • アンインストールサマリー: アンインストールされたコンポーネントおよびそれらのコンポーネントの設定情報がリストされます。

    • アンインストールログ: アンインストール時にアンインストーラが出力したすべてのメッセージが表示されます。

    • アンインストールのサマリーファイルとログファイルは、次の場所でも確認できます。

      Solaris OS の場合: /var/sadm/install/logs

      Linux の場合: /var/opt/sun/install/logs

  4. 「閉じる」をクリックしてアンインストーラを終了します。

  5. Access Manager または Messaging Server をインストールした場合は、「アンインストール後の作業」に進みます。

テキストベースモードでのアンインストーラの実行

テキストベースインタフェースを使用すると、端末ウィンドウ内に表示されるプロンプトに順次応答することで、端末ウィンドウからアンインストーラを直接実行できます。


ヒント –

アンインストール時のテキストベースの入力要求については、「テキストベースのインタフェースの使用方法」を参照してください。


アンインストール中に問題が発生した場合は、第 9 章「トラブルシューティング」を参照してください。

Procedureテキストベースモードでのアンインストーラの起動

手順
  1. root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。

  2. アンインストーラのディレクトリに移動します。

    • Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys4

    • Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys4

  3. アンインストーラを実行します。


    ./uninstall -nodisplay

    「ようこそ」というメッセージが表示され、システムにインストールされているすべての使用可能な Java ES コンポーネントがリスト表示されます。

Procedureアンインストールするコンポーネントの選択

手順
  1. アンインストーラは、システム内で検出したインストール済みの Java ES コンポーネントすべてに番号を付けてリストし、削除対象として選択します。Return キーを押して、すべてのコンポーネントをアンインストールします。

    または、アンインストールするコンポーネントに対応する番号をコンマで区切ってリストにし、アンインストールするコンポーネントを指定して、Return キーを押します。


    注 –

    システムにインストールされていないコンポーネントは無効になっており、選択できません。


  2. アンインストーラは、削除対象として選択された製品間にコンポーネントの依存関係を検出すると、設定データが失われる可能性があることを知らせる警告メッセージが表示されます。次のいずれかを選択できます。

    1. アンインストールを続行するには、Yes と入力し、Return キーを押します。

    2. 「コンポーネントの選択」ページに戻るには、No と入力し、Return キーを押します。

    3. アンインストールを終了するには、! を入力し、Return キーを押します。

Procedure管理者アクセス権の付与

手順

    アンインストーラが管理者 ID とパスワードを必要とするコンポーネントを選択した場合は、管理者 ID とパスワードが要求されます。

    アンインストーラで入力する必要のある情報の詳細については、「アンインストーラ用の管理者アクセス権の付与」を参照してください。


    注 –

    削除対象として選択したコンポーネントによっては、ポート番号またはホスト名の入力を求められる場合もあります。


Procedureソフトウェアのアンインストール

アンインストーラは、ソフトウェアをシステムから削除する前に、サマリーページを表示します。 このページには、削除対象として選択されたコンポーネントが表示されます。

手順
  1. 選択内容を確認します。

    1. 変更が必要な場合は、「コンポーネントの選択」リストが表示されるまで、< 文字を入力し Return キーを押してページを順に戻ります。

    2. 「コンポーネントの選択」リストを必要に応じて変更します。

    3. アンインストーラ画面を再び先に進めます。

  2. 選択内容に問題がなければ、数値 1 を入力し、Return キーを押します。

    アンインストーラは、システムからのソフトウェアの削除を開始します。アンインストール時に、アンインストーラは全体的な完了割合を示す進捗状況バーを表示します。

    すべてのコンポーネントソフトウェアが削除されたら、アンインストールサマリーおよびログを表示することができます。

  3. 1 または 2 を入力し、Return キーを押してアンインストールに関する情報を表示します。

    • アンインストールサマリー: 1 を入力すると、アンインストールされたコンポーネントおよびそれらのコンポーネントの設定情報がリストされます。

    • アンインストールログ: 2 を入力すると、アンインストール時にアンインストーラが出力したすべてのメッセージがリストされます。

      アンインストールのサマリーファイルとログファイルは、次の場所でも見ることができます。

      Solaris OS の場合: /var/sadm/install/logs

      Linux の場合: /var/opt/sun/install/logs

  4. ! 文字を入力して、アンインストーラを終了します。

    Access Manager または Messaging Server をアンインストールした場合は、「アンインストール後の作業」に進みます。

サイレントモードでのアンインストーラの実行

サイレントアンインストールは、設定内容が似ている複数のホスト上の Java ES コンポーネントをアンインストールする場合に便利です。サイレントモードでのアンインストール手順は、第 5 章「サイレントモードでのインストール」で説明したサイレントモードでのインストール手順に似ています。

Procedure状態ファイルの作成

サイレントアンインストールを実行するには、まずグラフィカルモードまたはテキストベースモードで false を指定してアンインストールを実行し、状態ファイルを生成する必要があります。「状態ファイルの生成」を参照してください。

手順
  1. root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。

  2. アンインストーラのディレクトリに移動します。

    • Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys4

    • Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys4

  3. アンインストーラのグラフィカルインタフェースを使用する場合は、ローカルディスプレイへのアクセスを確保します。「グラフィカルモードでのアンインストーラの実行」を参照してください。

  4. サイレントモードでアンインストーラを実行します。次に例を示します。

    グラフィカルモードの場合:


    ./uninstall -no -saveState statefile_path
    

    テキストベースモードの場合:


    ./uninstall -no -nodisplay -saveState statefile_path
    

    uninstall コマンドの完全な構文については、「アンインストールコマンド」を参照してください。

  5. アンインストーラを最後まで実行します。

    ユーザーが入力要求に応答するたびに、アンインストーラはその内容を指定された状態ファイルに記録します。アンインストールが完了すると、指定した場所に状態ファイルが保存されます。ソフトウェアのアンインストールは行われません。

  6. サイレントアンインストールを実行するホストごとに、状態ファイルのコピーを作成します。

  7. 各ファイルを編集して、サイレントアンインストールを実行するホストに固有の情報を設定します。

    状態ファイルを編集する際の指針については、「状態ファイルの編集」を参照してください。状態ファイルの編集には状態ファイル ID の生成も含まれます。これについては、「プラットフォームに適した状態ファイル ID の作成」を参照してください。

Procedureサイレントモードでのアンインストーラの実行

手順
  1. Java ES コンポーネントをアンインストールするホストの状態ファイルが適切に準備され、編集されていることを確認します。

  2. 端末ウィンドウを開きます。

  3. root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。

  4. アンインストーラのディレクトリに移動します。

    • Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys4

    • Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys4

  5. アンインストーラを起動します。次に例を示します。


    ./uninstall -noconsole -state statefile_path
     
    

    uninstall コマンドの完全な構文については、「アンインストールコマンド」を参照してください。

Procedureサイレントアンインストールの進行状況の監視

手順
  1. 端末ウィンドウで、ログファイルのディレクトリに移動します。

    Solaris OS の場合: /var/sadm/install/logs

    Linux の場合: /var/opt/sun/install/logs

  2. 現在のアンインストールに関するログファイルを探します。監視対象のログファイルは、次のとおりです。


    Java_Enterprise_System_uninstall.Btimestamp
    

    timestamp 変数は、ログの作成時刻を表します。変数は MMddhhmm 形式で指定します。 各表記の意味は次のとおりです。

    MM

    月を示す 

    dd

    日付を示す 

    hh

    時間を示す 

    mm

    分を示す 

  3. tail コマンドを使用して、ログに書き込まれるメッセージを監視します。次に例を示します。


    tail -f logfile_name
    

    tail プログラムを終了するには、Ctrl+C キーを押します。